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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
平成20年度から財源不足団体となっており、令和4年度の財政力指数は前年度に比べ0.03ポイント悪化した。市税については前年度と比較し増加しているものの、急速な高齢化等を背景とした社会保障関連経費の増大などが大きく、財政力指数は低下している。今後も引き続き税の徴収強化等により、歳入確保に努めるとともに定員管理・給与の適正化、実施事業の取捨など歳出の見直しを行い、財政基盤の強化に努める。
令和4年度の経常収支比率は88.8%と前年度より7.2%悪化したが、これは臨時財政対策債が大幅に減少したことが影響している。前年度と比較し、歳入面では普通交付税の再算定等により地方交付税の増加及び法人市民税は増加した。歳出面では公債費が増加したものの人件費、扶助費が減となり、義務的経費は減少した。歳入増加の要因である交付税は依存財源であり、また法人市民税についても景気の影響を受けやすく、経常一般財源収入に先行きに不安要素は多い。歳出においても社会保障関係費や人件費などの増加による経常経費の増加が見込まれることから、行財政改革による経常経費の削減と普通建設事業等の取捨による公債費の抑制に努める必要がある。
人件費、物件費及び維持管理費の人口1人あたりの決算額は前年度より1,895円増となっており、全国・県平均と比べ高くなっており、類似団体内の順位も極めて悪い。主な要因として、人件費でごみ収集業務を直営で行っているほか、保育所や学校給食等の民間委託が進んでいないためである。また、合併後の課題でもある類似公共施設の統廃合等については検討を進めているものの、具体的な計画には至っておらず、既存施設の老朽化による維持コストが増加する見通しである。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、全庁的に統廃合を進めていくとともに、民間委託・指定管理者制度導入を行い、管理コストの削減を図り、効率的な行政運営に努める必要がある。
全国市平均を下回る状況が続いているが、今後においても国家公務員の給与に関する政策や、人事院勧告等の動向を注視しつつ、給与水準の適正化に努めていく必要がある。
広大な行政面積を有し、保育所等の公共施設も点在していることから、人口千人当たりの職員数については全国・県平均より高い状況で推移している。令和4年4月1日時点の正規職員数は、前年と比較し-13人となっているが、今後も住民サービスの維持に配慮しつつ、既存施設の統廃合や業務の民間委託等を積極的に進めるとともに、今後の定年延長制度を踏まえ、総人件費を意識した定員管理を行っていくことが重要である。
事業採択過程において厳しい事業費の精査や交付税措置率の高い市債発行を行ってきたことから、全国平均を下回る5.4%となり類似団体平均を1.2ポイント下回った。その一方で、合併特例債の発行が終了し償還額が増加したことなどにより、前年度と比べると0.4ポイント増加しているため、不要不急の事業を精査しつつ政策効果の高いものを採択し、市債発行を抑制するとともに、発行に当たっては交付税措置の手厚いものを取捨選択し、実質的な負担が増加しないように努める必要がある。
充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、将来負担比率の値は生じていない。主な要因としては、財政調整基金をはじめとする充当可能基金が約202億円にのぼるほか、交付税算入率が高い地方債を優先して発行していることなどから、将来負担額が抑えられていると分析している。分母となる市税収入等では立地企業の業績に大きな影響を受ける税収構造であることから、財源不足を安易に財政調整基金からの繰入金で賄うことのないよう日頃より徴収強化を図り、慎重な基金運営に努めるとともに、将来負担額の増加の原因となる市債発行を財源とする投資事業については、採択過程において厳しく精査するなど堅実な財政運営に努めることが必要である。
人件費に係る経常収支比率は32.0%と全国・県平均を大きく上回る状況で推移している。本市では広大な行政面積を有し公共施設が点在していることに加え、統廃合や業務の民間委託も検討は進めているものの実施には至っておらず、保育所、給食調理、ごみ収集現場において多くの会計年度任用職員を抱えている。このことが人件費高止まりの要因と考えられることから、今後において施設の統廃合や民間委託等を進めるとともに、事務事業の見直し、効率化による適切な定員管理を行い、人件費の抑制に努めていく必要がある。
物件費に係る経常収支比率は14.3%と類似団体の平均より1.5ポイント下回るが、県平均と比べると1.1ポイント上回っている。対前年度では1.8ポイント上回ったが、これはふるさと納税推進業務に係る経費が増加したためである。また、今後は公共施設の多くが老朽化しており、補修や建替えに多額の費用が必要となることが想定されるため、公共施設等総合管理計画に基づく各施設の統廃合の検討進めていくことやトップランナー方式で示されている民間委託等を活用し、公共施設等の管理経費の縮減に努める必要がある。
扶助費に係る経常収支比率は8.1%と全国、県平均を下回っており類似団体の平均より2.2ポイント下回っているものの、安心して子育てができるまちづくりを目指すため18歳までの医療費無料化を行っていることや障がい者福祉サービス関連経費、少子高齢化の進展による社会保障関連経費の増加が見込まれることから、各事業における受給権資格審査等において更なる適正化を図る必要がある。
その他に係る経常収支比率は類似団体平均を1.0ポイント上回っており、対前年度でも1.1ポイント悪化した。主な要因として歳出の繰出金で介護保険事業特別会計等において高齢化等を背景とする給付額が増加していることなどである。今後も引き続き、独立採算性の原則に鑑み、受益者負担の適正化や基準外繰出金の見直しに努める必要がある。
当市は旧那賀川町及び旧羽ノ浦町と市町合併し旧1市2町からの負担金で運営していた一部事務組合(消防・衛生)の業務を継承したため、類似団体平均より8.0ポイント下回っている一方、人件費の割合が高くなっている。市単独補助金等については、平成29年8月に「補助金等に関する基本方針」を策定し各団体の収支状況等を精査した上で決定するほか団体の統合、再編や補助の終期を設定するなど見直しを行うこととしている。
市債の発行を伴う事業の厳しい精査を行うとともに、高利残債の利率見直し交渉による利子負担の軽減を図っているが、中学校校舎建設事業や公営住宅建設事業などの増により、公債費に係る経常収支比率は16.3%と類似団体平均より0.7ポイント上回った。公債費は約34億3千万円となっており公債費負担は依然として高い。令和2年度に合併特例債の発行が終了し、本来の対象事業における地方債の発行へシフトしていることや一般財源確保のために臨時財政対策債発行額の増加が見込まれることから、健全化判断比率の悪化に注意を払いながら、慎重な市債発行により堅実な財政運営に努める必要がある。
公債費以外の経常収支比率は、前年度と比較すると4.8ポイント悪化し、類似団体平均より2.9ポイント上回っている。主な要因として、歳出において物件費の経常収支比率で1.8ポイント悪化し、人件費においては類似団体平均を大きく上回ったことである。今後も、市税の徴収強化等により一般財源の安定的な確保に努める必要があり、また施設管理において公共施設等総合管理計画に基づく各施設の統廃合や指定管理者制度の導入等による管理コストの軽減に努めることが重要である。
(増減理由)新型コロナウイルス感染症に関する対策の実施に要する資金として「新型コロナウイルス感染症対策応援基金」を約35百万円取り崩す等したが、基金運用から生ずる収益等により財源調整のため財政調整基金を約907百万円、市債の償還財源のための減債基金を約16百万円、四国横断自動車道に関係する阿南市道の整備に要する資金として日亜化学工業株式会社から寄附された寄附金400百万円を「四国横断自動車道に関係する阿南市道の整備に係る日亜化学工業基金」に積み立てたことで、基金全体としては約1,408百万円の増となった。(今後の方針)新市まちづくり計画に掲げる事業に充てていくことを目的として、平成30年度に合併特例債を活用した基金である「輝けあなんふるさと創造基金」を造成し、令和2年度に更に積み立てを行ったが、老朽化した公共施設の更新に係る費用や義務的経費が増大していること、大幅な税収増が見込めないことから、基金全体の額は今後減少していく見込みである。
(増減理由)・基金運用から生ずる収益及び普通交付税の再算定による交付額増加、法人市民税の増加などによる財源調整を行ったことにより増加した。(今後の方針)・老朽化施設の更新費用、扶助費等義務的経費などが年々増加することが見込まれるため、残高は減少していくことが想定される。・災害の備え等を考慮しつつ、必要事業をしゅん別し、効果的に取り崩し・積み立てを行う。
(増減理由)・基金運用から生ずる収益や普通交付税再算定による臨時財政対策債償還基金費を積み立てたことにより増加した。(今後の方針)・今後も市債の償還及び適正な管理に必要な財源を確保するため、計画的に積み立てる。
(基金の使途)・輝けあなんふるさと創造基金:地域振興及び市民の一体感の醸成を図るために行うまちづくり事業に資する。・阿南市ごみ処理施設建設基金:ごみ処理施設の建設及び解体に要する経費の財源に充てる。・新型コロナウイルス感染症対策応援基金:新型コロナウイルス感染症に関する対策の実施に要する経費の財源に充てるため。・阿南市ふるさと阿南応援事業基金:ふるさと阿南応援事業寄附金を阿南SUPタウンプロジェクトの推進に関する事業、関係人口の創出・拡大・深化に関する事業、環境保全に関する事業、観光振興に関する事業、創業支援に関する事業、その寄附をした者が特に指定する事項で、市長が認める事業の財源に充てる。・四国横断自動車道に関係する阿南市道の整備に係る日亜化学工業基金:四国横断自動車道に関係する阿南市道の整備に要する経費の財源に充てる。(増減理由)・輝けあなんふるさと創造基金:地域振興及び市民の一体感の醸成を図るために行うまちづくり事業に要する経費に約9百万円取崩し、財産収入等を約6百万円積立。・新型コロナウイルス感染症対策応援基金:新型コロナウイルス感染症に関する対策の実施に要する経費に約35百万円取崩。・阿南市ごみ処理施設建設基金:クリーンセンター解体に要する経費に約23百万円取崩し、財産収入等を約5百万円積立。・阿南市ふるさと阿南応援事業基金:環境保全や観光振興などの事業に要する経費に約21百万円取崩し、阿南応援事業寄附金等を活用して約243百万円積立。・四国横断自動車道に関係する阿南市道の整備に係る日亜化学工業基金:四国横断自動車道に関係する阿南市道の整備に要する資金として日亜化学工業株式会社から寄附された寄附金400百万円を積立。(今後の方針)・阿南市ごみ処理施設建設基金:クリーンセンター解体に関する経費に活用予定。・新型コロナウイルス感染症対策応援基金:新型コロナウイルス感染症に関する対策の実施に要する経費に充てる予定。・阿南市ふるさと阿南応援事業基金:環境保全や観光振興などの事業に要する経費に充てる予定。
有形固定資産減価償却率は類似団体、全国平均及び県平均を下回っているが、多数の公共施設が耐用年数を迎えつつある状況を踏まえ、平成29年3月に、平成29年度から令和8年度までの10年間を計画期間とする「阿南市公共施設等総合管理計画」を策定し、健全で持続可能な行政運営を行っていくため、計画的な施設の更新・維持に努めることとしている。
債務償還比率は類似団体及び全国平均を下回っており、昨年の同指標と比較すると235.7%と大幅に低下した。地方消費税交付金や市税全体の増加により経常一般財源等が増加し、分母が増加した。公営企業債等繰入見込額が減少、さらに財政調整基金や減債基金残高の増加により、充当可能財源等が増加し分子が大きく減少した。分母が増加し分子が大きく減少したため、債務償還比率が大幅に低下した。「第5次阿南市総合計画」の理念に沿って施策・事業の精査を行い、市債残高の抑制を図るなど、財政の健全化に努めていく。
将来負担比率及び有形固定資産減価償却率は類似団体と比べて低い数値となっているものの、耐用年数を迎える多数の施設の維持管理経費の増大が見込まれることや、老朽化した施設の改修・更新等により充当可能基金残高が減少することも想定されることから、平成29年3月に策定した「阿南市公共施設等総合管理計画」に沿って総合的かつ効率的な施設の維持管理、長寿命化及び統合等に取り組んでいく。
将来負担比率及び実質公債費比率は類似団体内平均より低い水準を保っているが、将来への負担を軽減するため、実施事業の精査を行い、市債発行に当たっては交付税措置されるものを優先するなど、引き続き適切な財政運営に努めていく。
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