経営の健全性・効率性について
①R3年度は給水収益の減収や維持管理費の増額に伴い、前年度比7.9ポイント下回った。また、全国平均値や、同規模類似団体(以下、類団)平均より下回るも、継続的に100%を上回る黒字経営が続いている。②累積欠損金は、現時点で発生していない。③毎年度100%を大きく超え、支払能力は十分備えている。④現時点で企業債残高はない。⑤給水収益の減収等により前年度比8.1ポイント下回ったが、類団平均値は上回った。給水に係る費用は給水収益で賄っており、引き続き安定した料金収入の確保を目指す。⑥前年度より2.12ポイント上昇するも類団平均では1.94ポイント下回っている。維持管理費の縮減や経常費用の見直し、投資の効率化を進める必要がある。⑦全国及び類団平均値を大きく上回っており、今後もほぼ横ばい状態が続くものと予測される。⑧再生水廃止に伴いR1年度から減少するも、以降契約率の変更はない。全国及び類団平均値は上回っている。今後も契約ユーザーに対し、給水の安定的な供給に努めていく。
老朽化の状況について
①全国及び類団平均値は下回っているが、比率は年々上昇傾向にあるため、H27年度に策定したアセットマネジメント計画等に基づき、財源確保や経営に与える影響等を考慮し、施設や管路の計画的な更新を実施する必要がある。②③管路更新については布設年次が比較的新しいため、今後数年間は耐用年数を超える管路はない見込みである。将来的には、耐用年数に達し更新時期を迎える管路が増加すること等が考えられるため、事業費の平準化を図り、効率的な更新に取り組む。
全体総括
当市工業用水道事業の経営は、収益性も含めすべての項目において概ね良好と捉えている。今後は、老朽施設や管路等の更新需要を賄えるだけの莫大な財源確保が喫緊の課題である。経営戦略やアセットマネジメント計画に基づき、中長期財政収支を見通した中で計画的に施設等を更新し、維持管理の効率化を一段と進めるとともに、災害に強いまちづくりを推進するため、BCPの策定や施設等の長寿命化に取り組みながら、安全安心な工業用水の供給を安定的に努めていく。