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市税は横ばいで推移しており、地方交付税が歳入の約4割を占める極めて脆弱な財政構造であり、財政力指数は類似団体平均と比較しても大幅に下回る状況となっている。今後は、人口減少などの影響もあり、税収をはじめとする自主財源の大幅な増加は期待できない状況であることから、2018年3月に策定した「士別市行財政運営戦力」をもとに行財政改革の取り組みを推進するとともに、公共施設マネジメントの実施などにより歳出の削減を図り、財政基盤の安定化を図る。
経常収支比率は前年度より3.7ポイント悪化し、99.4%となった。歳入に占める地方交付税の割合が高く、脆弱な財政構造であるため、地方交付税の増減を受けやすく、地方交付税が前年に比べ3.8%減となった影響が大きく、歳出では、人件費増の影響により委託料が増加傾向となっており、加えて、29年度は大雪の影響で除排雪経費が約1億円増加となったことが、経常収支比率悪化の要因として挙げられる。今後においては、公共施設マネジメントの実施により施設の最適化を図るとともに、全事業における経常経費の削減と市税収納確保を図り、財政基盤の強化に努める。
本市は、過去2度にわたり合併を行っていることから行政面積が広く、支所地区が4地区あり、集落における行政サービスの低下を招かないような職員体制をとっている。そのため、類似団体と比較すると人口一人あたりの職員数が多く、人件費・物件費等は、平均を上回る状況となっている。18年度から22年度までの5年間実施した前定員適正化計画において、目標とした5.7%の削減割合を大きく上回る12.5%の職員数削減を行ったところであり、さらに、26年度から5カ年間の新定員適正化計画を実施しており、引き続き適正な人員管理に努める。
行政面積が広く、1つの総合支所と3つの出張所があることなどもあり、人口千人当たり職員数は類似団体を大きく上回っている。現在は、26年度から5カ年間の新定員適正化計画を着実に推進しているところであり、引き続き適切な定員管理に努める。
財政上有利な起債を優先して発行していることと、利率が低く推移している影響で、実質公債費比率は改善しているものの、大型建設事業の実施により起債残高が増加しており、今後においては、庁舎改築事業などの大型事業により、さらに起債残高が増加することから、実質公債費比率の上昇が見込まれる。公共施設マネジメントに取り組むとともに、債務償還バランスを指標として、緊急度や住民サービスのニーズなどから総合的に判断し事業選択を行うことで、起債発行の抑制に努め、財政の硬直化の解消を図る。
本市は、広大な行政面積と過去2度の合併を実施した経過から集落が点在しており、各地区において公共施設、インフラ整備を実施してきたことから地方債残高が多い状況にあり、将来負担比率が類似団体平均と比べ大きく上回っている状況である。今後は、庁舎改築事業など大型事業により起債残高が増加する見込みであることから、2018年3月に策定した「士別市行財政運営戦略」に基づき、発生主義の考え方を取り入れた債務償還バランスを指標のひとつとして起債の発行額を判断することで、公債費の抑制を図るほか、経常的経費の見直しを図ることにより、財政の健全化に努める。
類似団体平均と比較すると、人件費に係る経常収支比率は低くなっている。本市は行政面積が広く、過去2度合併を行っていることから集落が点在しており、防災対策などの行政サービスが低下しないような職員体制を図り、今後においても引き続き、「士別市定員適正化計画」に基づく人員配置及び組織機構の見直しを図る。
物件費に係る経常収支比率が高くなっているのは、市民サービス水準の向上や運営の効率化、各種経費の節減を着実に実施するため、「指定管理者制度」の積極的な導入や「民間委託」等による民間活力の活用を推進した結果、委託料の支出が多いことが要因として挙げられる。近年は、労務単価の上昇に伴い委託料が増加しており、物件費は増加傾向にある。今後は、公共施設マネジメント計画のもと、公共施設の必要性や規模などの検証を行い、効率的な市政運営に努める。
類似団体平均を上回っている状況となっている要因としては、道路除排雪経費等が増加していることと、公共施設の老朽化に伴う維持補修費が増加していることが挙げられる。今後は、公共施設マネジメント計画のもと、公共施設の規模の検証と施設の長寿命化に向けた計画的な維持補修を行い、効率的な市政運営に努める。繰出金については、繰出基準に基づき適正な支出に努めている。
補助費等の経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、主に病院事業会計への補助金が要因となっている。病院事業会計においては、医師・看護師不足などの影響から医業収益が確保できずに収支不足額が拡大しており、28年度には経営改革プランの見直しを行ない、経営改善に取り組んでいるが、依然として厳しい経営状況にある。収支不足額は、繰出基準の新たなルール化を図り補てんしており、負担のあり方の検証と、経営健全化に向けた取り組みを進める。
平成18年度からの財政健全化計画により新規起債発行額を抑制し、23年度からは「財政運営方針」に基づき毎年の新規起債発行額を、償還元金の範囲内とすることにより、地方債残高を減少させるよう努めてきた。27年度からは、大型公共事業の実施に伴い、新規発行額が元利償還金を上回っており、今後公債費の増加が見込まれるものの、持続可能な財政バランスを維持するために、引き続き公債費の抑制に努める。
物件費及び補助費の支出が高くなっており、類似団体平均を上回る状況となっている。今後は上記分析欄で示したとおり、支出の縮減を図り、効率的な市政運営に努める。
総延床面積の約4割が、高度経済成長期後の昭和50年代からバブル期終盤の平成3年頃にかけて建設したものであり、これらは建設後30年を経過している。公共施設マネジメント計画に基づき施設の適切な維持管理や再編を推進する。
本市は、広大な行政面積と過去2度の合併を実施した経過から集落が点在しており、各地区における公共施設、インフラ整備を実施してきたことから地方債残高が多い状況にあり、類似団体平均と比べ将来負担比率が大きく上回っている状況である。
起債の借入額の抑制に努め、財政上有利な起債を活用することで、将来の財政負担の軽減を図っているため、将来負担比率及び実質公債費比率は改善傾向となっているものの、類似団体平均と比較すると高い状況となっている。
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