地域において担っている役割
当センターは、高度救命救急センターとして、ドクターカーや救急ヘリ等の積極的な活用を図り、重篤な救急患者に対する救命医療を担うとともに、広範囲熱傷や指肢切断等の特殊救急疾患に対応する医療を提供している。また、基幹災害拠点病院として、県災害医療システムの中核施設であり、災害時における医療に関して司令塔的役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、前年度と比較すると、病床利用率は低下したものの、入院単価の増加により、入院収益がやや増加したことや他会計負担金の増加で医業収益が増加した。費用については、職員給与費及び材料費の対医業収益比率が減少したこと等により、医業費用の増加が抑制されたことから、医業収支比率は85.4%と前年度比1.7ポイント改善した。また、令和3年度をもって累積欠損金を解消するに至った。
老朽化の状況について
平成15年8月の開設以来19年が経過し、施設・設備の老朽化による修繕が必要な箇所や更新時期が到来している医療機器が増加傾向にある。現在、修繕計画や購入計画を立案し、対応しているが、更なる計画進度のスピードアップが課題となっている。
全体総括
経営改善に向け、①県下救急隊との一層の連携強化を図る、②隣接する神戸赤十字病院と医療機能を十分に発揮し、互いに機能を補完しながら経営改善を図る、③ソーシャルワーカーの早期介入により、入院患者の早期転院等を促進し、病床回転率を上げて入院診療単価の向上を図る、の3項目を中心に取り組んでいく。また、それと並行して適切な施設・設備の維持修繕、医療機器の更新を実施することにより、センターの機能維持を図るとともに経営の安定化を目指す。