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人口減少と高い高齢化率(平成27国調36.7%)に加え、基幹産業が農業であり、かつ製造業等の立地企業がほとんど中小零細であるため、産業構造が極めて脆弱で全国平均を大きく下回っている。近年は平成15年までに行われた大型事業の償還に対する交付税算入が終了したことにより基準財政需要額が縮小し、財政力指数は上昇傾向にある。
今年度は前年度と比べ0.9ポイント増加し、類似団体と比べ4.7ポイント下回っている。これは分子である公債費等が減少し、市税が増加したことが主因となっている。定員適正化計画に沿った職員数の抑制や事務事業の見直しによる経常経費の抑制に努め、投資的事業についても重要度や緊急度など厳選し、交付税措置のある地方債を活用するなど、事務事業の徹底した見直しにより現在の水準を維持する。
当市は豪雪地であり、例年多額の除排雪経費を要する。また、消防業務を隣接の大石田町から受託していること、さらには扇状地上に集落が点在する地理的な事情により公共施設が多いことなどが重なり、人件費、物件費、維持補修費の合計が類似団体に比較して高くなっている。令和元年度はまれにみる少雪により人口1人当たり人件費・物件費等決算額が減少した。今後も定員適正化計画に沿った職員数の抑制や、民間委託の活用等により人件費・物件費・維持補修費のコスト削減に努める。
旧来からの給与体系により、類似団体や県内市町村平均と比較しても約3ポイント程度下回っていたが、平成18年度の給与構造改革以降は、自治体の制度均一化等により徐々に上昇した。令和元年度は、類似団体と同水準となった。
人口減少が著しいことに加え、豪雪地であることや奥羽山脈の扇状沿いに集落が点在していることから保育所や学校が他団体よりも多いこと、さらには隣町の大石田町から消防業務を受託していることにより、類似団体を上回っている。定員適正化計画に沿った職員数の抑制や消防業務の効率的な運用を行うことで、類似団体の平均に近づける方針である。
実質公債費比率は、大型事業の償還終了により、今年度は類似団体に比べ1.9ポイント下回った。前年比では0.5ポイント改善しており、新庁舎建設に係る元金償還が開始される令和3年度まで横ばいとなる見込みである。その後令和7年度まで上昇すると見込んでいる。今後も投資的事業の厳選に努め、実質公債費比率のさらなる抑制を図る。
新鶴子ダム建設に係る償還金の返還は平成27年度で終了し、長根山運動公園整備や福原中学校建設、道路新設改良事業など平成15年度までに集中的に行った大型事業が次々と償還終了することに加え、事業の取捨選択により起債の抑制を図ったことから近年は数値の改善が図られている。庁舎建設の影響による平成30年度の80.2ポイントをピークに、徐々に改善していく見込みである。今後は安全安心に寄与する事業や緊急を要する事業などに厳選することとし財政の健全化に努めていく。
人件費について、26.8%と類似団体と比べ3.0ポイント高くなっている。これは本市の集落が扇状地上に立地しており保育所や小中学校が点在していることや、大石田町から消防業務を受託していることなど行政サービスの差異によるものである。これまでも集中改革プランに基づき人員削減を実施してきたが、今後も民間事業所の参画などを進めながら、定員適正化計画に基づき人件費の抑制に努めていく。
施設管理に指定管理者制度を積極的に導入したこと、業務委託の長期継続契約の推進により経費の圧縮が図られたことで類似団体平均よりも低くなっているが、令和元年度は小学校児童用パソコン更新の影響で前年に比べ1.4ポイント増加した。今後も事務事業の効率化を推進し、物件費の抑制に努める。
高齢化率(平成27国調36.7%)は高いが出生数が減少していることにより、類似団体より低くなっている。今後、高齢化率は上昇し比例して扶助費も増加していくと見込んでいる。そのため事業の取捨選択を行いながら財政を圧迫することのないように努めていく。
降雪状況によって維持補修費は大きく変動するが、令和元年度は少雪となり除排雪経費は大幅に減少した。下水道や簡易水道等の公営企業会計への繰出しについては年々増加傾向となっている。公営企業の適用事業についても毎年事業計画の見直しを行うこととし、独立採算の原則に立った適正な料金体系を構築する。また、国民健康保険事業や介護保険事業については、健康増進事業を推進し負担の軽減に努める。
補助費は類似団体平均よりも低くなっているが、特に単独補助金の必要性の検討と終期を設けるなど毎年見直しを加えてきたことが要因である。今後も継続して見直しを進めることで補助費等の抑制に努める。
大型事業の償還終了により、令和元年度では類似団体に比べ2.2ポイント下回っている。市債残高は毎年減少しているが、冬期間の快適環境づくりのため流雪溝や防雪柵の整備を継続的に進めていくこと、新庁舎建設や公共施設の長寿命化事業などの大型事業もあり、事業の取捨選択と交付税措置のある地方債の活用により将来負担の軽減に努めていく。
公債費以外については、類似団体の平均を下回っている。しかし、人件費と繰出金が大きなウエイトを占めており、定員適正化計画に沿った人員の抑制と下水道等の公営企業会計への繰出しが抑制できるよう、毎年事業計画の見直しを行うとともに独立採算の原則に則った適正な料金体系を構築するなど負担軽減に努めていく。また、国民健康保険事業や介護保険事業に対する繰出しに対しても、健康増進事業の推進により負担額の軽減に努める。
(増減理由)増要因として、財政的な負担となっている空き公共施設の解体費用のため「公共施設整備等基金」の積立を行い計画的な解体を行っている。減要因として、平成29より新庁舎建設事業に充当するため「庁舎建設基金」から繰り入れを行っている。(今後の方針)平成29・30の災害対応のため「財政調整基金」は減少するが、年度間の財源調整機能や災害対応などのため8億円前後を維持していく方針です。「減債基金」は大型事業の償還が集中する令和3年度以降に繰り入れを予定しております。「公共施設整備等基金」については、さらに積立を行い、計画的な空き公共施設の解体に対応する方針です。
(増減理由)地方財政法に規定されている剰余金の1/2を積み立て、通常、当初予算及び除排雪経費などに繰り入れを行っているが、必要に応じて災害対応や財源不足などに対し繰り入れを行っている。平成27・28年度は災害が少なかった事により基金残高は増加したが、平成29年度は記録的な豪雪や平成29、平成30の豪雨災害、一般財源の減少に対応するため基金残高は減少した。令和元年は少雪のため繰り入れが少なく基金残高は増加した。(今後の方針)令和3年度から新庁舎建設の償還の影響で公債費が上昇し、一時的に残高の減少も想定されるが、当市の適正残高と考える8億円前後を維持する方針である。
(増減理由)増減はない。(今後の方針)新庁舎建設事業の影響により、令和6・7年度に市債償還額はピークを迎える予定であり、それに備えるため計画的に積立を行ってきたが、令和3年度以降は新庁舎建設に関する償還に対し繰入を開始し減少する見込みである。
(基金の使途)「庁舎建設基金」については、新庁舎建設工事が完了する令和元年度まで繰り入れを行い、「ふるさと尾花沢応援基金」については、寄付者の意向を合わせ尾花沢市のため活用させて頂いております。「公共施設整備等基金」については、当市の喫緊の課題である利活用できない公共施設の解体に向け積立を行い、計画的な解体を行ってまいります。「スポ-ツ振興基金」については、当市のスポーツ振興のため毎年定額の繰り入れを行い、活用してまいります。「地域福祉基金」については、遊具の購入や高齢者福祉施設の設備整備など当市の福祉に関する事業に活用を見込んでおります。(増減理由)主な減要因として、平成29年度から開始されている新庁舎建設工事に令和元年度は「新庁舎建設基金」から165百万円の繰り入れを行ったこと、増要因としては利活用できない廃公共施設の解体費用のため「公共施設整備等基金」へ積立を行っており、その増減を相殺し特定目的基金総額は131百万円の減となっている。(今後の方針)今後は、重点的に「公共施設整備等基金」の積み増しを行い、耐震性能などで利活用不可能な公共施設の解体、学校施設及び保育園の建設事業に対応する予定である。また、「庁舎建設基金」については、事業完了したことから基金残高を「公共施設整備等基金」に積み替えていく予定である。
類似団体と比べ高い数値となっているが、これは、新庁舎建設事業で起こした市債の影響である。新庁舎建設事業が終了する令和元年度決算まで数値は上昇し、新庁舎建設事業の償還が始まる令和2年度以降は下降する見込みである。
新鶴子ダムの償還が平成27年度まで続き実質公債費比率を大きく押し上げる要因となっていたが、償還終了後は影響が無くなるH30年度まで下がり続け、新庁舎建設事業の償還が開始される令和2年度から上昇する見込みである。また、将来負担比率は平成27年度に防災行政無線や高機能消防指令センターの整備、平成29・30年度に新庁舎建設事業が行われた影響により平成29年度決算で類似団体より45.4ポイント、平成30年度決算では64.8ポイント高い数値となっている。令和元年度決算でも類似団体と比較し64.6ポイント高い数値となっているが、令和2年度から新庁舎建設事業の償還が開始され指標は下降していく見込みである。
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