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令和4年度は、前年度から比率が5.7ポイント悪化し、グループ内平均値を1.3ポイント下回った。公債費の減等により分子である経常経費充当一般財源が減少した一方、普通交付税や臨時財政対策債の減等により分母である経常一般財源等がそれ以上に減少したことによるものである。引き続き、事務事業の見直し・改善や行政経費の節減・効率化等、徹底した歳出の見直し及び歳入の確保により自由度の高い財政への転換に努め、経常収支比率の改善を目指す。
令和3年度は道路除雪費が令和2年度に比べて増加し、新型コロナウイルス感染症対策に係る物件費がそれを上回る規模で減少したことにより全体として減少したが、令和4年度は新型コロナウイルス感染症関連物件費が増加した。人口1人当たりの決算額は、継続的にグループ内平均値を上回っている。この要因としては、人件費がグループ内平均を上回っていることや、道路除雪費等が多額なこと等がある。今後も知事部局一般会計職員の定員管理や事務事業の見直し・改善等について、これまでの取組みを後退させず、効率化に努めるなど、たゆむことなく行財政改革に取り組み、財政の健全化に努めていく。
持続可能な財政基盤の確立のため、これまでの行財政改革の取組みを後退させることなく、引き続き簡素で効率的な組織機構の実現に向けて不断の見直しを行う。このため、県が業務を行っている各分野において、民間活力の活用を検討しながら、行政サービス提供主体の多様化等による組織機構の構造的な見直しを推進していく。一方、人口減少対策や災害対応、本県を取り巻く新たな行政課題についても的確に対応していく必要がある。以上のことを踏まえ、定員管理については、スクラップ・アンド・ビルドを基本に、新たな行政課題に対しては見直しにより生み出した人員を必要性を厳選のうえ配置して対応することとし、限られた人材資源を「選択と集中」により有効に活用する。なお、教育委員会、警察本部の特に配慮を要する教育、治安などの分野の現場機能に係るものについては、別途、適正な定員管理に取り組むものとする。
令和4年度については、基準財政収入額の一部となる実質的な地方交付税の減少等により、前年度と比較して、実質公債費比率は0.3ポイント上昇した。今後も県債発行の抑制に努めるとともに、公債費平準化等の取組みを通じて、実質公債費比率の上昇を抑える。
分子については、令和3年度に続いて、令和4年度も減少している。主たる要因としては、一般会計等の地方債の残高が減少したこと等により将来負担額が減少したことによる。分母については、令和3年度は増加したものの、令和4年度にあっては減少している。主たる要因としては、標準税収入額は増加したものの、それを上回って普通交付税額及び臨時財政対策債発行可能額が減少したことにより、標準財政規模が減少したことによる。引き続き、県債発行の抑制に努めること等により、今後も改善を図っていく。
令和元年度は職員数の減等に伴う給料の減少等により人件費総額は減少したが、地方譲与税の減少等により経常一般財源等が減少したため、前年度から悪化している。令和2年度は経常一般財源等が減少したものの、職員数の減等に伴う給料の減少等による人件費総額の減少により、前年度から改善している。令和3年度は職員数の減等に伴う給料の減少等による人件費総額の減少に加え、地方交付税の増加等による経常一般財源等の増加により、前年度から改善している。令和4年度は職員数の減等に伴う給料の減少等により人件費総額は減少したが、地方交付税や臨時財政対策債の減少等により経常一般財源等が減少したため、前年度から悪化している。また、本県は、グループ内他団体に比べ、比率が依然として高い数値となっている。これは、ラスパイレス指数が高いことが要因である。知事部局一般会計職員の定員管理について、これまでの取組みを後退させず、効率化に努めるなど、たゆむことなく行財政改革に取り組むことにより、比率の改善を目指す。
地方交付税等の経常一般財源等の増減により、若干の上下動はあるものの、平成30年度以降はグループ内平均値を下回る傾向で推移している。令和2年度は、地方交付税等の増加により経常一般財源等が増加し、新型コロナウイルス感染症の影響による旅費の減等により物件費が減少したため、前年度比で0.3ポイント改善した。令和3年度は、地方交付税等の増加により経常一般財源等が増加し、県有施設の指定管理者制度の廃止による運営費の減等により物件費が減少したため、対前年度比で0.3ポイント改善した。令和4年度は、地方交付税や臨時財政対策債の減少等により経常一般財源等が減少し、電気料金の価格高騰等により物件費が増加したため、前年度比で0.4ポイント悪化した。今後とも、継続して歳出の見直しに努め、一層の改善を図っていく。
近年、グループ内平均値を下回り、比較的良好な水準で推移している。要因としては、生活保護費に係る保護率がグループ内他団体と比較して低いこと等により、経常経費充当一般財源等が少額であることが挙げられる。今後も社会保障関係経費の増加に伴う扶助費の増加が見込まれるが、引き続き効率的かつ適切な予算執行に努めていく。
例年、除雪に係る維持補修費がグループ内他団体と比較して多額であること等から、グループ内平均値を上回る傾向で推移している。令和2、3年度に増加を続けていた除雪経費が令和4年度に減少に転じたものの、地方交付税や臨時財政対策債の減少等により経常一般財源等が減少したため比率が上昇した。今後とも、所要経費は確保するとともに、計画的、効率的かつ効果的な予算の執行に努め、より一層の比率の改善を目指す。
平成30年度以降、グループ内平均値と同水準もしくはそれ以下で推移しており、令和3年度については比率が低下したものの、令和4年度については、分子の経常経費充当一般財源が微増した一方、分母となる地方交付税や臨時財政対策債の減少等により経常一般財源等が減少したため比率が上昇した。今後も、社会保障関係経費の自然増などによる比率の上昇が見込まれるが、補助費等に係る事務事業の見直し・改善や歳出の適正化等を推進し、比率の一層の改善を図っていく。
令和4年度はグループ内平均値を上回った。公債費が高利時の県債残高の逓減に伴う利子の減等により減少したものの、地方交付税や臨時財政対策債の減少等により経常一般財源が減少したため、令和3年度と比較して1.1ポイント悪化した。持続可能な県政運営実現のため、「臨時財政対策債及び補正予算債等並びに災害復旧事業債を除いた県債残高」の縮減に努め、公債費負担の軽減を図り、自由度の高い県政運営の実現を目指していく。
平成30年度以降、グループ内平均値を下回っている。令和4年度は、電気料金や燃油価格の高騰等による施設運営経費の増加等に伴い、経常経費充当一般財源が増加した一方、地方交付税や臨時財政対策債の減少等により経常一般財源等が減少したため、前年度から4.6ポイント悪化した。今後、一層の事務事業の見直し・改善や行政経費の節減・効率化など、徹底した歳出の見直し及び歳入の確保に努め、自由度の高い県政運営の実現を目指していく。
(増減理由)・「財政調整基金」に決算剰余金を令和3年度に80.8億円、令和4年度に31.2億円を積立てたほか、令和4年度に「地域医療介護総合確保基金」に18.7億円、「やまがた緑環境税基金」に6.6億円を積立てたこと等により、基金全体としては、令和2年度末から令和4年度末において、205.6億円の増となった(今後の方針)・令和5年度は「財政調整基金」への積立て等により増の予定だが、中長期的には減少が見込まれる
(増減理由)・景気の動向による法人関係税等の変動・地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な交付税の減・社会保障関係経費等への対応のための歳出の増・事務事業の見直しによる歳出の抑制(今後の方針)・今後も多額の財源不足が見込まれており、何も対策を講じなければ、「財政調整基金」は枯渇する状況となっていることから、歳入・歳出の両面から財源不足の解消に向けた対応策を講じることにより、「財政調整基金」取崩しの抑制に努める
(増減理由)・償還に係る財源に充当するため、令和4年度に39.0億円取り崩したことによる減(今後の方針)・「財政調整基金」と同様に、歳入・歳出の両面から、財源不足の解消に向けた対応策を講じることにより、「減債基金」取崩しの抑制に努める
(基金の使途)・地域医療介護総合確保基金:地域における医療及び介護の総合的な確保の推進・やまがた緑環境税基金:自然環境の保全等の公益的機能の維持増進及び持続的な発揮に関する施策の実施・安心こども基金:子供を安心して育てることができる体制の整備を図るため保育所等の整備・拡充を実施(増減理由)・安心こども基金:子育て家庭支援の基盤整備の推進のため、令和4年度に国からの子育て支援対策臨時特例交付金5.6億円を積立てたことによる増・高等学校奨学基金:令和4年度に2.9億円を積立てたことで奨学金の返済実績が新規の貸付金額を上回ったことによる増(今後の方針)・地域医療介護総合確保基金:医療提供体制、地域包括ケアシステムの構築に関する事業を実施するため、令和5年度に3.8億円を取崩す予定・やまがた緑環境税基金:令和5年度の税収6.6億円を積立てる一方で、自然環境の保全等に関する事業を実施するため、令和5年度に6.9億円を取崩す予定であり、基金残高は減少する見込み
本県の有形固定資産減価償却率は、都道府県平均より高く、老朽化の進行により今後も上昇する見込みであるが、「山形県県有財産総合管理(ファシリティマネジメント)基本方針」に基づき、県有施設の長寿命化と維持管理コストの低減、県有財産の有効活用及び県有財産の総量縮小に取り組んでいる。引き続き、上記基本方針に基づく県有施設の適正な管理を推進していく。
地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税の増加に加え、歳出削減を徹底したこと等から、財政調整基金の残高が前年度より増加したこと等から、充当可能基金残高が増加した。一方、将来負担額は、職員数の減少による退職手当支給予定額の減等により、前年度に引き続き減少した。結果的にグループ内平均値に比べ債務償還比率が高くなっているが、今後も事務事業の見直しや計画的な地方債の償還等に取り組んでいく。
将来負担比率と有形固定資産減価償却率がいずれもグループ内平均値より高い水準にあり、また、庁舎や学校等の一般財産のうち、一般的に大規模な改修工事が必要とされる建築後30年を経過した建物が令和2年度末時点で延床面積割合で全体の61%に達している状況である。引き続き、「山形県県有財産総合管理(ファシリティマネジメント)基本方針」に基づき、施設の売却や集約化・転用を含めた県有施設の老朽化対策を実施していくことで、今後見込まれる施設更新による将来負担比率の上昇の抑制を図っていく。
実質公債費比率は、低金利に伴う地方債の元利償還金の減少等により着実に低下していたが、令和3年度は基準財政需要額に算入された地方債の元利償還金の減少等により上昇した。将来負担比率は、平成29年度以降は充当可能財源が減少したこと等を受けて増加傾向にあったものの、令和3年度は充当可能財源が増加したこと等により改善された。本県の将来負担比率はグループ内平均値と比較して高い水準にあるが、主な要因としては、一般会計等の当該年度末地方債現在高等が大きいまま推移していることが挙げられる。各指標の改善に向けて、今後も経営改善のための見直しや公債費の適正化に取り組んでいく。