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長引く景気低迷により個人・法人税の大幅な増収は見込めない中,税収が対前年度3%増となった。扶助費等の義務的経費は年々増加しているが,財政力指数は0.38を推移し類似団体を下回っている。今後も,退職者の補充抑制等による職員数の削減や標準報酬制移行に伴う共済費の減,歳入確保策として市税等の前年度を上回る収納率(平成28年度:92.9%)向上への取り組み,未利用財産の売却,歳出の抑制として掲げた外部委託等の推進等により,持続可能な財政構造の構築に努める。
社会保障の充実に伴う扶助費や公共施設の改修に伴う公債費が増加したため,経常収支比率が対前年度比3.5%増となったが,退職者の補充抑制等による職員数の削減や,地方債発行額を抑制してきたため,経常収支比率は89.7%と類似団体平均水準より低い。今後も,事務事業の見直しを更に進めるとともに,優先度の低い事業について計画的に廃止・縮小を進め,経常経費の削減に努める。
人件費,物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均水準より低い要因として,ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることが挙げられる。一部事務組合の人件費・物件費等に充てる負担金を合計した場合,人口1人当たりの金額は増加することになる。今後はこれらも含めた経費の抑制に努める。
職員の給与については,前年度より0.3ポイント上昇しているが,これは,人事異動による階級変動で人件費の下がり幅が国水準より少なかったことが要因となっている。また,類似団体平均を上回っていることから,今後も職員数削減及び各種手当の見直しや,平成28年4月に導入となった人事評価制度の適切な運用により,更なる給与体系の適正化に努める。
定員適正化計画等により,人口千人当たりの数値は,類似団体平均水準より低い。今後も,事務事業や組織機構の見直しを進めながら,より適切な定員管理に努める。
歳出の抑制策とした公債費の縮減のため,平成26年度まで地方債発行額を償還元金の範囲内に抑制してきたこともあり,類似団体平均水準を下回っている。しかし,今後は,一部事務組合の償還元金に充てるための負担金等や,公共施設の耐震化・老朽化対策等に係る費用の増加が予定されているため,地方債発行の抑制策を継続して取り組み,引き続き水準の抑制に努める。
将来負担額について,退職者の増による職員数の減により退職手当負担見込額が減少したこと,また,充当可能基金残高が増加したことなどにより,全体として比率が減少した。しかし,広域事務組合の新ごみ処理施設整備事業,旧ごみ処理施設除去事業に伴う地方債の借入等により,組合負担等見込額の増加が予定されていることから,事業実施の適正化を図り,財政の健全化に努める。
経常収支比率の人件費分が県平均と比較して低い水準であり,経常的一般財源総額の増に対し,退職者の補充抑制等による職員数の削減などで,人件費分が減少したことが要因となっている。今後も,類似団体・全国水準を目標として,改善を図っていく必要がある。具体的には,持ち家に対する住居手当の廃止など給与制度についての是正や退職者の補充抑制等による職員数の更なる削減など,行財政改革への取り組みを通じて人件費の削減に努める。
物件費に係る経常収支比率が近年増加しているのは,体育施設の指定管理導入により人件費から委託料(物件費)へシフトしたことによるが,電算システムが新たに導入され臨時的経費に転換されたことや消耗品の購入抑制など、無駄を洗い出し効率的執行が図られたことにより,0.1ポイント減少した。今後も指定管理制度の導入を進めるなどして,競争に伴うコスト削減が出てくることが見込まれる。
扶助費に係る経常収支比率について,前年度は減少したものの、増加傾向にあり類似団体平均水準より高い状態である。これは、平成27年10月から医療費助成を中学3年まで拡充したことや,年々社会保障にかかる費用が膨らんでいることが要因となっている。今後も,消費税増税に伴う各種施策により増加することが予想されることから,独自加算等の見直しを進めていくことで,財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均水準をはじめ,全国・県平均より高いのは繰出金が主な要因で,国民健康保険特別会計の赤字補填的な繰出金が多額になっている。保険者の県への移行を踏まえ,国民健康保険税の徴収率向上を図るなどにより,税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう努める。
補助費等の経常的経費は一部事務組合への負担金が約8割を占めており,ごみ処理業務や消防業務に対する負担金の増に伴い対前年度0.9ポイントの増加となった。ごみ処理業務については,広域組合の新ごみ処理施設整備により増。また,消防業務については,通信指令センターの運用開始や標準報酬制度により人件費が増えたことが要因となっている。今後は,中期的施設整備計画等で事業費の推移を把握し,一部事務組合や構成市と協議しながら,事業費の平準化に努める。
公債費の経常収支比率に占める割合が類似団体平均水準や全国・県平均と比較して高く,今後も,公共施設の統合・除却や既存施設の耐震化・大規模改修等が集中する予定である。公債費のピークは平成32~33年度と見込まれ,さらに一部事務組合などの地方債の元利償還金に係る負担金など公債費に類似した経費も嵩むことから,地方債発行を伴う普通建設事業の計画的な実施により抑制に努める。
平成27年度と比較し2.6ポイント高いのは,扶助費と補助費等の増が主な要因となっており,人件費の削減は図られているものの,公共施設の統合・除却や既存施設の耐震化・大規模改修等,大型事業の実施が今後見込まれることから,人件費や扶助費,物件費等の支出抑制に努める。
将来負担比率及び実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にある。将来負担比率については,これまで定年退職者の増による職員数の減に伴い,退職手当負担見込額が減少してきたことや,第二次集中改革プラン,指宿市行財政改革行動計画での取り組みで,充当可能基金残高が増加してきたことが要因となっている。実質公債費比率については,公債費抑制のため,平成26年度まで地方債の新規発行額を償還元金の範囲内に抑制してきたことや,交付税措置率の高い財政上有利な地方債を活用してきたことなどから,実質公債比率の分子が減少していることが要因と考えられる。
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