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財政力指数については近年ほぼ横ばいの状況にあり、他団体に比して低い状況も変わっていない。これは、人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(平成27年度末40.12%)により財政基盤が弱いといった背景によるものである。平成27年度においては地方消費税交付金の増により基準財政収入額が増え、0.1ポイント改善した。財政力指数について改善目標数値は設定していないところであるが、今後はさらなる減少に転ずることのないよう、収納対策や新たな歳入の確保に取り組む必要がある。
歳出面では定年退職者の減(12人→6人)により約2億1千万円、公債費が約1億3千万円の減となったこと、歳入面では地方消費税交付金が1億6千万円の増となったことから、5.4ポイント改善した。しかし、人件費、扶助費といった義務的経費の、経常収支比率に占める割合は依然として高い状況にあるため、財政構造の弾力性は低いと言える。今後は「自立推進行政改革プラン」に基づくこれまでの取組に加え、給与体系の見直しや収納対策に取り組む必要がある。
類似団体平均に比べ人口1人当たりの決算額が高くなっているのは、主に人件費を要因としている。これは、市木地区に開設している診療所や市直営の保育所、単独で組織している消防本部など医師や保育士、消防士の人件費も含まれていることも一因となっている。これまで職員数の削減・コスト削減につなげてきたが、現行の行政サービスを確保するためにはさらなる削減が難しい状況となっている。これを改善するためには、これまでの努力も継続しつつ、給与体系の見直しや行政サービスの見直しを行うことも必要である。
昨年度は一時的にラスパイレス指数が100を下回ったが、再度100を超えた状況である。これまでもワタリ制度の廃止及び昇給抑制の実施等行い、国と同じ水準に近づくよう努力しているところである。ラスパイレス指数が高いことについて、職員団体と共通の認識を持ち、国と同じ基準となるように職員団体と継続的に交渉を続けていており、今後も給与適正化に向けて努力していきたい。
平成19年度定員管理計画を策定し、民間委託や退職者の不補充等を、継続的に実施し、職員数の削減に努めてきた。現業職の撤廃の実施や、ほぼ全ての施設において指定管理者制度の活用による民間委託を実現してきたが、なお平均より高い状態である。また、本市の地域が広域であるため、単独で消防本部を組織している現状であることも一因となっている。今後も更なる職員数の削減の余地があるか検討を重ねる必要がある。
実質公債費比率については市債発行額の抑制により年々低下を続けており、平成26年度と比較して1.3ポイントの改善がみられる。しかし、平成27年度は大型事業の実施があったため、償還額以上の新規発行をすることとなったことから、元金償還が始まる平成31年度には実質公債費比率が若干悪化する見込みである。事業終了後には市債発行の抑制を継続し、数値の改善を目指すものである。
将来負担比率については、市債発行額の抑制や基金の積立等により、年々低下を続けており、平成26年度と比較して4.8ポイントの改善が見られる。数値目標は設定していないが、今後も「自立推進行政改革プラン」に基づき、市債発行の抑制や基金の積立等の対策を継続し、さらなる改善を目指すものである。
類似団体平均と比べ高い水準にある。これは保育所などの施設運営を直営でおこなっていることや、地域が広域であるため単独による消防本部を組織しているといった状況により、職員数が類似団体平均と比較して多いことが主な要因である。平成27年度においては、定年退職者の減(12人→6人)により、退職金が減となった。今後は保育所の民営化を進めるなど、人件費の削減に努める。
物件費は類似団体平均に近くなっている。現在はスポーツ施設、文化会館、図書館、観光施設などの管理について民間委託を実施しており、今後も順次民間委託化を進めていく。物件費には委託料や修繕料等も含むため、施設がある限りは発生し、増大していく見込みである。今後は公共施設等総合管理計画に基づき施設面積を減らしていくことで、物件費の削減を行っていく必要がある。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、かつ上昇傾向にある要因として、養護老人ホームが市内に2施設あり、上昇する高齢化率(40.12%)に伴い、措置者が多いことが要因となっている。また、社会保障の充実・多様化や生活保護者数も年々増加傾向にあり、扶助費が財政を圧迫する状態である。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均より高くなっているのは、繰出金の増加が主な要因である。平成27年度においては簡易水道統合事業のため、簡易水道特別会計への繰出が増となっていた。簡易水道特別会計への繰出は今後減少していくが、医療などの社会保障費に関する繰出しは高齢化の進展とともに増えることが予想されるため、医療費抑制に努める。
経常収支比率における補助費等の比率が類似団体平均を大きく下回っているのは、義務的経費の割合が多大であることに加えて、市単独補助金の終期設定の徹底や定期的な事業効果の見直し実施等が要因と思われる。今後も補助金の見直しや廃止などを継続的に取組み、適正な財政運用に努める。
公債費については、一般会計の地方債新規発行額を公債費元金の償還額以下に抑制しているため、年々減少してきている。しかし、平成27年度は大型事業の実施があったため、償還額以上の新規発行をすることとなった。事業終了後は従来の市債発行額抑制に努めていく。
公債費以外での比率が上回っているのは、人件費及び扶助費が要因となっている。人件費については、定年退職に伴う人員減を埋めるための補充を抑制するなどしているが、扶助費については、全国的にも生活保護費や児童福祉費といった社会保障費の増に伴うものである。今後も扶助費の増に伴い、市の財政を逼迫し影響を与えるものが大きいと考えられる。
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