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財政力指数は、前年度から0.01減少したが、過去5年間の推移をみるとほぼ横ばいの状態である。過疎化や高齢化が進むなか、歳入は地方交付税や国県支出金の占める割合が高く、自主財源の確保に課題がある。今後は、第6次えびの市総合計画に沿った施策を進めつつ行政の効率化による財政の健全化を図っていく。
前年度と比べると2.7ポイント下がり過去5年間では一番低い結果となった。税収が減少したものの、普通交付税及び地方消費税交付金が増額されたことにより経常一般財源が増となったことが主な要因。しかし、依然として財政が硬直化している状態であるため、今後も徹底した行財政改革に取り組み、事務事業の見直しなどにより経常経費の抑制を図っていく。
一般職員及び特別職員の退職に伴う退職金が増額となったこと等により前年度と比較すると、人口1人あたり24,328円の増となっており、類似団体と比較しても高い状態となっている。また、物件費については、新型コロナウイルス予防接種事業による約65百万円の皆増等が主な増額の要因である。
ラスパイレス指数は前年度からの変動はなかった。全国市平均より低い状態であるが、類似団体平均より0.8ポイント高い状態となっている。今後も公務員制度の動向を見極めながら、給与の適正化に努める。
職員数は前年度と同数であるが、人口が前年より548人減少し、人口減少幅が大きくなったことにより、人口1,000人当たりの職員数は、前年度より0.37人の増となった。庁内の機構改革や業務の見直し等を継続すると同時に、指定管理者制度の推進、業務システム整理・構築・活用等により業務の効率化、適正化を図り、職員数の定数管理を行っていく。
宮崎県平均及び類似団体の平均からは下回ってはいるものの、前年度比は0.4%の増となった。増となった主な要因は、平成28・29年度に実施した宮崎水俣線加久藤橋橋りょう工事事業に伴う起債の償還が開始されたことによるもの。経常的な道路の維持管理費に加え、市の保有する施設の約70%以上が築30年以上経過しているため、令和3年3月に策定した「えびの市公共施設個別計画」に基づき、計画的に施設を更新し、起債額が過大に膨れ上がらないよう抑制していく。
前年度に引き続き将来負担比率は発生しなかった。主な要因は、令和3年度退職者が増えたため退職手当負担見込額が減少したこと、及び西諸広域行政事務組合の地方債残高が減少したことなどにより、将来負担額が減少したこと、並びに財政調整基金や減債基金などの基金の積立てを行い、充当可能財源が増となったことがあげられる。今後も公債費等義務的経費を伴う事業については、事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。
前年度から2.8ポイント減少し、過去5年間では2番目の低数値となった。しかし、類似団体と比較すると、4.2ポイント高い数値となっている。今後も、事務事業の見直し、改革を進めながら職員の適正配置を引き続き行っていく。
物件費の経常収支比率は、過去5年間下降傾向が続いており、令和3年度に関しては、類似団体と比べ1.1ポイント下回った。これは、令和3年度の普通交付税額に追加交付があったことが影響し、全体の経常収支比率が減少したためで、決算額ベースで見ると物件費は増加傾向にある。このため、必要性と費用対効果の検証を行い、経常経費の削減に努めていく必要がある。
扶助費に係る経常収支比率は、生活保護費及び児童福祉費に係る扶助費が大きく減少したことが主な要因で、前年度から1.7ポイント減少し、過去5年間で最小値となり、全国平均値及び宮崎県平均値と比較すると下回ったが、類似団体と比較すると0.4ポイント上回っている。今後は高齢化等により扶助費は増となることが見込まれるので、資格審査の適正化等により、上昇傾向の抑制に努める。
その他に係る経常収支比率は、類似団体と比較すると5.6ポイント上回っている。主な要因は、施設の老朽化対応に伴う維持補修費の増額及び繰出金の増額によるものである。維持補修費に関しては、施設の老朽化対応を「えびの市公共施設等総合管理計画」に基づいて計画的に行う。また、繰出金に関しては、介護保険特別会計における介護保険料の適正化を図ることなどにより、普通会計の負担額を減らしていくよう努める。
補助費等は農産園芸事業及び畜産振興事業に係る補助費等の経常経費への見直し等により、前年度から0.8ポイントの増となったが、近年の数値と比較すると、ほぼ横ばいの状態となっている。今後も、補助金適正化に関する指針に基づく補助事業評価の実施や、補助金の終期をあらかじめ定める等、補助金適正化に努める。
公債費は前年度から0.1ポイントの減となった。類似団体より6.9ポイント低い数値となっており、過去5年間を見ても継続して低い状態を保っている。今後は、「えびの市公共施設等総合管理計画」に基づき、老朽化が進む市保有の施設等を計画的に更新し、起債額が急激に膨れ上がらないよう努める。
公債費以外は前年度から2.6ポイントの減となったが、以前として類似団体と比較すると高い状態にある。これは、人件費・その他が高いことが要因である。当初予算編成において経常経費のシーリングをかけるなど、財政圧縮に努めつつ、市税徴収率の向上を図り税財源の確保にも努めていく。
(増減理由)基金積立額が約12億4千万円に対し、取り崩し額が約8億1千万円であったため、令和3年度末の基金残高は、約68億7千8百万円となり、前年度から約4億3千万円増額となった。主な増額の要因は、財政調整基金及び減債基金の積み増しによるもの。(今後の方針)基本的には、それぞれの基金使途目的に基づいて積み立て取り崩しを行っていくが、喫緊の課題である公共施設の老朽化への対応や、今後実施する大型建設事業に備え、公共施設等整備基金を中心に特定目的基金の積み立てを行っていく方針。
(増減理由)前年度の決算剰余金の2分の1の約2億6千6百万円を積み立てたこと、また、一般会計への繰入額がゼロであったため、財政調整基金は、前年度より約2億6千6百万円増額となった。(今後の方針)災害等など不測の事態へ対応するための経費として、また、収支の不足等に対応し安定した財政運営を行っていくため、実質収支の黒字を維持し、財政調整基金への積立額を確保していく。
(増減理由)令和3年度臨時財政対策債の起債分に対して令和3年度普通交付税で措置された元利償還金分を積み立てたため、前年度より約8千万円の増額となった。(今後の方針)償還計画に基づきそれぞれの地方債を償還していき、収支のバランスを見ながら積み立て、取り崩しを行っていく。
(基金の使途)公共施設等整備基金:公共施設の建設や維持補修に係る財源心のふるさと基金:心のふるさと寄附金の寄附者が指定した地域福祉の充実・自然環境保全・伝統文化保全に関する事業等の財源職員退職手当基金:職員の退職手当の財源ぷらいど21基金:市民が実施するまちづくりを推進するため、市内4地区の地域運営協議会事業の財源子育て支援対策基金:第3子以降の保育料無償化給付等に係る事業の財源(増減理由)心のふるさと基金の積立金(寄附金と同額)が、事業への充当額を上回ったため約1億1千1百万円の増となった。(今後の方針)それぞれの基金使途目的に基づいて積み立て取り崩しを行っていく。
当市の有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値と同程度の水準にある。令和2年度に策定した「えびの市公共施設個別計画」により、施設の維持管理を適切に進め、さらに計画を具体的に見直し・改訂していく必要がある。
当市の債務償還比率は、県内平均・類似団体平均と比較してもを大きく下回っている。令和3年度普通交付税の追加交付を要因として財政調整基金残高が増額となったこと等により、将来負担額が減額したことが比率減少の要因となっている。今後も引き続き、公債費の適正化に取り組んでいく。
当市では地方債を計画的に発行して将来負担額の抑制に努めており、将来負担額を充当可能財源等が上回るため、将来負担比率は算出されない状況が続いている。有形固定資産減価償却率は上昇傾向にあるが、類似団体内平均値内におさまっている。ただ、上昇傾向にあることから、今後は公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化対策に積極的に取り組んでいく。
引き続き将来負担比率は算出されず、実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にある。実質公債費比率は緩やかに上昇しているが、これは平成28年度から令和2年度にかけての大型事業の市債の償還開始に伴うものである。次年度以降も比率の上昇が見込まれるが、急激な上昇は想定していない。引き続き、公債費の適正化に取り組んでいく。
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