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人口の減少が進み、年齢構成も少子高齢化が著しい状況にある。基幹産業である酪農業では、乳価が安定していて農業所得はやや高い水準にあるが、後継者がいない等の理由による離農で農家戸数が減少しており、法人化や大規模化等の経営基盤の強化が進めてられているところである。本町の財政構造は地方交付税等に多く依存しており、住民サービスの低下を招かないようにしつつ、老朽化した公共施設の統廃合等による経常経費の削減、ふるさと納税の取組みの強化などにより財源を確保し、健全な財政運営に努める。
過去に実施した投資的事業に係る公債費、職員給与を含む人件費や公共施設の老朽化に伴う維持補修費が経常経費の大部分を占めている。令和2年度決算では類似団体平均に近い比率となっているが、公債費について、一般会計では減少傾向が続くと見込まれるのの、水道事業会計では、泉源浄水場整備に係る償還が令和3年度から始まることにより、一般会計からの繰出金が増加すると見込まれ、経常収支比率は類似団体と比較して高くなると見込まれる。引き続き、新規起債の抑制、職員定数管理を徹底するなど経常的経費の抑制に努める。
人口1人当たりの人件費・物件費等決算額が類似団体と比較して高い傾向が続いている。経常的に要する人件費や、公共施設の維持管理に要する経費も増加傾向にある。引き続き、職員定数管理の徹底、公共施設の統廃合を計画的に進め、人件費・物件費等の抑制に努める。
給与水準については、平成20年1月から平成22年3月の間で、給与の独自削減を行って行財政改革の一翼を担ってきたが、平成22年度からは本来の水準に戻している。職員数は類似団体と比較して多いものの、若年層の職員が多いためラスパイレス指数では類似団体と概ね同様な推移となっている。
近年、地域における雇用の場の確保を推進している観点から、地元出身者(主に高卒)を採用しているほか、保健福祉事業充実のため保健師を多く採用しており、類似団体平均から多くなっている。職員の定数管理計画に基づいた退職者補充とし、年齢構成に配慮しながら適切な定数管理に努める。
過去の投資的事業に係る償還のピークが過ぎ、新規起債を抑制してきたことから、着実に比率は減少し、類似団体との差は小さくなってきたが、簡易水道施設整備事業で多額の借入を行ったことから、実質公債費比率が増加に転じる年度もあると見込まれる。今後も、新規起債は抑制し、安定した財政運営に努める。
シェアリングエコノミー拠点等整備事業や泉源浄水場改築などの簡易水道施設の大型事業の起債借入により将来負担比率が発生している。町内には老朽化している建物が多く、簡易水道事業では、配水管の更新も予定されているなど、施設の更新に要する事業費で将来負担比率は類似団体と比較すると高い状況が続くと予想される。大型事業終了後は、新規起債は抑制し、公共施設の統廃合等による事業費の削減に努める。
本町の職員の年齢構成は50歳代が多く20歳代が少ない傾向が続いてきたが、高年齢層の定年退職と新規採用による補充で若年化が進み類似団体平均を下回っている。しかし、人口1,000人当たりの職員数は類似団体平均と比較して多く、年齢構成も30歳代前半が多くなっていることから、今後は人件費の割合が増加していくものと推測している。
類似団体平均と比較すると、物件費の占める割合は3.5ポイント下回っているが、公共施設の老朽化は進んでおり、公共施設の管理に要する経費は増加傾向にある。住民サービスを低下させないようにしつつ、事務的経費などの経費削減の徹底を図る。
ひとり親世帯や高齢世帯の増加の影響等により、医療扶助や生活扶助費が増加傾向にあるほか、平成27年度から始まった子ども・子育て支援給付費の増加により扶助費の占める割合は増加傾向にあるが、住民の健康や子育て支援は重要な施策となっている。
その他に占める経常収支比率が類似団体平均を8.9ポイント上回った。平成29年度は、大雪により町道等の除排雪に要する経費が例年の2倍以上に膨らんだため、類似団体平均との差が大きくなっている。水道事業特別会計では老朽化した配水管の更新に要する経費に充てるため、一般会計からの繰出金も増えている。配水管の計画的な更新も急務となっている。
補助費等の占める割合については、全国平均まで前年度から減小している。町立病院への赤字補てんについては、経営改善が図られて減少傾向となっていたが、新型コロナウィルス感染症の影響により先が見通せなくなっている。
過去の投資的事業に係る起債償還のピークが過ぎ、公債費の占める割合は概ね類似団体と同様の推移となっている。新規起債の償還時期によって多少の増減はあるが、今後も同水準が続くと見込まれる。
(増減理由)・ふるさと応援寄付金をふるさと応援基金に117百万円積立てた一方、ふるさと応援基金の使途に沿った事業に63百万円を取崩したほか、代替バス事業者等の補助金等に充てるため17百万円取崩すなどしたが、全体として49百万円の増額となった。(今後の方針)・財政調整基金は、できるだけ取り崩すことのないようにする。・役場庁舎など耐震化が進んでいない公共施設があることから、公共施設の耐震化や長寿命化、更新を目的とした基金への積立を検討していく必要がある。
(増減理由)・増減なし(今後の方針)・財政調整基金の残高は、災害への備え等のため、少なくとも標準財政規模の20%(6億円)以上を確保する。
(増減理由)・増減なし(今後の方針)・今後の金利変動等の公債費の償還リスクに備えるため、財政運営上の数値目標としている財政調整基金および減債基金の合計が標準財政規模の20%の残高を引き続き確保していく。
(基金の使途)・ふるさと応援基金:保健・福祉に関する事業、地場産業振興に関する事業、歴史・文化・教育・子どもたちに関する事業、観光・イベントに関する事業、環境保全に関する事業、その他天塩町振興のための事業・振興基金:教育・文化の発展に適切な事業、福祉の向上に適切な事業、商工業の振興に適切な事業、農業後継者の育成に適切な事業、その他本町の振興発展に適切な事業で町長が必要と認めた事業・国鉄羽幌線代替輸送確保基金:代替バス事業者に対する補助、定期運賃差額補助、関連施設等の維持管理費・地域福祉基金:在宅福祉の普及及び向上、健康及び生きがいづくりの推進その他地域福祉の推進を図るため民間団体が行う事業の支援に要する経費・町営草地基金:天塩町営草地等の施設、機械類の更新及び取得に要する資金(増減理由)・ふるさと応援基金:ふるさと応援寄付金の積立117百万円、上記各事業の実施に伴う取崩63百万円・振興基金:運用益積立1百万円・国鉄羽幌線代替輸送確保基金:上記経費に要する額を取崩17百万円(今後の方針)・ふるさと応援基金:ふるさと納税制度のより受けた寄付金は全額積立て、基金の使途として定められた事業に応じて取り崩す・振興基金以下4基金は、基金の使途として定められた事業に応じて取り崩すものとし、貯金利息等の運用益のみ積立てる。
有形固定資産減価償却率は、橋梁・トンネル、学校施設を除いた施設で類似団体平均上回っており、有形固定資産全体においても類似団体平均より10ポイント高い水準にある。それぞれの公共施設等について、令和2年度から令和3年度にかけて個別施設計画の策定を進めており、今後は当該改革に基づいた維持管理を適切に行っていく必要がある。
一般会計では新規の起債を抑制してきたため将来負担額は減少傾向にあるが、簡易水道事業では施設の更新で多額の借入を行っており、今後も管路の更新で借入を行っていく必要があるなど、将来負担額の減少は期待できない一方で、歳入の経常一般財源等は人口減少の進行に伴って普通交付税や町税の減少が見込まれることから、債務償還比率は類似団体よりも高い状態が続くと予想される。
平成25年度から平成27年度実施の天塩小学校改築事業で653.5百万円、平成30年度では遠別町・天塩町共同斎場建設事業負担金での300.6百万円、簡易水道事業では泉源浄水場の改築で809百万円の借入を行ったことなどにより、将来負担比率が発生している。このため、学校施設における有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して低い水準にある。しかし、認定子ども園・保育所施設、体育館・プール施設では減価償却率が90%を超えており、今後、これらの施設では長寿命化や維持管理に要する経費が増加すると見込まれる。
実質公債比率については、起債の抑制によって減少傾向が続いてきたが、一般会計では、平成25年度から平成27年度にかけて実施した天塩小学校改築事業に係る償還が始まったほか、平成30年度には遠別町・天塩町共同斎場建設事業の負担金で300.6百万円、簡易水道事業では泉源浄水場整備で809百万円を借入たほか、令和元年度には更岸高区配水池整備事業で212百万円の借入を行ったことから、将来負担比率が上昇している。こうした状況を踏まえ、引き続き公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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