地域において担っている役割
人口減少と少子高齢化が進む本地域において本病院は、二次救急医療を提供できる医療体制を堅持しながら、「かかりつけ医」としての機能を発揮し、長期の医療・介護が必要な方のための在宅復帰支援や院内で看取るターミナルケア体制の確保を図りながら、一般急性期から慢性期への患者の医療体制に取り組んでいる。
経営の健全性・効率性について
①経営収支比率経営収支比率は毎年度100%前後で推移している。②医療収支比率経営収支比率は類似病院の平均値を上回っているが、全国平均は下回った。③累積欠損金比率当年度未処理欠損金は減少し、類似病院の平均値を大きく下回っている。④病床利用率令和2年度に病床転換(一般病床26床、介護医療院18床)全てを記入したため、100%を超えたが、令和3年度は一般病床26床で記入した結果、病床利用率は類似病院の平均値を下回った。⑤入院患者1人1日当たり収益入院患者数が昨年度より522人増加したことと、短期間での入院患者が増加したことによる入院患者1人1日当たり収益が大きく増加した。⑥外来患者1人1日当たり収益外来患者1人1日当たり収益は、在宅医療の増加で外来患者収益単価が増加したが、類似病院の平均値を下回った。⑦職員給与費対医業収益比率職員給与費対医業収益比率が昨年と比較して9.7ポイント減少いているが、これは、職員給与費は昨年度並みではあるが、医業収益が増加したことによるものである。⑧材料費対医業収益比率は、毎年度5%前後で推移しており、類似病院の平均値を下回った。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率本病院は、平成18年10月に新病院の建設を行っていることから有形固定資産減価償却率が低い。②機械備品減価償却率減価償却が終了した器械備品があり、機械備品減価償却が減少した。今後も計画的な器械備品の更新を進める。③1床当たり有形固定資産類似病院と比べ高度医療検査機器等の整備等がないため、有形固定資産は少なめに推移した。
全体総括
本病院の経営環境は、地域の人口減少及び医師不足等により厳しい経営状況になっている。公立病院プランに基づき、令和2年度に病床転換(一般病床26床、介護医療院18床)を行い、地域が必要とする病院経営を目指し、近隣の公立病院や民間病院との機能分担と連携強化に努めながら安定した経営形態を確立する。