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直近4年間では、ほぼ横ばいの傾向であるが、平成30年度は平成29年度より0.03ポイント上がり0.30であった。本村は、類似団体と比較して財政基盤が弱いため、一部を除いて避難解除の状況ではあるが、歳入確保に引き続き努める。
経常収支比率は前年度と同数の「84.6」であった。本数値となる要因として、経常一般財源総額は42,361千円増加(主に地方税と諸収入の増加)となり、また経常経費充当一般財源は、34,586千円の増加(公債費(元金及び利子)は減少したが、特別会計事業への繰出金および人件費の増加)となった。以上のことから、算定上の分子にあたる経常経費充当一般財源は増加したが、算定上の分母にあたる経常一般財源総額あわせて増加したことにより、算定上は横ばいとなった。
前年度と比較して80,331千円増額した。物件費は学校等再開整備事業備品や河川等除草業務が減額となった反面、営農再開支援事業農地保全管理業務は増額となっている。また、人件費は平成30年度に開園した認定こども園の職員採用により増加している。復旧復興に係る経費が多く、類似団体と比較すると平均を大きく上回っている状況にあるため、今後とも物件費のコスト削減を図る。
平成30年度は、平成27年度より0.5ポイント増となっている。要因としては、一般行政職に占める、課長、係長相当職在職者割合が多いことや、経験年数階層の変動などによるものである。※今年度数値が未公表であるため、前年度数値を引用しています。
平成30年度は平成30年度に開園した認定こども園の職員採用により増加したことにより、職員全体数は平成29年度と比較し、5名増の75名となっている。人口千人当たり職員数は、11.92人と類似団体と比べ9.92人少ない状況であるが、原子力災害の影響もあり、帰村後の人口推計を見通すことが難しいことから、正規職員の増員は引き続き難しい状況にある。しかし、震災対応にかかる職員不足の面があり、適正な職員配置についても引き続き検討していく。
実質公債費比率は5.9で、前年度比率と比較して0.2ポイント減少した。これは、前年度と比較して、臨時財政対策債発行可能額や普通交付税額が94,259千円減少しものの、標準税収入額等が105,119千円増加したため、算定上の分母は増加し、また、算定上の分子においては、償還の終了に伴い事業費補正算入や災害復旧費等など基準財政需要額に算入された額が12,095千円減少したことにより控除額全体が減少となり、分子が減少したことが要因である。
平成30年度算定は、昨年度に引き続き、「将来負担額」に対して「充当可能財源等」が上回り、算定上の分子がマイナスとなったため、算定されないこととなった。これは、帰還環境整備交付金基金が1,024,161千円増加するなど、「充当可能基金」が861,721千円増加となったことが主な要因である。
物件費は昨年度より0.6ポイント増である。現状、復旧復興に伴い、昨年同様に業務委託は多い状況にある。引き続き、経常経費の削減取り組みや事務事業の見直し等により、抑制を図りたい。
扶助費は、昨年度と比較して0.2ポイント増である。性質上、容易に削減、圧縮できない経費である。類似団体平均を下回っているものの、給付の適正化を検討する必要があると考えている。
その他の項目は横ばいである。昨年度に引き続き、復興給に伴う基金積立金(帰還環境整備交付金基金等)は増加傾向にあり、基金は本村の財政運営に大きな影響があるため、将来を見通した上で事業執行を行うなど、財政の健全化を図る。
補助費等は昨年度に引き続き類似団体平均を上回っている。今後も既得権にとらわれることなく、事業の必要性・優先度などの再点検、終期を設定するなど、補助金・負担金の整理、合理化を図っていく。
(増減理由)平成30年度末の積立金現在高は約86億円で、前年度末現在高に比べ7億円の増となっている。避難地域復興拠点推進交付金基金が約4億円、までい復興基金約2億円、公共施設等整備基金約2億円が減少した反面、帰還環境整備交付金基金約13億円、広域的減容化施設影響緩和基金約2億円、までいの村陽はまた昇る基金約2億円が増加したことによるものである。(今後の方針)復旧・復興事業に伴う福島再生加速化交付金を財源とした帰還環境整備交付金基金等への積立が増加すると考えられる。復興創生期間中は復旧・復興事業の大型ハード事業も控えており基金残高が増加していく見込みである。
(増減理由)平成30年度末の積立金現在高は約16億円で、前年度末と比べ約3億円の増額となっている。(今後の方針)東日本大震災や原子力発電所事故に伴い復旧・復興事業などにより財政需要は急増している状況である。今後も復旧・復興事業を進める中で想定外の費用が発生することも予想されることから、中長期的には減少していく見込みである。
(増減理由)平成29年度末の積立金現在高は5億円で、前年度末と比べ同額となっている。(今後の方針)地方債の償還計画を踏まえ、計画的に取崩しを行う予定である。
(基金の使途)帰還環境整備交付金基金:福島復興再生特別措置法第34条第1項に規定する帰還環境整備交付金事業等に要する経費の財源陽はまた昇る基金:東日本大震災による原発事故災害からの復興に向けて、村民の生活再建のための営農再開や企業の事業再開、教育や福祉の充実等を図る公共施設等整備基金:飯舘村公共施設及び設備の整備農村楽園基金:地域資源等を活用した独創的な地域活性化事業を推進し,魅力と特色ある農村楽園を創造する事業広域的変容化施設影響緩和基金:原子力発電所事故並びに広域的減容化施設の立地による影響の緩和(増減理由)帰還環境整備交付金基金:復興事業の財源として福島再生加速化交付金を積立てており、学校等再開整備事業やスポーツ公園整備事業等による増加陽はまた昇る基金:復興復旧事業等への取崩しに伴い減少公共施設等整備基金:復興復旧事業等で公共施設等の整備に伴い減少(今後の方針)復旧・復興や原子力災害への対応のため、基金が大幅に増減することが予想される。
将来負担比率及び実質公債費比率の両者とも類似団体と比較し低い水準となっており、新規債の発行抑制など近年は減少傾向となっている。今後も計画的な起債発行に努め、財政の適正化に取り組んでいく必要がある。
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