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少子高齢化による生産年齢人口の減少等により,個人・法人税の大幅な増収は見込めない中,税収は対前年度0.6ポイント増となった。扶助費等の義務的経費は,対前年度0.4%減となったが,高い水準に変わりはなく,財政力指数は,0.38と類似団体と同程度となっている。今後は,各事業における緊急度,優先度,市民ニーズ等を勘案するとともに,物件費などの内部管理経費の削減に努め,持続可能な財政構造の構築を図る。
有利な地方債を活用したことにより普通交付税が増加(対前年度58百万円)したため,計上収支比率が対前年度比0.5%減となった。これは,類似団体と比較しても低い水準となっているが,今後,社会保障の充実に伴う扶助費や公共施設の整備・改修に伴う公債費が増加することが見込まれるため,事務事業の見直しを更に進め,経常経費の削減に努める。
人件費,物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均水準より低い要因として,ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることが挙げられる。一部事務組合の人件費・物件費等に充てる負担金を合計した場合,人口1人当たりの金額は増加することになる。今後はこれらも含めた経費の抑制に努める。
職員の給与については,高給・高齢者の退職や階層の変動により前年度より0.4ポイント減少した。しかし依然として類似団体平均を上回っていることから,今後も職員数削減及び各種手当の見直しや,平成28年4月に導入となった人事評価制度の適切な運用により,更なる給与体系の適正化に努める。
定員適正化計画等により,人口千人当たりの数値は,類似団体平均水準より低い。今後も,事務事業や組織機構の見直しを進めながら,より適切な定員管理に努める。
歳出の抑制策とした公債費の縮減のため,平成26年度まで地方債発行額を償還元金の範囲内に抑制してきたこともあり,類似団体平均水準を下回っているが,平成29年度以降,公共施設の整備事業の実施により,上昇している。今後も,大型事業の実施が控えてるが,事業計画の整理・縮小を図るなど起債依存型の事業実施を見直し,引き続き水準の抑制に努める。
将来負担額について,サッカー・多目的グラウンド整備事業等の実施に伴い,地方債の発行が増加したため,比率が増加した。今後も大型施設の整備事業が予定されているため,さらに将来負担比率の増加が見込まれるが,新規事業の実施等について総点検を図り,財政の健全化に努める。
経常収支比率の人件費分が県平均と比較して低い水準であり,経常的一般財源総額の増に対し,高給・高齢者の退職や階層の変動などで,人件費分が減少したことが要因となっている。今後も,退職者の補充抑制等による職員数の更なる削減など,行財政改革への取り組みを通じて人件費の削減に努める。
物件費に係る経常収支比率が類似団体平均水準より低い要因として,ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることが挙げられる。また,職員数の適正化による人員減が賃金雇用にシフトしていること,温泉施設指定管理料の増などあるが,10%を推移している。今後はPPPの導入に向け調査研究を進め,人件費を含めた経常収支比率の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り,かつ上昇傾向にある要因として,平成27年10月から医療費助成を中学生まで拡充したことや認定こども園への移行が進み保育所運営補助が増えたこと,障害者施設利用サービス費が増えたことが挙げられる。今後も,各種施策により増加することが予想されることから,事務事業の見直しを進めていくことで,財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均水準をはじめ,全国・県平均より高いのは,国民健康保険特別会計の赤字補填的な繰出金が多額になっていることも要因として挙げられる。国民健康保険税の徴収率向上や保険料の適正化を図るなどにより,普通会計の負担額を減らしていくよう努める。
補助費等の経常的経費は一部事務組合への負担金が約8割を占めている。ごみ処理業務については,広域組合新ごみ処理施設管理費の増,また,消防業務については,デジタル無線・指令システム保守や人件費が増えたこと増加傾向である。今後は,一部事務組合や構成市と協議しながら,事務事業の見直しを進め経費の縮減に努める。
公債費の経常収支比率に占める割合が類似団体平均水準や全国・県平均と比較して高いのは,近年大型の整備事業が集中したことが要因となっている。今後も,公共施設の統合・除却や既存施設の耐震化・大規模改修等が集中する予定である。公債費のピークは令和3年度と見込まれ,さらに一部事務組合などの地方債の元利償還金に係る負担金など公債費に類似した経費も嵩むことから,地方債発行を伴う普通建設事業の計画的な実施により抑制に努める。
平成29年度と比較し0.9ポイント改善したのは,歳出の構造は前年と大きく変わらないが,普通交付税の増加が主な要因となっている。今後,公共施設の統合・除却や既存施設の耐震化・大規模改修等,大型事業の実施が今後見込まれることから,人件費や扶助費,物件費等の支出抑制に努める。
(増減理由)財政調整基金の適正な残高を維持することを目的に財政調整基金の取り崩しを抑え,決算剰余金を420百万円積み立てたが,その他の特定目的基金をサッカー・多目的グラウンド整備事業等に伴い224百万円を取り崩したこと,地域商品活性化事業等に伴い「合併まちづくり基金」を362百万円取り崩したこと,観光誘客事業等に伴い「ふるさと応援基金」を276百万円取り崩したこと等により,基金全体として335百万円の減額となった。(今後の方針)これまで公共施設の整備に向けて継続的に積み立ててきた公共施設整備基金や減債基金を活用しながら,財政調整基金の適正な残高を維持できるよう努める。
(増減理由)普通交付税の増額に伴う一般財源の増市民税(個人)の増その他の特定目的基金の活用の増(今後の方針)財政調整基金の残高は,目途としていた標準財政規模(12,643百万円)の20%(2,529百万円)を確保できたが,公共施設の改修等により短期的に20%を下回ることが予測される。しかし,中長期的(令和7年)には標準財政規模の20%を目安として積み立てていく見込みである。
(増減理由)予算積立にて100百万円積み立てたことによる増加(今後の方針)平成30年度から地方債償還額が増加し,令和3年度でピークを迎えることから,令和元年度以降は取り崩しにより減少する見込み。
(基金の使途)合併まちづくり基金:合併に伴う住民の一体感の醸成並びに個性ある地域の活性化及び均衡ある発展に資する事業公共施設整備基金:公共又は公用施設の整備費用ふるさと振興基金:指宿市ふるさと市町村圏の振興整備に資する事業ふるさと応援基金:将来都市像(食料供給,健康産業,保養観光,生活充実,国際共栄)を実現する事業鹿児島県市町村職員退職手当組合負担金準備基金:指宿市職員の退職手当の支払いに要する費用(増減理由)サッカー・多目的グラウンド整備事業等に伴い224百万円を取り崩したこと,地域商品活性化事業等に伴い「合併まちづくり基金」を362百万円取り崩したこと,観光誘客事業等に伴い「ふるさと応援基金」を276百万円取り崩したこと等により,その他の特定目的基金は609百万円減少した。(今後の方針)公共施設整備基金:これまで公共施設の整備に向けて継続的に積み立てており,今後も耐震化・老朽化対策や新規整備等に活用することから,中期的に減少となる。ふるさと応援基金:ふるさと納税の推進により積立金の増額を見込んでおり,今後も将来都市像の実現に向け,積極的・効果的に活用しながら基金残高の増額を予定している。
当市では、平成29年3月に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等に関わる費用を今後40年間で30%削減するという目標を掲げ、老朽化した施設の統廃合を進めている。有形固定資産減価償却率については、類似団体平均と比較すると下回ってはいるものの、平成30年度は上昇に転じている。これは、平成29年度に指宿庁舎の大規模改修が完了し、減価償却が開始されたことが大きく影響しているためである。
新規発行した地方債等により将来負担額が増加したが,徴収率の上昇による税収の増や,交付税措置率の高い地方債を活用したことにより基準財政需要額が増加したことに伴う普通交付税の増により,平成29年度と比較し債務償還比率はわずかに減少した。今後も大型事業による地方債の新規発行を予定していることから,次年度以降の債務償還比率は上昇に転じることが見込まれる。
当市においては,老朽化した施設の改修や更新を進めることにより公共施設に関わる費用を抑制する取組を進めているが,平成29年度に指宿庁舎の大規模改修が完了し,減価償却が開始されたことから,有形固定資産減価償却率は増加した。また,将来負担比率についてはサッカー・多目的グラウンド整備事業等により新規発行した地方債が大きかったことから,前年度と比較し増加に転じた。今後も公共施設等総合管理計画に基づき,老朽化した施設の改修,更新及び処分を実施していく予定であり,その財源として,交付税措置率の高い起債を積極的に活用していく。
交付税措置率の高い過疎対策事業債等を積極的に活用しているものの,近年実施している大型事業に伴う地方債の新規発行が増加していることにより,将来負担比率及び実質公債比率ともに,前年度より増加した。今後も,サッカー・多目的グラウンド整備事業や開聞庁舎建替事業等の大型事業に伴う地方債の新規発行が予定されているため,いずれの比率も上昇が見込まれる。大型事業終了後は,地方債の新規発行を公債費以下に抑制するなど,歳入に見合った歳出構造へ転換していく必要がある。
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