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財政力指数は、類似団体内平均とほぼ同じ水準であるが、全国有数の豪雪地帯であり過疎地に指定されている本村は、50%を超える高齢化率に加え民間企業が少ないため、歳入総額に占める税収入が5%程度とわずかであり、財政基盤は脆弱であると言える。財政力指数の過去5年間の推移を見るとほぼ横ばいの状況であり、現状で財政力を改善する要因が極めて少ないことから、今後もこの傾向が進むと思われる。収入が見込めない以上、今後は適正な人員配置、事業の選択と集中による支出の削減に努め、健全な財政運営に努めていく。
経常収支比率は、平成30年度からは79%から80%台の高い比率で推移していたが、令和3年度からは数値の改善が見られ、70%台前半の比率となっている。これは、人件費、補助費等、繰出金の3つの性質に係る経常経費充当一般財源が減少し、他方で普通交付税等の増により経常一般財源が増加したことが主な要因である。令和4年度から6年度にかけて、新村民住宅の建設や北野天満温泉の温泉棟新築、小中統合学校新設事業などの大型事業を実施し、その財源として過疎債を借り入れたことから、その償還の開始に伴い公債費が徐々に増加していく見通しであるため、経常収支比率の悪化を防ぐため、引き続き経常経費の削減に努めていく必要がある。
人口一人当たり人件費・物件費等決算額は、類似団体内平均を上回る状況が続いている。これは、本村が特別豪雪地帯であり、例年2mから3mほどの積雪があることから、会計年度任用職員を雇用して道路除雪及び高齢者等要配慮世帯の住宅除雪を実施しており、こうした除排雪経費が大きいことが主な要因である。また、観光施設や福祉施設等の指定管理料、庁内情報機器類のシステム保守委託料などが年々増加傾向にあり、これらも物件費の増加の要因となっている。今後は、職員の採用計画や事業計画の見直しにより、より一層の人件費及び物件費の削減に努めていく必要がある。
ラスパイレス指数は、令和2年度は類似団体内平均とほぼ同水準であったが、令和3年度は乖離が見られ、類似団体内平均よりも低い水準となった。令和4年度は数値の上昇と共に類似団体内平均ともほぼ一致したが、令和5年度では令和3年度とほぼ同数値となり、再び類似団体内平均より低い水準となった。今後も組織の規模や管理職員の人数が適正かなどを常に分析していく必要がある。
人口1,000人当たり職員数は、類似団体内平均よりも高い状況が続いている。本村は、村の南に位置する秋山地区に役場支所を設けていること、直営のスキー場や診療所を運営していることなどの理由から職員数が多い。また、長野県下市町村の中で12番目の大きさであり、広大な面積の中に31集落が飛び地のように点在している。こうした条件下で行政サービスを展開していくためには一定の職員数を確保する必要があるが、人口減少が加速する昨今の状況なかで、適正な人員配置を絶えず研究し、「栄村定員管理計画」を基に会計年度任用職員も含めた職員の適正管理に努めていく。
実質公債費比率は過去5年間6~7%代の幅でほぼ横ばいで推移しており、類似団体内平均とも大きな差異がなく、概ね健全な数値であると言える。令和5年度は令和4年度と比較して0.1ポイントの増となっているが、これは令和2年度~令和4年度の3か年の元利償還金及び準元利償還金の額よりも、令和3年度~令和5年度の3か年の同金額が大きいことが主な要因である。令和6年度の除雪機械整備や小中学校統合整備事業などに対し、地方債の借入れを行ったことから、その償還開始に伴い比率が悪化することが懸念されるが、事業の選択と集中により過度な起債発行を抑制し、繰り上げ償還による早期返済も検討しながら、実質公債費比率が現在と同水準で推移していくよう努めていく。
将来負担比率は過年度と同様比率なしとなった。これは、負債よりも、それに充当可能な財源が上回ったことが要因である。地方債残高と基金残高の状況を見ると、令和5年度末時点の、将来の負債である地方債残高は約27億8,404万円となり、前年度末の残高から1億5,777万円程増加した。これに対し、負債の償還に充てることができる財政調整基金や減債基金などの令和5年度末残高は約28億246万円となり、地方債残高より基金残高の方が大きくなっている。
令和2年度は令和元年度と比較して2.6ポイントの増となっている。これは、会計年度任用職員制度の開始に伴い、前年度まで物件費に計上していた臨時職員の賃金が、会計年度任用職員の報酬として人件費に計上されたためである。令和3年度は、職員数の減少と職員構成の変動により、令和2年度と比較して3.6ポイントの減となり、類似団体内平均よりも低い水準となった。令和5年度は令和3年度からと比較してほぼ同水準で推移している。今後も、栄村定員管理計画に基づき職員の計画採用や事務の見直しと効率化を図り、人件費の適正化を目指していく。
人件費の項に記載のとおり、令和元年度まで物件費に計上していた臨時職員の賃金を、令和2年度から会計年度任用職員の報酬として人件費に計上したことから、令和2年度は前年度と比較して5.8ポイントの減となった。このことから、平成30年度、令和元年度の過去2ヵ年で類似団体平均を上回っていたが、令和2年度以降は類似団体平均とほぼ同数値が保たれている。令和5年度では令和4年度より物件費が減少し、類似団体内平均を下回っている。
令和5年度は1.2%で、令和4年度とほぼ同じ水準であり、過去5年間の推移を見てもほぼ横ばいの傾向である。本村は少子化により児童手当や福祉医療費などの、児童に係る扶助費が少なく、生活保護世帯も少ないことから、従来より類似団体内平均を下回っている。
令和4年度と比較して、令和5年度は0.2ポイントの増となっているが、これは繰出金と維持補修費の増加が主な要因である。繰出金は、他会計への繰出金が増加となったことが要因であり、維持補修費は道路、林道等の修繕費の増加が要因である。
令和5年度は、負担金・分担金の増などにより、経常的補助費等に充当される一般財源の規模が増加したことから、比率は0.2ポイント増となっているが概ね前年度と同数値となっている。近年、団体への補助金が増加傾向であったことから、令和3年度からは栄村秋山郷観光協会への補助金を見直して適正規模に縮小したり、高齢者総合福祉センターを指定管理する社協への補助金の算定方法を改定したりするなど、健全財政への取組みを進めている。
令和5年度は令和4年度と比較して0.5ポイントの増となった。これは、経常収支比率算定の際に分子となる準元利償還金が増加したことが主な要因である。今後の見通しとしては、令和6年度以降大型の事業が続き、新規に起債を大きく借入れることから、それに伴い以降の年度で公債費が増加していく見込みである。そのため、事業の選択と集中により過度な起債発行を抑制しながら繰上償還も検討し、公債費が増加しないよう注視していく必要がある。
令和5年度の経常経費全体については令和4年度と比較して2,059万円程増加したことにより経常収支比率は多くの性質で増加傾向となった。人件費については、職員の計画的な採用により類似団体内平均と同水準になっており、補助費等についても補助団体や補助基準の見直しを図り、類似団体平均よりも低い水準となるなど改善が見られている。物件費については、近年システム関連費用の増加が目立っているが、令和5年度より財務会計システムを共同化し、費用の軽減を図っている。
(増減理由)基金全体について、令和5年度末の現在高は約28億200万円であり、前年度末と比べて約1億9,100万円の増となった。財政調整基金は、令和6年度以降本格実施となる小中統合学校建設事業に備えて教育基金に積み替えを行ったことで減少し、令和5年度末の現在高は14億7,700万円となった。減災基金については、取り崩し積立ともに大きな変化はなく現在高は概ね前年度と同数値となった。ふるさと納税による寄附金を積立てているふるさと創生基金は、寄附金の増に伴い、前年度と比較して積立額が大きくなった。令和5年度末の現在高は1億2,300万円となった。教育基金は上述のとおり小中統合学校建設事業に伴う税源確保のため財政調整基金から多額の積立を実施したことにより現在高が3億6,200万円と大きく増加した。(今後の方針)いずれの基金についても、充当する事業をよく見極めたうえで適正な取崩しを行っていく。より利便性が高い基金管理を行っていくために、必要に応じて基金の統廃合も検討していく。本村の現在の一般会計予算規模は30億円弱であることから、財政調整基金はその3分の1に当たる10億円を最低限確保し、年度間の財源不足を調整するために堅実な積立てを行っていく。今後も財政調整基金の取崩しには慎重を期していく必要がある。農業振興基金、ふるさと創生基金については、ふるさと納税事業の更なる発展を図り、積立額の増加を図っていく。
(増減理由)財政調整基金は、令和6年度以降本格実施となる小中統合学校建設事業に備えて教育基金に積み替えを行ったことが主な要因で大きく減少し、令和5年度末の現在高は14億7,700万円となった。(今後の方針)使途については、財源の調整のために適宜活用していくが、そのほかにも災害等により生じた経費又は災害により生じた減収を補填するための経費の財源として活用していく。
(増減理由)減災基金については、取り崩し積立ともに大きな変化はなく現在高は概ね前年度と同数値となった。(今後の方針)年間の地方債償還額の2年分程度に当たる6億円の積立てを目標とし、平成29年度、30年度にそれぞれ3億円ずつ積み立てている。令和5年度では大きな積み立てはできていないものの、引き続き将来の償還金返還の際に適宜取崩して活用していく。
(基金の使途)教育基金は義務教育施設整備基金、科学教育振興基金、教育文化振興基金の3つを統合して令和4年度に新たに設置した基金である。農業振興基金は、米農家支援等農業振興施策を行うための費用の財源となる。森林環境基金は、森林環境整備に要する経費の財源となる。ふるさと創生基金は栄村を活性化させる事業や、住民の生活を守る事業などの財源となる。医療基金は村民の医療確保(医師の確保等)に要する経費の財源となる。(増減理由)教育基金は小中統合学校建設事業に伴う税源確保のため財政調整基金から多額の積立を実施したことにより現在高が3億6,200万円と大きく増加した。ふるさと納税による寄附金を積立てているふるさと創生基金は、寄附金の増に伴い、前年度と比較して積立額が増加した。令和5年度末の現在高は1億2,300万円となった。農業振興基金は、同様にふるさと納税による寄附金等1,796万円を積立て、村内の米農家支援事業、優良米生産者支援事業の財源として充当した。残高は前年度から197万円減の1,241万円となった。森林環境基金は、森林環境譲与税など1,376万円の積み立てを行い、1,062万円の取り崩しを行ったことから、残高は1,368万円となった。その他の基金は利子等の積立てのみで大きな変動はなかった。(今後の方針)基金の設置目的に照らし、適正に活用されるよう研究していく。
有形固定資産減価償却率は年々増加しており、令和4年度は68.4%で類似団体内平均と比較して高い数値となっている。減価償却率が高い資産を見ると、物品、インフラ工作物、事業用建物の老朽化が進んでいる。村では令和2年度に公共施設等総合管理計画を改定し、現状に即した計画に更新することで、財政負担の軽減及び標準化と、公共施設等の最適な配置を図っている。減価償却率が高い固定資産を中心に、計画的な資産管理を行っていく。
債務償還比率は、100.0%となり、前年度と比べ比率が減少となっている。平成23年に発生した長野県北部地震の復旧・復興事業の財源として起債発行が増加したが、その償還が徐々に完了し、比率が減少しているものと考えられる。今後は、事業の選択と集中により、新規起債発行を抑制するとともに、年度間でばらつきが生じないよう平準化に努める。また、人件費や物件費などの削減により、債務償還に充当可能な財源の確保に努めていく。
将来負担額よりも、それに対して充当できる基金等の財源の額が上回っていることから、将来負担比率は発生していない。有形固定資産減価償却率は年々増加傾向にあるが、これは物品やインフラ工作物の減価償却率が高いことが要因である。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、これらの資産の長寿命化対策を計画的に実施していく。
実質公債比率について、平成30年度からの5か年は6~7%の間で推移している。同級他団体平均よりも低い水準であるが、公債費が年々増加傾向にあることから、数値は少しずつ悪化している状況である。今後は、各種事業の必要性を見極め、新規起債発行を抑制していく。