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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率に加え、市内に中心となる産業がないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均を下回っている。定員適正化計画に基づく退職者補充職員数の抑制による人件費の削減、組織の合理化、緊急に必要な事業を峻別し、投資的経費を抑制するなど、歳出の見直しを継続するとともに、税収の徴収率向上対策を中心とする歳入確保に努める。
平成26年度から令和元年度までは臨時財政対策債の発行を抑制していたが、令和2年度は発行したことにより経常収支比率は減少し、類似団体平均を下回っている(対前年度比3.3ポイント減少)。合併算定替適用期間の終了による歳入の減少を見据え、職員数の削減や事務事業の抜本的な見直し、経常経費の削減を継続していく。
令和2年度について、令和元年台風第15号等に係る災害復旧事業や新型コロナウイルス対策事業の実施により決算額が増加している。類似団体平均を上回っているのは、7町村が合併したことにより、類似団体と比べて職員数が多く、人件費が高くなっていることや、旧町村で運営していた施設を引き継いだことから、類似団体と比べて公共施設が多く、管理経費が高くなっているためである。現在、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の再編を実施しているが、更なる効率的な運営のために、行財政改革を推進していく。
旧来からの給与体系により、類似団体平均を上回る98.0となっている。今後も人事院勧告や千葉県人事委員会勧告の実施状況を勘案し、国や千葉県に準じた方向で給与制度の適正化を図り、人件費の抑制に努める。
市町村合併により、職員数が類似団体平均を上回っている。定員適正化計画に基づき職員数の削減を進めるとともに、組織機構及び事業の見直し等により、適切な定員管理に努める。
緊急度・住民ニーズを的確に把握した事業の選択と、合併特例事業や過疎対策事業のように交付税措置のある有利な起債を利用することにより、類似団体平均を下回っているが、比率自体は年々増加している状況である。今後も投資事業の厳選等による実質公債費比率の抑制に努める。
類似団体平均を大きく下回っている主な要因は、地方債へ充当可能な基金の増加と、交付税措置のある有利な起債を利用することによる基準財政需要額の増加により、充当可能財源等が増加し、実質的な将来負担額がマイナスとなっているためである。今後も後世への負担を抑制し、健全な財政運営に努める。
職員数が類似団体と比較して多いことから、経常収支比率の人件費分が高くなっている。これは、市町村合併による旧団体からの職員を引き継いだことが大きな要因で、引き続き、職員の定員適正化計画の取り組みにより、新規採用の抑制を図る等、長期的視点に立った定員管理に努める
物件費に係る経常収支比率は、概ね類似団体平均程度となっている。市町村合併前と変わらない住民サービス維持のため、旧団体運営施設を合併後も多く継続している。引き続き、民間委託や指定管理者制度の導入などによる効果的な運営に努め、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の再編を行っていく方針である。
扶助費に係る経常収支比率は、障害介護給付費の増加により上昇傾向にあるが、令和2年度は過年度精算による経常特定財源の増により8.4%と減少したが、類似団体平均を上回っている状況が続いている。合併以降ほぼ横ばいで推移しているが、社会保障経費自体の増加傾向により、財政の圧迫が予想されるため、国の動向に注意しながら、随時対応を検討していく。-
その他の主な内容は、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計への繰出金である。その他に係る経常収支比率は、類似団体よりも良好な数値で推移しており、今後も繰出増加の抑制に努める。
補助費等に係る経常収支比率は、10.4%と類似団体と比べ低い水準となっている。補助費等の内訳を見ると一部事務組合への負担金が高くなっているが、これは他団体との共同処理事業が多く、設立組合数が多くなっているためである。また、各種団体や事業に対する補助交付金も高くなっており、引き続き効果等を検討のうえ、補助金等の見直しや廃止を行う方針である。
合併町村の地方債を引き継いだことに加え、老朽化した公共施設の大規模改修等により地方債現在高が増加した影響で、地方債の元利償還金が膨らんでおり、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を5.5ポイント上回っている。引き続き、後世への負担を抑制し、健全な財政運営に努める。
類似団体平均よりも良好な数値で推移している。これは、普通交付税額によるところが大きいため、今後、合併算定替えの終了により悪化する恐れがある。そのため、主に合併により増加した人件費や物件費の計画的な削減に努める。
(増減理由)・令和2年度末の基金残高は、約246億円となっており、約3億円の増加となっている。・財政調整基金を約2億円、減債基金を3億円取り崩した一方、今後の施設整備及び再編のために公共施設等再編整備基金に約10億円の元入れを行ったことによる増加などが主な要因である。(今後の方針)・し尿処理建設事業、ごみ処理施設建設等の大規模事業の実施が予定されているため、中長期的には減少の見込みとなっている。
(増減理由)・令和2年度末の基金残高は、約36億円となっており、前年度から約2億円の減少となっている。・令和元年台風第15号等に係る災害復旧などのため取り崩したことによる減少が主な要因である。(今後の方針)・普通交付税の合併算定替による特例措置の適用期限終了後の財源不足に対応するため、取り崩す見込み。財政調整基金の残高は、標準財政規模の25%程度を予定している。
(増減理由)・令和2年度末の基金残高は、約49億円となっており、前年度から約3億円の減少となっている。・地方債の償還に充てるため、3億円取り崩したことによる減少が主な要因である。(今後の方針)・発行済みの市債残高から交付税措置額を除いた実質負担額を下回らない程度の金額を保持しながら取り崩しを行う予定である。
(基金の使途)○公共施設等再編整備基金:教育文化施設、体育施設、社会福祉施設、庁舎その他の公共用又は公共に供する施設の整備及び再編により不用となった公共施設等の解体撤去に係る資金に充てるため。○元気なまちづくり基金:市民の連帯の強化及び地域振興を図るため。○一般廃棄物処理施設建設基金:一般廃棄物処理施設の建設事業(改築又は修理を含む。)の経費その他の必要やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てるため。(増減理由)○公共施設等再編整備基金:今後の必要額の確保に向けて基金の元入れを約10億円行ったことにより残額が増となった。○元気なまちづくり基金:南房総市の農業の振興に寄与するために平成24年度に設立された「一般財団法人南房総農業支援センター」への交付金として約2千万円取り崩しを行ったが、運用益を約2千7百万円積み立てたことにより増となった。○一般廃棄物処理施設建設基金:し尿処理建設事業のために約1千3百万円取り崩したことによる減少。(今後の方針)○公共施設等再編整備基金:施設整備及び再編のための財源とするため、積み立てを行っていく。○元気なまちづくり基金:果実運用型基金として運用益の積み立てを行いつつ、「一般財団法人南房総農業支援センター」への交付金のほか、地域振興に資する事業に対し取り崩しを行う。○一般廃棄物処理施設建設基金:進行中のし尿処理施設事業及びごみ処理施設事業の一般財源分に対し取り崩しを行う。
有形固定資産減価償却率については、類似団体平均より高い水準にあり、緩やかな上昇傾向が続いている。当市では、平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を15%削減するという目標を掲げており、引き続き同計画に基づき老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めていく。
債務償還比率は、類似団体平均を大きく下回っており、主な要因として、合併特例債発行期限を見据え、今後の学校改修や庁舎等の施設整備に備えるため公共施設等再編整備基金を積み立てていることや臨時財政対策債の新規発行を抑制していることが挙げられる。
今後の施設整備に備えた基金積立などにより将来負担比率は0となっている一方、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高く緩やかな上昇傾向にあり、昭和30年から40年代に建設された一般廃棄物処理施設等が有形固定資産減価償却率80%以上になっていることが主な要因として挙げられる。今後も計画に基づき余剰施設の削減、施設の更新に取り組むとともに、有利な地方債の活用に努めるなど健全性を確保する。
今後の施設整備に備えた基金積立などにより将来負担比率は0となっており、実質公債費比率は上昇傾向にあるものの、類似団体と比べて低い水準となっている。今後も有利な地方債の活用に努めるなど健全性を確保する。
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