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令和3年度は、例外的に臨時財政対策債償還基金費が追加交付され大幅な増額となっていたことや、令和4年度の普通交付税の算定では、期末勤勉手当の支給月数引き下げによる給与費が減少したことなどから、基準財政需要額が減少したほか、特別法人事業譲与税の譲与見込額や法人事業税の調定見込額が増となったことなどにより、基準財政収入額も増加したため、令和4年度単体での財政力指数は上昇したが、一時的に低下していた令和3年度を含む直近3年平均としては前年と同じ数値になった。今後とも、事務事業の見直しや県税収入等の自主財源の確保により、持続可能な財政構造の確立に努めていく。
令和3年度は、例外的に普通交付税の追加交付があり一時的に改善していたが、令和4年度は、従前から続いている社会保障関係経費の増加等の影響で、10.3ポイントの上昇となった。引き続き、事務事業の見直しや県税収入等の自主財源の確保により、持続可能な財政構造の確立に努めていく。
令和4年度は、人事委員会勧告に基づく給与改定などの影響により人件費が増加したことに加え、新型コロナウイルス感染症や鳥インフルエンザ対策などのため物件費が増加したことから、人口一人当たり人件費・物件費等の決算額が増加した。引き続き、業務の効率化や事務事業の見直しにより、経費節減に努め、内部関係経費等の抑制に努めていく。
平成28年の地方公務員法の改正に伴う昇給制度の見直しの実施などにより、低下傾向で推移している。民間の給与水準並びに国及び他団体の状況も踏まえ、引き続き給与水準の適正化を図っていく。
県人口及び職員数ともにほとんど変動がなかったことから、前年度と同じく870.29人となっており、類似団体平均924.87人を下回っている状況である。本県では、平成25年度まで数次にわたり定員適正化計画を定め、定員の適正化に努めてきたところであり、一定の成果が得られたものと考えている。今後は、一定規模の職員数を確保しつつ、引き続き適正な定員管理に努めていく。
3か年平均を比率として用いており、前年度から0.3ポイント改善した。令和4年度単年度でみると、令和3年度の普通交付税が追加交付により大幅な増額となった反動で標準財政規模が減少したことなどから、令和3年度単年度の7.3%と比べ0.6ポイント上昇し、7.9%となっている。今後も引き続き、健全化判断比率に留意しながら、健全な財政運営を行う。
職員の若返りに伴い退職手当負担見込額が減少していることなどから、将来負担比率は低下傾向で推移。令和4年度は、減債基金等の基金残高が増加したことなどにより、前年度から3.9ポイント改善した。今後も引き続き、健全化判断比率に留意しながら、健全な財政運営を行う。
人事委員会勧告に基づく給与改定などの影響により人件費が増加するとともに、地方交付税が大幅に減少したことにより分母にあたる経常的収入が減少したため、前年度比で3.4ポイント上昇した。
自立支援医療事業(精神通院)や難病医療費助成事業などの社会保障関係経費は県の努力で削減困難だが、地方交付税が一時的に大幅な増加となった令和3年度を除くと、ほぼ横ばいの水準で推移している。
近年はほぼ横ばいで推移しており、類似団体平均を下回っているが、県有施設の老朽化に伴い、今後、維持補修費の増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的な更新投資を行い、維持補修費の軽減・平準化に努めていく。
後期高齢者医療給付費負担金や介護給付費県負担など社会保障関係経費の増加傾向は続いている。令和3年度は分母にあたる経常的収入の増加により、一時的に前年度比で減少したが、今後も高齢化の進展などにより、補助費等の増加傾向は続くと見込まれるため、健康寿命の延伸や介護予防など各種施策の推進に努めていく。
臨時財政対策債の残高が累増し、これに係る元利償還金が年々増加していることから、近年、公債費に係る経常収支比率は増加傾向にある。令和3年度は分母にあたる経常的収入の増加により一時的に前年度比で減少したが、令和4年度は再び増加に転じている。なお、これまでの建設地方債等の発行抑制の取組により、類似団体と比較して平均より低い水準で推移している。
公債費以外の経常的経費の約5割を占める人件費について、類似団体平均を上回っていることから、公債費以外の経常経費に係る経常収支比率についても類似団体を上回る傾向で推移している。今後も、引き続き、給与水準の適正化や適正な定員管理に努めていく。
(増減理由)・令和4年度末の基金残高は、普通会計で3,876億円となっており、前年度から356億円増加した。・これは、財政調整基金が42億円、減債基金が1億円、その他特定目的基金が、県有施設長寿命化等推進基金を積み増したこと等により、313億円の増加となったことによる。(今後の方針)・県税収入の確保や予算の執行段階での経費の削減等により取崩額の縮小に努めるとともに、財政状況も勘案しながら更なる積立てを行うなど、残高の確保に努めていく。
(増減理由)・決算剰余金のうち42億円を積み立てたことにより、令和4年度末の基金残高は955億円となっている。(今後の方針)・毎年度の予算編成において多額の基金取崩し※を計上する厳しい状況が継続しているため、歳入の確保や予算編成過程における事業の精査、予算執行段階での経費の節減等により、取崩額の縮小を図り、基金残高の確保に努めていく。※令和5年度当初予算において、500億円の取崩しを計上。
(増減理由)・基金運用益(1億円)を積立てたことにより、令和4年度末の基金残高は416億円となっている。(今後の方針)・財政状況も勘案しながら更なる積立てを行うなど、残高の確保に努めていく。
(基金の使途)・県有施設長寿命化等推進基金:県有施設の改修による長寿命化、建替えによる更新等の推進・災害復興・地域再生基金:防災・減災対策、災害からの復旧・復興並びに災害により活力が低下した地域の再生・社会資本整備等推進基金:県の将来の発展等に向けた社会資本整備(増減理由)・県有施設長寿命化等推進基金:近年、建築資材価格や労務単価の高騰により、建築コストが上昇傾向にあることを踏まえ、県有建物長寿命化計画において令和14年度までに必要と見込まれる額1,300億円程度を勘案し、250億円を積み増した。・災害復興・地域再生基金:今後の大規模災害や感染症の拡大、更なる物価高騰への対応に備え、120億円を積み増した。(今後の方針)・県有施設長寿命化等推進基金:令和14年度までに必要と見込まれる額を確保したところだが、今後の更新需要なども見据え、財政状況を勘案しつつ残高の確保に努めていく。
有形固定資産減価償却率は昨年より1.4ポイント上昇しており、緩やかな上昇傾向にあるが、グループ内平均より低い水準を維持している。今後も、「千葉県公共施設等総合管理計画」や「個別施設計画」に基づき、それぞれの公共施設等について維持管理を適切に進めていく。
債務償還比率は、昨年度より大きく低下しており、県税収入及び地方交付税の増加等によるものと考えられる。また、グループ内平均よりも低い水準となっている。財政運営については、「千葉県行財政改革計画」に基づき、引き続き財政健全化に取り組んでいく。
将来負担比率、有形固定資産減価償却率共にグループ内平均より低い水準で推移している。一方で、有形固定資産減価償却率は、グループ内平均と比較すると低い水準となっているものの、道路・橋りょうや学校施設などの老朽化が進んでいることから今後は、将来負担比率等に留意しながら、建設地方債を効果的に活用し、道路・橋りょうや学校施設などの更新・建て替えや大規模改修などを計画的に実施していく。
実質公債費比率、将来負担比率ともにグループ内平均と比較して低い水準で推移している。これは、建設地方債の残高が減少してきていることや、将来の負担に対応するための基金の積立などの取組を進めてきたためである。特に将来負担比率は、昨年度より大きく低下しており、これは、令和3年度の普通交付税の追加交付などによる県債管理基金等の基金積立の増加等によるものと考えられる。今後、建設地方債を効果的に活用し、社会資本の整備や県有施設の老朽化対策を進めていく必要があるが、引き続きこれらの指標に留意し、県債残高を適切に管理していく。
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