八千代町：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、類似団体平均値と比較しても良好である。その要因として企業債の減少、料金回収率、施設利用率、有収率等が高水準に推移していることが考えられる。今後の更新投資等に充てる財源を確保することが必要となる。④企業債残高対給水収益比率について令和3年度は28.14％となっており、年々減少傾向にある。その要因として企業債の減少、また近年大規模な設備投資がないことが考えられる。今後は投資規模の分析、設備投資を適切に行い、経営改善を図っていく必要がある。⑥給水原価は、R2年度と比べ4円ほど低くなり、類似団体平均値を下回っている。これは経常費用の減少などが要因として考えられる。今後はより一層投資、維持管理費の効率化を図っていく必要がある。⑦施設利用率は、毎年類似団体平均値と比較しても高い数値となっている。要因としては、水道加入率の増加等が考えられる。今後は人口等の変動を読み適切な施設規模を把握する必要がある。⑧有収率は毎年高い数値を維持している。要因としては法定耐用年数を超えた管路がなく、漏水が少ないことが挙げられる。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、R2年度と比べ変わっていないが、増加傾向にあり、類似団体平均値と比較しても高い傾向にある。企業債の新規借り入れを抑え、大規模な設備投資を控えたことが影響していると考えられる。今後は管路の経年過率や管路更新率を踏まえた分析を行い、施設全体の法定耐用年数を考慮した設備投資をする必要がある。③管路更新比率は例年1％未満であり、類似団体平均値と比較しても低い傾向にある。しかし、法定耐用年数を超えた時点で一斉に更新時期を迎えることから、今後計画的に設備投資をしていく必要があると考える。

全体総括

経営の健全性・効率性からみると、類似団体平均値と比較しても良好である。しかし、水道事業共用開始から30年以上が経過しており、大規模な施設更新もないまま、施設全体の老朽化が進んでいる状況にある。今後は老朽化対策を進めながら、現状の経常収支率、有収率等の水準を維持するとともに、経営体制の在り方や、投資の在り方を見直す必要があると考える。