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財政力指数は3か年平均で算出するが、令和2年度以降低下傾向となっている。令和2年度及び令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を見込んで交付税上算定された法人二税が減少し、分子となる基準財政収入額が減少したため、単年度の財政力指数が低下し、3か年平均も低下した。令和4年度は、法人二税の増などにより分子が増加したことに伴い、単年度の財政力指数は上昇したものの、令和元年度よりも低い水準のため、3か年平均では低下した。(単年度財政力指数平成30:0.90令和01:0.93令和02:0.91令和03:0.82令和04:0.88)
比率を算定する上で分子となる経常経費充当一般財源は、扶助費的な補助費等の増などにより平成30年度以降増加を続けている。令和元年度は、分子が増加したことに加え、県税収入の減などにより分母となる経常一般財源が減少したため、4.1ポイント上昇した。令和2年度は、分母が地方税及び地方譲与税の大幅な減収を減収補?債などの起債を活用して埋め合わせたことにより増加したものの、分子も増加したため、0.2ポイント上昇した。令和3年度は、分子が増加したものの、県税収入や地方交付税の増などにより、分母の増が分子の増を上回ったため、前年度から10.8ポイントと大幅に低下した。令和4年度は、分子が増加したことに加え、地方交付税及び臨時財政対策債の減などにより分母が減少したため、前年度から6.5ポイント上昇した。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、平成30年度以降、増加傾向にある。主な要因として、物件費については、平成30年度及び令和元年度はCSF(豚熱)対策経費によるもの、令和2年度、令和3年度及び令和4年度は新型コロナウイルス感染症関連経費によるものが挙げられる。また、人件費について、令和4年度は人事委員会勧告に伴う給与の増額改定により増加した。人件費については、今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、引き続き効率的かつ効果的な人員配置に引き続き取り組んでいく。
令和2年度は、人事委員会勧告に基づき、県内地域手当の支給割合を2%引き下げ、引き下げ分に応じて給料を引き上げた(給料と地域手当の入れ替えを実施した)ため、給料のみで国と比較するラスパイレス指数は1.8ポイント上昇したが、令和3年度以降は、高齢層職員の昇給抑制措置の開始等により減少傾向である。職員の給与水準は県内民間給与との均衡を図ることを基本としており、本県においては県内の民間給与水準が高い傾向にあるため、都道府県平均よりも高い数値で推移する傾向にあるが、今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、引き続き給与の適正化に取り組んでいく。
人口10万人当たり職員数は、職員数の大半を占める教育及び警察部門について国の法令等により配置基準が定められており、令和3年度以降は、小学校の少人数学級の拡充に伴い、教育部門で増加傾向にある。今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、引き続き効率的かつ効果的な人員配置に取り組んでいく。
実質公債費比率は3か年平均で算出するが、令和3年度決算と比較して0.1ポイント上昇した。これは、令和4年度単年度の比率(13.7%)が、前年度の算定に用いられた令和元年度単年度の比率(13.4%)と比較して0.3ポイント上回ったことにより、3か年平均としても上昇したものである。この主な要因は、令和元年度から令和4年度にかけて、標準財政規模の増加などにより分母が増加したものの、公債費の増加や公債費等交付税算入額の減少により、分子がより大きく増加したためである。実質公債費比率については、引き続き健全な水準の維持に努めていく。
将来負担比率は、令和3年度決算と比較して、1.2ポイント低下した。これは、分母である標準財政規模が減少しているものの、地方債現在高の減少などにより、分子である将来負担額がより大きく減少したことによるものである。将来負担比率については、引き続き健全な水準の維持に努めていく。
令和元年度は、県税収入の減などにより分母が減少したことにより1.3ポイント上昇し、令和2年度は、地方税及び地方譲与税の大幅な減収を減収補?債などの起債を活用して埋め合わせたことにより分母が増加となったことから0.4ポイント低下した。また、令和3年度は、人事委員会勧告に伴う給与の減額改定により分子が減少したことに加え、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから4.8ポイント低下した。令和4年度は、人事委員会勧告に伴う給与の増額改定により分子が増加したことに加え、地方交付税及び臨時財政対策債の減などにより分母が減少したことから2.3ポイント上昇した。今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、効率的かつ効果的な人員配置に取り組んでいく。
平成30年度以降、概ね横ばいで推移している。令和元年度は、県税収入の減などにより分母が減少したことにより前年度から0.2ポイント上昇し、令和2年度は、基金の見直し(取崩型基金の活用)に伴う一般財源の減少などにより分子が減少したことに加え、分母が増加したことから0.2ポイント低下した。また、令和3年度は、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから0.2ポイント低下した。令和4年度は、地方交付税及び臨時財政対策債の減などにより分母が減少したことから0.3ポイント上昇した。
比率を算定する上で分子となる扶助費は、高齢化の進展等に伴い増加傾向にある。令和元年度は、児童扶養手当支給費の増などにより分子が増加したことに加え、県税収入の減などにより分母が減少したことから0.2ポイント上昇し、令和2年度は、地方税及び地方譲与税の大幅な減収を減収補?債などの起債を活用して埋め合わせたことにより分母が増加となったことから0.1ポイント低下した。また、令和3年度は、指定難病医療給付費の増などにより分子が増加したものの、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから0.3ポイント低下した。令和4年度は、地方交付税及び臨時財政対策債の減などにより分母が減少したことから0.1ポイント上昇した。
本県は、類似団体と比較して道路面積が大きいなどの要因により、維持補修費が高い傾向にあるため、その他の比率が高くなっている。令和元年度は県立病院事業会計貸付金の皆減により前年度から0.1ポイント低下し、令和2年度も横ばいで推移している。また、令和3年度は、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから0.4ポイント低下した。令和4年度は、地方交付税及び臨時財政対策債の減などにより分母が減少したことから0.3ポイント上昇した。
比率を算定する上で分子となる補助費等は、高齢化の進展に伴う後期高齢者医療事業費や介護給付費負担金といった義務的な経費の増などにより平成30年度以降増加を続けている。令和元年度及び令和2年度は、幼児教育の無償化に伴う施設型教育・保育給付費の増などにより分子が増加したことから、令和元年度は2.1ポイント、令和2年度は1.3ポイント、前年度からそれぞれ上昇した。令和3年度及び令和4年度も分子が引き続き増加したが、令和3年度は県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから3.0ポイント低下した一方、令和4年度は地方交付税及び臨時財政対策債の減などにより分母が減少したことから2.5ポイント上昇した。
比率を算定する上で分子となる公債費は、近年における臨時財政対策債などの特例的な県債の大量発行の影響により、高止まりとなっている。令和元年度は、利子の減により分子が減少したものの、県税収入の減などにより分母も減少したことから0.4ポイント上昇し、令和2年度は、利子の減により分子が減少したことに加え、分母が増加したことから0.4ポイント低下した。また、令和3年度は、令和2年度に発行した猶予特例債の償還などにより分子が増加したものの、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから2.1ポイント低下した。令和4年度は、元金及び利子の減少により分子が減少したものの、地方交付税及び臨時財政対策債の減などにより分母が減少したことから1.0ポイント上昇した。
扶助費的な補助費等の増などにより平成30年度以降、分子が増加している。令和元年度は、分子が増加したことに加え、税収入の減による分母の減少もあったことから3.7ポイント上昇し、令和2年度は、分子の増により0.6ポイント上昇した。また、令和3年度は、県税収入や地方交付税の増などにより分母が大幅に増加したことから8.7ポイント低下した。令和4年度は、分子が増加したことに加え、地方交付税及び臨時財政対策債の減などにより分母が減少したことから5.5ポイント上昇した。扶助費や扶助費的な補助費等といった義務的な経費は縮減が容易ではないが、その他の経費については、今後も事務事業の見直しに取り組み、健全で持続可能な財政基盤の確立に努める。
(増減理由)・令和4年度末の基金残高は3,757億円となっており、前年度から475億円増加した。・これは、交付税の後年度減額精算に備えて財政調整基金に370億円積み立てたことなどが主な要因である。(今後の方針)・国と異なり、地方は収支均衡を図るための赤字債を自由に発行できないことから、年度途中の不測の財政需要への備えや年度間の財源調整手段として、一定規模の基金残高の確保は不可欠である。・財政調整基金及び減債基金については、「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、年度間の財源調整に的確に活用しつつ、年度途中の不測の財政需要に機動的に対応できるよう、基金残高の確保に努める。・その他特定目的基金については、計画的な積立てを行うとともに、各基金の目的に沿って、効果的・効率的に活用していく。
(増減理由)・令和4年度末の基金残高は1,825億円であり、前年度から370億円増加した。・これは、交付税の後年度減額精算に備えて370億円の積立てを行ったことによるものである。・愛知県には、他団体に比べ、年度によって県税収入が大きく変動※するという財政運営上の特徴があり、このため、歳入の上振れが生じた際には基金に積立てを行い、財源不足が生じた際にはこれを取り崩して対応している。(今後の方針)・毎年度の予算編成において多額の基金取崩しを計上する厳しい財政状況が継続しており、令和6年度当初予算では289億円の取崩しを計上している。・国と異なり、地方は収支均衡を図るための赤字債を自由に発行できないことから、年度途中の不測の財政需要への備えや年度間の財源調整手段として、一定規模の基金残高の確保は不可欠である。・今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、年度間の財源調整に的確に活用しつつ、年度途中の不測の財政需要に機動的に対応できるよう、基金残高の確保に努める。※県税の対前年度増減額(決算ベース)の絶対値を取り、過去20年平均すると809億円となる。過去には、平成20年度から21年度において3,730億円の減となったこともある。
(増減理由)・令和4年度末の基金残高は1,000億円であり、前年度からほぼ横ばいとなった。・愛知県には、他団体に比べ、年度によって県税収入が大きく変動するという財政運営上の特徴があり、このため、歳入の上振れが生じた際には基金に積立てを行い、財源不足が生じた際にはこれを取り崩して対応している。・令和4年度は、令和3年度と同様に利子収益の積立てのみを行った。(今後の方針)・毎年度の予算編成において多額の基金取崩しを計上する厳しい財政状況が継続しており、令和6年度当初予算では1,000億円の取崩しを計上している。・国と異なり、地方は収支均衡を図るための赤字債を自由に発行できないことから、年度途中の不測の財政需要への備えや年度間の財源調整手段として、一定規模の基金残高の確保は不可欠である。・今後も「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、年度間の財源調整に的確に活用しつつ、年度途中の不測の財政需要に機動的に対応できるよう、基金残高の確保に努める。
(基金の使途)アジア・アジアパラ競技大会基金:第20回アジア競技大会及び第5回アジアパラ競技大会の開催に必要な財源の確保。地域医療介護総合確保基金:地域における医療及び介護の総合的な確保に関する事業の推進に必要な財源の確保。産業空洞化対策減税基金:法人の県民税の減税に代わる措置として、企業立地の促進その他の産業空洞化対策の推進に必要な財源の確保。(増減理由)アジア・アジアパラ競技大会基金:令和3年度に創設した基金であり、2026年の大会の開催に必要な財源を確保するため104億円を積み立てたことにより増加した。産業空洞化対策減税基金:企業立地、研究開発等を支援する補助事業に充当するため31億円取り崩した一方で、企業立地の促進その他の産業空洞化対策の推進に必要な財源を確保するため40億円を積み立てたことにより9億円増加した。文化振興基金:文化振興事業の推進のため11億円を取り崩したことにより減少した。(今後の方針)アジア・アジアパラ競技大会基金:2026年の大会開催に向けて必要な財源を確保するため、県税収入の動向等を踏まえて積立てを行う予定。地域医療介護総合確保基金:国予算の状況も踏まえ、毎年度、予算で定める額を積み立て、「医療介護総合確保促進法に基づく県計画」に位置付けた事業に充てるために取り崩す予定。文化振興基金:毎年度予算で定める額を積み立て、文化芸術の振興に係る継続的かつ安定的な施策を展開するために取り崩す予定。
有形固定資産減価償却率はグループ内平均・都道府県平均より高くなっているが、本県では、令和4年3月に改訂した「愛知県公共施設等総合管理計画」に基づき、16の施設類型ごとに個々の施設の長寿命化対策を盛り込んだ個別施設計画を作成し、施設の安全・安心の確保を最優先に適切な維持管理を進めている。なお、本県では長寿命化対策が必要な資産9.4兆円のうち、全体の約60%弱が築30年以上を経過している(令和3年3月時点)。このうち、長寿命化対策による成果が反映されにくい「道路」が県有施設全体の4割強を占め、その有形固定資産減価償却率が78.1%と全体を押し上げる要因となっている。
各年度の数値の変動は、算定式の分母となる「経常一般財源等(歳入)等-経常経費充当財源等」の変動による影響を大きく受けている。令和3年度は地方交付税及び臨時財政対策債発行可能額が大幅に増加したことなどにより、分母が大きく増加したことから、債務償還比率は前年度から改善し、926.9%となった。また、他団体との比較では、グループ内平均・都道府県平均とほぼ同水準となっている。
将来負担比率は、令和3年度においては、地方債現在高は増加したものの、債務負担行為に基づく支出予定額の減少や地方債の償還に充てる基金残高の増加などにより、分子が減少した一方、標準財政規模の増加により分母が増加したため、前年度よりも低下し、令和2年度に引き続き、グループ内平均よりも低い水準となっている。一方で、有形固定資産減価償却率については、長寿命化対策による成果が反映されにくい「道路」が県有施設全体の4割強を占めており、その有形固定資産減価償却率が78.1%と全体を押し上げているため、グループ内平均・都道府県平均より高くなっている。本県としては、引き続き、「あいち行革プラン2020」に基づき、通常の県債の実質的な残高の維持・抑制に取り組み、将来負担を抑制するとともに、「愛知県公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の適切な維持管理を進め、老朽化対策に取り組んでいく。
将来負担比率は、令和3年度においては、地方債現在高は増加したものの、債務負担行為に基づく支出予定額の減少や地方債の償還に充てる基金残高の増加などにより、分子が減少した一方、標準財政規模の増加により分母が増加したため、前年度よりも低下し、令和2年度に引き続き、グループ内平均よりも低い水準となっている。実質公債費比率については、公債費が高止まりの傾向にあり、横ばいの状態が続いていたが、令和3年度においては、元金償還額の減少に伴う公債費の減少や標準財政規模の増加などにより、前年度よりも低下した。近年の推移については、実質公債費比率はグループ内平均よりも高い水準にある一方で、将来負担比率については、平成28年度以降、グループ内平均よりも低い水準を維持している。引き続き、「あいち行革プラン2020」に基づき、通常の県債の実質的な残高を維持・抑制するとともに、基金残高の確保に努め、公債費負担に備える。
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