遠野市
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2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2023年度)
財政力
財政力指数の分析欄
令和5年度は、前年度比0.01ポイント増の0.32となり、類似団体平均値を0.09ポイント下回った。基準財政収入額では、コロナ禍からの業績回復が影響し市税(法人税割)の増加などにより、前年度費150,094千円増となった。一方、基準財政需要額では、高齢者保健福祉費(65歳以上人口)で単位費用の増加などにより、前年度比134,020千円増となり、単年度の財政力としては前年度比0.01ポイント増の0.33となった。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
分子である経常経費充当一般財源は、物件費でケーブルテレビの指定管理者制度への移行・中心市街地活性化センターの利用料金制への移行に伴う充当一般財源の増などにより、前年度比117,012千円増(前年度比1.2%増)となった。分母である経常一般財源は、地方交付税(普通交付税)の減、地方債のうち臨時財政対策債の減などにより、前年度比88,659千円減(前年度比0.8%減)となった。結果として、経常収支比率は前年度比1.8ポイント増の92.1%となり、類似団体平均値を0.6ポイント上回った。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人口一人当たり人件費・物件費等決算額は、前年度と比較し、人件費で5,808円増、物件費で9,724円減、維持補修費で85円増となり、合計で3,831円減となった。類似団体平均値を80,109円上回っている。人口は減少傾向にあるため一人当たりの負担は増加傾向にあるが、物件費の減少により人口一人当たり決算額は減少となった。類似団体平均と比較して高くなっているため、今後もさらなる経常経費削減に努める必要がある。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
類似団体の平均ラスパイレス指数である97.1を下回る96.5となった。今後も定員管理計画による職員数の縮減、一般行政職採用の制限や給与改定など、組織体制を含め給与の適正化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
第4次遠野市定員管理計画(令和3年度~令和7年度)の確実な実行により、目標を上回る職員数の削減となっているが、それを上回るペースで人口減少が進んでおり、人口1,000人当たりの職員数は前年度比0.22ポイント増の12.19人となった。今後も厳しい財政事情が続くと推測されることから、事務事業の見直しを継続するとともに職員数の適正化に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
実質公債費比率は、令和4年度において、平成14年度に借入した臨時財政対策債と平成23年度に借入した緊急防災・減災事業債の償還が終了したことに加え、平成17・18年度に借入した公共下水道事業債を全額繰上償還したことなどにより、元利償還金が減少した。また、普通交付税、臨時財政対策債発行可能額がそれぞれ減少したものの、標準税収入額等が増加し、算定の分母となる標準財政規模が増加した。このことにより、単年度の実質公債費比率が2.32ポイント減少し、3カ年平均では0.2ポイント減の10.9%となった。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
将来負担比率は、平成19年度に借入した学校教育施設等整備事業債及び平成26年度に借入した一般会計出資債の繰上償還などにより地方債現在高が減少したほか、償還計画に基づき公営企業債等繰入見込額が減少したことから、前年度比14.1ポイント減の43.1%となった。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)
人件費
人件費の分析欄
人件費に係る経常収支比率は、前年度比0.7ポイント増加した。令和3年度は各地区センターの運営を指定管理及び業務委託に移行したため減少、令和5年度は行政事務包括業務委託の廃止に伴い会計年度任用職員分が増加となった。類似団体平均値との比較では、令和2年度から下回っており、今後も定員管理計画に基づく職員数の適正化に努める。
物件費
物件費の分析欄
物件費に係る経常収支比率は、前年度比1.5ポイント増加した。ケーブルテレビ指定管理者制度への移行・中心市街地活性化センターの利用料金制への移行に伴う充当一般財源の増加、教科書改訂に伴う教師用教科書・指導書購入などにより同比率は増加となった。類似団体平均値と比較し高い値にあることから、施設の集約化などを視野に一層の経費削減に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費に係る経常収支比率は、前年度比0.6ポイント増加した。保育所等運営事業費に係る扶助費の増加などが要因に挙げられる。類似団体平均値と比較し下回っているものの、当市では高齢化率が高いほか、子育て支援施策を積極的に推進しているため、今後も扶助費の適正化に努める。
その他
その他の分析欄
その他に係る経常収支比率は、前年度比0.3ポイント増加した。維持補修費と投資及び出資金・貸付金は前年度と同値、繰出金は前年度比0.3ポイント増加となっている。類似団体平均値との比較では、下回りつつ増加傾向で推移してきたが今回若干上回ったため、経常経費の抑制に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等に係る経常収支比率は、前年度比0.1ポイント減少した。各種団体等(公営企業・一部事務組合を含む)への補助金・負担金が大半を占めており前年度に対し経常経費は微増しているものの、これに係る充当一般財源は微減しているため同比率は減少となった。類似団体平均値との比較では下回っているが、今後も各種団体等への補助金・負担金について、健全財政計画に基づき終期の設定や定期的な見直しを行い、さらなる健全化に努める。
公債費
公債費の分析欄
公債費に係る経常収支比率は、前年度比1.2ポイント減少した。令和4年度は、令和3年度に借入したケーブルテレビFTTH整備事業に係る過疎対策事業債の償還が開始したため増加、令和5年度は旧緊急防災・減災事業債元金償還金の減少となっている。類似団体平均値との比較では上回っているものの、令和3年度までは減少傾向で推移してきており、令和4年度は分母となる経常一般財源の大幅な減少により同比率は増加に転じた。今後も健全財政計画に基づき普通建設事業費の圧縮を図りながら、公債費の縮減に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外に係る経常収支比率は、前年度比3.0ポイント増加した。人件費、扶助費、物件費で増加しているが、物件費の増加割合が大きくなっている。また、分母である経常一般財源総額等は地方交付税(普通交付税)及び臨時財政対策債で減額しており、同比率増加の要因となっている。類似団体平均値との比較では、下回りつつ増加傾向で推移してきたが今回上回ったため、経常経費の抑制に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)
目的別歳出の分析欄
総務費については、住民一人当たり109,667円(前年度比10,480円減)となり、類似団体平均を下回った。令和2年度は特別定額給付金事業費の皆増、令和3年度はケーブルテレビFTTH化整備事業費の皆増、令和5年度はCATV事業特別会計で運営委託から指定管理者制度への移行に伴う経費(運営委託料・回線使用料)の皆減となっている。民生費については、住民一人当たり230,061円(前年度比23,299円増)となり、類似団体平均を上回った。令和3年度は子育て世帯への臨時特別給付金及び住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の皆増、令和5年度は住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の増及び白岩児童センター整備事業費の皆増となっている。農林水産業費については、住民一人当たり58,689円(前年度比1,090円増)となり、類似団体平均を上回った。令和4年度は汚染牧草処理に係る農畜産物放射能被害対策費の増及び新型コロナウイルス感染症経済対策で実施した牧柵等実証基盤整備の皆増となっている。商工費については、住民一人当たり69,491円(前年度比26,499円減)となり、類似団体平均を上回った。令和4年度は企業版ふるさと納税の増額に伴う産業振興基金積立金の増、令和5年度は前年度比では減少だが空き家等リノベーションに係る財団設立出資金((一財)TRC)の皆増や観光・交流施設整備保全事業費(伝承園食堂厨房改修分)の皆増となっている。消防費については、住民一人当たり25,611円(前年度比5,224円増)となり、類似団体平均を下回った。令和元~3年度は同報系デジタル防災行政無線整備事業のため増、令和5年度は消防車両更新事業費(消防ポンプ自動車分)の皆増となっている。教育費については、住民一人当たり109,002円(前年度比17,463円増)となり、類似団体平均を上回った。令和4年度は小学校屋内運動場長寿命化改修事業費の皆増、令和5年度は小学校校舎長寿命化改修事業費の皆増や鱒沢地区小さな拠点エリア整備事業費(鱒沢地区センター整備)の皆増となっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり830,219円であり、前年度比7,920円増となった。物件費については、住民一人当たり160,585円(前年度比9,724円減)であり、類似団体平均を上回った。令和3年度は新型コロナウイルスワクチン接種に係る委託料等の増、令和4年度は原油価格高騰の影響による光熱水費等の増、令和5年度はCATV事業特別会計で運営委託から指定管理者制度への移行に伴う経費(運営委託料・回線使用料)の皆減となっている。扶助費については、住民一人当たり129,438円(前年度比9,468円増)であり、類似団体平均を上回った。令和3年度は子育て世帯への臨時特別給付金及び住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の皆増、令和5年度は住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の増となっている。補助費等については、住民一人当たり84,664円(前年度比3,464円増)であり、類似団体平均を下回った。令和2年度は特別定額給付金の皆増、令和5年度は新型コロナウイルス感染症経済対策(畜産関連)の増となっている。普通建設事業費については、住民一人当たり106,793円(前年度比29,802円増)であり、類似団体平均を上回った。令和3年度はケーブルテレビFTTH化整備事業の増、令和5年度は白岩児童センター整備及び鱒沢地区センター整備の皆増となっている。積立金については、住民一人当たり37,584円(前年度比39,769円減)であり、類似団体平均を上回った。令和4年度は企業版ふるさと納税の増額に伴う産業振興基金積立金の増となっている。投資及び出資金については、住民一人当たり28,995円(前年度比8,648円増)であり、類似団体平均を上回った。令和5年度は空き家等リノベーションに係る財団設立出資金((一財)TRC)の皆増となっている。
実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)
分析欄財政調整基金残高は、令和2年度に大雪による市道の除排雪のため減少したものの、令和4年度には市税の増収等により増加、その後は増加傾向で推移しており、前年度比0.37ポイント増加した。実質収支額は、単年度収支において令和2年度に赤字のため減少、令和3年度には歳入の地方税や地方交付税等の増加により黒字に転じ、令和5年度は赤字のため減少と推移しており、前年度比1.92ポイント減少した。実質単年度収支は、財政調整基金残高及び実質収支額の影響のほかに、令和3年度から繰上償還を継続して計上しているが、前年度比3.23ポイント減少となった。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)
分析欄全ての会計において中期財政計画に基づき財政運営の健全化に努めたことから、連結実質赤字比率は前年度に引き続き黒字となった。今後も健全財政5カ年計画に基づき、歳入確保と歳出抑制を図り、持続可能な財政運営に努めていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)
分析欄元利償還金等は、前年度と比較して207百万円減少した。元利償還金において、令和4年度で平成14年度に借入した臨時財政対策債と平成23年度に借入した緊急防災・減災事業債の償還が終了したことに加え、平成17・18年度に借入した公共下水道事業債を全額繰上償還したことなどにより150百万円減少となっている。算入公債費等は、前年度と比較して13百万円減少した。実質公債費比率の分子は、前年度と比較して194百万円減少した。交付税算入率の高い有利な地方債を優先的に借入しているが、地方債に大きく依存しない財政運営に努めていく必要がある。
分析欄:減債基金
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将来負担比率(分子)の構造(2023年度)
分析欄将来負担額は、前年度と比較して598百万円減少した。一般会計等に係る地方債の現在高において、平成19年度に借入した学校教育施設等整備事業債及び平成26年度に借入した一般会計出資債の繰上償還などにより195百万円減少したほか、償還計画に基づき公営企業債等繰入見込額が384百万円減少となっている。充当可能財源等は、前年度と比較し599百万円増加した。充当可能基金において、令和4年度から令和5年度にかけて財政調整基金と市債管理基金の繰替運用(総額10億円)が年度をまたいで返戻されたことにより、781百万円増加となっている。これによる実際の基金残高への大きな変動は無い。将来負担比率の分子は、前年度と比較して1,199百万円減少した。令和元年度をピークに減少傾向にある。
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基金残高に係る経年分析(2023年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)令和5年度末の基金残高は、普通会計で4,540百万円となっており、前年度比92百万円の増加となった。主な要因として、公共施設等整備基金で74百万円の減少となったが、財政調整基金で55百万円の増加、産業振興基金で42百万円の増加となったことから、基金残高は増加した。(今後の方針)基金の運用については、今後も一層の健全化に努め、足腰の強い財政基盤の構築を目指していく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和5年度末の基金残高は、1,667百万円となっており、前年度比55百万円の増加となった。主な要因として、積立は決算剰余金及び運用益により501百万円(前年度比60百万円増)となり、取崩しは当初予算で臨時財政対策債の減額や新規事業等を実施するため500百万円、補正予算で8月豪雨災害に対応するため52百万円を見込んだものの、最終的には事業費精査や地方交付税・ふるさと納税の増収などにより446百万円(前年度比96百万円増)となったことから、基金残高は増加した。(今後の方針)財政調整基金は、災害の応急対応策その他特別の事件に要する経費の財源に充てるために設置したもので、旧遠野市では昭和39年に、旧宮守村では昭和51年にそれぞれ設置しており、現在は予算を組み立てる際の調整用財源として活用しているが、当初予算で繰入金として計上した後、地方交付税などの確定に合わせて減額補正を行っており、今後とも適正な積立となるよう努める。
減債基金
減債基金
(増減理由)令和5年度末の基金残高は、558百万円となっており、前年度比9百万円の減少となった。主な要因として、積立は土地開発基金取崩し分、臨時財政対策債償還基金費分及び運用益等により143百万円(前年度比93百万円増)となり、取崩しは償還計画充当分などにより152百万円(前年度比102百万円増)となったことから、基金残高は減少した。(今後の方針)健全財政計画において当該年度の公債費償還額の10~20%の保有額を適正額と位置付けているこから、公債費の償還に充てる一般財源額の平準化を図りながら運用する。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・産業振興基金地域産業資源を有効に活用し、地域の特性をいかした産業の振興並びに多様な就業機会の創出及び人材の確保に要する経費に充てる。・公共施設等整備基金市が行う公共施設、その他の施設の整備に要する経費に充てる。・永遠の日本のふるさと遠野基金行政課題に対応する施策に要する経費の財源を確保し、市民協働の推進、地域振興等を図るための経費に充てる。・市有林造成基金産業の振興、学校施設の整備充実、災害復旧その他特別の事件に要する経費に充てる。・わらすっこ基金市民が安心して子どもを産み育て、子どもが健やかに育つ環境の充実を図るための経費に充てる。(増減理由)・産業振興基金ふるさと納税分、企業版ふるさと納税分を積立てし、前年度比42百万円の増加となった。令和4年度は企業版ふるさと納税による大幅な増額となっている。・公共施設等整備基金小さな拠点改修整備事業(青笹地区センター及び上郷地区センター改修工事)などのため取崩したが、将来の施設整備の財源のため積立てし、前年度比74百万円の減少となった。・永遠の日本のふるさと遠野基金ケーブルテレビ事業特別会計の整備事業、まつり振興事業などのため取崩したが、個人及び団体からの寄附金を将来の事業に活用するため積立てし、前年度比38百万円の増加となった。(今後の方針)・重要施策を中心とした事業を推進するための財源として、今後とも適正な運用となるよう努める。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率は、平成30時点で類似団体平均値を8.2ポイント下回る49.3%となっているが、年々緩やかに上昇し、令和4時点では類似団体平均値を8.6ポイント下回る53.7%となった。令和4.3月に公共施設等総合管理計画を改定しており、施設整備及び更新等については、長期的な視点での進行管理を基本方針としている。施設の約5割が築30年を超え、施設の老朽化による維持管理経費の増額が見込まれることから適切な維持管理及び修繕を実施し、トータルコストの縮減及び平準化を図る。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は、令和4時点で類似団体平均値を19.3ポイント上回る543.7%となり、前年度比4.0ポイント増加となった。分子は、将来負担額において、平成17年度・平成18年度に借入した下水道事業債の繰上償還などにより、前年度より減少となった。分母は、経常一般財源等において、臨時財政対策債特例発行可能額が減少し、前年度より減少となった。分子より分母の方が減少割合が多かったことが、同比率の増要因である。市健全財政計画に定める市債発行・償還計画に沿った財政運営を行うことで、指標の抑制に努める。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は、R1は遠野東工業団地整備に係る市債を発行したことにより同比率が増加、R2は遠野東工業団地整備に係る市債を造成地の売却益で全額償還したことにより同比率は減少、R3はケーブルテレビFTTH化整備事業に係る市債の発行及び水道・下水道事業会計の公営企業債等繰入見込額が増加により推移しており、R4は平成17年度・平成18年度に借入した下水道事業債の繰上償還などにより前年度比8.7ポイント減少した。有形固定資産減価償却率は、年々緩やかに上昇しているが、R4時点で類似団体平均値より低い水準となっている。今後、両指標の推移を適切に捉えながら、児童福祉施設、学校施設及び公民館などについて、長期的視点をもった計画的な管理を行う必要がある。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は、R1は遠野東工業団地整備に係る市債を発行したことにより同比率が増加、R2は遠野東工業団地整備に係る市債を造成地の売却益で全額償還したことにより同比率は減少、R3はケーブルテレビFTTH化整備事業に係る市債の発行及び水道・下水道事業会計の公営企業債等繰入見込額が増加により推移しており、R4は平成17年度・平成18年度に借入した下水道事業債の繰上償還などにより前年度比8.7ポイント減少した。実質公債費比率は、R3は分母において基準財政需要額の臨時費目が追加されたことにより普通交付税が増加したことから減少していたが、R4は分母において基準財政需要額の臨時財政対策債償還基金費の廃止や高齢者保健福祉費及び包括算定経費の単位費用の減額などにより普通交付税が減少、並びに臨時財政対策債発行可能額が減少したことなどにより、前年度比0.3ポイント増加した。両指標とも類似団体平均値との比較では、いずれも高い水準にあるため、市健全財政計画に定める市債発行・償還計画に沿った財政運営を行うことで改善に努める。
施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)
施設情報の分析欄
有形固定資産減価償却率について、類似団体平均値を上回る施設として、認定こども園・幼稚園・保育所、学校施設、公営住宅、公民館が挙げられる。認定こども園・幼稚園・保育所については、宮守地区の全ての保育園において耐用年数を超えて供用しているため、今後、利用児童の推移を踏まえ施設の統合・廃止を考慮した施設再編計画の検討が必要である。学校施設については、小友小学校で令和4~令和6にかけて校舎・屋内運動場の長寿命化改修に取り組んでいるところであるが、学校施設全体では微増傾向にあるため今後も計画的な教育環境の整備を図る。公営住宅については、市営住宅等長寿命化計画に基づき、令和4には穀町市営住宅の新築工事を実施したことから、前年に比べ減少した。公民館については、地区センター長寿命化計画に基づき、令和3には土淵地区センター改修、令和4には小友地区センター改修を実施しており、微増から転じ微減に推移しつつある。各地区の特色ある地域づくり推進の拠点として、施設の老朽化や地域の実情を踏まえ長寿命化や維持管理を図る。
施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)
施設情報の分析欄
有形固定資産減価償却率について、類似団体平均値を上回る施設として、図書館、体育館・プール、一般廃棄物処理施設が挙げられる。図書館、体育館・プールについては、どちらも減価償却率80%を超えていることから、定期的な保守点検、必要な修繕・改修を実施し施設の長寿命化を図る。一般廃棄物処理施設については、平成27年10月から供用開始となった広域処理施設において可燃ごみが焼却処理されるようになったため、市内の処理施設の活用や除却等の検討を進める。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等(ケーブルテレビ含む普通会計)における資産総額は、前年度比5,785百万円の増加(+7.0%)、負債総額は前年度比200百万円の増加(+0.9%)となった。資産は、令和3年度にケーブルテレビFTTH化整備の実施により増加となった。資産総額のうち有形固定資産の割合が86.4%となっており、減価償却により年々減少傾向にある。各特別会計や上下水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は前年度比749百万円の減少(△0.7%)、負債総額は前年度比93百万円の減少(△0.3%)となった。岩手中部広域行政組合や第三セクター等を加えた連結では、資産総額は前年度比1,781百万円の減少(△1.6%)、負債総額は前年度比176百万円の減少(△0.5%)となった。令和元年度に下水道事業会計が公営企業化により全体及び連結に移行したことから、資産・負債が増加となっている。
2.行政コストの状況
一般会計等において、経常費用は17,248百万円となり、前年度比1,740百万円の減少(△9.2%)となった。そのうち、人件費や物件費等の業務費用は11,605百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は5,643百万円であり、業務費用の方が移転費用よりも多くなっている。業務費用で最も金額が大きいのは、委託費や減価償却費を含む物件費等(8,604百万円、前年度比+478百万円)であり、純経常行政コストの53.0%を占めている。令和2年度は、特別定額給付金など新型コロナウイルス感染症対策事業を実施したため、行政コストは増加となっている。全体では、一般会計等に比べて、下水道使用料等を使用料及び手数料に計上しているため経常収益が775百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の保険給付費を補助金等に計上しているため移転費用が5,123百万円多くなり、純行政コストは6,371百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上しているため経常収益が1,566百万円多くなっている一方、人件費や物件費等にかかる費用が多くなることから経常費用が11,103百万円多くなり、純行政コストは9,876百万円多くなっている。
3.純資産変動の状況
一般会計等において、税収等の財源(18,892百万円)が純行政コスト(△16,466百万円)を上回ったことから本年度差額は2,426百万円、それに資産評価差額等を含めた本年度純資産変動額は5,585百万円となった。令和2年度及び令和3年度は、新型コロナウイルス感染症対策事業の財源として各種補助金等の交付があったため、財源のうち国県等補助金が多くなっている。全体では、国民健康保険特別会計の国民健康保険税や介護保険特別会計の介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等に比べて財源が5,994百万円多くなっており、純行政コストを上回るため本年度差額は2,049百万円、純資産変動額は△656百万円となった。連結では、岩手県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等に比べ財源が9,358百万円多くなっており、純行政コストを上回るため本年度差額は1,908百万円、純資産変動額は1,606百万円となった。
4.資金収支の状況
一般会計等において、業務活動収支は2,899百万円であったが、投資活動収支については、令和2年度には同報系デジタル防災行政無線整備や道の駅「遠野風の丘」改修、令和3年度にはケーブルテレビFTTH化整備を行ったことから、赤字幅は増加傾向となり△2,876百万円となった。財務活動収支については、地方債の発行収入が償還支出を上回ったため276百万円となった。結果、本年度資金収支額は299百万円となり、本年度末資金残高は1,062百万円となった。全体では、国民健康保険税及び介護保険料が税収等収入に含まれることや下水道使用料等の使用料及び手数料収入があることから、業務活動収支は一般会計等より350百万円多い3,249百万円となった。投資活動収支は、下水道管の老朽化対策のための事業等を実施し、△2,868百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行収入より償還支出が上回ったため△99百万円となった。結果、本年度資金収支額は282百万円となり、本年度末資金残高は2,867百万円となった。連結では、業務活動収支は一般会計等より459百万円多い3,358百万円、投資活動収支は一般会計等より5百万円多い△2,881百万円となった。財務活動収支は、地方債の発行収入より償還支出が上回ったため△166百万円となった。結果、本年度資金収支額は311百万円となり、本年度末資金残高は3,705百万円となった。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額は、347.1万円であり、類似団体平均を77.9万円上回っている。資産合計は減少傾向にあったものの、令和3年度にケーブルテレビFTTH化整備を実施したため、住民一人当たり資産額は前年度比28.7万円の増加となった。歳入額対資産比率は、3.69であり、類似団体平均を0.11ポイント下回っている。有形固定資産減価償却率は、52.2%であり、類似団体平均を9.1ポイント下回っている。年々、公共施設の老朽化が進んでいる状況にある。今後、各施設の「更新」「長寿命化」「供用廃止・解体」「統合・「機能移転」の方針を定め、総合計画への位置づけや予算との整合性を図りながら進めてい必要がある。
2.資産と負債の比率
純資産比率は75.0%となっており、類似団体平均を1.5ポイント上回っている。将来世代負担比率は17.4%となっており、類似団体平均を1.4ポイント下回っている。現在のところは標準的な水準にあるが、高利率の地方債の借換えを行うなど、地方債残高の圧縮に継続して努め、将来世代の負担の減少に努める。
3.行政コストの状況
住民一人当たりの行政コストは64.5万円であり、類似団体平均を8.7万円上回っている。人口の減少傾向による影響もあるが、令和2年度は特別定額給付金など新型コロナウイルス感染症対策事業を実施したため、経常費用が増加したが、令和3年度は特別定額給付金の皆減により、純行政コストは前年度比5.1万円の減少となった。今後、適正なコストによる行政サービスの充実に努めていく必要がある。
4.負債の状況
住民一人あたりの負債額は、86.8万円であり、類似団体平均を15.6万円上回っている。負債額は横ばい傾向にあるものの、人口の減少率が上回っているため、緩やかに増加の傾向にある。基礎的財政収支は、556百万円の黒字に転じたが、類似団体平均を515.1百万円下回っている。業務活動収支において、税収等収入の増が黒字の要因となっている今後、健全財政計画に基づき、各種実施事業の選択と確かな負債返済を進め、将来世代への負担軽減に努める。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、5.9%となり類似団体平均を1.9ポイント上回っている。経常費用について、令和2年度は特別定額給付金など新型コロナウイルス感染症対策事業を実施したため、経常費用が増加し同比率が減少したが、令和3年度は特別定額給付金の皆減により、前年度比0.7ポイントの増加となった。