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町民税や森林環境譲与税の増額等の影響により、基準財政収入額については、増加に転じた。一方基準財政需要額については、高齢者福祉費や包括算定経費、社会福祉費等が減額となったことにより全体として、減少の動きを見せた。しかし、財政力指数に大きな影響を与えるほどではなく、昨年と同数値の0.15となった。依然として、類似団体を下回っており、地方税を中心とした基準収入額の増加に努め、自主財源の確保に努める必要がある。
経常収支比率については、前年度とくらべ、5%増の93.5%という結果となった。昨年は、普通交付税の増額等の影響により大きく数値自体は好転したが、令和4年度においては、公債費や物件費、補助費、維持修繕費などの経常的経費が増加したことにより、本町の財政構造は硬化したといえる。さらに、経常一般財源の減少もさらに数値を高騰させる要因となっており、本町のような自主財源が乏しい団体においては、普通交付税の増減がもっとも影響を及ぼすと分析する。
人件費については、退職手当負担金の減額の影響により減少した。物件費については、新型コロナウイルス感染症対策関連経費が減額傾向にあったものの、徐々にコロナ禍から平常時への移行が始まり、各種イベントなどの実施に伴い、物件費は増加に転じた。なお、物価高騰などの影響による公共施設のランニングコストが増加したことも要因のひとつといえる。
近年大きな変動はなかったが、令和4年については、勤続年数層の関係により2ポイント上昇している。引き続き類似団体との均衡を図りつつ、計画的な人員管理の元、適切な給料水準を維持していく必要がある。
昨年に引き続き、多様化する行政需要に対応するため、職員数の増員を図っているところであるが、退職者などの影響により、数値は微増となった。なお、近年は計画的に増員を図っていることから、数値は徐々にではあるが、上昇傾向にある。
実質公債費比率については、前年度より0.4ポイント増加した結果となった。増加要因については、公債費の増加また、公営企業(非法適)への繰出金の増加に加え、算出上重要数値である、普通交付税、臨時財政対策債が減少したことがポイントの上昇要因となった。
ここ数年の、経常一般財源の増嵩に伴い、町債残高の圧縮及び基金残高が増加したことにより、将来負担比率は減少傾向にある。引き続き、新規発行債の抑制を図りつつ、町債残高の圧縮に取り組む必要がある。
人件費については、退職手当負担金が大幅に減少したが、昇給、会計年度任用職員の配置、また選挙費や、給与改定の影響もあり前年度とほぼ同数値となった。類似団体と比較すると乖離が大きいため、適切な配置や、会計年度任用職員の配置見直しが必要となる。
物件費おける経常経費は、昨年度より約2,700千円程度増加した。要因としては、主に物価高騰に伴う光熱水費の増加や、これに伴うランニングコストが増加に転じたことによる。最終的に、0.5ポイント上昇する結果となった。
扶助費については、給付業務の大方を広域連合が担っており、本町にとっては、一組負担金として支出しているため、その影響は補助費に反映するところではある。なお、福祉医療事業や、介護予防対策に伴う経費が若干増加したため、0.3%ほど上昇している。
簡易水道事業特別会計、国民健康保険特別会計への財政支援などに、繰出措置を行っているが、令和4年度の経常的な繰出金については、大きな増減はなかった。一方維持修繕費については、増加傾向にあり、主に町道維持管理、ブロードバンド、学校施設における修繕が目立った。その他の全体としては、昨年度より1ポイント上昇する結果となった。
補助費については、ごみ処理、消防、介護保険事業、保健福祉を広域連合が担っており、これに対する一組負担金を支出している関係から類似団体と比較し補助費が増加する要因となっている。令和4年度においても、個人への補助や、団体補助など若干増加したが、最終的に消防費における一組負担金が増加したことにより、1.8ポイント上昇する結果となった。
公債費における約定償還分については、近年の大型建設事業の実施に伴う償還が始まるため、増加傾向にある。なお、住宅使用料など特定の財源を有する償還が終了したため、公債費に対する経常収支比率は今後増加することが予想される。
公債費を除くと主な経常経費は人件費となる。人件費における充当財源は、500,000千円程度で推移しており、標財規模の約30%を占めており、抑制を図る必要がある。また、近年、経常一般財源(主に普通交付税)がコロナ等の影響もあり増加傾向にあったが、コロナ収束により、減少に転じることが予想され、一組負担金など抑制することが困難な費目についても、精査が必要になってくると分析する。
(増減理由)昨年に引き続き、普通交付税が高く推移したことにより、取崩を実施することなく決算を迎えることができた。このような状況であることから、残高については、約40,000千円の増となり今後に備える貴重な財源とすることができた。なお、減債基金についても概ね財政調整基金と同じ内容となり、状況としては、昨年に引き続き一定の残高をキープしつつ、起債の償還や不測の事態への備えができたといえる。その他特定目的基金については、各種諸事業に対し、約125,700千円の充当を行い、約111,000千円の積立を行った。また、硬直化した定額運用基金の整理を昨年実施したことに伴い(決算を伴わない基金の処分集約化)、その他特定目的基金については、若干残高増となっている。(今後の方針)現在は、新型コロナウイルス感染症等の影響により普通交付税が高く推移したことによる、短期的に財政状況が上向きになっている状況であり、町の資産である基金の活用については、国の動向等に注視しつつ、慎重に取り扱う必要がある。
(増減理由)本年度は、41,442千円の積立を実施し、取崩については実施しなかったため、残高増となっている。(今後の方針)依然として、経常一般財源の増また、コロナ関連の国費などの影響により安定した財政運営を図れているが、一方でデジタル化推進や防災諸施策など、一定の財源が必要と推測される財政需要が想定されていることから、一喜一憂するのではなく慎重な財政運営が必要となる。
(増減理由)減債基金については、4,243千円の積立を実施し、取崩しについては実施しなかったため、若干の残高増となっている。(今後の方針)ここ数年については、若干ではあるが残高増が継続されてきている状況であることから、今後想定される事業を精査しつつ、繰上償還なども念頭におき実質公債費率の圧縮など先を見越した町債残高の管理が必要となる。
(基金の使途)ふるさと応援基金:産業振興、福祉の充実、防災対策の推進など地域振興に資する施策の推進施設等整備基金:土地、建物等を取得するための経費の財源地方創生推進基金:定住の促進、雇用の創出、人口減少対策、地域づくりを推進等(増減理由)ふるさと応援基金:基金の集約化に伴い177,057千円の残高増施設等整備基金:2,281千円の積立を行い、2,600千円の取崩しを行った結果319千円の残高減地方創生推進基金:基金の集約化に伴い381,890千円の残高増(今後の方針)その他特定目的基金については、基金の処分集約化に伴い52,717千円の残高増となった。これにより、より柔軟な基金運用が可能となった。今後の見込みについては、ふるさと納税寄付の実績がここ数年減額しているため、ふるさと応援基金への充当財源の減少が見込まれる。一方公営住宅建設事業債の完済などにより、公営住宅使用料の一部を施設等整備基金への積立財源として想定している。このような状況であることから、引き続き各種事業担当課には、特定財源の確保に努めてもらいつつ、必要な行政ニーズへの対応を適切に図っていく必要がある。
有形固定資産減価償却率は、令和2年度の庁舎更新に伴い大幅に減少し、類似団体平均値も下回っているものの、各施設の老朽化に伴い前年度比で0.5%上昇している。
債務償還比率については、令和元年度より庁舎更新等の大型建設事業に着手し、事業財源として地方債を発行したことに伴い、類似団体平均値を上回る状況となっている。令和3年度については、新規町債発行の抑制に伴い、前年度比162%の減少となっているが、引き続き将来負担額が上昇しないような対応を図っていく必要がある。
将来負担比率は、財政調整基金、減債基金等の充当可能基金残高が増加したことに伴い、前年度比で3.1%数値が改善している。有形固定資産減価償却率については、令和2年度の庁舎更新に伴い数値が大きく改善されたものの、認定こども園、体育館、プール等老朽化施設を複数抱えていることから、今後においても計画的な施設の更新に取り組んでいく必要がある。
実質公債費比率は、繰上償還の実施の効果等により減少していたが、近年の大型建設事業の実施に係る約定償還の開始に伴い、平成29年度以降上昇傾向に転じている。類似団体平均値は下回っているものの、今後も比率の上昇が見込まれることから、適正管理に努める必要がある。将来負担比率は、財政調整基金、減債基金等の充当可能基金残高が増加したことに伴い、前年度比で3.1%数値が改善している。
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