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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(平成26年9月末37.6%)に加え、市内に中心となる産業がないことなどにより、財政基盤が弱く、類似団体平均を大きく下回っている。平成26年度の財政力指数は、基準財政収入額のうち市町村民税所得割が減少したこと、支所に要する経費の算定見直し等により基準財政需要額のうち個別算定経費が増加したことなどにより微減した。今後も収納率の向上による税収の確保に努めるとともに、さらなる行政の効率化を図ることにより、財政の健全化に努める。また、大河ドラマや世界文化遺産登録により増加した観光需要を活かし、萩市総合戦略に基づき萩の創生に資する事業を展開し、地域振興を図る。
普通交付税の減少(-3億7千万円)等により、前年度から1%悪化した。平成27年度以降は合併特例期間の終了に伴う普通交付税の減少が始まることなど、比率が悪化する要因があり、引き続き公債費の発行抑制や定員適正化計画に基づく人件費の削減、公共施設等総合管理計画に基づく施設維持管理経費の抑制に努め、財政の健全化を図る。
類似団体平均を大きく上回っているのは、分母となる人口の減少による影響のほか、主に人件費が要因となっている。これは、市町村合併(1市2町4村)の影響により職員数が過大となっていることによるものであり、引き続き第2次定員適正化計画に基づき、定員の適正化、人件費の削減に努める。また、物件費についても類似団体の平均値を上回っているため、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の適正配置により、施設維持管理経費の削減に努める。
合併時(平成17年3月)に、厳正な職務職階制度や行政給料表(二)を導入し、平成18年度には、抜本的な給与構造改革を行った。さらに特殊勤務手当や住居手当の廃止・減額などの見直しを行い、給与制度の適正化に努めている。今後の国の給与や地域の民間給与を考慮しながら更なる給与制度の適正化に努める。なお、平成23年度及び平成24年度は、国家公務員の時限的な給与改定特例法による措置のため指数が100を超えているが、特例法の終了により平成23年度以前と同水準になっている。(国家公務員の時限的な給与改定特例法による措置が無いとした場合の参考値)平成23年度:98.6平成24年度:97.9
類似団体・全国平均と比べて過大となっているが、これは、多団体(1市2町4村)での市町村合併により広範な地域をカバーするため、総合事務所、支所、公民館等の出先機関を多く有することや離島を多く有しているという地理的な特殊要因に加え、保育園や消防を直営で行っていること、隣接自治体の消防事務や生活保護事務を行っていることなどから、人口千人当たり職員数が他団体と比較して多くなっている。市町村合併後(平成17)は、新規採用職員の抑制や早期退職制度等により人員削減を行っており、平成17年4月に比べ平成27年4月では普通会計職員数を172人削減しているが、依然として高い水準であり、平成27年3月に策定した第2次定員適正化計画に基づきながら、民間活力の導入等により組織体制を見直し、定員の適正化に努める。
平成27年度から合併特例期間の終了に伴い普通交付税が減少するため、平成26年度までに元利償還金のピークを超えるよう、償還期間の短縮を行ってきたことから、平成26年度までは単年度の元利償還金が多く、全国平均より悪い状況である。また、合併前の7市町村で発行された地方債のうち過疎対策事業債の割合が高く、他の地方債に比べ償還ペースが早いことも比率の悪化に影響している。平成27年度は、償還期間の短縮を終え、合併前の地方債の償還も終了してくることから、一般会計で約7億円の元利償還金を削減し、実質公債費比率の改善を見込んでいる。今後も将来負担比率と同様、地方債発行の抑制に努める。
普通交付税の一本算定による減少に備え、地方債発行額の抑制や償還期間の短縮を行ってきたことから、一般会計及び下水道事業の地方債残高が減少し、比率が改善している。また、平成25年度の豪雨災害により延期していた純繰越金の財政調整基金への積立を行ったこと、定員適正化により退職手当将来負担額が減少していることも比率の改善要因となっている。過疎対策事業債、合併特例事業債など交付税措置の割合が高い地方債が多いことから、全国平均より良い状況ではあるが、災害復旧期間のため多額の地方債を発行予定であり、住民1人当たりの地方債残高は依然として高い水準であることから、今後も地方債発行の抑制に努める。
平成25年度に比べ、平成26年度では定年退職者数が減少したことなどから、人件費に係る経常経費充当一般財源等は約1億4千万円減少しているものの、普通交付税の減少など経常一般財源歳入額が減少したことから、比率が0.1%増加している。また、人口1人当たりの人件費は122千円と類似団体平均の74千円を大きく上回っており、市町村合併(1市2町4村)により職員数が過大となっていることが要因であるため、引き続き定員適正化計画に基づき、定員の適正化、人件費の削減に努める。
経常収支比率は類似団体平均を下回っているが、清掃職員、学校給食調理員、保育士等の賃金の増加及び特定財源の減少等により、経常経費充当一般財源等が平成25年度に比べ1億2千万円増加したことから、比率が1%増加している。また、人口1人当たりの物件費は平成25年度に比べ3千円減少し72千円となったが、類似団体平均57千円を上回っており、特に需用費、委託料が類似団体平均と比べ多額であることから、合併前に整備した多数の公共施設の維持管理に要する光熱水費や維持管理業務委託料等が影響していると考えられる。今後は、平成27年3月に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の適正配置に努め、また、使用料収入の増加など特定財源の確保に努める。
扶助費に係る経常経費充当一般財源等は平成25年度とほぼ同額の約14億7千万円であるものの、普通交付税の減少など経常一般財源歳入額が減少したことから、比率が0.2%増加している。人口1人当たりの扶助費は85千円と類似団体平均の82千円を若干上回っているが、これは高齢者数の増加に伴い医療扶助が増加傾向にあることが要因と考えられる。今後、健康長寿に向けた取組を行い医療費の抑制に努める。
その他の経費に係る経常収支比率は全国平均及び類似団体平均を上回っており、繰出金がその要因となっている。繰出金の主なものは、介護保険事業及び下水道事業への繰出金となっており、介護保険事業については、扶助費と同様に健康長寿に向けた取組みに努めるとともに、下水道事業については、平成29年度から30年度にかけて公営企業法適用となることから、今後、経営計画の見直しを行う。その他、臨時的な経費であるため経常収支比率には影響しないが、平成25年度に発生した萩市東部集中豪雨災害により、平成25年度から平成27年度までの間、災害復旧経費が多額となっている。
平成25年度に比べ比率が0.4%減少しているが、公営企業会計(病院、水道事業)への出資金を含めた経常収支比率は5.8%となる。平成26年度は、萩・長門清掃一部事務組合で廃棄物処理施設を建設しており、一時的に負担金が多額であったことから、人口1人当たりの補助費等は平成25年度に比べ11千円増加し68千円となり、類似団体平均39千円を大きく上回っている。経常収支比率は類似団体平均を下回っているが、単独補助金の評価・見直しを毎年度行っており、今後も削減に努める。
平成27年度から合併特例期間の終了に伴い普通交付税が減少するため、平成26年度までに元利償還金のピークを超えるよう、償還期間の短縮を行ってきたことから、平成26年度までは単年度の元利償還金が多く、全国平均、類似団体平均を大きく上回っている。平成27年度は、償還期間の短縮や合併前の地方債の償還が終了してくることから、一般会計で約7億円の元利償還金を削減する。ただし、公債費及び公債費に準ずる費用を合計した額の人口1人当たりの平成26年度決算額は119千円で、類似団体平均58千円と比べ多額であり、引き続き地方債発行の抑制に努める。
公債費以外の経費に係る経常収支比率については、全国平均及び類似団体平均を下回っているが、人件費及び繰出金については平均を上回っている状況である。繰出金には、特別会計への公債費に対するものや人件費に対するものが含まれ、義務的な性質が強い。こうした義務的経費の削減が比率改善の課題であり、人件費、公債費については、合併直後から削減に努めていることから、歳出に占める義務的経費の構成比率が減少(平成24:44.4%、平成25:43.6%、平成26:41.9%)するなど一定の成果を上げているところである。繰出金についても、公営企業法適用化とあわせ、一般会計負担のあり方を見直し繰出金の抑制に努める。
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