事業・施設概要
| 都道府県 | 岩手県 | 経営主体 | 二戸市 |
|---|---|---|---|
| 事業区分 | 末端給水事業 | 会計適用区分 | 法適用 |
| 類似団体区分 | A6 | 行政区域内人口 | 23,837人 |
| 現在給水人口 | 19,819人 | 給水区域面積 | 8,721ha |
注:人口・面積は当該年度値。
経営の健全性・効率性について
【収益性】経常収支比率は過去5か年で100%以上を維持し、累積欠損金もなく概ね健全に推移している。なお、令和6年度に上昇した主因は、電気料金の動向を踏まえた委託料の減額変更等により経常費用が減少したためである。一方、給水人口の減少や物価上昇に伴う費用増により収支の悪化が懸念されるため、収入確保策と経費抑制策を一体的に進め、収益性の安定化を図っていく。【資産・財務】流動比率は100%を超えており短期的な支払能力は確保できている。企業債残高対給水収益比率は企業債残高の削減により改善しているが、類似団体平均の約2.5倍と高水準で、料金収入規模に対する負債負担が依然大きい。長期的な健全性を示す自己資本構成比率は、令和6年度で前年比1.09ポイント改善しており、引き続き収益性の確保・向上と、企業債残高の計画的な縮減に取り組み財務体質の強化を図っていく。【料金】料金回収率は100%を下回っている状態が続いており、類似団体平均よりも低い水準にある。令和6年度は前年度比5.44ポイント改善したものの、給水原価は依然として類似団体平均を大きく上回り、構造的なコスト負担の大きさがうかがえる。物価上昇が続く中、現行料金のままでは給水原価が供給単価を上回る状況は継続し、料金回収率の改善は進みにくい。今後は、経費抑制を進めつつ、中長期の収支見通しを踏まえ、料金体系を含む収入確保策の検討を行う。【施設の効率性】施設利用率は60%台と類似団体平均と比較して高い水準にあるが、今後は給水人口の減少等により更なる配水量の減少が見込まれるため、施設の統廃合や管路のダウンサイジング等、適正な施設規模で更新を行っていく必要がある。有収率は令和6年度で前年度比0.34ポイント低下した。漏水検知システムの活用などにより、漏水の早期発見・修繕に取り組んでいるものの、管路等の老朽化が進行しており、対策効果が十分に表れにくい状況となっている。有収率の向上は経費の削減に加え、負荷低減を通じた機器・設備の延命にもつながることから、漏水の早期発見・修繕を継続するとともに、老朽管更新の計画的な実施など、漏水防止対策を一体的に推進していく。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、保有資産のうち5割超で減価償却が進行しており、令和4年度以降は類似団体平均を上回って推移している。機械設備や管路の老朽化が進んでいることがうかがわれ、今後は更新需要の一層の増大が見込まれる。管路経年劣化率は、類似団体平均と比較して低い水準で推移しているものの、年々上昇傾向にあり、老朽化の進行がうかがわれるため、更新を順次進めるとともに、点検・調査に基づく計画的な維持修繕を実施し、施設の長寿命化を図っていく。管路更新率は、令和6年度で前年度比0.15ポイント低下した。5か年平均(約0.38%)は類似団体平均(約0.47%)を下回っており、更新の進捗は相対的に弱い状況にある。今後も、漏水防止と安定給水の確保に向けて管路更新を着実に推進するため、補助事業の活用等により必要な財源を確保しつつ、耐震性の低い管路や老朽管を優先して、耐震管への布設替えを含む計画的な整備を進めていく。
全体総括
今後は、人口減少等により給水収益の大幅な増加が見込みにくい一方、物価上昇の影響に加え、老朽化した施設・管路の計画的な更新など、費用の増加が避けられない状況にある。このため、当市の水道事業を取り巻く経営環境は、今後一層厳しくなるものと見込まれる。また、水道事業を担う人材確保が難しくなる中、安定的な事業運営体制の維持も課題となっている。安全で安心な水道の持続可能な運営を確保するため、業務の効率化などによる費用抑制を進めるともに、料金体系の検証を含む収入確保策に取り組む。あわせて、更新需要を踏まえた施設の長寿命化や投資の平準化を図り、将来の経営環境を見据えながら、経営戦略の点検・見直しを行い、経営基盤の強化に取り組んでいく。さらに、運転管理業務の外部委託の活用や、事故・災害時の実務経験者による支援体制の整備を進め、職員の育成と技術継承を一体的に推進する。
経営状況
収支構造
総額6.4億円
総額5.9億円