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東日本大震災の津波による家屋流失に伴う課税対象の減、火力発電所大型償却資産の経年減価による評価額の減等を要因とする固定資産税の減少が影響し0.57となった。さらに、東日本大震災及び原発災害による転出者の増加等により、今後、市民税については震災前水準への回復を見込むのは難しい状況にある。
東日本大震災の地震及び津波被災や原発災害に伴う課税免除や減免等による減額の縮小による市税の対前年比増によって経常一般財源が大幅増となったこと、退職者数の減に伴う退職金の減により経常経費充当一般財源が減少したこと等から対前年度比31.0%の低下となった。東日本大震災及び原発災害による転出者の増加等により、今後、市民税については震災前水準への回復を見込むのは難しい状況にあること等から、経常経費の抑制に努めていく必要がある。
人件費については、退職者数の減(平成23:72人⇒平成24:35人)に伴う退職金の減、災害対応に伴う超過勤務手当の減等により、人件費全体で対前年度比23.2%の減少となった。物件費については、生活圏除染事業、帰還住民放射能対策機器整備事業等の原発災害対応のための支出が大幅増となったこと等により、対前年度比69.3%の増加となった。
国家公務員の時限的(2年)な給与改定特例法による措置により、指数が100を上回ったものの、東日本大震災及びそれに伴う原発事故発生に起因する、高年齢、高格付職員の早期退職の増加等により、前年度比3.7の減となっている。震災及び原発事故からの復興のためのマンパワー確保に向け、主として若年齢層を中心とした、退職者の補充が予定されていることから、今後、さらに給与水準が下がることが見込まれる。
東日本大震災及びそれに伴う原子力発電所事故対応のため、正職員の前倒し採用及び任期付職員の大量採用等により、前年度比0.69の増となった。平成24年度以降も、復旧復興のための任期付職員の多数採用を継続するなど、今後しばらくは増加傾向が続く見込みであるが、新たに任期付職員を採用する場合に、復興の進捗度合や業務の推移に適応した任期を設定するなど、適正な職員数の維持に努めてゆく。
復旧・復興事業の財源が震災復興特別交付税で措置されたことによる市債新規発行の抑制、償還終了等による元利償還金の減等により、対前年度比0.8%の減少となった。類似団体平均を4.1%上回っていることから、今後も交付税措置のない地方債の新規発行の適正管理に努め、公債費の負担軽減を図る。
東日本大震災復旧・復興基金など充当可能基金残高の増加や市債残高の減、職員数の減少に伴う退職手当見込額の減等により、対前年度比61.4%の減少となった。一時的に類似団体平均を37.2%下回ってはいるものの、残高が増加した基金については今後の復旧・復興事業の財源となるものであり、今後も財政支援のない新規の債務負担行為の設定や地方債新規発行の適正管理に努め、将来負担の軽減を図る必要がある。
東日本大震災及びそれに伴う原子力発電所事故対応のための超過勤務の増及び平成22年度退職者の退職延期に伴う退職者の増等により、平成23年度において大幅増となったが、組織見直しによる業務の効率化、平準化や高齢高格付職員の早期退職等により、震災前の水準まで落ち着いてきている。今後しばらくは、復興に向けた任期付職員の大量採用等により、人件費が増となる見込みであるが、退職手当調整率の見直し等、人件費抑制策を講じ、適正な水準の維持を図ってゆく。
物件費に係る経常収支比率については、東日本大震災以前は類似団体平均をわずかに上回る水準で推移していたが、今年度は2年連続で類似団体平均を下回り、10.8%となっている。要因としては、避難指示区域の設定が継続中のため、区域内の施設管理費等、経常経費に分類される一部の経費について減少した状態が継続していることが挙げられる。今後は、避難指示区域解除等により、物件費の上昇が見込まれるため、公共施設のアセットマネジメントや復旧・復興事業以外の事務事業の見直し等を実施することで物件費の抑制に努める。
扶助費に係る経常収支比率については、東日本大震災以前は類似団体平均とほぼ同水準で推移していたが、今年度は2年連続で類似団体平均を下回り、4.9%となっている。要因としては、東日本大震災以降、生活保護扶助費、乳幼児医療費助成事業等の経常経費に分類される一部の経費について減少した状態が継続していることが挙げられる。今後、扶助費の震災前水準への回復、上昇は避けられない状況であると考えられるため、単独事業で実施している扶助費の見直しを実施する等、財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他の経常経費に分類される支出に係る経常収支比率については、東日本大震災以前は類似団体平均を下回る水準で推移していたが、今年度は2年連続で類似団体平均を上回り、14.6%となった。要因としては、東日本大震災以降の経常一般財源額の低下が主なものである。今後も引き続き、支出規模については震災以前ベースを上限として、各種経費の見直し等を実施し、支出規模の抑制に努める。
補助費等に係る経常収支比率については、東日本大震災以前は類似団体平均に年々近づく形で推移していたが、今年度も類似団体平均を上回る12.1%となっている。要因としては、東日本大震災以降の経常一般財源額の低下が主なものであり、補助費等の支出額自体は減少傾向にある。今後も引き続き、公営企業への経費の節減として、国の定める繰出基準以外の支出を抑制するとともに、単独事業で実施している補助費の見直しを実施する等、補助費等の削減に努める。
公債費に係る経常収支比率については、東日本大震災以前は類似団体平均とほぼ同水準で推移していたが、今年度は2年連続で類似団体平均を上回り、21.4%となっている。要因としては、東日本大震災以降の経常一般財源額の低下が主なものであり、復旧・復興事業の財源が震災復興特別交付税で措置されたことによる市債新規発行の抑制、償還終了等による元利償還金の減等により公債費の支出額自体は減少傾向にある。今後も引き続き、交付税措置のない地方債の新規発行の適正管理に努め、公債費の負担軽減を図る。
公債費以外の経常経費に係る経常収支比率については、東日本大震災以前は類似団体平均を僅かに下回る水準で推移していた。昨年度は経常一般財源額の低下により大幅に減少し、今年度は類似団体平均を下回る65.7%に低下するなど、非常に不安定な推移の状態にある。経常的な収入、支出共に、東日本大震災の影響を大きく受けた状態が継続しており、今後の動向も見込みづらい状況にはあるが、今後も全体的な見直し等を継続して実施し、経常経費の抑制に努める。
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