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財政力指数は、前年度から変わらない数値であった。過去5年間の推移をみるとほぼ横ばいの状態である。過疎化や高齢化が進むなか、歳入は地方交付税や国県支出金の占める割合が高く、自主財源の確保に課題がある。今後は、第6次えびの市総合計画に沿った施策を進めつつ行政の効率化による財政の健全化を図っていく。
前年度と比べると3.2ポイント上がり、類似団体平均値と同水準となっている。市税において固定資産税現年課税分の122,771千円の増はあるものの、臨時財政対策債が前年度比213,441千円、普通交付税が193,569千円の減となり、分母全体では85,641千円の減となったこと等が要因である。依然として財政が硬直化している状態であるため、今後も徹底した行財政改革に取り組み、事務事業の見直しなどにより経常経費の抑制を図っていく。
ふるさと寄附金の歳入減に伴うふるさと寄附金事業委託料52,392千円の減等により、対前年度比較で人口一人当たり5,452円の減となっている。今後、物価高騰対策等事業に係る物件費・人件費の増も見込まれるが、各業務の必要性の再点検を行い、無駄を徹底的に排除して、経費抑制に努める。
ラスパイレス指数は前年度より0.2ポイント増加した。全国市平均より低い状態であるが、類似団体平均より1.1ポイント高い状態となっている。今後も公務員制度の動向を見極めながら、給与の適正化に努める。
職員数は前年度と同数であるが、人口が前年より217人減少し、人口減少幅が大きくなったことにより、人口1,000人当たりの職員数は、前年度より0.15人の増となった。庁内の機構改革や業務の見直し等を継続すると同時に、指定管理者制度の推進、業務システム整理・構築・活用等により業務の効率化、適正化を図り、職員数の定数管理を行っていく。
宮崎県平均及び類似団体の平均からは下回ってはいるものの、前年度比は0.7%の増となった。増となった主な要因は、平成29・30年度に実施した宮崎水俣線加久藤橋橋りょう工事事業に伴う起債の償還が開始されたことによるもの。経常的な道路の維持管理費に加え、市の保有する施設の約70%以上が築30年以上経過しているため、令和3年3月に策定した「えびの市公共施設個別計画」に基づき、計画的に施設を更新し、起債額が過大に膨れ上がらないよう抑制していく。
前年度に引き続き将来負担比率は発生しなかった。主な要因は、西諸広域行政事務組合の地方債残高が減少したことなどにより、将来負担額が減少したこと、並びに財政調整基金の基金の積立てを行い、充当可能財源が増となったことがあげられる。今後も公債費等義務的経費を伴う事業については、事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。
前年度から1.2ポイント増加して、依然として類似団体内・全国平均と比較しても高い水準となっている。この要因は、制度見直しによる非常備消防団員の報酬の増などによるもの。今後も、事務事業の見直し、改革を進めながら職員の適正配置を引き続き行っていく。
物件費の経常収支比率は、前年より1.1ポイント増加したが、依然として類似団体平均を下回っている。今回の数値増の要因は、決算分析の見直し等によるところが大きい。引き続き、経常経費の削減に努めていく。
扶助費の経常収支比率は、被保護世帯(受給対象者)の減による医療扶助費等の減少を主な要因として、前年から0.8ポイント減少となり、近年は数値下降の傾向が続いている。今後は、高齢化等により扶助費は増となり、経常収支比率も増加に転じることが見込まれる。資格審査の適正化等により、上昇傾向の抑制に努める。
その他の数値は前年より0.7ポイント減となったが、依然として類似団体平均を上回っている。維持補修費について0.5ポイント減少したが、経費削減した訳でなく、特定財源の充当先見直しによる。今後も施設の老朽化対応を「えびの市公共施設等総合管理計画」に基づいて計画的に行う。また、繰出金に関しては、介護保険特別会計における介護保険料の適正化を図ること等により、普通会計の負担額を減らすよう努める。
補助費等は、前年度から0.2ポイントの増となったが、引き続き類似団体平均を下回っている状態となってる。今後も、補助金適正化に関する指針に基づく補助事業評価の実施等により、補助金適正化に努める。
公債費は前年度から2.2ポイントの増となったが、なお類似団体平均より5.8ポイント低い数値となっており、過去5年間でも継続して低い状態となっている。今後も、「えびの市公共施設等総合管理計画」に基づき、老朽化が進む市保有の施設等を計画的に更新し、起債額が急激に膨れ上がらないよう努める。
公債費以外は、1ポイント増となり、依然として類似団体との比較で高い水準である。これは、人件費・その他が高いことが要因となっている。当初予算編成において経常経費のシーリングをかけ、単独事業の見直しを図るなど、財政圧縮に努めつつ、市税徴収率の向上を図り税財源の確保も努めていく。
(増減理由)基金積立額が約10億2千万円に対し、取崩し額が約7億5千万円であったため、令和4年度末の基金残高は、約71億5千万円となり、前年度から約2億7千万円増額となった。主な増額の要因は、財政調整基金の積増しによるもの。(今後の方針)基本的には、それぞれの基金使途目的に基づいて積立て取崩しを行っていくが、喫緊の課題である公共施設の老朽化への対応や、今後実施する大型建設業に備え、公共施設等整備基金を中心に特定目的基金の積立を行っていく方針。
(増減理由)前年度の決算剰余金の2分の1の約3億4千8百万円を積立てたこと、また一般会計への繰入額がゼロであったため、財政調整基金は、前年度より約3億4千8百万円増額となった。(今後の方針)災害など不測の事態へ対応するための経費として、また収支の不足等に対応し安定した財政運営を行っていくため、実質収支の黒字を維持し、財政調整基金への積立額を確保していく。
(増減理由)令和3年度の国の通知により、普通交付税で措置された令和3年度の臨時財政対策債の元利償還金の積立分を取崩し22千円の減となっている。(今後の方針)償還計画に基づきそれぞれの地方債を償還していき、収支のバランスを見ながら積立て、取崩しを行っていく。
(基金の使途)公共施設等整備基金:公共施設の建設や維持補修に係る財源心のふるさと基金:心のふるさと寄附金の寄附者が指定した地域福祉の充実・自然環境保全・伝統文化保全に関する事業等の財源職員退職手当基金:職員の退職手当の財源ぷらいど21基金:市民が実施するまちづくりを推進するため、市内4地区の地域運営協議会事業の財源子育て支援対策基金:第3子以降の保育料無償化給付等に係る事業の財源(増減理由)心のふるさと寄附金が減少したことにより基金積立金も減少し令和4年度は約5億2千万円であった。一方で基金を取崩しての繰入額(事業への充当額)は約5億7千5百万円となったため、差額の約5千5百万円分基金残高が減少することになった。ぷらいど21基金は、使途目的の事業の財源とするため基金を取崩しているが、現在積立ては行っていないため、年々減少している。(今後の方針)それぞれの基金使途目的に基づいて積立て取崩しを行っていく。
当市の有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値と同程度の水準にある。令和2年度に策定した「えびの市公共施設個別計画」により、施設の維持管理を適切に進め、さらに計画を具体的に見直し・改訂していく必要がある。
当市の債務償還比率は、県内平均・類似団体平均と比較してもを大きく下回っている。令和3年度普通交付税の追加交付を要因として財政調整基金残高が増額となったこと等により、将来負担額が減額したことが比率減少の要因となっている。今後も引き続き、公債費の適正化に取り組んでいく。
当市では地方債を計画的に発行して将来負担額の抑制に努めており、将来負担額を充当可能財源等が上回るため、将来負担比率は算出されない状況が続いている。有形固定資産減価償却率は上昇傾向にあるが、類似団体内平均値内におさまっている。ただ、上昇傾向にあることから、今後は公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化対策に積極的に取り組んでいく。
引き続き将来負担比率は算出されず、実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にある。実質公債費比率は緩やかに上昇しているが、これは平成28年度から令和2年度にかけての大型事業の市債の償還開始に伴うものである。次年度以降も比率の上昇が見込まれるが、急激な上昇は想定していない。引き続き、公債費の適正化に取り組んでいく。
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