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財政力指数の分子である基準財政収入額は、市民税(個人・法人)や固定資産税等が前年度より増となり、全体で4億9,810万円の増となった。また、分母となる基準財政需要額は、扶助費の増や臨時財政対策債の減額による振替相当額の増などにより、全体で6億1,179万9千円の増となり、結果として令和5年度の財政力指数(3か年平均)は0.02ポイント減少した。市税収入は回復傾向にあり、基準財政収入額は今後も増加を見込む。また、基準財政需要額は、扶助費の上昇が予測されるが、現在、公債費が償還のピークにあり、需要額全体では緩やかに減少すると見込まれる。
令和5年度の経常収支比率は92.8%となり、前年比2.8ポイントの増加となった。税収は回復傾向だが、臨時財政対策債の減少により経常的収入が相殺される状況が続き、主に物価高騰や人件費の上昇により経常経費が増加したため、経常収支比率が上昇する結果となった。今後、経常的収入に大きな変動はないものと予測される。また、経常経費は人件費・物件費・扶助費について上昇傾向にあるものの、公債費が徐々に減少する予定であるため、新規事業等による大きな影響がなければ、現状維持が見込まれる。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、前年度から103円の増となった。これは、物価高騰に伴う光熱費等の上昇により物件費が増となったことによる。人件費は、定員管理計画に基づいて職員数の削減や民間企業への委託などを進めた結果、類似団体と比較して低い水準を維持していることから、今後も職員数の適正化を図るとともに、会計年度任用職員を含めた人件費の適正管理に取り組んでいく。
ラスパイレス指数は、類似団体の平均と比較すると若干上回っているものの、近年では横ばい状態が続いている。各種手当は、国家公務員の給与改正に合わせて見直しを行っており、通勤手当、住居手当、扶養手当などにおける支給要件の確認を行うなど、定期的な支給チェックにも努めている。
平成18年の市町村合併以降、定員管理計画に基づき取組を進めた結果、目標(10年間で60人の削減)を達成することができている。また、職員数に関しては退職者の補充を基本としているため、委託業務などへの切り替えなどもあり、ほぼ横ばいを維持している。今後も定員管理計画(令和3年度~令和7年度)に基づき、全体の職員数は計画初年度である令和3年度の水準を維持しつつ、それぞれの職種間において適正な人員配分を行い、定員の適正化に努めていく。
実質公債費比率は5.2%となり、前年比0.5ポイントの減少となった。これは、標準税収入額等や普通交付税額が若干増加したものの、臨時財政対策債発行可能額が大幅に減少したことにより比率が減少した。今後数年間は、合併特例債に係る元利償還のピーク時にあたるため、実質公債費比率はほぼ横ばいとなるが、その後は徐々に下降していく見込みである。
令和5年度は、分母に当たる標準財政規模が増額し、分子の将来負担額における地方債の現在高が減額したことで、昨年度の5.5%から[-%]に改善した。本市では充当可能な基金について未だバランスが取れておらず、毎年の将来負担比率に影響を与える状況が続いているが、今後はほぼ横ばいとなる見通しである。今後も、基金の取り崩しに依存しない財政基盤を目指して将来負担比率の改善を進めていく。
人件費が占める割合は類似団体平均・愛知県平均と比べて低い水準を維持している。これは、定員管理計画に基づく適正な人員配分を行ったことに加え、採用は退職者の補充を原則としているほか、民間企業への委託を進めていることなどにより人件費を継続して抑制することができている。今後も、それぞれの職種間において適正な人員配分を行い、定員の適正化に努めていく。
物件費は従前より高い水準が維持されている。令和5年度はコロナ対策の終了もあり、物件費自体は減少しているものの、他団体より公共施設数が多いため、運営・維持管理費・借地料に係る経費が多く発生し、物件費の比率が高い状態が続いている。今後は、現在取り組んでいる公共施設の統廃合を加速させ、経常経費削減に努める。
扶助費が占める割合は13.5%と前年度と比べ、1.1ポイントの増加となった。これは、障害サービス費・児童通所サービス費におけるサービス利用件数・人数が増えたことなどによる。今後も上記サービス費のほか、医療費、生活保護費、保育給付費についても上昇傾向にあるため、扶助費の上昇傾向は続いていくものと見込まれる。
その他経費が占める割合は、ここ数年は同水準を維持している。令和5年度については、特別会計への繰出金の増と、公共施設建設整備基金積立金の減との相殺により、通算して大きな変動がなかったことによるものである。今後は高齢化の進展や各種給付の増加に伴い、介護保険特別会計や愛知県後期高齢者医療連合に係る繰出金の増加が見込まれる。
補助費等は類似団体平均を下回っているものの、前年度と比較して1.4ポイント増加した。令和5年度の主な増加要因は、北名古屋衛生組合への負担金や、下水道事業会計への繰出金の増などである。今後も市単独事業については見直しを進め、一部事務組合や各種団体への補助金等についても内容を精査することにより、全体経費の抑制に努める。
公債費が占める割合は14.9%と前年度に比べ、0.3ポイントの減少となったが、公債費の額自体はほぼ横ばいである。今後数年間は、合併特例債に係る元利償還のピークにあたるため、経常収支比率に占める公債費の割合も、近年同様の水準を維持するものと見込まれる。
公債費自体はほぼ横ばいである一方、公債費以外の経費については主に扶助費の伸びが大きく、約5.5億円の増加となったことから、前年度より3.1ポイント増加し77.9%となっている。今後数年間は、合併特例債に係る元利償還のピークにあたるため、その後公債費は、徐々に下降する見込みであるため、公債費以外の比率は増加するものと見込まれる。
(増減理由)令和5年度末の基金残高は7,490百万円となっており、前年度から271百万円増加している。これは、財政調整基金で93百万円、減債基金で82百万円、特定目的基金のうち公共施設建設整備基金で145百万円、それぞれ増となったことが主な要因である。(今後の方針)令和3年度に基金積立・運用のルールを創設し、決算剰余金については、実質収支額の1/2を財政調整基金へ直接編入することを可能とした。また、公共施設建設整備基金については実質収支額の1/5以内を翌年度予算で積立、減債基金についてはなお残額がある場合に積立を行うこととしている。現状においても本市は財政調整基金の取崩に依存した当初予算編成が続いており、年度間の財政調整基金残高が安定していない状況である。このため、持続可能な財政運営への取組として、引き続き事務事業の見直し、公共施設の統廃合、借地のあり方検討などを行い、当初予算編成時に財政調整基金の取崩に依存しない体制を構築していく。
(増減理由)決算剰余金に係る直接編入分は昨年度より379百万円減り、592百万円となった。年度内の各種事業に係る増額補正予算対応により、500百万円の取崩が発生したが、通算の結果、年度末現在高は93百万円の増となった。(今後の方針)「財政中期試算」では、当初予算編成時における財政調整基金の現在高について標準財政規模の1割以上を確保するとしており、それは達成できているものの、今後も基金の取崩に依存しない財政基盤の構築を目指し取り組んでいく。
(増減理由)償還財源として一部活用をした一方で、決算剰余金に係る直接編入額が発生したため、年度末現在高は82百万円の増となった。(今後の方針)下記のとおり基金処分のルールを定めている。・経済事情の変動等により市債の償還の財源が不足する場合において市債の償還の財源に充てるとき。・償還期限を繰り上げて行う等、市債の償還額が他の年度に比して多額となる年度において、その償還財源に充てるとき。・特定の市債の償還のために積み立てた資金をもって当該市債の償還財源に充てるとき。創設の要因となった臨時財政対策債償還基金費分については、毎年50百万円を取り崩し、10年間で臨時財政対策債の償還財源に充てるものとしている。また、決算剰余金から歳入予算計上した繰越金、財政調整基金直接編入分、公共施設建設準備基金への積立分を差し引いた残額を減債基金へ積み立て、上記ルールに従って処分していく。
(基金の使途)まちづくり振興基金:市民の連携の強化及び地域振興を図るための資金に充てる。公共施設建設整備基金:公共施設の用地取得、建設、大規模改修及び除却の資金に充てる。都市計画事業基金:都市計画事業の資金に充てる。ふるさと応援基金:寄附金収入を適正に管理し、安全・安心に暮らせるまちづくりの資金に充てる。駅及び駅周辺整備事業基金:駅及び駅周辺整備事業に充てる。(増減理由)まちづくり振興基金:利子の積立による増公共施設建設整備基金:決算剰余金及び土地売払収入に係る積立による増都市計画事業基金:当初の取崩しによる減と令和4年度都市計画事業の執行残に係る積立による増との通算による減ふるさと応援基金:ふるさと納税額の増駅及び駅周辺整備事業基金:増減なし(取崩なし)(今後の方針)まちづくり振興基金については、今後、新たに設置される市民活動センターに対し活用していく予定である。公共施設建設整備基金については、実質収支額の1/5以内を翌年度予算で積み立てることをルール化している。その他特定目的基金については、設立目的に沿った活用を図るため、基金によっては年度内に取崩を行わないものもある。
有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値よりやや低い水準にあるが、これは過去に給食センターの統廃合や、西庁舎分館を取り壊し免震機能を備えた防災拠点に更新したことが主な要因である。近年は指標が上昇傾向にあり、60%を超過している状況である。耐用年数を超過している施設も複数あることから、引き続き施設の適切な改修や統廃合について検討・推進していく必要がある。
債務償還比率は類似団体内平均値よりやや高い水準にあるが、前年度に比べて改善する結果となった。これは地方債現在高の減少による将来負担額の減少に加え、充当可能基金が増加したことが主な要因である。今後は、引き続き地方債の発行額抑制による将来負担額の減少とともに、経常一般財源の増収を図っていく必要がある。
将来負担比率は、類似団体内平均値を上回っているものの、前年度比で12.1ポイント改善した。これは、地方債の新規発行を抑制してきたことによる地方債現在高の減少や、充当可能基金の増加などが主な要因である。一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を下回っているものの、近年上昇傾向となっており、公共施設の老朽化が確実に進んでいる。公共施設の統廃合を検討した結果、長寿命化を行う施設については地方債借入れにより将来負担を強いることが予想されるため、公共施設等適正管理推進事業債などの交付税措置のある起債メニューを最大限活用し、公共施設等総合管理計画に基づいた個別施設計画によって適切な公共施設の維持管理を進めていく。
実質公債費比率は、類似団体内平均値をわずかに下回っており、近年増加傾向が続いていた指標が令和4年度は減少に転じた。現在、合併特例債をはじめとした元利償還金の償還ピーク時期にあたるものの、分母にあたる標準財政規模については、新型コロナウイルスの影響を最も受けた令和2年度から回復傾向にある。将来負担比率が近年改善してきている主な要因として、地方債現在高の減少が挙げられ、現在高は300億円を下回っている状況である。今後も地方債の新規発行は抑制していく予定であり、公債費についても徐々に減少していく見込みであるため、実質公債費比率とともに指標は緩やかに減少していく見込みである。