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財政力指数は類似団体平均値と同様に、ほぼ横ばいである。今後とも市税の収納率向上のほか地域の産業振興や人口対策など地方創生事業に取り組み、自主財源の確保に努める。
分母である経常一般財源収入は、地方特例交付金の減により全体で3.0ポイント減となった。分子である歳出経常一般財源は、繰出金などが増加した一方、人件費、物件費、維持補修費、補助費等、公債費の減少が増を上回ったことにより2.4ポイント減となった。結果、比率は0.6ポイントの減となった。今後は、大型建設事業に伴い発行した起債による公債費やその維持管理費の増に加え、会計年度任用職員制度による人件費の増、施設の長寿命化に備える経費の増が見込まれるため、より一層の内部経費の縮減を図りながら、行財政改革に取り組み経常収支比率の上昇を最小限に抑える努力を行う。
人口1人当たりの人件費・物件費等決算額が、類似団体と比較して大きく上回っている。人件費について、特に公立の認定こども園・保育所が多いこと、市域が広いため消防署に分署を配置していることなどが職員数の多さにつながっている。また、物件費についても、施設数が多いことからその維持管理費が大きな負担となっている。さらに、人口が年々減少していることも数値の悪化を招いている。今後も直営施設の民間への譲渡や、公設民営、指定管理などによる民間への委託、任用制度の活用など、人件費・物件費の抑制に努める。
従前どおり国人勧に準拠した給料表を用い、前年度比0.1ポイント増という結果になった。職種区分間人事異動によるマイナス要因を経験年数階層の影響といったプラス要因が上回る結果となったと類推する。引き続き、直営施設の民間への譲渡や、公設民営、指定管理などによる民間への委託、任期付職員制度・会計年度任用職員制度の活用等により、人件費総額の抑制に努める。
「安来市定員管理計画」をやや上回るペースで職員数は減少しているが、地理的要因により保育所・認定こども園・消防署分署等の施設数が多いため、保育士や調理師、消防職員数が多いことことなどから、類似団体内平均を上回る結果となっている。今後も引き続き、定員管理計画に基づき、直営施設の民間への譲渡や、公設民営、指定管理などによる民間への委託、任期付職員制度・会計年度任用職員制度の活用などにより、適正な定員管理に努める。
公債費については、単年度比率で分子については繰上償還により、8.8ポイントの減、分母については、普通交付税の増、臨時財政対策債発行可能額の減などにより4.7ポイントの減となった。単年度比率で分母・分子が共に減少となったが、分子の方が減少率が大きく比率は減少した。令和4年度に大型事業の償還額がピークとなるが、繰上償還の効果もあり、その後は横ばいの見込み。引き続き事業費の圧縮を行い、計画的な地方債発行に努めるととに、繰上償還等により公債費の抑制を図る。
繰上償還の実施により地方債現在高が減少し、分子が減少した一方、臨時財政対策債発行可能額の減により分母も減となり最終的に比率は下がった。今後地方債現在高は減少していくが、令和5年度以降も基金の取り崩しを予定しているため基金残高は減少していく見込みであり、充当可能財源が減少し、比率は上がる見込みである。引き続き事業費の圧縮を図り、計画的な地方債発行に努める。
人件費については、類似団体平均を上回っている。これは職員数の多さが人件費全体を押し上げているためである。地理的要因から、認定こども園・保育所・消防署分署等施設数が多く、そのため消防職員や保育士を多く抱えている。それらにより類似団体の平均を大きく上回る結果となっている。今後は、直営施設の民間への譲渡や、公設民営、指定管理などによる民間への委託、再任用制度の活用等により、人件費総額の抑制に努める。
物件費については、新型コロナウイルスによる各種費用の増、ごみ処理対策に掛かる費用の増などにより昨年度比で0.1ポイントの増加となった。公共施設等の維持管理に係る経費について、大きな負担となっており、公共施設等総合管理計画の推進により、適正規模への見直しを図っていく。
扶助費については、児童手当等の減を生活保護費、自立支援給付費の増が上回ったことにより昨年度比0.2ポイントの増となった。少子化や経済状況により影響されるが、引き続き、各扶助費受給者の資格審査等の適正化に努める。
その他に係る経常収支比率については、昨年度比で0.9ポイント増加した。施設の老朽化による修繕が多くなっており、公共施設の見直しによる維持管理費の抑制を通じ、将来の負担軽減を図る。
補助費等については、昨年度比で2.1ポイントの減少となった。今後は、地方創生や地域振興、農業振興に関する支援を継続しつつ、終期を定めるなど、見直しや事業の統合、規模や内容の適正化に努める。
公債費については、令和2、3年度に行った繰上償還(916百万円)により、令和4年度の償還元金が減少したものの、分母である経常一般財源の減がそれを上回ったため、前年度比0.4ポイントの増となった。引き続き事業費の圧縮を行い、計画的な地方債の発行と繰上償還等により公債費の抑制を図る。
公債費以外に係る経常収支比率については、昨年度比で1.0ポイント減少した。これは補助費等が2.1ポイント減少した影響が大きい。今後も、独立採算の原則に立ち、行財政改革を推進し経常経費の圧縮に努めながら、施設整備事業計画の見直し、使用料の定期的な見直し、維持管理費の抑制を通じ、普通会計の負担軽減に努める。
(増減理由)各種事業の実施に伴い、特目基金906百万円の取り崩しを行った。財政調整基金は取崩しを行わず、300百万円積戻しを行った。また、ドジョウ掬いのまちやすぎ応援基金においては、ふるさと寄附により537百万円、原子力防災安全等対策基金においては40百万円の新規積立を行った。結果として、基金残高は19百万円の減となった。(今後の方針)大型建設事業が終了し、今後は自治体DXの推進をはじめ、定住・少子化対策に重点をおいた政策、施策の展開が想定される。財源を確保するため、中期財政計画に基づき、財政調整基金をはじめとした基金の確保を検討していく。
(増減理由)令和3年度は300百万円は取崩したものの、450百万円の積立てを行い、結果として150百万円の増となった。令和4年度は300百万円の積立てを行った。(今後の方針)大型建設事業が終了し、今後は自治体DXの推進をはじめ、定住・少子化対策に重点をおいた政策、施策の展開が想定される。財源を確保するため、中期財政計画に基づき、財政調整基金をはじめとした基金の確保を検討していく。
(増減理由)令和2年度に単年度の財政負担の軽減、公債費負担の平準化を図るため、減債基金220百万円を取崩し、繰上償還を行った。令和3年度、4年度は取崩しは行っていない。(今後の方針)ここ数年、基金の取崩しによる財政運営を行っており、財政構造の改革が喫緊の課題である。毎年度、前年度決算剰余金や歳入の状況により、繰上償還を計画し必要があれば取崩しも検討する。
(基金の使途)公園緑地整備基金:公園緑地の整備及び維持管理の資金に充当地域振興基金:人材育成、国際交流、文化振興、まちづくり等、安来市の地域振興を図る事業の資金に充当ドジョウ掬いのまちやすぎ応援基金:ふるさとの自然環境及び景観の保全又は活用に関する事業、子どもの健全育成又はふるさと教育の推進に関する事業、地域医療又は福祉の充実に関する事業の資金に充当市有財産整備基金:市有財産の整備、維持管理及び処分の資金に充当庁舎等整備基金:庁舎、学校施設及び福祉会館の整備、修繕及び処分の資金に充当(増減理由)公園緑地整備基金・・・公園整備及び維持管理のため30百万円取崩し地域振興基金・・・地域振興のための支援事業等のため141百万円の取崩しドジョウ掬いのまちやすぎ応援基金・・・ふるさと寄附の増により536百万円を新規積立、企業立地促進奨励金等のため489百万円取崩し市有財産整備基金・・・福祉施設修繕工事等のため51百万円の取崩し庁舎等整備基金・・・イントラサーバ更新等のため155百万円の取崩し(今後の方針)地方債を財源とする大型建設事業が終了した。今後も地方創生に重点をおいた政策、施策の展開を進め、その財源を確保するため、地域振興基金等の取崩しをしていく見込みである。ただし、ここ数年は財政調整基金の取崩しによる財政運営をしているため、早期に財政構造改革を進め、基金の取崩に頼らない財政運営に努めながら、一定の財政調整基金の残高を確保できるよう中期財政計画に基づき、検討していく。
有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して低い水準にあり、平成27年度から平成30年度に続いた大型施設の更新が主な要因である。令和1年度にはこれまで固定資産台帳に一部未搭載であった道路を資産として計上したことにより、減価償却率が大きく下がった。令和2年度には道路の単価を見直したこと等により有形固定資産額が減となり、減価償却率が上がった。平成30年まで続いた総合文化ホール、庁舎等の大型建設事業に伴う資産の減価償却が始まっているため、今後も減価償却率が上がることが見込まれるが、施設の除却や譲渡、計画的な老朽化対策を行っていく予定である。
債務償還比率は類似団体と比較して高い水準にある。要因としては平成27年度から平成30年度に続いた大型施設の整備・更新に伴う起債の発行と基金の取崩しによるものが大きいと考えられる。令和2、令和3年度は繰上償還の実施により地方債の現在高が減少したことにより、比率が減少した。今後、地方債現在高は減少していくが、基金残高の減少が続いている状況にあり、比率は横ばいの見込み。
H27年度から集中的に実施した大型建設事業のための起債の発行や、財政調整基金をはじめとする基金の取崩しにより充当可能財源が減となったことが将来負担比率を上げる要因となっており、類似団体平均値と比較して高い水準となっている。一方で有形固定資産減価償却率は、老朽化が著しい大型施設の建替えなど必要な投資を行うことで減少傾向にあったところ、R1年度にこれまで固定資産台帳に一部未搭載であった道路を資産として計上したことにより、大幅に下がった。R3年度はH30年まで続いた大型建設事業に伴う資産の減価償却が始まっているため、比率が上がった。今後は普通建設事業費を一定程度に抑え、地方債新規発行の抑制や繰上償還、基金積み増しを図り、将来負担比率の縮小に努める。
H27年度から集中的に実施した大型建設事業のための起債の発行や基金の取崩しによる充当可能財源の減少、借入した地方債の償還が始まったことで、将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体を大きく上回っている。実質公債費比率はR2、R3年度に実施した繰上償還の影響による改善はみられるが、依然として高い比率であることが予想されることから、今後は普通建設事業費を一定程度に抑え、地方債新規発行の抑制や繰上償還を図り、公債費の適正化に努める。
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