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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(平成29年3月末31.3%)に加え、基幹産業である農林業所得の低迷や中心街の衰退などにより、財政基盤が弱いため財政力指数はここ数年横ばいの状況が続いている。基幹産業の活性化はもちろん、若者の定住化促進と企業誘致による雇用拡大を目指す施策の展開を図るとともに、市税徴収率向上(平成25年度97.88%から平成29年度98.50%)、遊休資産の売却、地場産業の育成を積極的に推進し、自主財源の確保に努める。
扶助費及び公債費の増により97.0%と類似団体平均を上回っている。扶助費については資格審査等の適正化で前年度からの増加を最小限に抑制し、公債費については交付税措置のある有利な地方債の発行に努める。庁舎等整備などの大規模事業を実施しているため、第三次行政改革大綱(平成27.3月策定)に基づき、公共施設の統廃合による維持管理費の削減、各種団体への補助金や施設利用料の見直しを実施していく。
人件費については、平成28年熊本地震に伴う時間外勤務手当の増により増加した。また、物件費についても、平成28年熊本地震に伴う災害廃棄物処理等業務費などの増により増加し、類似団体を上回る結果となった。庁舎等整備などの大規模事業を実施しているため、公共施設の統廃合による維持管理費の削減、公共施設の民間移譲、統廃合を推進するとともに、各種団体等への市単独補助金の見直しにより、コスト削減を図る必要がある。
ラスパイレス指数については、以前より類似団体平均よりも低い水準で推移してきているが、平成27年度については、昇給基準の見直し等により類似団体平均を一時的に上回った。しかし、今年度は前年度と比べて1.5%減少し、類似団体平均を下回った。全国市平均よりも低い水準にあるため、今後も引き続き適正な給与水準を保つよう取り組んでいく。
平成18年3月に「定員適正化計画(平成17年:613名)」を策定し、平成29年4月1日現在で、478名であるが、計画策定時から比較すると目標値を大幅に上回る削減(-135人、削減率22.0%)を行ったため、類似団体平均を下回る結果となった。今後も厳しい財政状況の中にあっては、市民サービスの低下を招くことがないよう配慮しつつも、業務の集約化を行い、効率的な人員配置を進めていく必要がある。
合併特例事業債や臨時財政対策債の元利償還金の増、普通交付税の減などにより、前年度と比べて0.6%悪化した。しかし、庁舎等整備など大規模事業の実施及び平成28年熊本地震による被害の復旧のための地方債発行などにより、平成29年度は一般会計における公債費は増加し比率は上昇していくものと予想される。緊急性や事業効果等を全体的に検証した上で、真に必要な行政サービスの事業選定を行い、償還額の平準化により後年度への負担軽減に努める。
平成28年度も前年度と同様に、充当可能財源が将来負担額を上回り、将来負担比率の指標はなかった。平成29年度は平成28年熊本地震による被害の復旧のための地方債発行が続くため現在高の減少は見込めず、財政調整基金の繰入も見込まれるため、比率は上昇する予想である。しかし、平成30年度以降は、庁舎整備等の大型事業の終了に伴う地方債発行額の減少により、地方債現在高は減少していく見通しであるため、事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。
人件費については、平成28年熊本地震の対応による人件費の増により前年度と比べ1.0%の増となったものの、平成27年度以降は、類似団体平均を下回っている。これは、全体の職員数について、合併当初の613名から平成29年4月1日現在で478名と大幅な削減を達成したためである。平成26年4月に策定した新たな定員管理計画では、平成35年までに現状より57名の職員削減を目標としており、引き続き職員数の抑制に努めていく。
物件費に係る経常収支比率が高くなっているのは、予防接種業務委託料などの増が主な要因である。庁舎等の整備など大規模事業が実施されているため、今後は公共施設の統廃合による維持管理経費の削減、各種団体への補助金や単独補助金の縮減・廃止を含めた見直しを行っていく。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、毎年上昇傾向にある要因は、全国平均を上回る高齢化率(平成29年3月末31.3%)に加え、障がい福祉サービスの利用者増加や子育て支援による医療費助成制度の拡充、長引く景気低迷による生活保護受給世帯の増加によるものである。資格審査等の適正化などで財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他における経常収支比率が類似団体平均を上回っているが、国民健康保険事務費繰出金の減により前年度よりも0.5%の減となっている。繰出金については、今後、特別会計における経費削減により経営健全化と効率性を高め、特別会計の自立に向けた基盤強化を図り、一般会計からの基準外繰出の縮減に努める。
コミュニティバス・乗合タクシー運行補助金や菊池広域連合負担金の増により、補助費等に係る経常収支比率が前年度に比べ0.9%の増となっている。今後も引き続き、行財政改革により整理合理化を図り、各種団体への補助金や単独補助金の縮減・廃止を含めた見直しを行う。
合併特例事業債や地方交付税の財源不足を補うために発行した臨時財政対策債の元金償還開始等により前年度と比較して2.2%増加し、類似団体平均を上回った。今後も、庁舎等整備などの大規模事業の実施及び平成28年熊本地震の影響により公債費の増加が見込まれるため、緊急性や事業効果等を全体的に検証した上で真に必要な行政サービスの事業選定を行い、市債発行額と元利償還額の適正なバランスを調整し、公債費の抑制と平準化に努める。
これまでと変わらず類似団体平均を上回っている状況にある。今後は公共施設の統廃合による維持管理経費の削減や、少子高齢化に伴う扶助費の適正な給付、全庁的な物件費、補助費等を重点的に改革していく。また、特別会計への基準外繰出しの抑制など、積極的に行財政改革を推進し、経常収支比率の上昇を抑えていく。
将来負担比率、実質公債費比率ともに近年減少傾向にあり、類似団体と比較して低い水準にある。平成27年度に将来負担比率の指標が発生しなかった主な要因としては、合併特例債を活用した地域振興基金を13億円造成した結果、充当可能財源が将来負担額を上回ったためである。実質公債費比率が減少傾向にある要因としては、災害復旧費等に係る基準財政需要額や標準税収入額等の増加によるものである。しかし、今後は、庁舎や図書館、市民広場の整備事業等の主要な事業の展開や熊本地震の影響により、地方債の発行の増加が予想されるので、緊急性や事業効果等を全体的に検証した上で、真に必要な行政サービスの事業選定を行い、後世代の負担軽減に努めていく必要がある。
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