地域において担っている役割
浜松市国民健康保険佐久間病院は、浜松市天竜区北部にある唯一の公立病院であり、第二次救急病院として患者を受け入れるとともに、「へき地医療拠点病院」の指定を受け、地域の保健予防活動や附属診療所への職員派遣、訪問診療や往診、無医地区への巡回診療を行うなど、地域完結型医療の推進に取り組んでいる。
経営の健全性・効率性について
令和3年度から療養病床20床を削減し、一般病床40床の運営とすることで経営の効率化を図った。一方で、過疎化による人口減少に加え、新型コロナウイルス感染症による受診控えや感染予防対策の定着などの影響から、入院・外来患者数が減少していることで、医業収支比率は平均値を下回っている。
老朽化の状況について
浜松市国民健康保険佐久間病院は、19年前に改築を行っており、有形固定資産減価償却率は平均値に比べ低くなっているが、一方で、医療機器は耐用年数を経過するものが増加し順次更新を行っているが、器械備品減価償却率は平均値を上回っている。
全体総括
浜松市国民健康保険佐久間病院は、浜松市天竜区北部の医療と福祉の中核となる病院で、高齢化率が高い当該地域にとって、極めて重要な医療機関である。また、新型コロナウイルス感染症への対応として発熱等診療医療機関の指定を受け、発熱診療や抗原検査を実施するなど新型コロナウイルスの感染防止に努めている。引き続き、医師の確保や設備等更新といった当病院が抱えている課題にきめ細やかに対応し、医療水準を持続的に確保していく必要がある。