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財政力指数については近年ほぼ横ばいの状況にあり、他団体に比べて低い状況も変わっていない。これは、人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(平成28年度末41.15%)により財政基盤が弱いといった背景によるものである。平成28年度においては寄附金等の増により基準財政収入額が増え、0.1ポイント改善した。財政力指数について改善目標数値は設定していないところであるが、今後はさらなる減少に転ずることのないよう、収納対策や新たな歳入の確保に取り組む必要がある。
歳出面では退職者増により約1億2千万円の増、扶助費が約1億2千万円の増となったこと、歳入面では地方消費税交付金が約5千万円の減となったことから、3.5ポイント高くなった。人件費、扶助費といった義務的経費の経常収支比率に占める割合は依然として高い状況にあるため、財政構造の弾力性は低いと言える。また、近年の財政健全化により職員数の削減や公債費残高の縮小に取り組んでいるが、扶助費や社会保障費の増大等により、大きな改善ができていない状況である。今後は「自立推進行政改革プラン」に基づくこれまでの取組に加え、給与体系の見直しや収納対策に取り組む必要がある。
類似団体平均に比べ人口1人当たりの決算額が高くなっているのは、主に人件費を要因としている。これは、市木地区に開設している診療所や市直営の保育所、単独で組織している消防本部など医師や保育士、消防士の人件費も含まれていることも一因となっている。これまで職員数の削減・コスト削減につなげてきたが、現行の行政サービスを確保するためにはさらなる削減が難しい状況となっている。これを改善するためには、これまでの努力も継続しつつ、給与体系の見直しや行政サービスの見直しを行うことも必要である。
これまでもワタリ制度の廃止及び昇給抑制の実施等行い、国と同じ水準に近づくよう努力しているところである。平成28年度より人事評価制度の導入に伴い、55歳以上の職員の昇給についても原則停止とし、人事評価の評価内容により昇給等対応を行っているところである。ラスパイレス指数が高いことについて、職員団体と共通の認識を持ち、国と同じ基準となるように職員団体と継続的に交渉を続けており、今後も給与適正化に向けて努力していきたい。
平成19年度に定員管理計画を策定し、民間委託や退職者の不補充等を継続的に実施し、職員数の削減に努めるとともに、現業職の撤廃の実施やほぼ全ての施設において指定管理者制度の活用による民間委託を実現してきたが、なお平均より高い状態である。また、本市の地域が広域であるため、単独で消防本部を組織している現状であることも一因となっている。平成28年度に新たな定員管理計画を策定し、保育所の民営化等により定員を更に引き下げる予定である。厳しい行政運営の状況であるため引き続き削減等の余地があるか検討していきたい。
実質公債費比率については市債発行額の抑制により年々低下を続けており、平成27年度と比較して0.5ポイントの改善がみられる。しかし、平成28年度は大型事業の実施があり、償還額以上の新規発行をすることとなったことから、元金償還が始まる平成32年度には実質公債費比率が若干悪化する見込みである。事業終了後には市債発行の抑制を継続し、数値の改善を目指すものである。
将来負担比率については、市債発行額の抑制や基金の積立等により、年々低下し続けていたが、平成28年度は中学校新設校施設整備事業や中心市街地まちづくり事業など大型事業があり、地方債残高が増加したことにより10.9ポイント増加した。数値目標は設定していないが、今後も「自立推進行政改革プラン」に基づき、市債発行の抑制や基金の積立等の対策を継続し、さらなる改善を目指すものである。
類似団体平均と比べ高い水準にある。これは保育所などの施設運営を直営でおこなっていることや、地域が広域であるため単独による消防本部を組織しているといった状況により、職員数が類似団体平均と比較して多いことが主な要因である。平成28年度においては、定年退職者及び人事院勧告による給料・期末勤勉手当の増により、人件費が増となった。今後は保育所の民営化を進めるなど、人件費の削減に努める。
物件費は類似団体平均に近くなっている。現在はスポーツ施設、文化会館、図書館、観光施設などの管理について民間委託を実施しており、今後も順次民間委託化を進めていく。物件費には委託料や修繕料等も含むため、施設がある限りは発生し、増大していく見込みである。今後は公共施設等総合管理計画に基づき施設の統廃合や面積減を実施していくことで、物件費の削減を行っていく必要がある。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、かつ上昇傾向にある要因として、養護老人ホームが市内に2施設あり、上昇する高齢化率(41.15%)に伴い、措置者が多いことが要因となっている。また、社会保障の充実・多様化や生活保護者数も年々増加傾向にあり、扶助費が財政を圧迫する状態である。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均より高くなっているのは、繰出金の増加が主な要因である。平成28年度においては簡易水道統合事業のため、簡易水道特別会計への繰出が増となった。簡易水道統合事業完了に伴い、特別会計への繰出は今後減少していくが、医療などの社会保障費に関する繰出は高齢化の進展とともに増えることが予想されるため、医療費抑制に努める。
経常収支比率における補助費等の比率が類似団体平均を大きく下回っているのは、義務的経費の割合が多大であることに加えて、市単独補助金の終期設定の徹底や定期的な事業効果の見直し実施等が要因と思われる。平成28年度においては、ふるさと納税の基金推進事業拡大に伴い増となった。今後も補助金の見直しや廃止などを継続的に取組み、適正な財政運用に努める。
公債費については、一般会計の地方債新規発行額を公債費元金の償還額以下に抑制しているため、年々減少してきている。しかし、平成27年度に引き続き、平成28年度においても大型事業の実施があったため、償還額以上の新規発行をすることとなった。今後も大型事業が数年続くことが見込まれるが、事業終了後は従来の市債発行額抑制に努めていく。
公債費以外での比率が上回っているのは、人件費及び扶助費が要因となっている。人件費については、定年退職に伴う人員減を埋めるための補充を抑制するなどしているが、扶助費については、全国的にも生活保護費や児童福祉費といった社会保障費の増に伴うものである。今後も扶助費の増に伴い、市の財政を逼迫し影響を与えるものが大きいと考えられる。
当市では、平成28年度に策定の公共施設等総合管理計画において、延床面積を今後40年間で約60%圧縮するという目標を掲げ、公共施設の新規整備の抑制や既存施設の複合化・除却を進める方針である。有形固定資産減価償却率については、類似団体より低い水準にあるが、今後も当該計画に基づいた施設の維持管理に適切に取り組んでいく。
平成27年度は大型事業の実施があったため、例外的に償還額以上の新規発行をすることとなったが、年々、地方債の新規発行を償還額以内に抑制してきた結果、将来負担比率が低下しており、類似団体と比べて低い水準にある。今後、大型事業の起債により一時的に将来負担が増加する見込みであるが、事業終了後は、従来の市債発行額抑制に努め、数値の改善を目指していく。また、有形固定資産減価償却率においても類似団体より低い水準にあるが、大型事業の更新等によるものと考えられる。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の除却を行っていくなど、公共施設の維持管理に取り組んでいくこととしている。
将来負担比率及び実質公債費比率ともに類似団体と比較して低くなっている。これは、原則的には一般会計の地方債新規発行額を当該年度元金償還額以下とする抑制を継続してきたためである。ただし、平成27年度は大型事業の実施があったため、償還額以上の新規発行をすることとなったが、事業終了後は従来の市債発行額抑制に努め、公債費の適正化に取り組んでいくこととしている。
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