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地方財政ダッシュボード

島根県安来市の財政状況(2019年度)

🏠安来市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は類似団体平均値と同様に、ほぼ横ばいである。今後とも市税の収納率向上のほか地域の産業振興や人口対策など地方創生事業に取り組み、自主財源の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

分母である経常一般財源収入は、臨財債発行額の減により全体で0.1ポイント減となった。分子である歳出経常一般財源は、人件費、物件費、扶助費が減少となる一方、ふるさと寄附や市立病院負担金や公債費が増となり、0.1ポイント増となった。結果とし、比率は0.2ポイントの増となった。今後は、大型建設事業の起債による公債費や維持管理費の増に加え、会計年度任用職員制度による人件費の増、施設の長寿命化に備える経費の増が見込まれるため、より一層の行財政改革に取り組み経常収支比率の上昇を最小限に抑える努力を行う。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たりの人件費・物件費等決算額が、類似団体と比較して大きく上回っている。人件費について、特に公立の認定こども園・保育所が多いこと、自校で給食を提供している学校が多いこと、市域が広いため消防署に分署を配置していることなどが職員数の多さにつながっている。また、物件費についても、施設数が多いことからその維持管理費が大きな負担となっている。さらに、人口が年々減少していることも数値の悪化を招いている。今後も直営施設の民間への譲渡や、公設民営、指定管理などによる民間への委託、任用制度の活用など、人件費・物件費の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

令和元年度末をもって現給保障を終了し、従前どおり国人勧に準拠した給料表を用いているにも関わらず、前年度比0.1ポイン増という結果となった。管理職数の増と、55歳以上職員の昇給制度継続が、現給保障によるマイナス要因を上回る結果となったと類推する。引き続き、直営施設の民間への譲渡や、公設民営、指定管理などによる民間への委託、給食センター方式への移行、再任用制度、会計年度任用制度の活用等により、人件費総額の抑制に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

地理的要因から、保育所・認定こども園・消防署分署等施設数が多く、そのため保育士や調理師、消防職員を多く抱えている。また、自校で給食を提供している学校も多く、それらにより類似団体内平均を上回る結果となっている。今後も、安来市定員管理計画に基づき、直営施設の民間への譲渡や、公設民営、指定管理などによる民間への委託、給食センター方式への移行、再任用・会計年度任用職員制度の活用などにより、適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

公債費については、借入れ利率低下により利子が減少したものの、元金は大型建設事業の償還が始まる一方、過去の返済が完了し全体では微増となったが、分母の一部となる普通交付税が増となったため、単年度の実質公債費比率は減となり、3ヵ年平均の比率も減少した。公債費は、令和4年度までは増加し、その後ゆるやかに減少する見込である。引き続き事業費の圧縮を行い、計画的な地方債発行に努めるととに、繰上償還等により公債費の抑制を図る。

将来負担比率の分析欄

分子については、充当可能財源等の額が財政調整基金等の取崩しの増により減となったものの、建設事業費の減に伴い地方債発行額が抑制でき、さらに地方債残高も減少したため、全体としては減となった。分母については、大型事業のため発行してきた地方債の返済が始まったことにより、算入公債費等の額が増えたことにより微減となった。結果として比率は3.0ポイント減となったが、今後は基金取崩が増え基金残高が減少していく見込みであるため、引き続き事業費の圧縮を図り、計画的な地方債発行に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

人件費については、類似団体平均を上回っている。これは職員数の多さが人件費全体を押し上げているためである。地理的要因から、認定こども園・保育所・消防署分署等施設数が多く、そのため消防職員や保育士を多く抱えている。また、自校で給食を提供している学校も多く、それらにより類似団体の平均を大きく上回る結果となっている。今後は、直営施設の民間への譲渡や、公設民営、指定管理などによる民間への委託、再任用制度の活用等により、人件費総額の抑制に努める。

物件費の分析欄

物件費については、デジタル空中写真撮影や各種システム改修、放課後児童健全育成事業など委託業務に係る経費により増となった。このほか、公共施設等の維持管理に係る経費について、依然大きな負担となっており、公共施設等総合管理計画の推進により、適正規模への見直しを図っていく。

扶助費の分析欄

扶助費については、対象者数、世帯数の減により生活保護費、児童手当が減少となった。少子化や経済状況により影響されるが、今後とも、各扶助費受給者の資格審査等の適正化に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率については、昨年度と同水準となった。しかし、施設の老朽化による修繕も多くなっており、公共施設の見直しにより維持管理費の抑制を通じ、将来の負担軽減に図る。

補助費等の分析欄

補助費については、ふるさと寄附金、市立病院への負担金、農振興関係等補助金などにより増となった。今後も、地方創生や地域振興、農業振興に関する支援を継続しつつ、終期を定めるなど、見直しや事業の統合など、規模や内容の適正化に努める。

公債費の分析欄

公債費については、借入れ利率低下により利子が減少したものの、元金は大型建設事業の償還が始まる一方、過去の返済が完了し全体では微増となったが、分母の一部となる普通交付税が増となったため、単年度の実質公債費比率は減となり、3ヵ年平均の比率も減少した。公債費は、令和4年度までは増加し、その後ゆるやかに減少する見込である。引き続き事業費の圧縮を行い、計画的な地方債の発行と繰上償還等により公債費の抑制を図る。

公債費以外の分析欄

その他に係る経常収支比率については、暖冬により除雪費用が減となり、維持補修費が大きく減となった。今後も、独立採算の原則に立ち、施設整備事業計画の見直し、使用料の定期的な見直し、維持管理費の抑制を通じ、普通会計の負担軽減に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

昨年度と比較して減となったものは議会費、総務費、民生費、衛生費、商工費、教育費、災害復旧費があげられる。総務費については、庁舎が完成したことによるもので、民生費については、私立保育所整備補助の完了によるもの、衛生費について医療施設整備に対する補助が完了したもの、商工費については企業立地雇用促進奨励金の減によるもの、教育費については、体育施設や社会教育施設の耐震化事業の完了によるもの、災害復旧費については、台風24号による災害復旧費の減によるものである。一方、増となったものは、労働費、農林水産業費、土木費、消防費、公債費があげられる。農林水産業費については農業振興関係補助金の増によるもの、土木費については、安来港飯島線道路改良事業の進捗による増、公債費については、大型建設事業の起債の元金償還開始による増によるものである。このほか、人口が年々減少していることも数値に影響を与えている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

昨年度と比較して減となったものは、維持補修費、普通建設事業費、普通建設事業費(うち新規整備)、災害復旧事業費、積立金があげられる。維持修繕費については、除雪に係る経費の減、普通建設事業については、大型建設事業完了に伴うもの、積立金については、財政調整基金積立金の減によるものである。一方、増となったものは、人件費、物件費、扶助費、補助費等、普通建設事業費(うち更新整備)、公債費、貸付金、繰出金があげられる。物件費については、大型建設事業により完成した建物の管理費等の増によるものである。扶助費については、児童扶養手当の支給方法の変更により一時的な増によるもの、補助費等についてはふるさと寄附や市立病院に係る経費の増、公債費については、大型建設事業の償還開始による増によるものである。このほかは、人口が年々減少していることも数値に影響を与えている。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

平成24年度以降実施してきた大型建設事業と平成27年度以降実施してきた地方創生事業に加え、平成27年度からの普通交付税の合併算定替えの特例の縮減により、当面、実質単年度収支は赤字と見込んでおり、財政調整基金の取崩により実質収支を黒字としている。財政調整基金は一定程度確保しておく必要もあるため、事業の見直しや公共施設の適正管理など推進することにより、早期の収支改善を図る。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

病院事業会計で赤字が昨年度と同規模となっている。これは、入院、外来患者数の減少に歯止めがかからず、費用に比べて収入の減少が大きく、病院事業の経営状況が悪化したためである。引き続き、新改革プランに基づき改革を推進していく。黒字となった事業のうち、比率が下がったものとしては、国民健康保険事業特別会計があげられる。平成30年度から国保の都道府県化に伴い島根県が保険者に加わった。制度が変わって2年目であるため、今後推移を注視していく。黒字となった事業のうち、比率が上がったものとしては、主に水道事業会計、下水道事業特別会計があげられる。水道事業会計は、平成29年度から水道料金を3ヵ年かけて段階的に引き上げていることによるものである。下水道事業特別会計は、令和2年度から公共下水道事業及び特定環境保全公共下水道事業が公営企業会計へ移行することによる打ち切り決算によるものである。一般会計から各会計への繰出は依然として増加傾向にあり一般会計の負担は大きい。使用料等の見直し等、各会計の経営計画に沿いながら経営改善に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

公債費については、借入れ利率低下により利子が減少したものの、元金は大型建設事業の償還が始まる一方、過去の返済が完了し全体では微増となったが、分母の一部となる普通交付税が増となったため、単年度の実質公債費比率は減となり、3ヵ年平均の比率も減少した。公債費は、令和4年度までは増加し、その後ゆるやかに減少する見込である。引き続き事業費の圧縮を行い、計画的な地方債発行に努めるとともに、繰上償還等により公債費の抑制を図る。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

大型建設事業が終了し、地方債の現在高が減少したことにより、比率は減少した。今後も、地方債現在高は減少していく見込であるものの、基金取崩し額の増や、充当可能特定歳入の減により、充当可能財源の減少が見込まれ、結果として比率は上昇していく見込みである。引き続き、事業費の圧縮に努め、計画的な地方債発行に努める。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)各種事業の実施に伴い、特目基金988百万円、財政調整基金526百万円の取崩しを行った。一方、ドジョウ掬いのまちやすぎ応援基金においては、ふるさと寄附の増加により589百万円、森林環境整備基金においては9百万円の新規積立を行った。結果として、基金残高は898百万円の減となった。(今後の方針)大型建設事業が終了し、公債費の増や定住・少子化対策に重点をおいた政策、施策の展開が想定される。財源を確保するため、中期財政計画に基づき、財政調整基金も含めた基金の取崩しを検討していく。

財政調整基金

(増減理由)普通交付税は増となったが、各種交付金や地方債の減が大きく、財源確保のため526百万円の取崩しを行った。(今後の方針)大型建設事業が終了し、公債費の増や定住・少子化対策に重点をおいた政策、施策の展開が想定される。財源を確保するため、中期財政計画に基づき、財政調整基金も含めた基金の取崩しを検討していく。

減債基金

(増減理由)低金利の局面が続いており、近年は積極的な繰上償還を行っていないため、取崩していない。(今後の方針)ここ数年、基金の取崩による財政運営を行っており、財政構造の改革が喫緊の課題であり、毎年度、前年度決算剰余金や歳入の状況により、繰上償還を計画し必要があれば取崩も検討する。

その他特定目的基金

(基金の使途)公園緑地整備基金:公園緑地の整備及び維持管理の資金に充当地域振興基金:人材育成、国際交流、文化振興、まちづくり等、安来市の地域振興を図る事業の資金に充当庁舎等整備基金:庁舎、学校施設及び福祉会館の整備、修繕及び処分の資金に充当市有財産整備基金:市有財産の整備、維持管理及び処分の資金に充当ドジョウ掬いのまちやすぎ応援基金:ふるさとの自然環境及び景観の保全又は活用に関する事業、子どもの健全育成又はふるさと教育の推進に関する事業、地域医療又は福祉の充実に関する事業の資金に充当庁舎等整備基金:庁舎、学校施設及び福祉会館の整備、修繕及び処分の資金に充当(増減理由)公園緑地整備基金・・・公園整備及び維持管理のため33百万円取崩し地域振興基金・・・地域振興のための支援事業等のため245百万円の取崩し市有財産整備基金・・・保育所修繕工事等のため48百万円の取崩しドジョウ掬いのまちやすぎ応援基金・・・ふるさと寄附の増により589百万円を新規積立、企業立地促進奨励金等のため558百万円取崩し庁舎等整備基金・・・イントラサーバ更新等のため71百万円の取崩し(今後の方針)地方債を財源とする大型建設事業が終了した。今後も地方創生に重点をおいた政策、施策の展開を進めるため、その財源を確保するため、地域振興基金等の取崩しをしていく見込みである。ただし、ここ数年は財政調整基金の取崩しによる財政運営をしているため、早期に財政構造改革を進め、基金の取崩を抑制し、一定の財政調整基金の残高を確保できるよう中期財政計画に基づき、検討していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して低い水準にあり、平成27年度から平成30年度に続いた大型施設の更新が主な要因である。令和1にはこれまで固定資産台帳に一部未搭載であった道路を資産として計上したことにより、減価償却率が大きく下がった。今後は施設の除却や譲渡、計画的な老朽化対策を行っていく予定である。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体と比較して高い水準にある。要因としては平成27年度から平成30年度に続いた大型施設の更新に伴う起債の発行と基金の取崩しによるものが大きいと考えられる。今後、地方債現在高は減少していくが、基金残高の減少が続いている状況にあり、比率は横ばいの見込み。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

H27年度から集中的に実施した大型建設事業のための起債の発行や、財政調整基金をはじめとする基金の取崩しにより充当可能財源が減となったことが将来負担比率を上げる要因となっており、類似団体平均値と比較して高い水準となっている。一方で有形固定資産減価償却率は、老朽化が著しい大型施設の建替えなど必要な投資を行うことで減少傾向にあったところ、R1にはこれまで固定資産台帳に一部未搭載であった道路を資産として計上したことにより、大幅に下がった。今後は普通建設事業費を一定程度に抑え、地方債新規発行の抑制や繰上償還、基金積み増しを図り、将来負担比率の縮小に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

H27年度から集中的に実施した大型建設事業のための起債の発行や基金の取崩しによる充当可能財源の減少、借入した地方債の償還が始まったことで、将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体を大きく上回っている。公債費はしばらく横ばいが見込まれ、実質公債費比率は高止まりが予想されることから、今後は普通建設事業費を一定程度に抑え、地方債新規発行の抑制や繰上償還を図り、公債費の適正化に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が類似団体と比較して比率が高くなっている施設は、【公民館】、【認定こども園・幼稚園・保育所】である。【認定こども園・幼稚園・保育所】は、一部、民間への譲渡を行ったが、多くの施設で減価償却が進んでおり、計画的に長寿命化が必要な状況となっている。【公民館】は、有形固定資産減価償却率は高くなっているが、耐震補強改修等を行い長寿命化対策を実施している。【道路】はこれまで固定資産台帳に一部未搭載であった道路を資産として令和1に計上したことにより、減価償却率が大きく下がった。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が類似団体と比較して比率が高くなっている施設は、【体育館・プール】、【一般廃棄物処理施設】、【保健センター・保健所】、【福祉施設】である。【体育館】は、計画的に耐震補強工事を行い、長寿命化対策を進めているが、【プール】についても耐用年数を経過しており、今後の方針を検討中である。【一般廃棄物処理施設】は、多くの施設で減価償却が進んでおり、計画的に長寿命化が必要な状況となっている。【保健センター】は耐震基準も満たしており大規模改修の予定はない。【福祉施設】は、一部施設を民間へ譲渡したことにより減価償却率が大きく上昇した。一方で、【庁舎】は、建て替えにより比率が下がっている。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産総額が前年度と比較し217,227百万円増加した。増加の主な要因はこれまで固定資産台帳に一部未登載であった道路を資産として計上したことにより大幅に増加したものである。一方で、総合文化ホール、庁舎等の大型建設事業が平成30年までに完了し、それらの減価償却が始まったため、事業用資産は1,662百万円の減少となった。事業用資産については、今後も減価償却による減少が見込まれる。また、基金は各種事業の実施のために取崩したこと等により固定資産、流動資産を合わせて898百万円減少した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、経常費用は28,123百万円となり、前年度と比較し5,965百万円の増となった。業務費用の方が移転費用よりも多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(14,192百万円、前年度比+6,289百万円)であり、純行政コストの51.7%を占めている。これはこれまで固定資産台帳に一部未登載であった道路を資産として計上したことにより減価償却費が6,478百万円増加したためである。今後も減価償却費の計上、公共施設等の維持管理業務による物件費等の増加が予想される。老朽化した施設の集約化や長寿命化、廃止など、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において、税収等の財源(20,151百万円)が純行政コスト(27,436百万円)を下回っており、本年度差額は△7,285百万円となった。本年度純資産変動額は前年度と比較し220,459百万円の増加となった。これはこれまで固定資産台帳に一部未登載であった道路を資産として計上したことにより固定資産が大幅に増加したことが主な要因である。純資産残高については、減価償却により今後は減少していく見込み。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は普通交付税が増加したこと等により業務収入が374百万円増加した一方、物件費、補助金等支出の減少により業務支出が498百万円減少したことから、前年より976百万円増加した。投資活動収支は公共施設等整備費支出が278百万円減少し、投資活動支出が306百万円減少した一方、基金を取り崩したこと等により投資活動収入は139百万円の増加となったことから、前年より445百万円の増加となった。財務活動収支については、地方債償還支出が地方債の発行額を上回ったことから、△1,577百万円となった。財務活動収支は地方債償還が横ばいの見込みであり、新規地方債の発行抑制に伴い、今後もマイナスが継続していく見込み。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率が類似団体平均を大きく上回っているが、これはこれまで固定資産台帳に一部未登載であった道路を資産として計上したことにより固定資産が大幅に増加したためである。これに伴い有形固定資産減価償却率は16.9ポイント減少した。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は前年比35.6ポイント増加し、類似団体平均を上回ったが、これはこれまで固定資産台帳に一部未登載であった道路を資産として計上したことにより固定資産が大幅に増加したためである。将来世代負担比率が前年より大きく下がったのは、地方債残高が減少したこともあるが、固定資産が大幅に増加したためである。今後は普通建設事業費を一定程度に抑え、地方債新規発行の抑制により地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を大きく上回り、前1年よりも16.7万円増加している。これは物件費等の減価償却費が増加したことが影響している。今後は公共施設等の維持管理業務の見直しによる物件費の抑制を図るが、年々人口も減少していることから数値は横ばい又は増加傾向にある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っているが、地方債が減少し、前年度から173,702万円減少している。来年度以降も地方債新規発行の抑制と計画的な償還を行い、地方債残高の縮小に努める。基礎的財政収支はマイナスが続いてきたが、黒字となった。業務活動収支は交付税が増えた一方、物件費、補助金等支出の減少により、支払利息支出を除いて前年から945百万円増加した。また、投資活動収支は公共施設等整備費支出が278百万円減少するなどし、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いて192百万円増加した。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

経常収益の減少は退職手当引当金の戻入が前年から331百万円減少したことが影響している。退職手当組合に加入している場合の退職手当引当金は、前年度と比較し、減少した場合は差額を経常収益に、増加した場合は差額を経常費用に仕訳を行うことから、年度によって受益者負担比率に差が生じやすい。経常費用は物件費等の減価償却費の増加により5,966百万円増加した。経常費用が増加傾向にあるため、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化や長寿命化、廃止を行うことにより、経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,