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財政力指数は、直近5年間はほぼ横ばいで推移している。高齢化率(5年度末現在49.2%)が年々上昇していることに加え、小規模離島のため大きな産業がないことから、財政基盤が弱く、令和5年度においても類似団体平均を0.09ポイント下回った。基幹産業である観光・宿泊業や漁業は、後継者不足等により縮減傾向にあるため、今後も村税の大幅な増収は依然として見込めないと考えている。そのため、将来を見通した計画的な人材確保や事務事業の見直しなどの行財政改革を行い、身の丈に合った行財政運営を行うことで、着実に財政の健全化へつなげていく。
経常収支比率は、令和2年度以降70%台に改善したが、令和5年度は83.9%で再び80%台となり、類似団体平均に近づきつつある。令和4年度と比較すると4.0ポイント増加したが、これは、主に職員数が増えたことで人件費が増加したことが要因となっている。今後も公債費や扶助費の増加が見込まれるため、引き続き、自主財源の確保や事務事業の見直しによる経常的経費の削減に努める。
人件費・物件費等は、令和4年度に比べて減少したが、これは電算管理に係る委託料の減少や、令和4年度にJアラート自動起動装置等の更改を実施したことで、令和4年度より物件費が減少したためである。また、小規模離島という特殊事情により、現在のサービスを維持するための委託料や人件費が多くかかっているのが現状である。人口が330人を下回っており、加えて人口減少傾向が続いているため、住民一人当たりの経費は相対的に高くなってしまうが、今後は、既存事業の更なる見直しや経常的経費の削減に努めていく。
ラスパイレス指数は、令和4年度と比較すると2.9ポイント減少し、類似団体平均と比べてもかなり低い状況にある。今後は、効率的な事務執行に努めるとともに、人事評価制度などにより人件費の適正化を図る。
人口1,000人当たり職員数は、令和4年度より1.13ポイント上回り、類似団体の中でも高い状況にある。これは、人口が330人に満たない小規模離島であることに加え、ゴミ収集業務や保育園等の施設を委託できる民間業者がおらず、ほとんどが直営のため、それ相応の職員数の確保が必要となっていることが要因と考える。今後も、職員数の適正化を考慮しつつ、行政サービスの低下につながらないよう努めていく。
実質公債費比率は、令和4年度同様5.3%となり、類似団体平均を依然として下回る水準で推移しているが、単年度ベースでみると増加傾向にある。これは、財源を確保するため、起債の借入れに頼らざるを得ない状況が続いていることによる。今後も公債費比率は高くなることが想定されるが、交付税措置率の高い起債を有効活用しつつ、起債の借入れに依存しない事業の実施や計画的な繰上償還を検討するなど、健全財政の維持に努めていく。
将来負担比率は、類似団体平均を下回る水準で推移しており、充当可能財源等が将来負担額を上回る状況にあることから、-%となった。これは、普通交付税措置率の高い過疎対策事業債や辺地対策事業債の活用などによる充当可能財源の増加が要因となっている。今後も長期的な行財政計画に基づき、健全な行財政運営に努めていく。
人件費は、令和4年度と比較して5.5ポイント増加し、類似団体平均を9.4ポイント上回った。これは、退職が続いたことによる職員不足解消のため、新規採用を行ったことや、小規模離島という特殊事情により、現在のサービスを維持するために、それ相応の人員を確保する必要があるためである。引き続き、定員管理計画を着実に遂行し、人件費の適正水準の確保に努めていく。
物件費は、令和4年度と比較して0.4ポイント減少したが、類似団体平均を7.1ポイント上回っている。減少の主な要因は、令和4年度に情報系ネットワークの更改業務やJアラート自動起動装置等の更改業務を実施したためである。今後は、事業の優先順位や費用対効果を考慮した上で、委託内容及び維持管理経費についても精査を行うことで、経費削減に努める。
扶助費は、令和4年度と比較して0.8ポイント減少し、類似団体平均を1.7ポイント下回った。これは、受給対象者の減少により、障害者自立支援給付費である社会福祉費が減少したことによるものである。ただし、年々、高齢化率が上昇していることを踏まえると、今後は社会福祉費の増加が見込まれる。
類似団体平均よりも6.5ポイント下回っているが、令和4年度と比較して0.6ポイント増加した。この主な要因は、特別会計への繰出金の増加によるものである。今後は、繰出額が大きい事業の業務内容を再検討し、経費削減および財源確保に努めることで、繰出金の縮減を図っていく。
補助費等は、類似団体平均を6.8ポイント下回っているが、令和4年度と比較して0.7ポイント増加し、依然として第三セクターの経営状況が厳しいため、継続的支援による上昇が予想される。一方で、補助金や交付金が過剰とならないよう、財務状況等を精査しながら、補助や交付金の適正化を図っていく。
公債費は、令和4年度と比較して1.6ポイント減少し、類似団体平均を1.8ポイント下回っている状況となっている。減少した主な要因としては、起債の償還満了に伴うものである。今後も、公債費負担が過剰にならないよう、村債の発行規模を適切に管理し、健全化判断比率の状況を踏まえた健全な財政運営に努めていく。
令和4年度に比べ5.6ポイント増加し、類似団体平均を1.5ポイント上回った。今後も、歳入確保に努めるとともに、引き続き人件費、物件費の適正化等により、経常的経費の削減に努める。
(増減理由)令和5年度は、財源調整のため財政調整基金30百万円を取り崩し、地域振興および人材育成のための事業に充当するため、ふるさと創生基金5百万円を取り崩した。ふるさと納税を財源とするふるさと粟島応援基金および減債基金の積み立てを行ったが、取崩額のほうが大きかったため、基金総額は減少した。(今後の方針)財政調整基金については、今後も同程度の残高を維持するとともに、ふるさと納税における寄附金を増やすことで、ふるさと粟島応援基金へ適切に積立てを行うなど、その他特定目的基金の全体的な底上げを行っていく。また、使途の明瞭化に努め、基金の各目的に沿った活用を図る。
(増減理由)財源調整のため、30百万円取崩しを行ったことから減少した。(今後の方針)引き続き、将来的な一般財源の不足等に備えて優先的に積み立てを行っていく。
(増減理由)公債費の適正化に備え、2百万円の積み立てを行ったことから増加した。(今後の方針)引き続き、村債の償還及び村債の適正な管理に必要な財源を確保するため、計画的に減債基金への積立てを行っていく。
(基金の使途)・開発整備基金:村の開発整備事業の資金に充当する。・地域福祉基金:地域における保健福祉活動の推進に充当する。・ふるさと創生基金:歴史や伝統及び文化や産業の振興並びに人材育成、後継者対策等の事業により、地域の活性化に充当する。・土地開発基金:公共用地等の先行取得に充当する。・ふるさと粟島応援基金:ふるさと納税による寄附金で、教育・福祉・産業振興等の施策の財源に充当する。(増減理由)・ふるさと創生基金:地域振興および人材育成のための事業へ基金を充当したため、減少した。・ふるさと粟島応援基金:財源であるふるさと応援寄附金の額が前年度より増加し、基金への積み立てを行ったため増加した。(今後の方針)・ふるさと創生基金:産業の振興等、適切な事業の資金に充当していく。・ふるさと粟島応援基金:ふるさと納税による寄附金の増額を図ることで、地域活性化のための事業に充当していく。
有形固定資産原価償却率は、類似団体より低い数値となっている。現在、個別施設計画を策定中であり、引き続き計画に基づく施設の維持管理を進めていく。
有形固定資産減価償却率については、平成29年度以降、継続して釜谷漁港における防波堤等の機能保全工事を行っていることから、類似団体内平均値に比べて低くなっている。将来負担比率については、村債残高は増加傾向にあるものの、基準財政需要額に算入されるものが多いことや基金残高が比較的多いことなどから、将来負担額に対する財源が多く、類似団体内平均値よりは高いものの、比較的低い数値となっている。今後、公共施設の長寿命化等により有形固定資産減価償却率が低くなる状況が想定されるが、それに伴い村債残高の増加や基金の取り崩しなど、将来負担比率の上昇が見込まれる。
実質公債費比率については、単年度ベースでみると増加傾向であり、光ファイバーケーブル敷設工事(R4実施)、内浦公営住宅整備工事(R5実施)等、大規模工事の村債の償還が始まることから、今後は更に上昇していく見込みである。将来負担比率については、村債残高は増加傾向にあるものの、基準財政需要額に算入されるものが多いことや基金残高が比較的多いことなどから、将来負担額に対する財源が多く、類似団体内平均値よりは高いものの、比較的低い数値となっている。今後は、基金の取崩しや計画的な起債の借入れを行うことで、公債費の負担軽減に努めていく。