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令和2年度までは類似団体平均と同水準で推移。令和3年度は新型コロナウイルス感染症の影響による市民税の減少や地域消費の拡大のための臨時経済対策費の増により0.01ポイント減少したが、令和4年度は大規模償却資産への投資により固定資産税が増加し、類似団体を0.08ポイント上回った。今後も歳出削減のための事業見直しや行政効率化に取り組む。
前年度に比べ5.3ポイントの増加となったが、類似団体平均と比較すると8.7ポイント低い状況にある。比率増加の主な要因は原油価格高騰等により経常経費が増加したことや、普通交付税の減少によるものである。今後も計画的な地方債の新規発行や事業見直しにより歳出削減に取り組む。
類似団体を上回っているのは、主に物件費と維持補修費が要因となっている。これは、合併により全国一の市域面積を有することとなり、施設数が大幅に増加したこと、指定管理者制度により多くの公の施設を委託料により管理運営していることによる。また、合併により市道延長も大幅に増加したことにより除雪に要する経費が大きくなっている。今後も公共施設等総合管理計画に基づく施設の統廃合等により、コスト縮減に努めるとともに、事業見直しなど健全な財政運営に努める。
合併に伴い2.2倍にまで膨れ上がった職員数は、その後の定員適正化計画の着実な推進により、類似団体平均とほぼ同じ水準となっている。広域な市域のため、人口あたりの職員数は以前として類似団体平均をやや上回る状況にあるが、民間活力の活用やDX計画の推進による業務の効率化を図り、引き続き適正な行政運営と職員管理を行っていく。
令和4年度は、前年度に比べて0.3ポイント減少し、類似団体を3.3ポイント下回っている。比率減少の主な要因は、地方債の新規発行を抑制してきたことにより、地方債残高が減少したことによるものである。今後も計画的な地方債の新規発行を行うとともに、交付税算入率の高い地方債の活用などにより、公債費負担の適正化に努める。
地方債の繰上償還や計画的な新規発行により地方債残高が減少したことや、財政調整基金等への積立により充当可能基金が増加したことから、平成22年度からは比率が算定されていない。今後、著大事業の建設等により地方債の新規発行や基金の取崩しが予定されていることから引き続き行財政改革を推進し、さらなる財政健全化に努める。
会計年度任用職員制度が開始された令和2年度以降、類似団体平均を上回っており、令和4年度は前年度から1.1ポイント増加している。人件費の一般財源充当額は職員の新陳代謝により前年度から0.2%減少したものの、普通交付税等の減少により比率としては増加している。今後も定員適正化を推進し、人件費の削減に努める。
令和2年度まで施設の維持管理経費の増加に伴い、増加傾向にあったが、令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による公共サービス利用控えなどの要因により減少した。令和4年度は、新型コロナウイルス感染症が収束傾向にあったことによる公共サービス利用の増加に加え、原油価格高騰による光熱費の高騰を受け、前年度から1.7ポイント増加した。今後も民間活力の活用による経営の効率化や施設の統廃合等による管理コスト削減に努める。
令和2年度以降、新型コロナウイルス感染症の影響による医療機関や福祉サービス等の利用控え、事業者のサービス受入制限等により、減少したものと考えられる。令和4年度は、新型コロナウイルス感染症が収束傾向にあったことからこれまで控えられてきた上記サービス等の利用が増加したものと考えられる。今後、福祉医療給付の対象年齢を18歳まで引き上げたことや、児童手当の拡充等により、さらなる増加が見込まれることから、引き続き事業見直しに取り組む。
その他に係る経常収支比率の主なものは、維持補修費、繰出金である。維持補修費は長大な道路延長を有していることにより、人口1人あたりのコストは類似団体平均を上回っている。令和2年度の下水道事業等の法適用化に伴い、特別会計から企業会計へ移行し、繰出金から補助費等へ移行している。令和4年度は、国民健康保険事業(直営診療施設勘定)において2つの診療所の整備が始まったことにより前年度から0.7ポイント増加している。今後も経営戦略に基づいた経営を行うなど、普通会計の負担を減らしていくよう努める。
令和3年度は下水道事業会計の減価償却費等の減による下水道事業負担金の減少や、新型コロナウイルス感染症の影響により地域活動等への補助金が減少した。令和4年度は、新型コロナウイルス感染症が収束傾向にあったことから、地域活動等への補助金が増加したことが要因と考えられる。今後も事業評価等により、補助金等の効果的・効率的かつ適正な運用に努める。
合併町村の地方債を引き継いだことにより2倍以上膨らんだことを受け、繰上償還や新規発行の抑制を行ってきたことから、公債費は減少傾向にある。今後も世代間負担の公平性と将来の財政運営に与える影響を考慮し、地方債の計画的な活用に努める。
公債費以外の経常収支比率は、類似団体平均及び全国平均と比べて低い水準にある。これは、経常一般財源が比較的多いことによるものであるが、人口1人あたりのコストで比較すると、人件費、物件費、維持補修費など類似団体平均を上回っているものもある。今後もさらなる行財政改革の推進などにより、健全で持続可能な財政基盤の確立に努める。
(増減理由)ふるさと納税(寄附金)を積み立てた「飛騨高山ふるさと基金」約14億円の取崩し、小学校長寿命化改修工事の実施に伴う「公共施設整備基金」約7.5億円の取崩しを行った一方、公共施設の更新を見据えて計画的に積立てを行っている「ごみ処理施設整備基金」「市民文化会館整備基金」「学校給食センター整備基金」「公共施設整備基金」に合わせて12億円の積立てを行ったほか、ふるさと納税(寄附金)を「飛騨高山ふるさと基金」に約22億円積立てたことなどにより、基金全体として約18億円の増加となった。(今後の方針)合併により施設数が大幅に増加し、公共施設及び社会基盤の老朽化が進行しており、後年度において多額の費用が必要となることが予想されるため、大規模施設については、個別に基金を設置し、計画的に積立てを行っている。また、大規模施設以外の公共施設については「公共施設整備基金」を設置し、公共施設及び社会基盤の更新に対し、計画的な積立て及び取崩しを予定している。
(増減理由)決算剰余金15億円を積立て、公共施設の更新を見据えた政策的基金への積立てを行うため12億円の取崩しを行ったが、財源不足を補うための繰入は発生しなかったため前年度と比べて約3億円の増加となった。(今後の方針)公共施設の更新に備えた政策的基金積立てへの取崩しを予定している。
(増減理由)利息分の積立てにより約0.1億円の増加となった。(今後の方針)新たな積み増しは予定していないが、財政事情の変動等により地方債の償還財源が不足する場合に備え、継続して利息分の積立てを予定している。
(基金の使途)ごみ処理施設整備基金:ごみ処理施設の整備を図る資金に充当するため夢・まちづくり基金:まちづくり及び地域の活性化を図る資金に充当するため飛騨高山ふるさと基金:こころのふるさととして愛されるまちづくりを図る資金に充当するため(増減理由)「ごみ処理施設整備基金」約0.5億円の取崩し、財政調整基金からの政策的積立て3億円を行ったことなどにより約2.6億円の増加となった。「公共施設整備基金」約7.5億円の取崩し、財政調整基金からの政策的積立て5億円を行ったことなどにより約2.2億円の減少となった。「飛騨高山ふるさと基金」約14億円の取崩し、ふるさと納税(寄附金)の積立て約22億円を行ったことなどにより約7.8億円の増加となった。(今後の方針)公共施設整備基金:当面の積立目標を64億円に設定し、令和7年度まで毎年5億円程度を積立予定。ごみ処理施設整備基金:積立目標を50億円に設定し、令和5年度まで毎年3億円を積立予定。
有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較してやや高い数値となっており、公共施設等が老朽化している傾向にある。令和2年度に策定した公共施設等総合管理計画における各類型毎の個別施設計画(実施計画)では、既存施設の継続性に関する基本的な方針を示しており、実施段階において複合化・多機能化や民間活用導入等の詳細な検討、調整を進めている。
市町村合併により増加した地方債残高について、行政改革大綱に掲げた目標に沿って減少させる取り組みを行った結果、償還能力の向上に繋がり、地方債残高が減少傾向にある。また、決算余剰金の積立や飛騨高山ふるさと基金の積立等により充当可能財源が増加傾向にあるため、平成29年度より充当可能財源が将来負担額を上回るため債務償還比率は算定されていない。
市町村合併により人件費や公債費などの行政経費が増大したため、将来の財政負担軽減のために地方債残高の縮小など行政経費の抑制に努めた結果、平成22年度から将来負担比率は算定されていない。一方、有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較してやや高い数値となっており、公共施設等が老朽化している傾向にある。令和2年度に策定した公共施設等総合管理計画における各類型毎の個別施設計画(実施計画)では、既存施設の継続性に関する基本的な方針を示しており、実施段階において複合化・多機能化や民間活力導入等の詳細な検討、調整を進めている。
実質公債費比率については、前年度に比べて0.5ポイント減少、類似団体内平均値と比べると3.0ポイント下回る状況となっている。地方債残高の減少に伴い元利償還金が減少したことなどにより、類似団体内平均値をR3年度も下回る状況となった。財政計画上、今後逓減していく見込みである。
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