経営の健全性・効率性について
本町では、簡易水道事業統合を完了し、平成29年度から上水道事業での一元化経営を行っているところである。経営の状況については、①経常収支比率が100%超で推移している状況であり、②累積欠損比率についても、累積欠損金が無いことから、現在のところ健全な水準である。平成28年度に料金改定を実施しているものの、料金回収率は毎年度70%代で推移しており、100%を割っている。令和3年度においては、料金収入が前年度比2.6%減少し、⑥給水原価が令和2年度に比べ約13円の増となったことにより、⑤料金回収率は4%程度減少した。基準外繰入金で賄われている割合が類似団体と比較しても高いことから、施設整備の長期計画に基づき、水道施設の合理化とダウンサイジングにより経費の縮小を図り、また料金の見直しを計画的に進めていく方向である。③流動比率は、統合初年度に大きく落ち込みを見せたものの、令和3年度は330%を超えている水準であるため、支払能力は適正な水準である。④企業債残高対給水収益比率は、類似団体よりも高い数値で推移している。平成29年度から旧簡易水道事業に係る企業債残高が加算されたこともあり類似団体の約1.9倍となっているため、補填財源のバランスを考慮しながら、企業債の借入率を抑制し、投資規模の適正化に努めている。本町の特色として、山間部及び海岸部に集落が点在するため、給水人口に対しては管路の延長が長く、水道施設も多いため、給水原価は類似団体より高い水準で推移している。また、⑧有収率は、統合後75~76%代の低水準で推移している。これは海岸部等の低地に対して、配水池からの高低差が大きく、高圧給水となっているため、漏水量の増加に繋がっていると分析する。⑦施設利用率については、給水人口の減少に伴い配水量は低下傾向にあり、類似団体平均を上回っているものの適正な施設規模の見直しが必要である。。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、近年類似団体並で推移していたが、簡易水道事業の統合により老朽化施設が増加したため、類似団体平均値を上回った。②管路経年化率は、平成30年度に類似団体平均値を上回った。昭和40年代後半から昭和50年代前半にかけて水道整備が急速に進んだことから、耐用年数(40年)が到来する管路が集中するため、今後も大きく増加することが見込まれる。③管路更新率は、近年では類似団体平均を上回っていたが、令和3年度は老朽管更新事業において工事の繰越を余儀なくされたため、0.38%となっており、類似団体平均値に及んでいない。管路の耐用年数を60年で試算すると毎年度1.7%の更新が必要となるため、限られた財源で投資の選択と集中を行い、管路の更新に取り組む。
全体総括
1.経営の健全化・効率性においては、料金回収率、企業債残高対給水収益比率及び有収率の改善が必要であると考える。そのため、平成28年4月に料金改定(改定率13.2%)を実施し、料金回収率、企業債残高対給水収益比率の改善に努めたところであるが、経営戦略に基づいて今後も5年毎に改定を検討している。令和3年度には、料金改定を実施することとしていたが、新型コロナの影響により、見合わせている。有収率の改善に向けては、近年、漏水調査を民間委託することで徐々にではあるが、有収率の向上に繋がっている。2.施設老朽化の状況においては、現状、類似団体より管路経年化率が年々増加傾向である。令和4年3月に施設整備の長期計画に基づいて経営戦略を見直しており、新たな経営戦略のもと、管路の更新と施設の合理化を重要施策と位置付けながら、事業を計画的に実施することとしている。