地域において担っている役割
大間病院は本州最北端に位置し、青森県下北半島の北通り3ヶ町村(大間町、風間浦村、佐井村)の地域包括医療を担う中核病院です。この地域は交通アクセスが非常に厳しい地理環境にあります。そのような環境の中で、入院、外来診療はもとより、救急診療、血液透析、リハビリテーション、訪問診療、訪問看護、へき地診療、看取り、老人ホームへの巡回診療、健診・予防接種等の保健活動、産業医活動など限られた医療資源のなか、地域住民に必要な一次医療全般を担っています。
経営の健全性・効率性について
前年度に比べ、経常収支比率、医業収支比率、病床利用率が増加しており、昨年度と同様に累積欠損金は発生しておらず、後発品の採用を促進し薬品費の増加を抑制しております。また、令和3年度は、入院相談室・研修室を新たに設置し、入退院に係る面談、カンファレンス等がより効率的に行われております。
老朽化の状況について
施設については平成4年に新築移転後、平成24年に外壁等改修工事のほか、計画的な修繕等を行っていることから、有形固定資産減価償却率の上昇が抑えられております。器械備品減価償却率は、類似病院平均を下回っております。今後、耐用年数満了に伴う機器更新や、透析通信システム等の新規導入も予定していることから、企業債、県補助金及び町負担金等を活用し、計画的に更新を行ってまいります。
全体総括
入院収益、外来収益及び市町村補助金等について、前年度に比べ増となっており、純利益決算となりました。入院収益増加の要因として、リハビリ等の医療行為を必要とする高齢者の患者増加に伴うものと考えます。また、外来収益増加の要因として前年度に比べ患者数は減少しておりますが、発熱外来患者増加に伴う、収益増によるものと考えます。入院及び外来患者数について、その維持及び確保が施設経営の基盤となるものであることから、地域の人口減少、高齢化による今後の医療需要の変化に対応し、急性期医療の提供を維持しつつ、地域医療構想を踏まえた病床機能分化の検討と診療報酬に係る施設基準の見直しにより収益の改善を図ってまいります。