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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率に加え、市内に中心となる産業がないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均を下回っている。定員管理計画に基づく退職者補充職員数の抑制による人件費の削減、組織の合理化、緊急に必要な事業を峻別し、投資的経費を抑制するなど、歳出の見直しを継続するとともに、税収の徴収率向上対策を中心とする歳入確保に努める。
令和4年度は、光熱水費に係る物件費の増により、経常収支比率が悪化し、類似団体平均を上回った(対前年度比+1.6%)。なお、公債費については、令和3年度にピークを迎え、以降減少する予定である。そのほか職員数の削減や事務事業の抜本的な見直し等、行財政改革を継続し経常経費の削減を行っていく。
7町村が合併したことにより、類似団体と比較して人口1人当たりの職員数が多いため、人件費が高止まり傾向にある。また、旧町村で運営していた施設を引き継いだことから、類似団体と比べて公共施設が多く、維持管理経費が高くなっている。現在、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の再編を実施しているが、更なる効率的な運営のために、行財政改革を推進していく。
旧来からの給与体系により、類似団体平均を上回る99.7となっている。今後も人事院勧告や千葉県人事委員会勧告の実施状況を勘案し、国や千葉県に準じた方向で給与制度の適正化を図り、人件費の抑制に努める。
市町村合併により、職員数が類似団体平均を上回っている。定員適正化計画に基づき職員数の削減を進めるとともに、組織機構及び事業の見直し等により、適切な定員管理に努める。
緊急度・住民ニーズを的確に把握した事業の選択と、合併特例事業や過疎対策事業のように交付税措置のある有利な起債を利用しているが、類似団体平均と同率となっており、比率自体は年々増加している状況である。今後も投資事業の厳選等による実質公債費比率の抑制に努める。
類似団体平均を大きく下回っている主な要因は、地方債へ充当可能な基金の増加と、交付税措置のある有利な起債を利用することによる基準財政需要額の増加により、充当可能財源等が増加し、実質的な将来負担額がマイナスとなっているためである。今後も将来世代への負担を抑制し、健全な財政運営に努める。
職員数が類似団体と比較して多いことから、経常収支比率の人件費分が高くなっている。これは、市町村合併による旧団体からの職員を引き継いだことが大きな要因で、引き続き、定員管理計画を中心とした取り組みにより、新規採用の抑制を図る等、長期的視点に立った定員管理に努める。
物件費に係る経常収支比率は、14.7%と類似団体平均を上回っているが、これは市町村合併前と変わらない住民サービス維持のため、旧団体運営施設を合併後も多く継続しているためである。引き続き、民間委託や指定管理者制度の導入などによる効果的な運営に努め、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の再編を行っていく方針である。
扶助費に係る経常収支比率は、障害介護給付費の増加により上昇傾向にあり、令和4年度は4.6%と増加したものの、類似団体平均を下回っている状況が続いている。扶助費全体では、合併以降ほぼ横ばいで推移しているが、社会保障経費自体の増加傾向により、財政の圧迫が予想されるため、国の動向に注意しながら、随時対応を検討していく。
その他の主な内容は、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計への繰出金である。概ね類似団体平均並となっており、今後も経費削減や保険料の適正化等を図ることにより、普通会計の負担抑制に努める。
補助費等に係る経常収支比率は、10.5%と類似団体と比べ低い水準となっている。補助費等の内訳を見ると一部事務組合への負担金が高くなっているが、これは他団体との共同処理事業が多く、設立組合数が多くなっているためである。また、各種団体や事業に対する補助交付金も高くなっており、引き続き効果等を検討のうえ、補助金等の見直しや廃止を行う方針である。
合併町村の地方債を引き継いだことに加え、老朽化した公共施設の大規模改修等により地方債現在高が増加した影響で、地方債の元利償還金が膨らんでおり、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を6.3ポイント上回っている。引き続き、後世への負担を抑制し、健全な財政運営に努める。
類似団体平均よりも良好な数値で推移しているが、これは、普通交付税をはじめとした依存財源の影響が大きいためで、今後、悪化する恐れがある。そのため、合併により増加した人件費や物件費を中心に計画的な削減に努める。
(増減理由)・公債費償還のため減債基金を4億円、公共施設再編整備に係る各事業に充当するため公共施設等再編整備基金を約3億8千7百万円取り崩したことにより、基金全体として約8億円の減少となった。(今後の方針)・し尿処理施設建設事業や学校施設長寿命化事業等の大規模事業が予定されているため、中長期的には減少する見込み。
(増減理由)・光熱水費の増加等による一般財源不足に伴う減少。(今後の方針)・普通交付税の合併算定替による特例措置の適用期限終了後の財源不足に対応するため、取り崩す見込み。財政調整基金の残高は、標準財政規模の25%程度を維持する予定。
(増減理由)・公債費償還のため4億円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)・発行済みの市債残高から交付税措置額を除いた実質負担額を下回らない程度の金額を保持しながら取り崩しを行う予定。
(基金の使途)・公共施設等再編整備基金:教育文化施設、体育施設、社会福祉施設、庁舎その他の公共用又は公共に供する施設の整備及び再編により不用となった公共施設等の解体撤去。・元気なまちづくり基金:市民の連帯の強化及び地域振興。・一般廃棄物処理施設建設基金:一般廃棄物処理施設の建設事業(改築又は修理を含む。)の経費。(増減理由)・公共施設等再編整備基金:公共施設再編整備に係る各事業に充当するため約3億8千7百万円を取り崩したことによる減少。・元気なまちづくり基金:南房総市の農業の振興に寄与するために平成24年度に設立された「一般財団法人南房総農業支援センター」への交付金として1千7百万円取り崩しを行った一方で、運用益を約3千1百万円積み立てたことにより増加。・一般廃棄物処理施設建設基金:し尿処理施設建設事業等のため約1億7千万円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)・公共施設等再編整備基金:施設整備及び再編のための財源とするため、積み立てを行っていく。・元気なまちづくり基金:果実運用型基金として運用益の積み立てを行いつつ、「一般財団法人南房総農業支援センター」への交付金のほか、地域振興に資する事業に対し取り崩しを行う。・一般廃棄物処理施設建設基金:進行中のし尿処理施設建設事業及びごみ処理施設事業の一般財源分に対し取り崩しを行う。
当市では、平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を15%削減するという目標を掲げており、これまでの取組の効果が表れていると考えられる。引き続き同計画に基づき老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めていく。
債務償還比率は、類似団体平均を大きく下回っており、主な要因としては、合併特例債発行期限を見据え、今後の学校改修や庁舎等の施設整備に備えるため公共施設等再編整備基金を積み立てていることや臨時財政対策債の新規発行を抑制していることが挙げられる。
今後の施設整備に備えた基金積立などにより将来負担比率は0となっている。また、有形固定資産減価償却率は、これまで類似団体よりも高く緩やかな上昇傾向にあったが、公共施設等総合管理計画に基づく取組により、類似団体内平均を下回った。今後も同計画に基づき余剰施設の削減、施設の更新に取り組むとともに、有利な地方債の活用に努めるなど健全性を確保する。
今後の施設整備に備えた基金積立などにより将来負担比率は0となっており、実質公債費比率は上昇傾向にあるものの、類似団体と比べて低い水準となっている。今後も有利な地方債の活用に努めるなど健全性を確保する。
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