2023年度
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
財政力指数は、令和元年度より横ばいにあり、類似団体平均より若干良好な状態を維持している。令和5年度について、分子となる基準財政収入額の、コロナ禍からの経済活動回復に伴う増要因を、分母の基準財政需要額の、社会保障費等による増要因が上回ったことから、単年度での財政力指数は下降し、また、単年度財政力指数が高い令和2年度が計算から外れることにより、3か年平均も低下している。今後も人件費や扶助費等の義務的経費は引き続き増加が見込まれ、厳しい財政運営が予想されるが、本指数の向上・安定化のため、企業誘致や定住促進による市税増収等、自主財源の創出をはじめとした財政基盤の強化を図る。
障がい者自立支援給付事業をはじめとした扶助費の財政需要の高まりや、物価高騰や給与改定などによる経常経費の増加の影響から、前年度比1.8ポイント上昇の92.9%となった。今後も少子高齢化に伴う、生産年齢人口の減少により市税の大きな伸びを見通すことは困難であるなか、社会保障関係経費の財政需要増も想定されるが、物件費や公債費等の経常経費の圧縮、ふるさと納税の拡充など自主財源の確保に努め、条例での目標値である90.0%を達成できるよう、財政の柔軟性を高め、財源調整力を確保していく。
ごみ・し尿処理や消防業務を一部事務組合で実施していることから、過去の実績同様、類似団体平均より少なくなった。令和5年度について、物件費は新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業の減を主要因として減少したが、人件費は人事院勧告による賃上げにより上昇したことで、1,253円増加した。今後も、給与改定による人件費の増加や、光熱水費の高止まりや賃金上昇を背景とした委託料などの物件費の増加が見込まれるが、DX推進や事務事業のアウトソーシング等により、人件費の肥大を抑制するとともに、物件費は公共施設等総合管理計画に基づいた施設の集約化・複合化を推進し、施設管理運営費のコスト削減を図っていく。
令和5年度のラスパイレス指数は、前年度より0.1ポイント上昇したものの、類似団体平均より0.4ポイント低く、全国市平均より0.7ポイント低い水準となっている。平成21年度までの給与構造改革、平成27年度からの給与制度の総合的見直しや人事院勧告などに伴う給与施策の実施および退職補充の抑制を引き続き実施していることから、類似団体平均よりも低い水準が続いている。今後も、国における給与制度改革を見据えながら、国に準拠した給与制度の見直しを図り、引き続き給与水準の適正化に努める。
人口1,000人当たりの職員数は、ごみ・し尿処理や消防業務を一部事務組合で実施していることから、依然として類似団体平均より少ない傾向にあるが、将来の行政運営に支障が出ないよう職員採用数を一定数確保しており、近年は同水準で推移している。今後について、定年延長による職員数増加及び年齢構成バランスも考慮しながら、デジタル技術の活用やアウトソーシング等により、事務の効率化・省力化を徹底し、多様な行政ニーズに応えられるよう適正な定員管理に努める。
既往債の償還が着実に進捗しつつも、基準財政需要額に算入される公債費も減となったことから分子は増加したが、分母も普通交付税の増や経済活動の回復により標準税収入額が増となったことや、単年度実質公債費比率が高い令和2年度が計算から外れることにより、前年度より0.3ポイント低下しており、依然として類似団体平均より良好な水準を維持している。今後の公共施設等の再編・更新需要の拡大に備え、起債の償還方法の検討を重ねていくとともに、既往債の着実な償還と新規発行の適正管理に努め、起債充当事業の厳選や低利資金活用等、財政負担の平準化を図る。
基準財政需要額算入見込額をはじめとした充当可能財源等の減少もあるものの、起債償還の進捗による地方債残高の減や債務負担行為に基づく支出予定額などの減で将来負担額が減っていることから、平成27年度以降将来負担比率は算出されていない。しかし、実質的な国保税不足や介護給付費等不足分に対する国民健康保険支払準備基金や介護保険支払準備基金の取り崩しの増により、充当可能財源は減少しており、充当可能財源超過額は、前年度より13億2,000万円の減となった。今後、北竜台学園や新長戸コミュニティセンター建設をはじめとした公共施設再編・老朽化施設更新などの歳出圧力の高まりから、地方債残高は増加していく見通しであり、将来負担比率の再算出も懸念される。後年度負担の低減のため、事業実施時期の平準化、地方債の繰上償還を行い、地方債残高の抑制に努めるなど財政運営の健全化を図る。
分子の歳出決算額は、人事院勧告による賃上げを要因として増加し、分母の経常一般財源収入額の増要因を上回ったことから、前年度と比較すると0.9ポイント上昇した。ごみ・し尿処理や消防業務を一部事務組合で実施していることから、過去の実績同様、類似単体平均との比較では0.9ポイント、茨城県平均とは2.2ポイント下回っており、依然として低い状況が続いている。今後の定年引上げの影響も踏まえつつ、退職者の再任用を含めた適正な人員管理により正職員及び会計年度任用職員の網羅的な定員管理に努め、人件費を抑制する。
令和3年度までは、類似団体平均を下回る水準となっていたが、令和4年度以降、エネルギーコストの上昇などに伴う物価高騰の影響により、公共施設の光熱費や学校給食食材費などが上昇しており、令和5年度についても、0.5ポイント上昇し、類似団体平均を上回る状況が続いている。今後も、エネルギー価格の高騰・円安の進行による物価の高止まりやそれに対応した賃上げにより、指定管理料などの歳出圧力も強まることが想定される。引き続き、内部管理経費の見直しや事務事業の整理・統合を図っていく。
令和元年度以降、類似団体平均を下回る水準となっており、令和5年度は、障がい者給付や子どものための教育・保育給付をはじめとした扶助費の財政需要の高まりにより、0.6ポイント上昇した。社会保障の拡大により今後も増加が見込まれるが、単独事業については、国や県の制度との整合を図るなど、事業の適正な認定や執行に努める。
その他の経費は、特別会計に対する繰出金が主なものであり、高齢化の進行に伴い、介護保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計に対する繰出金の額は増加基調が続いており、前年度より0.4ポイント上昇し、類似団体平均より0.1ポイント上回っている。今後も団塊の世代の高齢化に伴い、社会保障経費の財政需要は高まり、繰出金増加が懸念されるため、保健事業や介護予防の充実に努め、普通会計の負担低減を図る。
令和5年度は、都市ガス料金の値上げに伴う龍ケ崎地方塵芥処理組合への運営費負担金が増となったものの、分母の経常一般財源収入額の増要因が上回ったことで、前年度より0.2ポイント下降したが、依然として類似団体平均を上回る水準が続いている。今後も補助金等の適正化に努めるととともに、一部事務組合の基金活用等の経営内容精査も行い、負担金の軽減を図り、類似団体平均と同等の水準を目指していく。
普通交付税の増により、分母の経常一般財源収入額が増加したことに加え、分子である既往債の償還も着実に進んでおり、前年度より0.3ポイントの改善となった。しかし、今後は地方債を活用した大型建設事業の償還開始による公債費の上昇が見込まれる。公共施設等再編・更新需要による地方債活用も予定されるため、既往債の借換のほか、新規投資事業の総量・年度間調整を行い、新規借入額が起債償還額を超過しないよう、公債費水準の適正化に努める。
公債費以外の経常収支比率は、前年度と比較して2.2ポイント上昇し、茨城県平均を0.4ポイント上回っている。主な要因としては、分母となる経常一般財源収入額の増要因を、人件費や物件費などの義務的経費の増要因が上回ったことが挙げられる。今後も、高齢化社会の進展により扶助費や特別会計への繰出金の増が見込まれるため、市税の徴収率向上に向けた取組みなど財源確保に努め、経常経費の見直しと削減を徹底する。
(増減理由)令和4年度は、エネルギーコストの上昇などに伴う物価の高止まりや、今後予定している公共施設の更新に備えて、総額8億2,500万円の決算剰余金の積み立てを行ったが、令和5年度は、減債基金へ普通交付税の追加交付分として臨時財政対策債償還基金費8,600万円の積み立てのみとなっている。特定目的基金は、ふるさと龍ケ崎応援寄附金を原資とした、みらい育成基金など、総額1億6,200万円積み立てたが、新保健福祉施設建設事業へ公共施設維持整備基金を6,400万円活用するなど、総額2億5,200万円を取り崩したことから、年度末現在高は、前年度と比べて8,900万円減少した。「龍ケ崎市財政運営の基本指針等に関する条例施行規則」に規定した、積立金残高比率35%以上という目標値についても、残高が大きく増加した前年度に比べ、1.2ポイント減の41.6%となったが、令和5年度も40%を上回っている。(今後の方針)将来の公共施設等のストック対策、臨時的な財政需要等への備えとして基金残高の確保は重要である。一方、人口減少社会や景気変動による不安定な歳入環境、高齢化社会の本格化による社会保障関係費の増等、財政状況が非常に厳しいなか、積立原資を確保するのが難しい局面に来ている。さらに、現下のエネルギー価格高騰や円安進行による物価高騰など、歳出圧力が高まる厳しい状況に置かれている。「龍ケ崎みらい創造ビジョンfor2030」の計画期間(令和5年度から12年度)内の累積収支不足額は、前期基本計画最終年度が8.9億円、後期基本計画最終年度は60.7億円となり、前期基本計画中に収支不足が生じ、後期基本計画最終年度の12年度には累積収支不足額と一般基金残高が均衡し、基金の枯渇が現実味を帯びてくる。よって、事務事業の不断の見直しに加え、大型事業の実施に当たっては、計画的に積み立てたものを除き、過度の取り崩しを行わず、収支改善で生み出した財源の範囲内での実施に努め、基金残高を維持し、さらに収支改善による余剰が発生した場合は、既存施設の統合や老朽施設の更新に備え、公共施設維持整備基金や義務教育施設整備基金を中心に積み立てを行う。また、遊休地の売却を進め、維持管理費を軽減するとともに、売却収入を公共施設維持整備基金に積み立てを行うなど、積立金残高比率の目標値を維持できるよう、基金ストックの充実を図る。
(増減理由)令和2年度に新型コロナウイルス感染症対策費の財源として12年ぶりに5,000万円を取崩して以降は、令和5年度も取崩しを回避でき、運用益による増にとどまった(+207,579円のため見かけ上の数値に異動なし)。(今後の方針)最低限維持すべき水準を標準財政規模の10%である10億円としたうえで、景気の急激な変動等による歳入の下振れや災害時の備えとして、単年度の収支ギャップを10億円、平時への回復期間を3年間と想定し、標準財政規模の約20%にあたる30億円程度の残高維持を目指す。
(増減理由)令和5年度は、総合運動公園整備事業分として、5,900万円を取り崩し、また、普通交付税の追加交付分として臨時財政対策債償還基金費8,600万円を積み立て、後年度の普通交付税の減額要因に備えている。(今後の方針)総合運動公園の建設に伴い積み立てた分について,総合運動公園にかかる地方債償還に充てる予定である。
(基金の使途)公共施設維持整備基金:公共施設維持整備資金に充当。義務教育施設整備基金:義務教育施設整備事業に充当。みらい育成基金:ふるさと龍ケ崎応援寄附金を原資として、各種事業を実施し、寄附者の龍ケ崎市に対する思いを具現化することにより、様々な人々の参加による個性豊かな魅力あるまちづくりに資することを目的。地域振興基金:地域における福祉活動の促進、快適な生活環境の形成、にぎわいの創出等の活性化を図るとともに、国際交流をはじめとする市民の交流事業を円滑に推進する。地域福祉基金:地域における高齢者保健福祉の推進及び民間福祉活動に対する助成等に資する。(増減理由)公共施設維持整備基金:土地売払収入を原資に557万円積立。新保健福祉施設整備事業へ6,400万円、たつのこアリーナの維持管理費へ200万円を充当。義務教育施設整備基金:運用益による増(+11,979円のため、見かけ上の数値に異動なし)。みらい育成基金:基金の充当対象となる、未来を担う子供たちのための事業等、ふるさと龍ケ崎応援寄附金の活用事業に9,358万円を充当。他方、基金の原資となるふるさと龍ケ崎応援寄附金の寄附額1億4,669万円を積立。地域振興基金:龍ケ崎地方塵芥処理組合負担金へ8,345万円充当。国際交流事業へ97万円充当。(今後の方針)庁舎を含む、公共施設等のストック対策などの財政需要が高まるとともに地域振興やにぎわいの創出など活性化に向けた施策にかかる財源として基金は重要な役割を担っている。当面、厳しい財政状況が続くと見込まれるが、各事業の効率化、選択と集中を徹底し、基金残高の確保に努める。
有形固定資産減価償却率は、公共施設総合管理計画に定める効果的・効率的な維持管理の方針に基づき改修・更新等を実施しているものの、財政健全化の取組で投資的経費を抑制してきたため上昇傾向にあり、類似団体を上回っている状況である。今後も、多機能化・複合化による公共施設の集約の推進、児童生徒数減少に対応した小中学校の再編など、インフラも含めた計画的な施設の改修・更新等により、比率の低減に努めていく。
債務償還比率は減少傾向にあり、類似団体の平均を下回っている。中期財政計画に基づき、元金償還金とのバランスを図り、新規借入を抑制していることがその要因である。一方で、公共施設の老朽化に伴う更新需要の増加に加え、新学校給食センターや新保健福祉施設の建設、小中学校再編などに伴う比率の上昇が懸念される状況である。今後、急激な上昇とならないよう償還負担の平準化に留意するとともに、自主財源の確保にも取り組んでいく。
地方債の新規発行を抑制しており、地方債残高が着実に減少していることから、将来負担比率は平成25年以降算出されていない。その一方で、投資的経費を抑制してきたことから、有形固定資産減価償還率は上昇しており、類似団体平均を上回る水準である。将来負担比率は、学校給食センターを1ヶ所に集約する建設工事や、保健センター機能を有する新保健福祉施設建設などの大型建設事業のほか、既存施設の老朽化による改修・更新の進展に伴い上昇が想定される反面、有形固定資産減価償却率の低減が見込まれる。将来負担の急激な上昇に留意しながら,個別施設計画等に基づく適切な維持管理を推進し、有形固定資産減価償却率の低減を図っていく。
将来負担比率は算出されず、実質公債費比率も減少傾向にあり、類似団体平均と比べると低水準にある。これは、中期財政計画において、新規借入を元金償還額を超えないよう抑制しているためである。一方、公共施設等の老朽化の進展により更新需要が高まっているため、将来負担比率の上昇が見込まれる。実質公債費比率も同様に、新保健福祉施設などの大型建設事業や老朽施設の大規模改修等にかかる新規借入に対する償還に加え、一部事務組合として広域処理を行っているごみ処理施設の基幹的設備改良工事に対する償還負担が本格化してくるなど、比率の上昇リスクとなる懸念材料を抱えている。計画的な施設更新により、投資による資産形成と負債となる償還負担のバランスを図りながら、施設更新の適正化、財政運営の健全化に取り組んでいく。