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地域おこし協力隊の受入れを積極的に行うなど、若い世代のUIターン者が増え、人口の約2割を占めるようになってきたが、小規模離島で高齢化率(4年度末47.7%)が年々上昇していることに加え、大きな産業がないことから、財政基盤が弱く、類似団体平均を依然として0.09ポイント下回っている状況である。村の基幹産業である観光業や漁業は後継者不足等により衰退傾向にあるため、村税の大幅な増収は依然として見込めないと考えている。そのため、今後も事務・事業の見直しなどの行財政改革を行い、身の丈に合った行財政運営を行うことで、着実に財政の健全化へつなげていく。
経常収支比率は80%台で推移していたが、令和2年度以降は70%台に改善した。前年度と比較すると5.7ポイント増加したが、これは、措置期間を終えた公債費(主に過疎対策事業債)の償還開始に伴うものである。今後も事務事業の見直しを進め、行財政改革への取組を通じて義務的経費の削減にも努めていくと同時に、他の経常経費の抑制や、自主財源の確保などにも努めていく。
令和2年度は、新型コロナ感染症拡大で予定していた事業が中止となったことなどもあり、人口1人当たりの人件費・物件費等が減少した。しかし、令和3年度より再び増加し、令和4年度はこれまでに比べ最も高い数値となった。これは、提案型(委託)地域おこし協力隊や有害鳥獣捕獲業務に係る委託料が合わせて約18百万円増加したことや、相次ぐ職員の退職の負担をカバーするため、超過勤務が発生したことが主な要因と考えている。今後は職員数の維持を図るとともに、地域おこし協力隊等も含めた人件費・物件費等の適正化をバランス良く進めていく。また、本村は人口が329人と少ないことから、住民一人当たりの数値については高めとなっている。
令和3年度と比較すると3.4ポイント増加し、類似団体平均と比べてもかなりの差がある。これは、職員数が少ないことに加え、毎年度、退職者が生じ、それを補うための採用が繰り返されることで人員構成にばらつきが生じ、それが変動率にも影響しているものと考えている。今後も引き続き給与の適正化に努めていくとともに、人事評価制度を推進し、職務・職責に応じた給与制度への転換を図っていく。
前年度より7.54ポイント上回り、類似団体で一番高い状況にある。これは、人口329人の小規模離島であるが、ゴミ収集業務や保育園等の施設を委託できる民間業者がおらず、ほとんどが直営のため、それ相応の職員数の確保が必要となっていることが人口1,000人当たり職員数が高い要因と考える。今後も職員数の適正化を図ることで、行政サービスの低下につながらないよう努めていく。
実質公債費比率は、3ヶ年平均で比べると減少したが、単年度で見ると増加している。令和4年度は地方債の元利償還金充当一般財源額および交付税算入額ともに増加したが、元利償還金充当額の増額幅が大きかったため、結果として分子総額は増加した。今後、財源不足から借入れが多くなることが予想され、公債費比率は年度を増す毎に高くなる見込みであるが、交付税算定上有利な起債を有効に活用しつつ、公債費負担の抑制・平準化を図り、引き続き健全財政の維持に努めていく。
将来負担比率については、過疎対策事業債および辺地対策事業債の新規借入れに伴う村債残高の増加により、3.3%となった。今後も5年後10年後を見据えた長期的な行財政計画に基づき、健全な行財政運営に努めていく。
経常一般財源は、前年度と比較して9.1ポイント増加し、類似団体平均を3.9ポイント上回った。前年度は特定財源の充当が多かったことによるものと考えられる。引き続き、定員管理計画を着実に遂行し、人件費の適正水準の確保に努めていく。
物件費は、前年度に比べ2.3ポイント減少したが、類似団体平均と比較すると高い数値となっている。主な要因としては、提案型(委託)地域おこし協力隊や有害鳥獣捕獲業務に係る委託料が大きく増加したものの、システム改修等、単年度実施の委託業務が減少したことなどもあり、全体としては物件費が減少した。今後は、財政圧迫の要因にならないよう物件費における他の経費の抑制に努める。
扶助費は、前年度と比較して1.1ポイント増加し、類似団体平均を0.9ポイント下回ってはいるものの、平均値に近づきつつある。要因としては、医療費助成等の社会福祉費が増加したことによるものである。高齢化率が年々上昇していることなども踏まえ、今後も社会福祉費の増加が見込まれる。
その他については、継続して減少しており、類似団体平均よりも低い水準にある。また、内容については、特別会計への繰出金が多くを占めている。今後は、特に繰出金の額が大きい事業について業務内容を再検討するなどし、普通会計からの繰出金を縮減していくよう努めていく。
補助費等は、例年並みで推移している。類似団体平均と比較すると6.5ポイント下回っているが、依然として第三セクターの経営環境が厳しいため、継続的支援による上昇が予想される。一方で、過剰とならないよう財務状況等を精査しながら、補助・交付金の適正化を図っていく。
公債費は、前年度と比較して2.0ポイント増加し、類似団体平均を0.1ポイント下回っている。要因としては、措置期間を終えた公債費(主に過疎対策事業債)の償還が開始されたことによる。今後も、地方財政措置がなされる地方債を有効に活用しながら、公債費負担が過剰にならないよう村債の発行規模を適切に管理し、健全化判断比率の状況を踏まえて健全な財政運営に努めていく。
公債費以外に係る経常収支比率は、前年度に比べ3.7ポイント増加したが、類似団体平均より3ポイント下回っている。人件費、物件費が主なものであり、今後も引き続き適正な定員管理による人件費、物件費の適正化等により各費目の歳出削減に努める。
(増減理由)令和4年度は、財政調整基金を55百万円を積立てるとともに、ふるさと粟島応援基金においてふるさと応援寄附金の額が前年度より増加したことから、1.7百万円の積み立てを行ったため、基金総額が増加した。(今後の方針)毎年度、財政調整基金への積立てを行うことで基金規模を維持すると同時に、ふるさと納税における寄附金を増やし、それをふるさと粟島応援基金へ適切に積立てを行うことで、その他特定目的基金の全体的な底上げを行っていく。また、使途の明瞭化に努め、基金の各目的に沿った活用を図る。
(増減理由)決算における剰余金として、55百万円積立てを実施した。(今後の方針)引き続き、将来的な一般財源の不足等に備え優先的に積み立てていく。
(増減理由)増減なし(今後の方針)今後は、公債費の適正化に備え、計画的に減債基金への積立てを行っていく。
(基金の使途)・開発整備基金:村の開発整備事業の資金に充当する。・地域福祉基金:地域における保健福祉活動の推進に充当する。・ふるさと創生基金:歴史や伝統及び文化や産業の振興並びに人材育成、後継者対策等の事業により、地域の活性化に充当する。・土地開発基金:公共用地等の先行取得に充当する。・ふるさと粟島応援基金:ふるさと納税による寄附金で、教育・福祉・産業振興等の施策の財源に充当する。(増減理由)・ふるさと創生基金:財源調整により17百万円減・土地開発基金:財源調整により25百万円増・ふるさと粟島応援基金:ふるさと応援寄附金の額が前年度より増加したことから、令和4年度に1.7百万円を積立てを実施したことによる増。(今後の方針)・ふるさと創生基金:交流活性化事業特別会計(温泉事業)の資金に充当していく。・ふるさと粟島応援基金:ふるさと納税による寄附金の増額を図ることで、地域活性化のための事業に充当していく。
有形固定資産原価償却率は、類似団体より低い数値となっている。現在、個別施設計画を策定中であり、引き続き計画に基づく施設の維持管理がなされるよう整備を進める。※令和3年度については精査中
今後の推移を注視するとともに、将来負担額の抑制につながるよう適正な財政運営に今後も努めていく。※令和3年度については精査中
実質公債費比率は、令和2年度以降減少傾向にある。また、令和5~6年度にかけて「第5次総合計画」を策定予定であり、その中で今後の事業の組立て等の方向性を定めていく予定であるが、補助金や優良債等をうまく活用しながら、適正な財政運営に努めていく。
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