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平成28年度は人口の減少の影響から基準財政重要額が減少したが、震災復興に係る新規企業等の償却資産増加により基準財政収入額も増加したことから財政力指数は前年度等と比べ微増となっている。
東日本大震災以降、町民税を条例による減免及び地方税法による課税免除を実施したことにより、町税等の経常一般財源が確保できない状況で、震災復興特別交付税等の臨時一般財源に頼った財政運営となっていることなどから、前年度からさらに経常収支比率が上昇した。依然として経常一般財源の確保が困難な状況が続いており、復興の進捗と平行して経常一般財源の確保が必要である。
人口一人当たり人件費・物件費等決算額については、昨年比較で増加となった。東日本大震災等の影響により浪江町内に居住することがままならず、当面は分母の人口が大幅に上昇することは困難と思われる。人件費、物件費ともに、震災後の復旧・復興事業や避難指示解除に向けた業務が著しく増加したことが影響している。今後も復旧・復興業務需要は継続し、当面の間横ばい傾向で推移すると思われる。
東日本大震災に伴う復旧・復興業務の施策実施に対応するため、一時的な人員確保が必要であることから、全国平均を上回っているが、復旧・復興事業の進捗や民間委託等の業務の効率化や他自治体からの派遣受入れ等定員適正化計画をふまえつつ、職員数の適正化に努める。
実質公債費比率については、新規起債の抑制や、震災後の償還の進捗などがあり改善傾向にある。ただし、復旧・復興財源の下支えがあっての一時的な傾向であるため、引き続き公債費の抑制に努めていく。
将来負担比率は検出されなかった。この要因としては、新規起債の抑制による地方債現在高の減並びに浪江町復旧・復興基金や、帰還環境整備交付金基金等の長期にわたる復興需要に対応するための大規模基金によって、充当可能財源の増があげられる。しかし、基金については、復旧・復興事業の進捗状況によって著しく減少するものであることから、将来負担比率については、一時的なものとして考え今後注意していきたい。
震災後の復旧・復興事業や避難指示解除に向け業務量が著しく増加したことや浪江町内の庁舎への配置職員数の増加にともなう、時間外手当やその他手当の増加により前年に比べ7.1ポイントの増加となった。人件費については、全国平均値より高いものの、復旧・復興事業にともなうものであり長期的に推移していくものではないと思われるが、民間でも実施可能な部分については、民間委託等の業務の効率化、経常一般財源の確保に努めていく。
物件費は、全国に避難した住民の健康管理業務にかかる健康支援活動業務や各種検診業務に加え、町内での環境放射線モニタリング業務、浪江町内公共施設稼働にともなう管理業務などがあったことにより微増となった。今後は、復興の進捗状況と併せ保有する公共施設の再開により管理業務が増加することが予想されるが、公共施設等総合管理計画等に基づき施設の縮小、統廃合を行い財政の健全化に取り組んでいく。
東日本大震災において亡くなられた方や重度の障害を受けた方、津波被災世帯等に対して支給された災害弔慰金・災害見舞金・災害障害見舞金などの震災関連の費用が減少傾向にあり、また、その大部分が特定財源および臨時一般財源でまかなわれているため、扶助費の経常収支比率は改善されている。
前年に比べ12.5ポイント下回り福島県平均の水準となった。平成28年度は、繰出金の決算額は増えているものの、既存の基金を繰入れたことにより充当一般財源等が減少したことによって経常収支比率が一時的に改善したものである。分母の経常一般財源の大半を占める町税が東日本大震災の影響を受け、減免・課税免除を実施し、これに代わる財源となった震災復興特別交付税が臨時・一般財源となっていることから、経常一般財源の確保に努めなければ、前年同様の悪い経常収支比率になるものと思われる。
一部事務組合分として平成27年度まで東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で双葉地方広域圏組合の塵芥・し尿等多くの事業が縮小または実施できなくなったことによる負担金の減少があったが、避難指示解除に向けての事業再開・準備、消防庁舎建設等の消防事業にともない増加となった。同時に経常一般財源の大部分を占める地方税の減免・課税免除の措置をは継続しており、分母の減少値が大きいため、経常収支比率も増加となっている。経常一般財源の確保に努めなければならない。
平成24年度以降は新規起債の抑制や繰上償還の実施等により、徐々に改善が見られ、地方債残高は減少しているものの、経常一般財源の大きな割合を占める地方税が、震災の影響もあり減免または課税免除の措置をとっているため、これにかわる財源としての震災復興特別交付税が臨時一般財財源の扱いとなり、分母の減少が大きくなり、経常収支比率は微増となっている。
震災を契機に経常収支比率の大きな変動がみられるが、分子の要因としては「物件費」「その他」等の欄で記載したとおり、分母の経常一般財源の大半を占める町税が東日本大震災の影響を受け、減免・課税免除を実施し、これに代わる財源となった震災復興特別交付税が臨時・一般財源となったため減少となったことが原因である。
将来負担比率は検出されなかった。この要因としては、浪江町復旧・復興基金の増額や、平成27年度に帰還環境整備交付金基金を新規に創設するなど、長期にわたる復興需要に対応するための大規模基金によって、充当可能財源が将来負担額を上回ったためである。また実質公債費比率は、新規起債の抑制、償還の推進等により徐々に改善が見られる。
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