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令和4年度は、景気の回復基調を受けて、基準財政収入額が増加したものの、臨時財政対策債の圧縮により臨時財政対策振替相当額が大幅に減少したことで、基準財政需要額が増加したため、財政力指数は0.02ポイント低下した。基準財政需要額において、引き続き、高齢者保健福祉費などの社会保障関係経費などが増加する状況が続くと見込まれるため、歳入確保を中心とした財政基盤の強化と行財政運営の効率化に努める。
経常収支比率は、臨時財政対策債が大幅に減少したことに加え、急激な物価高騰等の影響によるランニングコストの増加や公債費等の増加により7.4ポイント上昇した。また、令和3年度の比率は、普通交付税の追加交付などの特殊要因により、一時的に改善していた側面もある。今後は、社会保障関連経費や、三郷駅周辺まちづくり事業など大型の普通建設事業による公債費の増加により、比率の上昇が見込まれるため、公共施設等総合管理計画の推進等による行政改革及び財政構造の健全化・弾力性の確保に努める。
人件費、物件費については、類似団体平均、全国平均、愛知県平均の全てにおいて下回っているものの近年上昇傾向である。令和3年度を上回った主な要因は、人件費については、会計年度任用職員の職員数の増加による報酬の増加、物件費については、尾張旭市長久手市衛生組合の解散に伴う仕舞業務委託料の皆増などである。今後も、内部管理経費の見直しや、事業の統廃合等を図り、コスト削減に努める。
ラスパイレス指数については、昇任・昇格の抑制等、給与の適正化に係る対応を行っており、100を下回る数値となっている。令和2年度には、等級別基準職務表の見直しを行い、令和4年4月1日時点の数値は98.1となっている。今後も、先を見据えた長期的な給与の適正化に係る対応を継続していく。
人口1,000人当たりの職員数については、類似団体内平均より上回っているが、全国市町村平均及び愛知県平均と比べると下回っている。限られた職員による効率的な運営を行っていると認識しているが、育児休業者の増加により、その代替職員として任期付職員を雇用するなどの措置も必要となってきている。今後も行政サービスの提供体制を工夫し、最適な組織規模で効率的・効果的な行政運営を行うよう努める。
実質公債費比率は、類似団体内平均、全国平均、愛知県平均の全てにおいて下回っている。令和4年度は、文化会館改修事業の元金償還開始などにより、実質公債費比率は0.3ポイント上昇した。また、令和3年度の比率は、普通交付税の追加交付などの特殊要因により、一時的に改善していた側面もある。今後は、三郷駅周辺まちづくり事業など大型の普通建設事業への地方債の活用による地方債残高の上昇が見込まれるため、世代間の負担の公平化に留意しながら、適切な地方債の発行管理に努める。
臨時財政対策債の繰上償還や文化会館改修事業の元金償還開始等により、将来負担額が減少し、充当可能財源等を下回っており、令和4年度は将来負担比率が発生していない。今後は、三郷駅周辺まちづくり事業など大型の普通建設事業への地方債の活用による地方債残高の上昇が見込まれるため、適正な市債発行、公営企業での独立採算制の確保に努めるとともに、将来負担比率の動向に留意し、健全な財政運営を図る。
人件費に係る経常収支比率は、令和3年度と比べ1.7ポイント上昇したものの、全国平均、愛知県平均は下回っている。令和3年度を上回った主な要因は、任期に定めのない常勤職員の一般給料が増加したためである。また、令和3年度の比率は、普通交付税の追加交付などの特殊要因により、一時的に改善していた側面もある。今後は、行政サービスを維持しつつ、内部事務の見直しを進めるとともに、定員適正化計画に基づき職員数及び給与の適正化を進め、人件費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率は、令和3年度と比べ2.4ポイント上昇し、類似団体内平均の値を4.2ポイント上回る結果となった。令和3年度を上回った主な要因は、物価高騰等により光熱水費などが増加したためである。また、令和3年度の比率は、普通交付税の追加交付などの特殊要因により、一時的に改善していた側面もある。今後は、内部管理経費の見直しや事業の統廃合等を図り、物件費の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、令和3年度と比べ0.7ポイント上昇したものの、類似団体内平均、全国平均、愛知県平均を下回っている。令和3年度を上回った主な要因は、福祉医療費などが増加したためである。また、令和3年度の比率は、普通交付税の追加交付などの特殊要因により、一時的に改善していた側面もある。今後は、高齢化の進展等により、扶助費は確実に増加していくことが見込まれるため、単独事業費の見直しなどにより、扶助費の抑制に努める。
その他に係る経常収支比率は、令和3年度と比べ0.8ポイント上昇したものの、類似団体内平均、全国平均を下回っている。令和3年度を上回った主な要因は、後期高齢者医療給付費負担金などの繰出金が増加したためである。また、令和3年度の比率は、普通交付税の追加交付などの特殊要因により、一時的に改善していた側面もある。今後は、事業の一層の効率化及び適正化を図ることなどにより、比率の抑制に努める。
補助費等に係る経常収支比率は、令和3年度と比べ0.6ポイント上昇したものの、類似団体内平均、全国平均、愛知県平均を下回っている。令和3年度を上回った主な要因は、公立陶生病院負担金が増加したためである。また、令和3年度の比率は、普通交付税の追加交付などの特殊要因により、一時的に改善していた側面もある。今後も、補助金等の適正な見直しを行い、補助費等の削減に努める。
公債費に係る経常収支比率は、令和3年度と比べ、地方債の償還元金が増加したため、令和3年度と比べ1.2ポイント上昇したものの、類似団体内平均、全国平均、愛知県平均を下回っている。また、令和3年度の比率、普通交付税の追加交付などの特殊要因により、一時的に改善していた側面もある。今後は、三郷駅周辺まちづくり事業など大型の普通建設事業への地方債の活用により、数値の上昇が見込まれるため、世代間の負担の公平化に留意し、適切な地方債の発行管理に努める。
公債費以外に係る経常収支比率は、令和3年度と比べ、6.2ポイント上昇したものの、類似団体内平均、愛知県平均を下回っている。令和3年度を上回った主な要因は、物件費及び人件費に係る経常収支比率の増加である。また、令和3年度の比率は、普通交付税の追加交付などの特殊要因により、一時的に改善していた側面もある。今後も、歳出削減を図るとともに、内部管理費の見直しや事務事業の統廃合を図り、物件費等の削減に努める。
(増減理由)小学校特別教室空調設備整備工事等実施に伴い、公共施設整備基金を6億1,000万円、臨時財政対策債の繰上償還の財源として4億1,085万円を減債基金取り崩ししたことなどにより、基金全体として3億9,140万円減少した。(今後の方針)財政運営基本方針に基づき、財政調整基金については、標準財政規模の15~20%程度を確保することとしている。また、基金を取り崩す際にも、補正予算の編成等を通じて可能な限り取崩し額を抑制する。
(増減理由)令和4年度は、物価高騰対策等の財源として1億6,000万円を取り崩ししたが、決算剰余金の2分の1を下回らない額として5億8,985万1千円積み立てたため、令和3年度から4億2,985万円増加した。(今後の方針)予期しない収入の落ち込みや不時の支出増等に備えるため、標準財政規模の15~20%程度を確保することとしている。
(増減理由)臨時財政対策債の繰上償還の財源として4億1,085万円を減債基金取り崩ししたことにより4億1,084万5千円減少した。(今後の方針)基金残高の運用利子を積み立てる。目標額等は設定していない。
(基金の使途)尾張旭市公共施設整備基金:各種施設等の建設や用地取得、改修に充当尾張旭市旭平和墓園管理基金:墓園の管理に要する費用に充当尾張旭市地域福祉基金:地域福祉の推進に要する費用に充当尾張旭市緑化推進基金:市民とともに緑化を推進し、緑あふれる美しいまちづくりに要する費用に充当尾張旭市文化振興基金:文化財の保全・保護等に要する費用に充当(増減理由)尾張旭市公共施設整備基金:小学校特別教室空調設備整備工事等実施に伴い、6億1,000万円取り崩したため、残高が減少した。尾張旭市旭平和墓園管理基金:墓園バリアフリー化整備工事実施に伴い、5,000万円取り崩ししたため、残高が減少した。尾張旭市緑化推進基金:緑化推進事業に充当したことにより、積立額99万8千円以上に433万6千円を取り崩したため、残高が減少した。尾張旭市文化振興基金:無形民族文化財保護育成事業等に充当したことにより、積立額11万9千円以上に159万2千円を取り崩したため、残高が減少した。(今後の方針)尾張旭市公共施設整備基金:財政運営基本方針に基づき、財産売払収入や補正予算の編成等を通じて積み立てを行う。また、基金の残高は、公共施設、道路、橋りょう等事業費に活用する。今後は、三郷駅周辺まちづくり事業等の大型の普通建設事業を実施する必要があり、公共施設整備基金の活用が見込まれることから、引き続き、市有地の売却等により、基金残高の増加を図る。その他基金:各基金の運用指針に基づき、確実かつ計画的な運用を行っていく。
有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均を下回っているものの、上昇傾向を示している。本市において、公共建築物の約45%を占める学校教育系の施設等の老朽化が進んでいることや、原則施設の建替え行わず、改修等を行い使用していることが影響していると考えられる。施設の長寿命化を推進するため、引き続き個別施設計画に基づき施設の修繕や改修を進め、比率の抑制に努める。
令和3年度は、普通地方交付税の追加交付等による経常一般財源等の増加や財政調整基金及び減債基金の残高増加による充当可能財源の増加等により、債務償還比率は大幅に改善した。令和3年度の比率改善は特殊要因による一時的な側面もあり、今後は、公共施設等の老朽化に対応した長寿命化関連事業や大型の再開発事業等を実施する計画のため、比率の上昇が見込まれる。引き続き、公共施設等総合管理計画の推進、事務事業の統廃合を行い、できる限り比率の抑制に努める。
将来負担比率は近年上昇傾向であったが、令和3年度は、財政調整基金の残高増加などにより、将来負担額以上に充当可能財源等が見込まれるため発生しない結果となった。ただし、令和3年度の比率改善は、普通交付税の追加交付など、特殊要因による一時的な側面もある。今後は、公共施設等の長寿命化事業や大型の再開発事業等の実施による将来負担比率への影響に留意するとともに、個別施設計画に基づく老朽施設の計画的な改修等により、有形固定資産減価償却率の抑制に努める。
令和3年度は、将来負担は発生しておらず、実質公債費比率は、類似団体内平均を下回っている。今後は、公共施設の長寿命化事業や大型の再開発事業等の実施により、多額の地方債発行が見込まれることから、将来負担額は上昇し、償還開始とともに、実質公債費比率も上昇することが予想される。今後も、適切な地方債の発行管理、公営企業においては独立採算制の確保に努めるとともに、公共施設等総合管理計画の推進、事務事業の統廃合等を行い、比率の抑制に努める。
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