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人口の減少や高齢化などにより、財政基盤が弱く、類似団体平均を0.11ポイント下回っている。固定資産税や入湯税などは増収傾向にあるが、引き続き、市税等の収納向上対策を中心とする歳入確保に努めるとともに、行財政改革(第4次行財政改革)への取り組みを通じて、補助金や委託料を中心とした歳出を見直し、予算編成に反映させるとともに、行政の効率化に努めることにより、財政の健全化を図る。
補助費等や公債費の減少などにより、経常経費充当一般財源が減少したものの、新型コロナウイルス感染症対応地方税減収補填特別交付金の減による地方特例交付金や地方交付税の減少などにより経常一般財源が減少し、経常収支比率は0.4ポイント増加し、類似団体の平均を6.7ポイント上回った。引き続き、行財政改革への取り組みを通じて、補助金や委託料を中心とした歳出を見直すなど、事業の見直しを進めるとともに、全ての事務事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減を図る。
類似団体平均に比べ、人件費・物件費等が高くなっているのは、市の面積が広大で、総合支所を配置しているなど保有する公共施設が多く、その維持管理に費用がかかっているためである。今後も引き続き、令和3年度策定の公共施設再編計画の個別管理計画により施設の集約化や廃止などの効率的な施設配置を検討し、公共施設の中長期的な維持更新費用の縮減を図るとともに、公共施設マネジメントの専門知識等を有するアドバイザーの派遣事業等の活用も検討する。
定員管理計画の目標値を超える実績となり、人口減少により0.07人増加した。類似団平均を1.37人上回っているが、市の面積が広大で、総合支所等を配置していることが主な要因である。今後も定員管理計画をもとに、類似団体平均の水準まで職員数を削減する等、より適切な定員管理に努める。
行財政改革実施計画のもと、地方債の償還年限の見直しや繰上償還の実行などにより、対前年度で0.6ポイント減少したが、類似団体では最も高いポイントとなっている。元利償還金の減少に伴い、令和3年度をピークに実質公債費比率は、減少に転ずるものと見込まれるが、中長期財政見通しによる中期的な視点に立ち、今後とも新規発行の抑制に努めていく。
地方債元金償還に伴う地方債現在高の減少や、公営企業債等繰入見込額の減少などにより将来負担額が減少し、将来負担率は、対前年度で13.0ポイント減少したが、類似団体平均を30.5ポイント上回っている。今後も公債費等義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努める。
人件費に係る経常収支比率は、会計年度任用職員の適正な人員配置などを行っているが、消防団員報酬の増などにより、対前年度で0.8ポイント増加したが、類似団体平均を3.6ポイント下回っている。これは、類似団体平均より職員数は多いものの、給与水準が低いことが主な要因である。今後も行財政改革(第4次財政改革)への取り組みを通じて、人件費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率は、光熱費や物価高騰の影響等により、対前年度で2.1ポイント増加し、類似団体平均を1.7ポイント上回っている。当市は類似団体と比較し、保有する施設が多いことも類似団体平均より上回る要因と考えられる。今後も、財政改革のもと、今後、委託業務を中心とした事業のヒアリング、見直しにより、事業の取捨選択を徹底していくことで、事業費の減少を目指すこととしている。
扶助費に係る経常収支比率は、対前年度を0.1ポイント上回ったが、類似団体を2.0ポイント下回っている。今後も資格審査等の適正化や各種手当への単独加算等の点検、見直しを進めていくことで、抑制するよう努める。
その他に係る経常収支比率は、前年度と同率となっているが、類似団体平均を1.6ポイント上回っている。今後も他会計への繰出金を抑制するなど、各種事業の経費節減や受益者負担の原則に基づいた使用料等の見直しを踏まえて、更に適正化を図る。
補助費等に係る経常収支比率は、対前年度で1.5ポイント減少したが、類似団体平均を3.3ポイント上回っている。類似団体平均を上回っているのは、病院事業会計への補助などが主な要因と考えられる。その他の補助金については、令和4年度策定の補助金見直しガイドラインに基づき、今後も継続的に見直しを行い、補助金を交付するのが適当な事業を行っているのかなどの検証・評価を行い、必要性の低い補助金は見直しや廃止を行う方針である。
近年大型の整備事業が集中したことに伴い地方債元利償還金が膨らんでいる状況にあったが、対前年度で1.1ポイント減少し、今後は減少に転ずると見込んでいる。公債費の負担は非常に重いものになっており、今後も行財政改革のもと、地方債対象事業の厳選に努め、実質公債費比率や将来負担比率を注視しながら、新規発行を抑制し公債費の削減に努める。
(増減理由)令和4年度の基金残高は、5,430百万円となっており、前年度から1,170百万円の減少となっている。これは、財政調整基金へ258百万円、減債基金へ73百万円積み立てた一方で、財政調整基金から682百万円万円、地方債償還費の平準化や地方債の繰上償還等に402万円、合併市町村振興基金から216百万円取り崩したことなどが主な要因である。(今後の方針)財政調整基金は行財政改革(第4次行財政改革)への取り組みを通じて経常経費の削減に努め取り崩しを縮小し、減債基金は公債費の平準化を図るため計画的に取り崩し、特定目的基金は総合計画を推進するため設置目的に沿い取り崩していき、今後の財政需要の増大にも対応していけるように一定額を確保できるよう努める。
(増減理由)令和4年度の基金残高は、1,834百万円となっており、前年度から424百万円の減少となっている。これは、決算余剰金等を258百万円積み立てた一方で、新型コロナウイルス感染症・物価高騰対策関連経費等に充てる財源不足分を682百万円取り崩したことなどが主な要因である。(今後の方針)災害等の急な財政需要に対応するため、標準財政規模の10%、12億円程度を目途に積み立てることとしている。行財政改革(第4次行政改革)への取り組みを通じて経常経費の削減に努める。
(増減理由)令和4年度の基金残高は、933百万円となっており、前年度から329百万円の減少となっている。これは、県支出金の産業廃棄物処理施設周辺環境整備交付金等を73百万円を積み立てた一方で、地方債償還費の平準化や地方債の繰上償還等に402万円取り崩したことなどが主な要因である。(今後の方針)地方債元利償還が減少傾向であることから、減債基金の取崩しは減少を見込んでいる。
(基金の使途)市有財産整備基金:市が行う市有財産の整備等に要する経費の財源に充てる合併市町村振興基金:地域の振興に資する事業の財源に充てる地域福祉基金:高齢者の保健福祉の増進を図るふるさと応援基金:ふるさと納税により本市を応援するために寄せられた寄附金を寄附者の意向に沿った事業に要する経費の財源に充てる家畜導入事業基金:畜産の振興に資するため、家畜導入事業を行う農業協同組合等に対する助成の財源に充てる林業振興基金:間伐、林業に携わる人材の育成、林業の担い手の確保、木材利用の促進及び普及啓発並びに森林整備及びその促進に要する経費の財源に充てる新型コロナウイルス感染症対策基金:新型コロナウイルス感染症対策資金の利子及び保証料の補給に要する経費の財源に充てる(増減理由)・市有財産整備基金:電算機器更新、体育施設維持管理等の市有財産整備費用の取り崩しにより192百万円の減少となっている。・合併市町村振興基金:自治会活動支援事業等の費用の取り崩しにより216百万円の減少となっている。・新型コロナウイルス感染症対策基金:新型コロナウイルス感染症対策資金の利子及び保証料の補給に要する費用の取崩しにより、30百万円の減少となっている。・ふるさと応援基金:寄附者の意向に沿った事業に要する経費に充てるため、49百万円取り崩した一方で、75百万円積み立てたことにより、26万円の増加となっている。・林業振興金:林豪振興事業に要する経費に充てるため、35百万円取り崩した一方で、54百万円積み立てたことにより、19百万円の増加となっている。(今後の方針)特定目的基金は、残高を勘案しつつ、総合計画を推進するため、設置目的に沿い取り崩していく。市有財産整備基金は、取り崩すだけでなく、公共施設再編計画の個別管理計画を勘案し積み立て、一定額を確保していく。
当市では、令和3年度に策定した八幡平市公共施設再編計画において、各公共施設の再編・整備の実施方針、スケジュール、具体的な手法について定め、計画的に施設の再編・整備を進め、公共施設等の中長期的な維持更新費用の縮減を進めている。有形固定資産減価償却率については、上昇傾向ではあるものの、類似団体平均値を下回っており、その伸びは緩やかである。
債務償還比率は、起債事業の増等により増加傾向にあり、平成30年度までは類似団体を上回っていたが、令和元年度から類似団体を下回っている。主な要因としては、大型事業の償還終了に伴う地方債残高の減少や、令和3年度に繰上償還を行ったことが考えられる。引き続き、第4次八幡平市行財政改革大綱に基づき、持続可能な財政運営の実現に努め、今後、将来負担額が過大にならないよう取り組んでいく。
将来負担比率が増加傾向にあり、類似団体と比べて高い水準にある一方、有形固定資産減価償却率は類似団体よりもやや低い水準となっている。将来負担比率の増加傾向の要因としては、充当可能基金残高の減少によるものと考えられる。将来負担比率が一時的に増加傾向にあるものの、今後、地方債残高の減少に伴い、将来負担比率は低下していくものと想定される。
将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体平均値を上回っている。実質公債費比率は、普通交付税が増となったものの、元利償還額の増、公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還の財源に充てたと認められる繰入金の増、新型コロナウイルス感染症対策資金利子補給に伴う債務負担行為に基づく支出額が増となたっため、令和2年度より0.7ポイント上昇した。令和3年度に繰上償還を実施したことや地方債残高の減少に伴い、実質公債費比率及び将来負担比率は、今後は低下してくるものと想定される。
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