経営の健全性・効率性について
「経常収支比率」及び「料金回収率」については以前より100%を超えており、健全な経営を維持しています。令和元年7月に水道料金の改定(値上げ)をしたことにより、さらに向上しましたが、修繕費(施設機器更新及び漏水修理)及び動力費(電気料値上がり)の増加のため減少しています。また、令和2年度は新型コロナウイルス経済対策による基本料減免を半年間実施し、減免分は他会計補助金として充当していたため料金回収率は減少していましたが、通常に戻っています。「累積欠損金比率」については、欠損金が発生していないため0%であり、健全であると言えます。「流動比率」については、令和元年7月の水道料金改定により向上しましたが、配水管布設替工事に伴う企業債借入額の増により企業債が増加したため減少しています。しかしながら、引き続き短期負債への支払い能力は十分に確保されています。「企業債残高対給水収益比率」については、類似団体の平均を下回っています。平成30年度から起債により管路耐震化を進めており、企業債残高は同程度で推移する予定です。令和2年度は新型コロナウイルス経済対策による半年間の基本料減免により給水収益が減少したため比率が増加しましたが、通常に戻っています。「給水原価」については、類似団体平均を大きく下回っており、低コストで給水を行うことができています。「施設利用率」については、人口減少及び使用水量の低下により、平成30年度に計画1日最大給水量の見直しを行ったため、数値が大きく向上しました。「有収率」については、平成28年度に水圧調整等の配水システムの見直しにより漏水が減少したため、平成29年度から類似団体平均を上回りました。令和元年度から大幅に向上している理由は、平成30年度より5か年計画で基幹管路の耐震化を進めていることによるものです。しかし、令和3年度は前年度より工事及び漏水件数が多く、洗管等に使用される無効水量が増加したことなどにより減少しています。今後も計画的な布設替や漏水調査等による有収率の向上を目指します。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却率」及び「管路経年化率」については、共に全国平均、類似団体平均を超えており、資産の老朽化が進んでいることを示しています。「管路更新率」については、平成30年度に大幅に向上しました。これは、平成30年度より5か年計画で生活基盤施設耐震化等交付金を活用した基幹管路の耐震化を進めていることによるものです。なお、令和元年度は管路工事の一部が次年度繰越となったため低下し、令和2年度は前年度繰越の分が増加となっています。令和3年度は前年度と同規模の管路更新を行っています。今後も、計画的に管路更新等を進めることで、「有形固定資産減価償却率」及び「管路経年化率」の向上にもつながる見込みです。
全体総括
現在、水の安定的な供給と有事における強靭な水道システム構築を目指し、平成29年度にはアセットマネジメント計画、平成30年度には経営戦略を策定、さらに財源確保の為、令和元年7月に平均改定率20.2%の水道料金値上げを行いました。今後も5年毎に経営戦略の見直しを行いながら、水道料金の見直しを視野に入れ、これらの計画を基本とし、耐震化を含めた計画的な施設や設備の更新を進めます。