地域において担っている役割
当院は、救急告示病院として救急患者を受け入れているが、手術を行っていない(休止している)。そのため、近隣の急性期病院で治療を経た患者に、在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供しており、主に回復期機能を有した病院としての役割を担っている。また、在宅医療の提供として訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーションにより切れ目ない医療を提供し、地域における地域包括ケアシステムの中核を担う病院として役割も果たし、住民の健康維持・増進を図っている。
経営の健全性・効率性について
1月下旬から約3週間コロナ院内感染で外来休診、新規入院受入休止など診療体制縮小で厳しい経営状況が迫られたものの、入院・外来患者数、入院単価、外来単価、病床利用率の増で医業収入が増加し、整形外科常勤医師配置の一方、看護師等職員構成の若年化に伴い人件費が抑制され、医業収支比率、給与費比率とも改善した。病病連携で他院からの紹介が増加しているなかで、さらなる地域包括ケアシステム深化・推進のため、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリの充実を図り、持続可能な病院経営を行っていく。
老朽化の状況について
施設設備は建築後39年が経過している。施設の老朽化が進み補修や修繕をしながら使用している状況である。経営状況を鑑み、有利な地方債を活用し緊急性のあるものから優先的に改修、更新を行っている。施設の建替え等大規模な改修については、経営強化プラン策定を機に町と具体的に検討するなかで方向性を定めていく。
全体総括
令和3年度診療体制については、内科常勤医師3人に加え、新たに整形外科常勤医師1人が配置できたことで、患者数、医業収入とも増加した。発熱外来設置等公衆衛生の一翼を担い、健康講座の再開や、訪問診療等治し支える医療の推進で地域住民の健康維持・増進にも貢献できたと考えている。また、新型コロナ対応経費が増嵩するなかにあっても、診療材料や契約内容の見直し、価格交渉に取り組み、一定の経費削減を図り、材料費対医業収益比率の改善につながった。今後も限られた医療資源を最大限活用し、住民が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう地域に根ざした病院として経営強化を図る必要がある。