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人口が年々減少し、その年齢構成も少子高齢化が著しい状況に加え、基幹産業である酪農業では乳価の引上げなど農業所得は上昇傾向にあるが、後継者がいない等の理由による離農で農家戸数が減少しており、将来的には農業所得も減少することが予想される。本町の財政構造は地方交付税などに多く依存しており、住民サービスの低下を招かないようにしつつ、公共施設の統廃合等による経常経費の削減、ふるさと納税の取組の強化などにより財源を確保し、健全な財政運営に努める。
過去に実施した投資的事業に係る公債費、長期的に継続状態となっている国直轄事業に係る負担金、職員給与を含む人件費及び公共施設の老朽化に伴う維持補修費が経常経費の大部分を占めている。公債費については、平成27年度に事業が完了した天塩小学校改築事業や更岸浄水場整備事業などの大型公共事業に係る起債償還が予定されていることから、経常経費のさらなる増加が懸念される。引き続き、起債の抑制、職員定数管理の徹底、公共施設の統廃合や長寿命化対策を計画的に進めるなど義務的経費の抑制に努める。
人口1人当たりの人件費・物件費等決算額が類似団体を上回っている要因として、職員数が多いことがあげられる。また、公共施設の維持管理に要する経費も老朽化に伴い増加傾向にある。引き続き、職員定数管理の徹底、公共施設の統廃合を計画的に進め、人件費・物件費の抑制に努める。
給与水準については、平成20年1月から平成22年3月までの間は、給与の独自削減を行って行財政改革の一翼を担ってきたが、平成22年度からは本来の水準に戻し、類似団体と比較すると1ポイント程度高いものの概ね同様な推移を示している。
近年、地域における雇用の場の確保を推進している観点から、新規採用者について、地元出身者(主に高校生)を採用しており、定数管理計画に基づいた退職者補充数を若干上回っている状況から、類似団体平均値を4人程度上回っている。職員の定数管理計画に基づいた退職者補充を適正に行い、住民サービスの低下を招かないようにしつつ、職員配置の工夫を行いながら適切な定数管理に努める。
過去の投資的事業に係る償還のピークが過ぎ、新規の起債を抑制してきたことから、着実に比率は減少し、類似団体との差も小さくなってきている。今後も新規の起債が過大にならないよう新規発行を抑制し、安定した財政運営に努める。
起債残高の減少や債務負担行為に基づく支出予定額が減少したことにより一旦0%になったが、大型公共事業に伴う新たな起債発行による影響から類似団体を上回っている。大型事業終了後は、起債の発行抑制や経常経費の合理化・削減などで安定した財政運営に努める。
本町の職員の年齢構成は50歳台が多く20歳代が少ない傾向が続いていたが、高年齢層の定年退職と新規採用による補充で若年化が進み類似団体平均を下回る状況になっている。人口1,000人当たりの職員数は類似団体平均と比較して多いことから、引き続き、職員定数管理の徹底に努める。
類似団体平均と比べ、物件費の占める割合は4.6ポイント下回っているが、公共施設の管理に要する経費など物件費は増加傾向にある。住民サービスを低下させないようにしつつ、事務的経費などの経費削減の徹底を図る。
ひとり親世帯や高齢世帯の増加の影響等により、医療扶助や生活扶助費が増加傾向にあるほか、平成27年度から始まった子ども・子育て支援給付費の増加により扶助費の占める割合が大きくなってきている。住民の健康や子育て支援が重要な施策となっている。
その他の経常経費比率については、他会計に対する繰出金が主なものであり、平成27年度は町民保養センター事業を特別会計化したことによる増加のほか、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計に対する繰出金は増加傾向にある。また、水道事業では老朽化した配水管の更新、下水道事業ではクリーンセンターの長寿命化事業などが予定され、料金収入の見直しなどの検討が必要と考えている。
類似団体を大きく上回っている要因として、町立病院の赤字補てんや一部事務組合に対する負担金などがある。特に町立病院への赤字補てんは町財政圧迫の要因になっていることから、新公立病院改革プランに基づく経営改善が急務となっている。
過去の投資的事業に係る起債償還のピークが過ぎ、公債費の占める割合は減少傾向にあるが、天塩小学校改築事業等の大型事業に係る償還が今後の公債費に影響してくることから、多少の増減はあるものの緩やかな減少が続くと推測する。今後も起債の発行を抑制しつつ、償還額の減少・平準化を図る。
施設等の老朽化に伴う維持補修費の増加などにより、類似団体平均と同様増加傾向にある。。公共施設の統廃合、長寿命化対策を検討しながら経費の削減と平準化を図る必要がある。
実質公債費率については、類似団体と比較して若干高い傾向にあるが、天塩町の比率は減少傾向が続いている。しかし、小学校改築に係る償還が平成28年度から始まるほか、簡易水道事業では平成29年度から浄水場と配水池の整備事業が計画され多額の地方債借入を予定しており、今後、将来負担比率、実質公債費比率ともに上昇に転じることが予想される。引き続き、公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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