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平成29年度普通交付税算定において、基準財政需要額が減少し、基準財政収入額が増加したことにより、0.02ポイントの回復となった。しかしながら、類似団体平均を下回っていることから、東日本大震災からの復旧・復興を確実に進めながらも、産業振興や人口減少対策等を図り、税収の確保に努める一方、公債費の抑制等妥当かつ合理的な行財政運営を目指す。
前年度より地方税が約6千万の増加となったが、普通交付税が人口減少等の要因により約3億2千万円の減少で、経常一般財源総額が約2億7千万円の減となり、経常経費充当一般財源が人件費や補助費等の減により総額で約4千万円の減となり、経常経費一般財源の減が、経常経費充当一般財源の減を上回ったため、4.7ポイントの増となった。今後は、東日本大震災からの復旧・復興事業の進捗と併せ、人件費の縮減を検討するなど、効率的な行財政運営のバランスを取りながら経常経費の抑制に努める。
平成23年度から平成25年度までは、東日本大震災による被災のため、災害等廃棄物処理業務委託料による物件費の増加があり、類似団体平均とのかい離が発生したが、平成26年度からは同事業が終了したことからコストが縮小している。しかしながら、復旧復興事業が平成32年度まで継続することから、類似団体と比較しても大きくなっている。今後は被災施設の復旧整備が始まり、施設の維持管理等で物件費の増加が見込まれるが、施設の設計から維持管理費用が少なくなるような技法による施設整備及び人件費の縮減を行いながら、経費の縮減に努める。
国及び他自治体の動向も注視し給与の適正化に努めた結果、全国市平均を下回っている。震災後の復旧・復興事業の業務量増加に対応するため、任期付職員を採用したが、民間企業経験者や自治体の退職者等、年齢にとらわれず採用した結果、震災前から働く同年代の職員より給料が低くなる傾向にあることが、全国市平均を下回る大きな要因となっている。
東日本大震災により人口とともに職員数も減となったが、復旧・復興に係る事業の進捗を図るため職員の補充を進めていること、そして市単独で消防業務を行っていること等により、結果として類似団体平均を上回っている。復旧・復興に係る職員補充は、3年から5年間の雇用期間を限定した任期付職員として採用していることもあり、復旧・復興の進捗状況と併せながら、職員数について適正な管理を図る等、効率的な組織運営に努める。
東日本大震災の被災後の平成23年度から、災害復旧補助金・復興交付金等を財源とした事業を進めたこと、被災施設の繰上償還や借換等を行ってきた結果、地方債発行額が減少してきたが、平成29年度においては震災による人口減で普通交付税が大きく減少したことが影響し、前年度から0.5ポイント増の14.2%となった。類似団体平均を上回っていることから、今後も復興事業とのバランスをとりつつ公債費負担の軽減に向けた取組みの継続に努める。
基金への積立金の増加により、充当可能財源等が将来負担額を超過する状態となっている。今後も公債費の抑制及び充当可能財源の確保など財政の健全化に努め、将来負担の軽減を図る。
被災した職員の補充及び他自治体からの職員派遣は依然続いている。年月が経つ毎に他自治体からの職員派遣は減少傾向にあり、復旧・復興事業推進のため任期付職員を採用していることから、人件費は増加傾向にあり、類似団体平均を大きく上回っている。今後の復旧・復興事業の進捗と併せ、任期付職員の採用等を調整し人件費の抑制に努めていく。
類似団体平均を下回ってはいるが、昨年度より2.2ポイント上昇しており、東日本大震災からの復旧事業により施設が増加したことが影響している。今後においては、省電力化や適切な維持管理に努め、経費の節減を図る。
児童生徒への医療扶助費等の増により、扶助費全体で増額となったことから、類似団体平均を若干上回った。資格審査の適正化と予防事業を実施することで、扶助費全体の抑制を図りながらの執行に努める。
公債費は約1億1千万円の増となり、さらに普通交付税が震災による人口減等により約3億6千万円の減となったことから、公債費の比率が大きくなった。今後は繰上償還等も検討し、毎年の公債費の抑制に努める。
被災施設の復旧により、物件費が増加していることから、昨年度より2.8ポイント上昇している。類似団体と同規模の水準ではあるが、人件費や物件費を始めとして経費の抑制を図っていく。
(増減理由)平成29年度の増額については、復興交付金の交付額の増による復興交付金基金の残高の増が大きく影響している。財政調整基金は、復興交付金事業の精算を行ったことにより約15億の減少となった。減債基金は、復興交付金における家賃低廉化・低減化事業に係る交付金を積立てたことにより約2億8千万円の増となった。(今後の方針)基金の目的に沿った執行を行っていく。財政調整基金については復興交付金事業の精算により減少して行く見込みである。、減債基金は、復興交付金事業の家賃低廉化・低減化事業に係る交付金を積立て、今後の償還に併せ繰出すが、一定規模の金額が積立てられた場合には、災害公営住宅に係る借入の繰上償還も考えている。その他特定目的基金については、基金の設置目的に合わせた執行となるが、東日本大震災からの復興事業関係の基金が9割以上を占めていおり、国が示す平成32年度の復興期間までに事業が完了するよう、事業の進捗に併せて繰出していく。
(増減理由)財政調整基金の中には、復興交付金を財源として行った事業によって生じた収入の一部を積立てていたが、平成29年度において、復興交付金事業の精算を行ったことにより、約15億の減少となった。(今後の方針)平成29年度末残高のうち、約10億が復興交付金事業の精算により、国庫返還等が予定されており、それらの要因を踏まえて試算すると、平成32年度末には約10億円まで減少する見込みとなっている。その後は、当市の標準財政規模が約65億円となっていることから、その1割の6億5千万円を目安に維持していきたいと考えている。
(増減理由)復興交付金における災害公営住宅の家賃低廉・低減化事業の交付金を毎年積立ており、平成29年度には約5億円積立て、償還に充てる分として基金より約2億2千万円を繰り入れたことから、平成29年度に約2億8千万円の増となった。(今後の方針)減債基金の積立の原資として、復興交付金における災害公営住宅の家賃低廉・低減化事業の交付金を毎年積立ており、平成30年度から始まる償還に併せて取崩していくこととしており、また、一定額が積みあがった場合には、繰上償還を行うことを考えている。
(基金の使途)基金の使途は、それぞれ基金の設置目的に沿った形で執行していくが、現在設置している基金における残高の9割以上が、東日本大震災からの復旧・復興事業に関係するものとなっている。(増減理由)平成29年度末に増加した約52億は、東日本大震災復興交付金基金の増額によるものであり、次年度以降の復興交付金事業充当分の交付金を積立てている。また、がんばっぺし応援基金は、ふるさと納税に係る基金であり、平成29年度における寄付金額が増額したことから残高が伸びている。(今後の方針)それぞれの基金の目的に沿った執行をしていくが、平成32年度の復興期間終了までに復興関係の基金については、すべて取り崩して財源に充当していきたいと考えている。その後は10億から15億の間で推移するものと思われ、適切な事業へ財源として充当していく。
有形固定資産減価償却率は、類似団体よりも低い水準である。これは、東日本大震災により、被災した保育所や公民館等の再整備を行ったことによる。しかし、当市が策定した公共施設等総合管理計画において、将来的に多額の更新費用が必要となることから、施設の統廃合による施設規模の適正化、長寿命化による財政負担の軽減・平準化を図り、適正な維持管理を目指す。
将来負担比率は、基金積立金や市営住宅使用料の増により、充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、数値なしとなった。有形固定資産減価償却率は、津波により被災した施設の再整備を行ったため、類似団体よりも低い数値となった。復興事業が収束した後は、財源の確保が厳しい状況となることが見込まれるため、公共施設等総合整備計画に基づいた適正な施設の維持管理を進める。
将来負担比率は、基金積立金や市営住宅使用料の増により、充当可能財源額等が将来負担額を上回っているため、H26から引き続き数値なしとなった。しかし、実質公債費比率は、被災施設の繰上償還や借換等を行い地方債発行額を抑制したことにより減少傾向であったが、平成29年度は普通交付税が大きく減少したため、前年度から0.5ポイントの増となった。今後は復興関連事業が終盤を迎え、基金残高が減少し、将来負担比率の増加が見込まれることから、引き続き地方債発行額の抑制に努め、適正な財政運営を図る。
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