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地方財政ダッシュボード

岩手県遠野市の財政状況(2020年度)

🏠遠野市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

基準財政収入額は、税制改正により法人市民税が減となったものの、地方消費税交付金の増などの影響から、前年度比30,620千円増(+0.01ポイント)となった。基準財政需要額は、地域社会再生事業費が新規費目のため皆増などにより、前年度比191,562千円増(+0.02ポイント)となった。結果、3年間の財政力に基づく財政力指数は前年度比0.1%増加となった。

経常収支比率の分析欄

分子である経常経費充当一般財源は、償還計画の着実な推進により公債費は減少したものの、除排雪業務に係る維持補修費の増加などにより、前年度比227,446千円増(+2.4ポイント)となった。分母である経常一般財源額等は、企業収益の減少によって地方税は減少となったものの、地方交付税や地方消費税交付金の増加などにより、前年度比217,070千円増(+2.1ポイント)となった。結果として、経常収支比率は前年度比0.3ポイント増の88.4%となった。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口一人当たり人件費・物件費等決算額は、前年度と比較し、人件費で146円の増、物件費で13,094円の増、維持補修費で10,813円の増となり、合計で24,053円の増となった。物件費での行政事務包括アウトソーシングに係る委託料の増、維持補修費での除排雪経費の増などが要因として挙げられる。類似団体平均と比較しても高くなっているため、今後もさらなる経常経費削減に努める必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体の平均ラスパイレス指数である97.4を下回る97.2となった。今後も定員管理計画による職員数の縮減、一般行政職採用の制限や給与改定など、組織体制を含め、給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

第3次遠野市定員管理計画(平成28年度~令和2年度)の確実な実行により、目標を上回る職員数の削減となっているが、それを上回るペースで人口減少が進んでおり、人口当たりの職員数は前年度比0.09ポイント増の11.69人となった。今後も厳しい財政事情が続くと推測されることから、事務事業の見直しを継続するとともに職員数の適正化に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は、普通交付税が前年度よりも約1億2,900万円増加したことや、平成24年度に借入した総合食育センター整備事業及び平成25年度に借入した公共牧場再編整備事業に係る過疎対策事業債の元利償還が完了したこと等により元利償還金の額が1億500万円減少したことから、0.4ポイント減の11.1%となった。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、プライマリーバランスの黒字化を堅持したことにより一般会計における令和2年度末市債残高が約6,400万円減少したことに加え、遠野東工業団地整備に係る市債約11億9,500万円を造成地の売却益で全額償還したことから、対前年度比20.9ポイント減の60.3%となった。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

定員管理計画に基づく職員数の適正化に努めており、人件費に係る経常収支比率は前年度比0.6ポイント減少した。消防業務を直営で行っているため類似団体平均値を上回る傾向にあるが、今後も定員管理計画に基づいた適正管理に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、前年度比0.7ポイント増加した。行政事務包括アウトソーシングに係る委託料の増加などが要因に挙げられる。類似団体平均値と比較し特に高い値にあることから、施設の集約化などを視野に一層の経費削減に努めていく。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、前年度比1.3ポイント減少しており、児童扶養手当給付費の減少などが要因に挙げられる。類似団体平均値と比較し下回っているものの、当市では高齢化率が高いほか、子育て支援施策を積極的に推進しているため、今後も扶助費の適正化に努めていく。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、前年度比2.2ポイント増加した。除排雪業務に係る維持補修費の増加、各特別会計への繰出金が増加したことなどが要因に挙げられる。類似団体平均値との比較では下回った値で推移している。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、前年度比0.6ポイント増加した。保育園・幼稚園の副食費助成金の増加、岩手中部広域行政組合負担金の増加などが要因に挙げられる。類似団体平均値との比較では下回っているが、今後も各種団体等への補助金・負担金について、健全財政計画に基づき終期の設定や定期的な見直しを行い、さらなる健全化に努めていく。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、前年度比1.3ポイント減少した。健全財政計画に基づくプライマリーバランス黒字化堅持の取組から、公債費の縮減に努めていることが要因に挙げられる。一方、類似団体平均値と比較では依然高い値にあることから、今後も健全財政計画に基づき普通建設事業費の圧縮を図りながら、公債費の縮減に努めていく。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、前年度比1.6ポイントの増加となった。物件費や維持補修費の影響により前年度から増加したものの、扶助費などで抑制が図られ、類似団体平均値との比較では低い水準で推移している。引き続き経常経費の抑制に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

商工費は、道の駅改修整備費の増額や新型コロナウイルス感染症経済対策事業費の皆増などにより住民一人当たり75,169円となり、類似団体平均を大きく上回った。消防費は、同報系デジタル防災行政無線整備事業費が減額となったものの、新型コロナウイルス感染症予防対策事業費の皆増により住民一人当たり33,082円となり、類似団体平均を上回った。教育費は、ホストタウン会場整備事業の完了により減額となったものの、小中学校の空調設備設置に係る管理費の増額により住民一人当たり93,022円となり類似団体平均を上回った。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり864,623円となり、前年度比139,295円の増額となった。人件費については、住民一人当たり109,624円となっており、定員管理計画に基づき職員数の適正化に努めているが、消防業務などを直営で行っていることから、類似団体平均より高い水準で推移している。物件費については、行政事務包括アウトソーシングに係る委託料の増加などにより住民一人当たり146,707円となり、類似団体平均を大きく上回った。扶助費については、生活保護費や児童扶養手当給付費の減額、子育て世帯への臨時特別給付金の皆増などにより、前年度より減額となるものの、類似団体平均を上回り、住民一人当たり103,818円となった。補助費等については、特別定額給付金の皆増により前年度から大幅な増加となったが、令和元年度の大型事業が完了したことによって、類似団体平均を下回り、住民一人当たり179,729円にとどまった。普通建設事業費のうち更新整備については、道の駅改修整備費の増額により住民一人当たり53,887円となり、類似団体平均を上回った。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和2年度は、実質単年度収支で前年度比1.7ポイントの減、赤字となっているが、財政調整基金の取崩し等により、実質収支は黒字を確保している。実質収支については、令和元年度まで増加傾向で推移していたが、令和2年度は黒字減少に転じ、前年度比1.7ポイントの減となった。財政調整基金は、市道の除排雪経費の増により、取り崩したため前年度比1.15ポイント減少した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

全ての会計において中期財政計画に基づき財政運営の健全化に努めたことから、連結実質赤字比率は前年度に引き続き黒字となった。今後も健全財政5カ年計画に基づき、歳入確保と歳出抑制を図り、持続可能な財政運営に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

実質公債費比率の分子は、前年度と比較して23百万円減少した。総合食育センター整備事業や公共牧場再編整備に係る元利償還が終了したこと等により、元利償還金が105百万円減少したことが要因として挙げられる。交付税参入率の高い有利な起債を優先的に借り入れているが、起債に大きく依存しない財政運営に努めていく必要がある。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

将来負担比率の分子は、前年度と比較して1,691百万円減少した。一般会計等に係る地方債の現在高は、健全財政計画に基づくプライマリーバランス黒字化堅持の取組から年々減少しており、前年度比で65百万円減少したことと、それに加え遠野東工業団地整備に係る市債約1,195百万円を造成地の売却益で全額償還したことが要因として挙げられる。一方、充当可能財源等は、地方債残高の減少と合わせて基準財政需要額参入見込額や充当可能基金も年々減少している状況である。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)令和2年度末の基金残高は、普通会計で2,617百万円となっており、前年度比116百万円の減少となった。森林環境譲与税基金の増加などによってその他特定目的基金で41百万円の増加となったものの、財政調整基金で106百万円の減少、減債基金で49百万円の減少となったためである。(今後の方針)基金の運用については、今後も一層の健全化に努め、足腰の強い財政基盤の構築を目指していく。

財政調整基金

(増減理由)令和2年度末の基金残高は、1,494百万円となっており、前年度比106百万円の減少となった。決算剰余金及び運用益の積立により342百万円の増加となったものの、市道の除排雪経費等の財源調整により448百万円の取崩しとなり減少したことが主な要因である。(今後の方針)財政調整基金は、災害の応急対応策その他特別の事件に要する経費の財源に充てるために設置したもので、旧遠野市では昭和39年に、旧宮守村では昭和51年にそれぞれ設置しており、現在は予算を組み立てる際の調整用財源として活用しているが、当初予算で繰入金として計上した後、地方交付税などの確定に合わせて減額補正を行っており、今後とも適正な積立となるよう努める。

減債基金

(増減理由)令和2年度末の基金残高は、304百万円となっており、前年度比49百万円の減少となった。事業費精査分及び運用益等を積み立てたものの、償還計画充当分等のため取崩しが上回ったことが主な要因である。(今後の方針)健全財政計画において当該年度の公債費償還額の10~20%の保有額を適正額と位置付けているこから、公債費の償還に充てる一般財源額の平準化を図りながら運用する。

その他特定目的基金

(基金の使途)・永遠の日本のふるさと遠野基金行政課題に対応する施策に要する経費の財源を確保し、市民協働の推進、地域振興等を図るための経費に充てる。・公共施設等整備基金市が行う公共施設、その他の施設の整備に要する経費に充てる。・森林環境譲与税基金林業に携わる人材の育成及び担い手の確保並びに間伐、木材利用の促進、普及啓発等の森林整備に要する経費に充てる。・産業振興基金地域産業資源を有効に活用し、地域の特性をいかした産業の振興並びに多様な就業機会の創出及び人材の確保に要する経費に充てる。・市有林造成基金産業の振興、学校施設の整備充実、災害復旧その他特別の事件に要する経費に充てる。(増減理由)・公共施設等整備基金学校施設の改修工事等のため取り崩したことから21百万円の減少となった。・森林環境譲与税基金木材利用促進等の森林整備事業の財源とするための積立により38百万円の増加となった。・市有林造成基金市有林造成により木材販売収入を積立したものの、間伐等の経費にかかる取崩額が上回ったことから4百万円の減少となった。(今後の方針)・重要施策を中心とした事業を推進するための財源として、今後とも適正な運用となるよう努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、平成28時点で類似団体平均値を8.5ポイント下回る47.6%となっているが、年々緩やかに上昇し、令和2時点では類似団体平均値を7.1ポイント下回る51.8%となった。平成28.3月に策定した公共施設等総合管理計画による分析では、約4割の施設が築30年を超えており、将来の維持管理、改修又は更新の費用が増加するものと見込んでいる。公共施設の現状を適切に把握し、適正な保有規模と管理の在り方を見直していく必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、令和2時点で類似団体平均値を24.1ポイントを下回る556.0%となり、前年からは34.2ポイント減少となった。分子を構成する将来負担額について、遠野東工業団地整備に係る市債を造成地の売却益で全額償還したことにより減少となったことが、同比率の主な減要因である。市健全財政計画に定める市債発行・償還計画に沿った財政運営を行うことで、指標の維持に努めたい。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、R1に遠野東工業団地整備に係る市債残高が増加したことにより高い数値となっていたが、R2には遠野東工業団地整備に係る市債を造成地の売却益で全額償還したことなどにより、前年度比20.9ポイント減少した。有形固定資産減価償却率は、年々緩やかに上昇しているが、R2時点で類似団体平均値より低い水準となっている。今後、両指標の推移を適切に捉えながら、文化施設や教育施設、庁舎などについて、長期的視点をもった計画的な管理を行う必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、R1に遠野東工業団地整備に係る市債残高が増加したことにより高い数値となっていたが、R2には遠野東工業団地整備に係る市債を造成地の売却益で全額償還したことなどにより、前年度比20.9ポイント減少した。実質公債費比率は、普通交付税が前年度より増加したことや、H24に借入した総合食育センター整備事業に係る過疎対策事業債やH25に借入した公共牧場再編整備事業にかかる過疎対策事業債の元利償還が終了したことなどから、前年度比0.4ポイント減少した。両指標とも前年度より減少しているものの、類似団体平均値との比較ではいずれも高い水準にあるため、市健全財政計画に定める市債発行・償還計画に沿った財政運営を行うことで改善に努めたい。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率について、類似団体平均値を上回る施設として、認定こども園・幼稚園・保育所、公民館が挙げられる。認定こども園・幼稚園・保育所については、全ての施設において耐用年数を超えて供用しており、各施設の老朽化の進み具合等を踏まえ改築や修繕の検討が必要である。公民館については、令和2には土淵地区センターが先行して指定管理者制度へ移行し、令和3には市内の全地区センターが指定管理者制度へ移行することから、各施設の老朽化の進み具合に加え、地域の実情を踏まえながら施設の長寿命化や維持管理を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率について、類似団体平均値を上回る施設として、図書館、体育館・プール、一般廃棄物処理施設が挙げられる。図書館及び体育館・プールについては、どちらも減価償却率80%を超えていることから、利用実績や将来人口の推移等を勘案し、施設の規模縮小又は改修等を財政状況を踏まえ総合的に検討していく。一般廃棄物処理施設については、平成27年10月から供用開始となった広域処理施設において可燃ごみが焼却処理されるようになったため、市内の処理施設の活用や除却等の検討を進める必要がある。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等(ケーブルテレビ含む普通会計)における資産総額は、前年度比で1,268百万円の減少(△1.5%)、負債総額は前年度比で108百万円の減少(△0.5%)となった。資産総額のうち有形固定資産の割合が88.9%となっており、減価償却により年々減少傾向にある。各特別会計や上下水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は前年度比で1,364百万円の減少(△1.3%)、負債総額は前年度比で1,755百万円の減少(△4.7%)となった。岩手中部広域行政組合や第三セクター等を加えた連結では、資産総額は前年度比で495百万円の増加(+0.5%)、負債総額は前年度比で1,526百万円の減少(△4.0%)となった。令和元年度に下水道事業会計が公営企業化により全体及び連結に移行したことから、資産・負債が増加となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、経常費用は18,988百万円となり、前年度比2,482百万円の増加(+15.0%)となった。そのうち、人件費や物件費等の業務費用は11,151百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は7,837百万円であり、業務費用の方が移転費用よりも多くなっている。業務費用で最も金額が大きいのは、委託費や減価償却費を含む物件費等(8,126百万円、前年度比+256百万円)であり、純行政コストの44.9%を占めている。また、令和2年度は、特別定額給付金など新型コロナウイルス感染症対策事業を実施したことから、移転費用は前年度比2,370百万円の増加(+43.4%)となった。全体では、一般会計等に比べて、下水道使用料等を使用料及び手数料に計上しているため経常収益が2,951百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の保険給付費を補助金等に計上しているため移転費用が5,046百万円多くなり、純行政コストは4,839百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上しているため経常収益が4,269百万円多くなっている一方、人件費や物件費等にかかる費用が多くなることから経常費用が12,552百万円多くなり、純行政コストは8,342百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において、税収等の財源(18,299百万円)が純行政コスト(18,099百万円)を上回ったことから本年度差額は200百万円、それに資産評価差額等を含めた本年度純資産変動額は△1,160百万円となった。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症対策事業の財源として各種補助金等の交付があったため、財源のうち国県等補助金では前年度比3,248百万円の増加となっている。全体では、国民健康保険特別会計の国民健康保険税や、介護保険特別会計の介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等に比べて財源が6,043百万円多くなっており純行政コストを上回るため、本年度差額は1,404百万円、純資産変動額は391百万円となった。連結では、岩手県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等に比べ財源が9,491百万円多くなっており純行政コストを上回るため、本年度差額は1,349百万円、純資産変動額は2,019百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支は1,954百万円であったが、投資活動収支については、同報系デジタル防災行政無線整備や道の駅「遠野風の丘」改修等を行ったことから、△2,046百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行収入より償還支出が上回ったため△64百万円となった。結果、本年度末資金残高は前年度から157百万円減少し、763百万円となった。全体では、国民健康保険税及び介護保険料が税収等収入に含まれることや下水道使用料等の使用料及び手数料収入があることから、業務活動収支は一般会計等より1,748百万円多い3,702百万円となった。投資活動収支は、下水道管の老朽化対策のための事業等を実施したため、△2,643百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行収入より償還支出が上回ったため△1,133百万円となった。結果、本年度末資金残高は前年度から75百万円減少し、2,585百万円となった。連結では、業務活動収支は一般会計等より1,800百万円多い3,754百万円、投資活動収支は一般会計等より617百万円少ない△2,663百万円となった。財務活動収支は、地方債の発行収入より償還支出が上回ったため△1,116百万円となった。結果、本年度末資金残高は前年度から10百万円減少し、3,402百万円となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は、318.4万円であり、類似団体より6.0万円上回っている。資産は、道路や学校施設などの有形固定資産の老朽化により減価償却が進み減少しているが、人口の減少率が上回っているため、ほぼ同じ水準となっている。今後、各施設の「更新」「長寿命化」「供用廃止・解体」「統合・機能移転」の方針を定め総合計画への位置づけや予算との整合性を図りながら進めてい必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は73.5%となっており、類似団体より4.1ポイント低い数値となっている。将来世代負担比率は17.5%となっており、類似団体より2.4ポイント高い数値となっている。現在のところは標準的な水準にあるが、高利率の地方債の借換えを行うなど、地方債残高の圧縮に継続して努め、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは69.6万円であり、類似団体と比較すると2.9万円上回っている。人口の減少傾向による影響もあるが、令和2年度は、特別定額給付金など新型コロナウイルス感染症対策事業を実施したことにより、移転費用が前年度比2,370百万円増加しており、純行政コストの増加要因となった。結果、同比率は前年比12.0ポイントの増加となっている。今後更に適正なコストによる行政サービスの充実に努めていく必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人あたりの負債額は、84.4万円であり、類似団体と比較すると14.4万円上回っている。負債額は減少傾向にあるものの、人口の減少率が上回っているため、緩やかに増加の傾向にある。基礎的財政収支は、112百万円の赤字であるものの、類似団体平均値の赤字より抑制されている状況である。業務活動収支において、税収等収入の増、国県等補助金収入の増が赤字抑制の要因となっている。今後、健全財政計画に基づき、各種実施事業の選択と確かな負債返済を進め、将来世代への負担軽減に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、5.2%となり類似団体と比較すると2.1ポイント上回っている。令和2年度は、特別定額給付金など新型コロナウイルス感染症対策事業を実施したことにより、移転費用が前年度比2,370百万円増加しており、経常費用の増加要因となった。結果、同比率は前年比2.3ポイントの減少となっている。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,