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人口減少と高い高齢化率(平成27国調36.7%)に加え、基幹産業が農業であり、かつ製造業等の立地企業がほとんど中小零細であるため、産業構造が極めて脆弱で全国平均を大きく下回っている。定員適正化計画に沿った人員配置や行財政改革プランに基づき、引き続き経常経費の縮減に努める。また、令和347号の通年通行を契機とした産業振興を重点課題とし、活力あるまちづくりを進めており、財政の健全化を図っている。
平成24年度以降は類似団体の平均値を若干下回る数字で推移しており、今年度も類似団体と比べ0.6下回っているが、前年度比で2.2ポイント増加している。これは分母である普通交付税や地方消費税交付金の減少が要因となっている。定員適正化計画に沿った職員数の抑制や事務事業の見直しによる経常経費の抑制に努め、投資的事業についても重要度や緊急度など厳選し、交付税措置のある地方債を活用するなど、事務事業の徹底した見直しにより現在の水準を維持する。
当市は豪雪地であり、平成24年度は戦後最大の積雪深(市街地で266cm(市独自計測))を記録した。また、近年の労務単価の高騰も相まって、除排雪経費は過去5年平均で約6億円に上っている。また、消防業務を隣接の大石田町から受託していること、さらには扇状地上に集落が点在する地理的な事情により公共施設が多いことなどが重なり、人件費、物件費、維持補修費の合計が類似団体に比較して高くなっている。除排雪経費は降雪状況により増減するが、定員適正化計画に沿った職員数の抑制や、保育所、小中学校の統廃合や民間委託の活用等により人件費・物件費・維持補修費のコスト削減に努める。
旧来からの給与体系により、類似団体や県内市町村平均と比較しても約3ポイント程度下回っていたが、平成18年度の給与構造改革以降は、自治体の制度均一化等により徐々に上昇した。平成23年度に国家公務員の給与引き下げにより100を超える指数となったが、特例措置がなかった場合の参考指数は、平成23年度が94.1、平成24年度が94.7となっている。平成28年度はほぼ横ばいであるが、類似団体と比べ1.2ポイント低くなっている。
人口減少が著しいことに加え、豪雪地であることや奥羽山脈の扇状沿いに集落が点在していることから保育所や学校が他団体よりも多いこと、さらには隣町の大石田町から消防業務を受託していること(消防職員平成28:50名)により、類似団体を上回っている。現在、小中学校の統廃合を進めており、また、定員適正化計画に沿った職員数の抑制や消防業務の効率的な運用を行うことで、類似団体の平均に近づける方針である。
実質公債費比率は類似団体に比べ2.4ポイント上回っており、これは新鶴子ダム償還金が大きな要因となっている。前年比では2.8ポイント改善しており、今後数値はダム償還終了の影響で下降するものの、新庁舎建設に係る元金償還が開始される平成31年度から一時的に上昇し、その後また下降すると予想している。今後も投資的事業の厳選に努め、実質公債費比率のさらなる抑制を図る。
新鶴子ダム建設に係る償還金の返還は平成27年度で終了し、長根下運動公園整備や福原中学校建設、道路新設改良事業など平成15年度までに集中的に行った大型事業が次々と償還終了することに加え事業の取捨選択により起債の抑制を図ったことから近年は数値の改善が図られている。今後、庁舎建設など大型事業が控えている事から安全安心に寄与する事業や緊急を要する事業などに厳選することとし財政の健全化に努めていく。
人件費について、25.3ポイントと類似団体と比べ2.1ポイント高くなっている。これは本市の集落が扇状地上に立地しており保育所や小中学校が点在していることや、大石田町から消防業務を受託していることなど行政サービスの差異によるものである。これまでも集中改革プランに基づき人員削減を実施してきたが、今後も保育所や小中学校の統廃合や民間事業所の参画などを進めながら、定員適正化計画に基づき人件費の抑制に努めていく。
施設管理に指定管理者制度を積極的に導入したこと、業務委託の長期継続契約の推進により経費の圧縮が図られたことで類似団体平均よりも低くなっている。今後も事務事業の効率化を推進し、物件費の抑制に努める。
高齢化率(平成27国調36.7%)が極めて高いこと、また地理的に保育所の数が多く、特別保育の需要も伸びていること、さらには少子化対策として独自に中学校3年生まで医療費を無料化していることが要因となり、類似団体より高くなっていた。平成26年度以降、よつば保育園が公営から民営に移行したこと、県の単独事業である子育て支援医療が拡充され市の医療費助成に対する経費が下がったことなどが要因となり、類似団体より低くなっている。今後、高齢化率は上昇し比例して扶助費も増加していくと見込んでいる。そのため事業の取捨選択を行いながら財政を圧迫することのないように努めていく。
豪雪地帯であるため降雪状況によって維持補修費は大きく変動し、平成28年度は1月中旬に記録的な集中豪雪があり、また今年度は「地域総合整備資金貸付事業」があり大きく増加の要因となっている。下水道や簡易水道等の公営企業会計への繰出しについても年々増加傾向となっている。公営企業の適用事業についても毎年事業計画の見直しを行うこととし、独立採算の原則に立った適正な料金体系を構築する。また、国民健康保険事業や介護保険事業については、健康増進事業を推進し負担の軽減に努める。
補助費は類似団体平均よりも低くなっているが、特に単独補助金の必要性の検討と終期を設けるなど毎年見直しを加えてきたことが要因である。今後も継続して見直しを進めることで補助費等の抑制に努める。
類似団体を上回っているのは、冬期間の快適環境づくりのため、流雪溝や防雪柵の整備を行っていること、また公営住宅や運動公園さらには学校建設などの大型事業の償還などにより、元利償還金が膨らんだことによる。ただし、近年は市債発行の縮減に努めたこともあり、類似団体との差は縮まっている。市債残高は毎年減少しているが、新庁舎建設や公共施設の長寿命化事業などの大型事業もあり、事業の取捨選択と交付税措置のある地方債の活用により将来負担の軽減に努めていく。
公債費以外については、類似団体の平均を下回っている。しかし、人件費と繰出金が大きなウエイトを占めており、定員適正化計画に沿った人員の抑制と下水道等の公営企業会計への繰出しが抑制できるよう、毎年事業計画の見直しを行うとともに独立採算の原則に則った適正な料金体系を構築するなど負担軽減に努めていく。また、国民健康保険事業や介護保険事業に対する繰出しに対しても、健康増進事業の推進により負担額の軽減に努める。
将来負担比率:類似団体に比べ、ダムの償還金や平成15年以前に行った大型事業に係る市債の残高の影響で高い水準となっていたが、当該事業の市債償還終了に伴いH26年度には類似団体を3.2ポイント下回った。平成27年度は、防災行政無線や高機能消防指令センター整備などの市民の安全・安心に係る事業を行い、前年比2.0ポイントの増加となっている。実質公債費比率:H24以前は実質公債費比率が18ポイントをこえており、起債許可団体となり財政健全化計画を立て、財政の健全化を取り組み、平成25年には18ポイントを下回り、平成27年度には13.8ポイントまで改善している。また、指標を大きく押し上げる要因となっていた新鶴子ダムの償還金も平成27年度で償還終了となり、平成30年度までは徐々に下降していくと見込まれる。
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