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令和3年度と同様、財政力指数は0.12となっている。近年は成瀬ダム建設事業に伴い村民税及び固定資産税が増加傾向であったが、令和4年度は減少に転じている。成瀬ダム建設事業の進捗に伴いこの傾向は続くとみられ、また、成瀬ダム建設事業終了後には大幅な村税の減少が見込まれる。このことから、ふるさと納税をはじめとしたその他の歳入確保に取り組むとともに、既存事業の見直しなど歳出の抑制に努める。
経常収支比率については、前年度比1.5ポイントの減少したものの、類似団体平均を7.4ポイント上回っている。分子では、物価高騰等による物件費の増加等があったものの、繰上償還の実施による公債費の減少等により4.1ポイントの減少となった。分母においては地方消費税交付金や成瀬ダム建設事業に係る財産収入などの増加要素があったものの、地方財政対策に伴う臨時財政対策債の減、公債費の減少による普通交付税の減により2.5ポイントの減少となった。これにより比率全体としては減少となっている。今後も事業の見直しや繰上償還による経常的経費の削減を行い、比率の改善に努める。
人口一人当たりの人件費・物件費等決算額は前年度対比26,481円増となる471,762円となっている。人件費は職員数減少等により減少しており、物件費についても新型コロナウイルス感染症にかかる備品購入費が減少したことにより減額となっている。一方、物件費については物価高騰により燃料費が増加したため増額となっている。人口減少により歳出額が減少傾向にあるものの、物価高騰による物件費の増加傾向は令和5年度も続くことが予想されるため、徹底した歳出の見直しを行い経費の削減に努める。
ラスパイレス指数は、令和4年度において類似団体平均を0.4ポイント上回る結果となったものの、前年度の差と比較すると0.1ポイント縮小している。主な要因は職員数の減少とこれによる給料月額の減少となっている。今後も適正な定員管理と職員手当の点検を行うなどして、給与の適正化に努める。
人口1,000人当たりの職員数は、類似団体平均3.76人下回る15.89人となっている。平成15年度に策定した「東成瀬村まちづくり計画」において、職員定数を平成29年度末までに100人から80人とする目標を掲げて取り組んだ結果、目標以上の削減を達成している。今後も新規採用者と退職者の状況に鑑みながら、適正な定員管理に努める。
実質公債費比率は、令和3年度から0.2ポイント減少し16.0%となった。比率は、平成27年から平成28年において食肉加工センター・給食センターを整備し、地方債の発行が続いたことで平成26年から8年連続して増加傾向で推移してきた。令和4年度は近年の地方債の繰上償還により減少に転じ、今後の単年度あたりの償還額は減少していくことが見込まれる。今後も継続的に繰上償還をはじめとした対策を講じ、比率の減少に努める。
将来負担比率は、令和3年度から17.3ポイント減少し将来負担比率なしとなった。主な要因は繰上償還などによる地方債残高の減少及び基金積立による充当可能財源等の増加である。しかし、これまで簡易水道事業特別会計において実施してきた統合簡易水道事業に係る地方債の償還が増加しており、これによる公営企業等繰入見込額が増加している。今後は、統合簡易水道事業事業の完了に伴い地方債の新規発行及び償還金が減少することが予想されるものの、簡易水道事業特別会計における料金見直しを行い、特別会計内での収支改善を図るなどして比率の減少に努める。
人件費は、類似団体平均を9.2ポイント下回る14.0%となっており、前年度比1.1ポイントの減少となった。これは特別職が不在であった期間があったこと及び職員数の減少が要因となっている。今後も定員数との比較を行いながら、比率の維持に努めていく。
物件費は、前年度から1.1ポイント上昇し16.6%となった。燃料費高騰などの増加分もあり、経常的物件費は増加となっている。今後はペーパーレス化や業務の効率化等により物件費の削減に取り組んでいく。
扶助費は前年度から0.1ポイント減少の2.9%となっている。これは、対象者数の減少による福祉医療給付費や児童手当の減により経常的扶助費に充当した経常的一般財源が減少したためである。
令和3年度は前年度から1.6ポイント増加となる16.1%となっている。このうち、維持補修費が2,420万円の増額となっている。これは除排雪経費に係る普通交付税算入額が増加したことにより、臨時的な経費の比率が低下したことが主な要因となっている。
補助費は、前年度から0.4ポイント増加となる11.4%となっている。分子については、湯沢雄勝広域市町村圏組合負担金の増加等により240万円増加しており、分母については臨時財政対策債の減少等によりに減少していることから比率は増加している。今後は各事業の積極的な見直しも実施し、数値の改善に取り組んでいく。
公債費は、前年度から3.4ポイント減少となる28.1%となった。経常的公債費は近年の繰上償還等による定時償還分の減少などにより9,594万円減少となったほか、繰上償還額が6,295万円減少したことにより大幅に減少した。比率は前年度から減少したものの、類似団体平均と比較すると依然として高止まりしていることから、地方債を伴う普通建設事業の縮小や見直しを行い、数値の改善に努める。
公債費以外は、前年度から1.9ポイント増加となる60.9%となった。比率の分子においては物価高騰等の影響により増加傾向にあるとともに、公債費の減少による普通交付税額の減少などにより公債費以外の経費に係る比率が高まっている。令和5年度以降はこの比率をさらに改善させることを念頭に、各事業の見直しや経費の削減に努める。
(増減理由)普通交付税増加に伴う財政調整基金積立金の増、定額を積み立てている減債基金の増、ふるさと納税の増収によるさわやかなるせ仙人の郷基金の増により基金全体としては増加している。(今後の方針)財政調整基金の残高は普通交付税額の増加などにより、令和7年度までは現在の水準を確保できる見込みである。ふるさと納税基金では、寄附者の要望に沿った事業を実施し計画的に一般会計繰入れを行う。
(増減理由)令和2年度までは、地方債の償還額増加、簡易水道事業特別会計内での事業費増加に伴う一般会計繰出金の増加に対応するため、財政調整基金繰入金の取り崩しが続き、残高が減少していた。しかし令和3年度以降は普通交付税の大幅な増加に伴い基金全体の残高が増加している。(今後の方針)令和7年度までは普通交付税が現在の水準で交付されることが見込まれることから、後年度の財政需要に備え、標準財政規模の1割を下回らないよう管理していく。
(増減理由)今後の施設老朽化に対応した地方債の増額や財政指数改善に向けた地方債の繰上償還が見込まれることから、定額で基金の積立てを行っている。(今後の方針)実質公債費比率やその他主要財政指標の状況を踏まえながら、適切な時期に減債基金を取り崩し、繰上償還を実施する。
(基金の使途)地域福祉基金・・・高齢者福祉推進事業の財源に充てるものさわやかなるせ仙人の郷基金・・・ふるさと納税を基金として積み立てるものであり、寄附者から指定を受けた事業へ充当するもの公共施設等総合管理基金・・・公共施設の計画的な更新、除去事業に充当するもの森林環境譲与税基金・・・村内の森林整備及びその促進に関する施策へ充当するものふるさと水と土保全基金・・・土地改良施設の有する多面的機能の保全、集落住民共同活動の強化に関する事業へ充当するもの(増減理由)地域福祉基金は前年度と地域福祉計画策定業務委託及び幸寿苑間仕切り改修工事に充当するため取崩しを行ったことによる減となっている。さわやかなるせ仙人の郷基金は、毎年度指定されている事業に対して充当を行っているが、歳入のふるさと納税が伸びたことにより基金全体として増加している。公共施設等総合管理基金は、公共施設の計画的な更新、除去に対応するため令和4年度に新たに造成している。森林環境譲与税基金は、森林環境譲与税を全額積み立て、これを財源とした事業への充当を行った差分が残高として残ったため、基金として増加している。(今後の方針)地域福祉基金は後年度の財政需要に備え、継続して一定額を積み立て、必要に応じ取崩しを行う。さわやかなるせ仙人の郷基金は、今後も増加することが見込まれており、寄附者の要望に沿った事業を展開しながら適切な運用に努める。公共施設等総合管理基金については、公共施設等に係る後年度の財政需要に備え計画的に積立てを行う。森林環境譲与税基金については、今後も安定的な財源が確保されていることから、積極的に活用を図る。ふるさと土と水保全基金は、基金の目的に沿った運用を行う。
本村の有形固定資産減価償却率は類似団体平均と比較して24.3ポイント高い72.3%となっており、前年度と比較して1.6ポイント上昇した。今後も一部の施設を除いては大規模な改修等は計画されていないため、比率の増加が予想される。そのため、基金を活用した公共施設の維持補修を計画的に行い、これと併せて数値の改善に努める。
本村の債務償還比率は前年度と比較して215.5ポイント低い430.5%となった。令和3年度は2年度と比較して令和2年度国勢調査に基づく人口及び過疎対策事業債の元利償還金が増加した。これにより普通交付税算入額が増加したため比率の分母における普通交付税額が大幅に増加した。また、前年に続き繰上償還を実施したため、元利償還金額が地方債発行額を大きく上回ったことで比率の分子における地方債残高も大きく減少し、その結果比率も大きく改善した。今後も計画的な繰上償還を行い、比率のさらなる改善に努める。
将来負担比率は減少傾向、有形固定資産減価償却率は増加傾向にあり、将来負担比率は前年度から29.3ポイントの減、有形固定資産減価償却率は前年度から1.6ポイント増加している。将来負担比率は、繰上償還の実施及び将来負担額から差し引く財政調整基金等の充当可能財源が増加したことによる分子の減少や、普通交付税の大幅な増加による分母の増により、比率が改善した。有形固定資産減価償却率は昨年同様、各施設の老朽化が進んでいるためである。令和5年度もこの傾向は続くと見込まれることから、財源を有効に活用しながら各公共施設の維持管理に努め、有形固定資産減価償却率の減少に努める。
実質公債費比率は対前年度で0.5ポイント高い16.2%、将来負担比率は前年度から29.3ポイント低い17.3%となっている。実質公債費比率増加の最たる要因は、これまでに発行した地方債の元利償還金の増加である。令和3年度は、平成27年度に着手した食肉加工センターや学校給食センター移転事業に充当した過疎対策事業債の償還を行い、元利償還金のピークとなった。しかし、令和2年度国勢調査による人口の増により普通交付税が大幅に増加したため、単年度の実質公債費比率については前年から3.3ポイント低下した15.3%となり、3カ年平均の比率も0.5ポイントの増に留まった。将来負担比率についても普通交付税の増が影響し前年を下回っている。こうした状況から今後も繰上償還を実施しつつ、地方債残高減少を中心とした実質公債費比率と将来負担比率の減少に努めたい。
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