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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
原子力発電施設を有する電源立地地域であることにより類似団体平均を上回る税収があるため、財政力指数は0.83となっている。原子力発電施設の減価償却期間の経過により、漸減していた主要税源である固定資産税(大規模償却資産)が、概ね残存価格で推移しているものと思われ、本指数においても同程度で推移している。しかしながら、原子力発電所の事故により、今後の見通しは不透明である。
震災以前から、分母となる経常一般財源においては、減価償却に伴う原発関連大規模償却資産の減等による地方税収入の減等により漸減となったのに対し、分子となる経常的経費充当一般財源においては、滝川ダムやリフレ富岡建設等のために借り入れた償還金に係る公債費、少子高齢化の進展による扶助費、町有施設の維持管理等に係る物件費、下水道整備に係る起債償還費や給付費の増等による特別会計操出金の増などによる固定的経費により経常収支比率は90%以上と高水準で推移していた。27年度に税収の増等から大幅に減少したが、28年度においては、原発事故による避難指示解除に向け、町内施設の機能回復により施設維持管理等の経常経費が増となったことから15.5ポイントの大幅増となった。このように、税収が見込めない中、避難指示解除され復興が進むほど、財政構造の弾力性を失い硬直状態となるのは免れない。
人件費は横ばいであるが、物件費等においては、震災関連の事業のため上昇している。長期避難により様々な問題が生じているため、28年度においては多少減少したものの、これに対応するための人件費及び物件費の上昇は今後も続く見通し。
類似団体平均を上回っているが、各種手当の支給基準・支給対象を精査し、制度の趣旨に合致しないものについては、廃止を含め抜本的な見直しを図るなど、より一層の給与の適正化に努める。
震災対応により慢性的な人員不足を感じており、任期付き職員や派遣職員などで対応している。さらには避難指示区域解除により、町内での通常業務が始まり、町内外に及ぶ震災対応業務等で事務量が増加する見込みであることから、適正な職員数を確保を目指すものの、類似団体平均を上回ることのないよう努める。
公営企業(公共下水道事業、農業集落排水事業)に対する地方債償還財源の操出金が多額となっているため、類似団体等と比較して高い状況が続いたが、新規借入を抑制し、公債費の縮減を図ったことにより、今後実質公債費比率は減少し類似団体平均を下回った。今後とも取組を継続していく考えである。
公債費縮減の観点から新規の起債を抑制しているため、地方債の現在残高や債務負担行為に基づく支出予定額が漸減となる見込みである。充当可能基金の取り崩し等による充当可能財源の大幅な減が生じない限りは指数なしとなる見込みである。
平成23年度から人件費に係る経常収支比率は減少しているが、これは震災による職員数の減(非常勤の特別職)による人件費の減と経常的人件費充当特定財源の増によるものであり、25年度より横ばいとなっている。
震災と原発事故による警戒区域設定にともない、町有施設の維持管理等に係る経常的な物件費が減となったことにより、23年度から26年度まで類似団体を下回ることになった。28年度においては、避難指示解除に向け町内の町有施設等機能回復したこと等により、経常的経費が増額となったため前年度より7.1ポイントの悪化となり、類似団体の数値を7.3ポイント上回った。東日本大震災や原子力災害からの復旧・復興という喫緊の課題を抱えているが、それらの課題への迅速な対応に配慮しながらも、今後も事務事業の効率的執行に努め、経費の節減を図る。
扶助費に係る経常収支比率については、概ね類似団体と同程度で推移していたが、東日本大震災に伴う避難により、避難先で多様なサービスを受けることが可能になったことから社会福祉費が増加し、25年度までは類似団体を上回っていた。28年度は臨時福祉給付金の増及び市町村類型が変更されたこともあり、4.1ポイント上回った。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、積立金の増加が主な要因である。避難指示解除に向け町内の災害公営住宅整備に係る福島再生再生加速化交付金を基金に積み立てたため、類似団体平均を大幅に上回ることとなっている。
震災と原発事故による警戒区域設定にともない、経常的な一部事務組合負担金が減となったことにより、23年度から類似団体を下回っていたが、復旧・復興事業の増加に伴い一部事務組合負担金の増および社会福祉協議会やNPO団体への補助金増などにより、類似団体を上回ることになった。この状態が今後も続く見通しだが、行政の責任と役割、経費負担のあり方、事業効果等を十分検証し、廃止や統合・再編、減額、終期設定等の見直しを行う。28年度においては消防署新庁舎建設に係る広域市町村圏組合への負担金及び帰還促進のための補助金等増のため、7.2ポイント悪化した。
公債費以外に係る経常収支比率は、震災と原発事故による既存事務事業の執行不能等により、23年度は経常的経費が減額となったが、類似団体平均を大きく上回っている。経費の節減・合理化により、効率的な執行に努める。
地方債現在高、債務負担行為支出予定額、公営企業債繰入見込額については新規借入の抑制により着実に減額となっている。また、平成23年度からは財政調整基金や災害復興基金にそれぞれ積み立てを行ったことなどにより充当可能基金が増となったため、充当可能財源等が将来負担額を上回っている。
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