えりも町
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2012年度
2011年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2022年度)
財政力
財政力指数の分析欄
当町の基幹産業は漁業であり、漁獲高によって年度ごとの税収に増減がある。令和4年度の0.01ポイントの上昇は、市町村民税所得割の増が主要因と考えているが、各年度を平準化した町全体の税収に大きな変動はない状況である。令和3年に発生した赤潮による漁獲量の減少や近年の主要魚種の不漁による税収の減といった財政力指数の下降要因は引き続き抱えており、漁業、その他の産業の振興を図り、町民一人当たりの所得向上など財政基盤の安定・強化に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
令和4年度は、普通交付税の77百万円減によって令和3年度と比較して大幅な上昇となっている。当町は、町立の高等学校と保育所を運営しているため、例年、類似団体の平均値より高い状況が続いている。今後は、公債費や人件費の増加が予想されており、経常収支比率は上昇傾向にあるものと考えている。市町村民税や普通交付税が減少した場合、更なる財政の硬直化が懸念されることから、行財政改革により、事務事業の見直し・重点化や職員数の適正管理などを引き続き行い、経常的な経費の削減に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
令和3年度より金額が減少しているのは、令和3年度に実施した施設解体費79百万円の減によって物件費が減少したことが要因である。令和3年度と比較して人件費は51百万円増加しており、維持補修費やその他の物件費に大きな増減はないことから、今後、人口減少に伴って、住民一人当たりに要する費用は上昇するものと考えている。このことから、引き続き事務事業の見直しを進め経費の削減に努める。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
令和2年度に指数が増加した要因は、経験年数階層構成比の変動によるものである。引き続き給与額及び職員数の適正化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
当町は、町立の高等学校と保育所を運営していることから、類似団体と比較し、職員数が多い状況にある。中長期的視点による当該施設の運営方針について検討を進めていく。また、町全体として職員の平均年齢の上昇による人件費の増加が懸念されることから、今後は職員の年齢構成や人口推計に基づく定員管理と組織・事務事業の見直しを進め、効率的な財政運営に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
地方債の発行限度額を設定し残高の削減に努めてきたことから、実質公債費比率は減少しているが、令和2年度以降に地方債発行額が増加したため、単年度実質公債費比率は、令和3年度と比較して0.57ポイント上昇している。依然として類似団体平均値を上回っている状況であり、標準財政規模の縮小等で比率の上昇も想定されるため計画的な地方債発行に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
令和元年度以降は、地方債現在高の減少と充当可能基金残高の増によって将来負担比率が算定されない状況となっているが、算定過程では、令和2年度以降の地方債発行額の増加によって、令和4年度と令和3年度を比較して8.2ポイント上昇している。このことから、負債と充当可能基金の比率などを分析しながら、計画的に事業を実施することで、適正な将来負担比率の維持に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)
人件費
人件費の分析欄
町立の高等学校と保育所を運営しているため、類似団体平均値より水準が高い状況となっている。令和4年度は、令和2年度と令和3年度に適用されていた退職手当組合普通負担金の納付の特例が非該当となったため、比率が上昇している。このことから、人口推計に基づく定員管理を行い人件費の抑制に努める。
物件費
物件費の分析欄
令和4年度の経常的な経費に係る一般財源は、小学校費の18百万円の増などにより、全体で43百万円増加している。今後も光熱費や物価の上昇が見込まれることから、事業や施設の廃止も視野に入れながら、見直しを継続的に行い、一層の経常経費削減に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
令和4年度は前年度と比較して同水準となっている。乳幼児、児童、心身障がい者等の急増急減は想定されないことから、大幅な変動がない状況で推移するものと考えている。
その他
その他の分析欄
令和4年度は令和3年度と比較し繰出金と維持補修費の合計で、10百万円増加している。今後、人口減少に伴い診療所特別会計繰出金の額が増加すると推測され、また、公共施設の老朽化も進んでいることから、維持補修費も増加するものと考えている。このことから、経常収支比率が悪化しないよう、事務事業や施設の見直しを一層進め、優先度を決定するなど、計画的・効率的な財政運営に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
令和4年度と令和3年度の金額を比較すると8百万円の増であることから、比率の上昇は経常一般財源の減少が主要因であると考える。類似団体の平均値を下回っているものの、中期的には金額・比率とも増加傾向にあることから、費用対効果を検証し補助金の重点化などの見直しを徹底的に行う。
公債費
公債費の分析欄
地方債残高は、発行額の抑制を行ってきたことから、令和2年度以降、類似団体平均値を下回っている。令和4年度の公債費の金額は15百万円減少したが、経常一般財源の減少によって微増となったものである。令和2・3年度は起債額が増加しており公債費の増が見込まれるため、将来負担比率や住民一人当たりの公債費及び実質公債費、その他の経常経費との均衡等を多角的かつ綿密に検証し、計画的な地方債の発行に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費を除く経常一般財源は、令和3年度と比較して人件費や物件費の増などによって全体で113百万円増加している。また、経常一般財源の減少もあり、比率が急激に悪化したものと考えている。今後も事務事業の費用対効果の検証、施設や職員の適正管理、将来負担比率・負債と資産との比率の分析などを計画的に行い、安定した財政運営に努めていく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
目的別歳出の分析欄
人口減少に伴い、住民一人当たりの行政コストは全体的に上昇傾向にある。総務費は、ふるさと納税寄附金の減少に伴う関連経費の減少や光ファイバ整備事業補助金の減少によって減となった。民生費の減は、生活館改修事業の完了や新型コロナウイルス感染症に対応した補助金の減少が主な要因である。保健衛生費の減は、主に施設解体に係る一部事務組合負担金や清掃センター改修事業の事業費の減少によるものである。農林水産業費は赤潮対策及び新型コロナウイルス感染症対策に関する補助金の増加により増となった。商工費についても新型コロナウイルス感染症対策に関する補助金の増加により増となったものである。土木費は道路改良事業に係る設計委託の増、教育費は町立えりも中学校グラウンド改修事業に伴う増である。増減の要因は臨時的経費によるものが大部分であるが、経常的費の一般財源は増加傾向にある。当町は経常収支比率が依然として高い状況にあり、人口減少・高齢化に伴う標準財政規模の縮小や住民一人当たりのコストの増加が考えられることから、将来的な見通しも含め各施設や各事務事業の費用対効果を検証し、政策の見直しを進めていく。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
性質別歳出の分析欄
人口減少に伴い、住民一人当たりのコストは全体的に上昇傾向にある。人件費は、令和2年度から令和3年度まで該当していた退職手当組合普通納付金の納付の特例が、令和4年度に非該当となったことなら増加している。人件費については、当町は町立の高等学校1校と保育所3か所を運営していることから、類似団体平均値を上回る状況となっている。人口推計に基づく住民一人当たりの職員数とコストについて充分な検証を行ったうえで計画的な定員管理を進めていく。物件費は令和3年度の大規模な施設解体事業が終了したことにより減となっているが、経常一般財源は増加していることから事務事業の見直しに努める。維持補修費は、ほぼ横ばいとなっている。全体的な施設の老朽化が当町の課題であり、今後維持補修費が増加していくものと想定しているため、その他の経費とのバランスを取りながら計画的な施設管理と地方債の発行に努めていく。扶助費の減は、新型コロナウイルス感染症対策事業の減少によるものである。普通建設事業は、防災行政無線施設の更新事業、町立えりも中学校グラウンド改修事業が増の要因である。積立金については、当町ではふるさと納税寄附金を財政調整基金に積み立て、翌年度以降の事業に活用する方式を採っていることから、ふるさと納税寄附金359百万円の減少に伴って減となったものである。繰出金は、簡易水道特別会計及び下水道特別会計に対する繰出金の増が主な要因であるが、簡易水道特別会計繰出金22百万円のうち15百万円は、新型コロナウイルス感染症対策として実施した使用料減免事業に対する繰出しである。
実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)
分析欄令和4年度は、単年度収支の48百万円の減少に加え、ふるさと納税寄附金の減に伴う積立金の減少によって実質単年度収支がマイナスとなった。引き続き事務事業の見直しを進め、ふるさと納税寄附金分の財政調整基金やその他の基金の残高を考慮しながら、収支の均衡がとれた財政運営に努めていく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)
分析欄全会計において黒字決算であることから、連結実質赤字比率は算定されない。今後も黒字決算を目指し、安定した歳入の確保と経費の節減に取り組む。
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実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄元利償還金の減は、地方債の発行額の抑制を行ってきたことによるものである。公営企業債の元利償還金に対する繰入金の増や交付税算定において算入される公債費分の減に伴い、分子構造が8百万円増加した。令和2年度以降、小学校プール建設事業や防災行政無線施設整備事業等の実施により地方債残高が435百万円増加していることから、元利償還見込額と標準財政規模の動向を注視するとともに、事業の重点化などにより地方債の発行額の抑制にも努める。
分析欄:減債基金利用していない。
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将来負担比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄地方債残高は、これまで地方債発行額の抑制を進めてきたことで減少してきたが、令和2年度以降の小学校プールの新規整備事業や防災行政無線施設の更新事業等により地方債発行額が増加し、令和2年度から令和4年度で435百万円の増となっている。これらの償還や人口減少による住民一人当たりの負担増に備え、充当可能基金の積み増しを行ってきたが、当町の大きな課題は既存施設の老朽化であり、長寿命化に伴う地方債の増発が予想される。このことから、経常経費の見直しなどによって、負債額に見合った充当可能基金残高の確保を行い、急激な将来負担比率の上昇が生じないよう努める。
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基金残高に係る経年分析(2022年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)財政調整基金の増により、全体額が増加したものである。(今後の方針)財政状況を勘案しながら、計画的な積立てと取崩しを行っていく。中期的視点に基づき、将来増加が見込まれる元利償還金の財源として減債基金残高を一定程度確保しており、将来負担比率上昇の緩衝材とする。財政調整基金は、ふるさと納税寄附金積立分と合わせて地域振興事業に活用するとともに財源不足の調整を行う。特定目的基金については、老朽した施設の更新・長寿命化・廃止等による有形固定資産全体の資産価値の向上対策や、臨時的な地域振興事業の財源として活用する。現有資産の価値や負債額を充分検証し、基金全体の残高の管理を計画的に行っていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)歳入及び歳出の精査を行い、344百万円を積立て、ふるさと納税活用事業分として336百万円を取崩し。財政調整基金全体では、337百万円を取崩し。(今後の方針)ふるさと納税活用事業の積立分は、地域振興のため有効に活用していく。上記以外の積立分は、新型コロナウイルス感染症・物価高騰対策の財源として、ふるさと納税活用事業分との状況を勘案しながら一部を活用し、その他は、財源不足分に充てる。財源不足分の取り崩しは、財政の収支均衡が図られるまでの応急的な対策として実施する。
減債基金
減債基金
(増減理由)中期的な地方債の発行予定額、元利償還額の推移と基準財政需要額算入見込額を勘案し、住民一人当たりの実質的な公債費負担額に著しい変動が生じないよう、計画的に基金を運用する。令和4年度は、1百万円を積立て。(今後の方針)住民一人当たりの公債費に係る算入公債費等控除後の負担額を平準化するための財源として、長期的かつ計画的に運用する。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)公共施設等総合管理基金:令和元年度新設。新設に伴い、計画が中止となった複合施設整備に係る複合施設整備基金を本基金の所属とした。公共施設全体の適正管理を行うための費用に充当社会福祉基金:社会福祉の増進漁業集落排水事業償還基金:漁業集落排水事業に係る地方債の償還に要する費用に充当中山間ふるさと・水と土保全基金:中山間地域の活性化社会教育振興基金:社会教育の振興・充実(増減理由)公共施設等総合管理基金:利子を含んだ0.2百万円を積立て。社会福祉基金:利子を含む0.1百万円を積立て、社会福祉施設の整備に要する費用に充てるため1.4百万円を取崩し。漁業集落排水事業償還基金:利子を含んだ0.1百万円を積み立てたほか、地方債の償還に要する費用に充てるため1.8百万円を取崩し。その他の基金:利子を含んだ0.1百万円を積立て。(今後の方針)公共施設等総合管理基金:公共施設の更新・長寿命化・廃止等に係る費用に充当その他の基金:それぞれの目的に沿って、臨時的な地域振興事業の財源として活用
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
当町は既存施設の老朽化が課題であり、類似団体内平均値を大きく上回っている。事務事業の見直しや基金等の活用による財源の確保と合わせて、公共施設等の固定資産の管理を計画的に進めるよう努める。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
令和3年度は、地方債残高が158百万円増加した一方で、充当可能基金残高が592百万円、地方債現在高等に係る基準財政需要額算入見込額が624百万円の増となったことにより、充当可能財源を差し引いた将来負担額が、1,127百万円減少した。そのため、債務償還比率は減少したが、依然、類似団体内平均値を上回っていることから、事務事業の徹底した見直しを進め、経常収支比率を改善することで、債務返済能力の強化を図っていく。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
令和3年度の将来負担額は令和2年度と比較すると地方債残高の増加等により80百万円の増となったが、充当可能基金等の充当可能財源も増加したため、充当可能財源を差し引いた将来負担額は減少している。このことから、令和3年度の将来負担比率は、前年度に引き続き算定されない。今後も、資産と負債のバランスを注視しながら、充当可能基金等の充当可能財源の確保を図り、将来世代に過度な負担が残らない公共施設の管理運営を行うよう努めていく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率の単年度比率は、標準財政規模の213百万円の増と公債費等の25百万円の減により、令和2年度と比較して1.1ポイント減少している。これにより3か年平均の実質公債費比率は1.2ポイントの減少となったが、今後、標準財政規模の減少や地方債残高の増加が見込まれることから、計画的な、地方債の発行と充当可能基金の運用によって、実質公債費比率と将来負担比率の急激な上昇を抑制していく。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
有形固定資産減価償却率は、公営住宅及び橋梁・トンネルについては計画的な更新・改修が実施されていることから、類似団体内平均値を下回っている。一方で、保育所及び学校施設は平均値を上回っていることから、個別施設計画を基に計画的な管理を行っていく。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
庁舎及び保健センターは、令和7年度に併設して建設されていることから、有形固定資産減価償却率が52.0%と同一になっている。体育館・プールでは、令和2年度にプールを476百万円で新規に整備したため、有形固定資産減価償却率が令和元年度の96.6%から令和2年度に48.0%になったものである。体育館、消防施設については、老朽化が進み、類似団体よりも有形固定資産減価償却率が高い状況にあることから、計画的な管理を行っていく。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等の資産は、令和2年度から96百万円減少している。流動資産は、財政調整基金の増等によって504百万円増加しているが、固定資産は、600百万円減少している。減の主な要因は、減価償却累計額の892百万円増であり、今後資産の保全に要する費用が増加するものと見込んでいる。全体の資産は、249百万円の減少であるが、一般会計と同様に固定資産が減少しており、要因についても同じ理由によるものである。負債では、一般会計等で防災行政無線施設整備事業等により地方債が173百万円増えたこと等により、172百万円の増となっている。全体は、下水道特別会計の地方債が83百万円減少したものの、一般会計等の増によって、87百万円の増となっている有形固定資産の資産価値が減少しているにもかかわらず、負債が増加していることから、固定資産の計画的な管理に努めるとともに、資産価値と負債のバランスを注視し財政運営を進めていく。
2.行政コストの状況
一般会計等の純行政コストは、令和2年度から160百万円減少している。職員給与費87百万円の減や、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う特別定額給付金455百万円の減が主な要因である。今後も事務事業の見直しによりコストの削減に努める。
3.純資産変動の状況
一般会計等では、令和2年度から行政コストが160百万円減少しているが、財源も376百万円減少しているため、本年度差額が△222百万円拡大し純資産残高が減少している。財源の減少は、新型コロナウイルス感染症対策に係る国庫補助金661百万円の減等が要因である。今後の税収等の推計値に基づいた、固定資産と流動資産及び行政コストの配分を計画的に設定しながら財政運営を進めていく。
4.資金収支の状況
令和2年度と比較して一般会計等の業務活動収支では、業務支出で新型コロナウイルス感染症に係る特別定額給付金の減等に伴い95万円減少しているが、業務収入も国県等補助金収入の減などにより226百万円減少していることから、収支が148百万円の減となっている。一般会計等の投資活動収支は、えりも小学校プール建設事業の完了により公共施設等整備費支出が284百円減少しているが、基金積立金支出の202百万円増や、国庫補助金収入の120百万円減により、収支は32百万円の減少となっている。また、財務活動収支ではえりも小学校プール建設事業の借入額の減による地方債発行収入の減等により、25百万円の減少となっている。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
①住民一人当たり資産額については、減価償却累計額の増加により資産合計は減少しているが、人口減少に伴い当該値は上昇している。②歳入額対資産比率は、資産額が減少する一方で分母である歳入額も、新型コロナウイルス感染症関連の国道支出金や普通交付税の減少によって減となったため、当該値が上昇している。③有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を上回っている。当町は、有形固定資産の更新が進んでおらず、⑦の住民一人当たりの負債額も類似団体平均値を下回っていることから、地方債の抑制が有形固定資産減価償却率を高くする一因であると考えている。保有施設を現状のまま更新した場合は、②・⑦の数値は上昇することから、人口減少を背景とした公共施設全体の見直しと合わせて負債額と基金残高の均衡を考慮しながら、固定資産の計画的な管理を行っていく。
2.資産と負債の比率
④純資産比率では、分母の資産合計は減少しているが、財源の減少が大きく、純資産が減少したため、当該値は下降している。類似団体平均値より当該値が高い要因は、有形固定資産以外の資産の保有が多く、負債が少ないためであると考える。⑤将来世代負担比率は、地方債発行額の抑制により類似団体平均値を下回っている。令和3年度は地方債発行額の増により、地方債残高は増加しているが、有形・無形固定資産合計額が減少しており、当該値が上昇している。当町の課題は既存施設の老朽化であり、今後これらの資産価値を維持するため、維持補修費や公共施設等整備費支出が増加するものと想定している。人口推計に基づく住民一人当たりの実質的な将来負担額に視点を置き充当可能基金を運用しており、純資産と将来負担の割合に急激な変動が生じないよう努止めていく。
3.行政コストの状況
⑥住民一人当たりの行政コストについては、令和3年度の純行政コストが、新型コロナウイルス感染症対策分495百万円の減少したこと等に伴い当該値が下降している。類似団体平均値より当該値が低い要因は、耐用年数を超えた建物及び工作物の割合が高く、減価償却費が低いためであると考えている。今後、これらの資産の更新や廃止を進めた場合、減価償却費や資産除却損の増によって純行政コストも増加するものと推測する。
4.負債の状況
⑦住民一人当たりの負債額については、令和2年度に実施したえりも小学校プール建設事業、令和3年度・令和4年度に実施した防災行政無線施設整備事業の地方債発行により地方債残高が増加したことから、当該値が増となっている。当町ではこれまで地方債発行額を抑制してきたことから、類似団体平均値を下回っているが、⑤の有形・無形固定資産合計額が減少しており、地方債残高の増が、既存の有形固定資産の資産価値維持につながっていない状況である。⑧基礎的財政収支は、公共施設等整備費支出の減による投資活動収支の増によって当該値が上昇したものである。
5.受益者負担の状況
⑨受益者負担比率の経常費用の減少は、職員給与費の一時的な減が要因である。また、経常収益についても、使用料及び手数料は5百万円減少していることから、一時的な増加であると考えている。今後も、施設の使用料等の適正な受益者負担について、引き続き検証していく。
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