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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(平成27年10月31.7%)に加え、市内に中心となる産業が少ないこと等により、財政基盤は依然として弱い。第11次倉吉市総合計画に沿った施策の重点化の両立に努め、活力あるまちづくりを展開しつつ、行政の効率化に努めることにより、財政の健全化を図る。なお、平成27年度から属する市町村類型に異動があったため、いくつかの指標で平成26年度までのものと比べ、類似団体内平均値との相対的な関係が大きく異なる。
平成28年度は、分母となる経常一般財源等が地方消費税交付金及び地方交付税等の減により前年度比517百万円減少したことから、前年度比4.5ポイント増の95.4%となった。類似団体(平成28年度決算ベース)と比較して高いのは、扶助費(類団比較2.8ポイント)、物件費(類団比較0.9ポイント)である。また、下水道事業に代表される公営企業への繰出金が高いことが経常収支比率の高さに影響を与えている。
人件費、物件費ともに類似団体平均以下であることから、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、類似団体平均を下回っている。今後は、箱もの施設の譲渡や指定管理者制度の導入等により、既存施設の維持管理に係る経費を抑制していく。
類似団体と比較した場合については0.9下回っているが、本市の前年度と比較すると0.5上昇した。今後においても、より適正な給与水準とするべく調査検討を行い、可能なものから実施していくことを通じ、改善を図るよう努める。
類似団体と比較すると、2.4人程度下回っている状況である。平成29年4月1日現在の職員数は431人であり、定員適正化計画で目標とし達成した平成27年4月1日の職員数433人から2人の減となっている。今後においては、定員管理に関する計画を策定し、適正を図るよう努める。
平成8年度からの地域総合整備事業債の償還が平成23年に完了したこと等により、分子部分を構成する公債費充当一般財源等が減少しているが、分母部分を構成する合併算定替の縮減等による普通交付税の減が影響し、前年度比増減無しの13.0%となった。数値の増減は見られないが、引き続き類似団体を上回る数値となっており、下水道事業への準公債費分が比率を押し上げる要因となっている。
一部事務組合への準公債費を含む地方債残高の減少や、職員数の減による退職手当負担見込額の減少により改善傾向にあったが、平成28年度は分子部分を構成する財政調整基金の取崩しによる充当可能基金の減と、分母部分を構成する合併算定替の縮減等による普通交付税の減が影響し、前年度比3.8ポイント増の121.6%となった。
人口あたりの職員数が類似団体より少なく、給与水準(ラスパイレス指数)が類似団体平均を下回っているため、人件費に係る経常収支比率は、類似団体平均より低くなっている。今後も行財政改革への取り組みを通じて人件費の削減に努める。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均を大幅に上回っている要因は、下水道事業特別会計への繰出金が多額になっているためである。平成28年度は、下水道事業特別会計と集落排水事業特別会計への繰出金が増加した結果、平成27年度と比較して1.2ポイントの増となっている。
補助費等の総額を押し上げている中部ふるさと広域連合への負担金が前年度より増加したため、前年度比0.7ポイント増の10.1%となったが、依然類似団体平均を下回っている。
大口の地域総合整備事業債等の償還を終えたことにより、分子部分を構成する公債費総額及び充当する経常一般財源等とも減少傾向になっている。一方で、分母部分を構成する経常一般財源等が、主に地方消費税交付金及び地方交付税の減を要因として大きく減額したことから、結果として経常収支比率としては、平成27年度と比較して0.8ポイントの増となっている。
人件費は類似団体と比べ低いものの、扶助費や物件費、繰出金等の経費が高い水準にある。今後も社会保障・児童福祉に係る経費の増大が見込まれるため、その他の経常経費の削減に努める必要がある。
将来負担比率及び実質公債費比率について、類似団体と比較し高い水準ではあるが年々下降傾向にある。将来負担比率が下降している主な要因としては、下水道事業債残高の減少に伴い公営企業債等繰入見込額が減少したことが考えられる。また、実質公債費比率が下降している主な要因としては、平成8年度及び平成14年度に起こした公共用地先行取得債の償還が、それぞれ平成23年度及び平成24年度で終了したこと等が考えられる。一方で、医療機器関連企業誘致事業の財源として発行した地域活性化事業債、小中学校耐震補強事業の財源として発行した全国防災事業債、緊急防災・減災事業債の据置期間終了に伴い、元金償還が開始することにより、今後、元利償還額が増額するため、実質公債費比率への影響を考慮し、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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