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財政基盤の弱い自治体同士が合併したことから、合併時から財政力指数は低くなっていたが、合併後も人口の減少や全国平均を上回る高齢化率に加え、基幹産業の農林水産業の衰退や安定した雇用を確保する産業がないことから税源に乏しく、類似団体平均を大きく下回っている。今後は、新しい産業の創出と若者の雇用を図ることで財政基盤の向上を目指したいが、短期間での向上は期待できないことから、行政改革大綱に基づく集中改革プログラムの実施や財政健全化計画の数値目標の実施に向け、行政のスリム化と財政の健全化に向けた取り組みを強化していくこととしている。
税収が乏しく経常一般財源の約70%を普通交付税に依存していることから、普通交付税の動向により比率が大きく変動する構造となっている。比率は、合併により多くの職員と多額の地方債残高を抱えていることから、人件費及び公債費の比率が高くなっており、今後も税収の伸びが期待できず、平成28年度から段階的に普通交付税が減少していることから、行政改革大綱に基づく集中改革プログラムの実施や財政健全化計画の数値目標の実現に向け、集中改革プランに基づき行政のスリム化を図り、経常経費の削減に努めたい。
合併により非常勤職員を含めた多くの職員と類似の公共施設が多数存在していることから、人口一人当たりの決算額は類似団体の平均を上回っている。職員数については、定員管理適正化計画に基づき計画的に削減されているが、公共施設の統廃合については、早急な成果は得られていない状況である。今後は、行政改革大綱に基づく集中改革プログラムの実施や財政健全化計画の数値目標の実現に向けた取り組みの他、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合、民営化等を住民の理解を得ながら着実に進め、経費の削減を図りたい。
指数は平成23年度から平成25年度まで類似団体平均を若干上回っていたが、平成28年度は類似団体平均を1.4ポイント下回った。本市は、類似団体と比較して、総職員数に占める入庁20~25年の職員の割合が高くなっているが、平成28年度は退職等により入庁30年前後の職員数が減少したことにより類似団体平均を下回る数値となった。今後は、職務職階制度の適正な運用により、住民から理解される給与制度にするとともに、手当の見直しや職員数を削減し、人件費の削減を図りたい。
職員数は、平成17年の合併時から平成29年4月までの11年間で202人減少した。平成24年度に消防組合の解散により人口当たりの職員数は大きく増加したが、平成25年度以降は定員管理適正化計画に基づき人口当たりの職員数は減少した。今後も定員管理適正化計画に基づき、平成27年10月1日から平成32年度末までに職員45人の削減を進めていくことで平均に近づけていきたい。今後も人口が減少していくことが予想されることから、事務事業の見直しや施設の統廃合も含め、最終的な職員数を人口千人当たり10人以内としたい。
本市の地方債残高からすると比率は低く、類似団体平均を下回る状況となっているが、地方債残高に占める過疎債、辺地債等の割合が高く、基準財政需要額に算入される額が多いことが主な要因となっている。平成28年度の比率が改善した主な要因は、公債費に充当された一般財源等の減少と基準財政需要額に算入された公債費の増加によるものである。今後も、市債の発行を抑制し、公債費の負担軽減を図りたい。
比率は年々改善してきており、類似団体平均を大きく下回っている。平成28年度の将来負担額は359億2千万円で、主なものは地方債残高が291億6千万円で全体の81%を占め、次いで職員の退職手当支給見込額、公営企業債への繰入見込額となっている。比率が大きく改善した主な要因は、公営企業債への繰入見込額及び退職手当支給見込額の減少と将来負担額を減少する基金残高が増加したこと等によるもので、平成26年度から続き将来負担は「なし」となった。今後も、市債の発行を抑制するとともに、職員数の削減等を計画的に進め、将来負担の軽減を図りたい。
人件費に係るものは、平成28年度において30.1%と類似団体平均と比べてかなり高い水準にある。これは、合併以前から多くの職員を抱えていたことと、病院や特別養護老人ホームなどの施設運営を直営で行っているために、職員数が類似団体平均と比較して多いことが主な要因であり、行政サービスの提供方法の差異によるものと言える。現在、民間でも実施可能な部分については、指定管理制度の導入や行政嘱託員報酬など委員等報酬の制度の見直しを含め適正化を図ります。
物件費が類似団体平均に比べて下回っているのは、合併以降、行政改革大綱に基づく集中改革プログラムに基づき経費の削減を図ってきたところであったが、平成27年度からふるさと納税の返礼品が増加となった。また、1市4町で合併したことから旧市町で所有していた施設数があるため、類似団体よりも施設が多く存在しており、施設の管理費に多額の経費を要していることから、今後も、類似の公共施設の統廃合を進めるなど、経常的な物件費の削減を図りたい。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、かつ上昇傾向にある要因として、少子化対策として中学生までの医療費無料化及び保育料負担軽減を実施していることから、扶助費における児童福祉費の割合が高くなっていることが挙げられる。今後の具体的改善については難しいが、住民への福祉サービスを維持していくための財源確保が大きな課題である。
その他に係る経常収支比率は類似団体平均より下回っている状況を維持している。その他に係る経費については繰出金が主であり、後期高齢者医療特別会計繰出し金及び介護保険特別会計への繰出し金への負担が大きくなっている。今後も高齢化率が進むため、両特別会計への繰出し金が増加する予想となっている。介護保険特別会計については介護保険料の適正化を図ることなどにより、税収を主な財源とする普通会計の負担額を減らしていくよう努める。なお、後期高齢者特別会計は県内で保険料が定められているが、医療に係る前の健康増進等へ力を入れて医療費抑制に努める。
補助費等については、平成25年度に消防組合の解散により人件費へ性質が変更となったことにより大きな減少となり、類似団体平均より6ポイント下回っている状況を維持している状況である。今後も高齢化の進展により病院事業会計への補助金、清掃センター建設のため一部事務組合への負担等、経費増加が見込まれるが、事業の見直し、健康予防の促進等を行い、経費の縮減に努めていく。
合併市町の地方債残高を引継ぎ、発行額を抑制することにより年々減少傾向であったが、大型の施設整備事業等を行ったことにより地方債の元利償還金が膨らみ、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を2.3ポイント上回っている。公債費の負担は非常に大きいものとなっている。庁舎耐震事業や公共施設除却事業等、先送りできない大型事業等の計画が見込まれ、今後も公債費が膨らむことが予想されるが、南さつま市財政健全化計画に基づき、地方債発行額の抑制に努めていく
公債費以外の経費の比率については、平成24年度から類似団体平均を下回っている。平成28年度は前年度と比較して増加しているが、類似団体平均よりも3.5ポイント減と下回っている。昨年度と比較して増加した主な要因は、病院事業会計への特別会計等への繰出し金や少子化対策の扶助費の前年度と比較して増加したことである。しかし、依然として類似団体と比較して人件費が高くなっているため、定員管理適正化計画に基づき削減してはいるが、今後も制度の見直しを含め適正化を図りたい。
将来負担比率及び実質公債費比率ともに、H23~27のいずれの年においても、類似団体内平均値よりも低い比率にあり、また、類似団体を上回るペースで年々、改善がなされている。将来負担比率はH26から「なし」となり、実質公債費比率も5年間で4.6ポイント改善するなど、基金残高の増加に努めたことや、辺地債や過疎債などの交付税措置が優遇される起債を活用し、将来に備えた財政運営に努めてきた効果が数字に現れてきている。
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